鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

予め慰謝料300万円の支払いの念書を取ったうえでの不倫裁判とは驚いた

2014-02-27 | Weblog
 26日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。午後1時半から823号法廷での和解金等請求の民事裁判を傍聴した。一見、地味な印象だったせいか、他に傍聴人は見かけなかった。まず、原告に対する証人尋問で原告の夫が被告と不倫関係にあった、との事実が明らかにされた。そこから和解金請求にどう結び付くのか、と思っていたら、不倫の事実が判明した段階で、原告は夫に命じて不倫の相手である被告をホテルの一室に呼び出して、不倫の事実を確かめたうえで、慰謝料として原告に300万円を支払うという文書を読み上げて、署名、指印を押させた驚くべき事実が判明した。不倫裁判で不倫相手から慰謝料を支払うと確約を取ったうえで臨んだのは聞いたことがない。
 慰謝料請求書のほかに今後夫との交際を止めることと、不貞の事実を認め謝罪文を書くことと、1週間以内に支払わなかった場合は慰謝料にさらに100万円を上乗せする、との念書も被告に読み上げさせ、同じように書名、指印させた、という。この後に原告の指示により、原告の夫は被告に対し、土下座して謝ることも行った、というからまるで不倫ドラマの結末を見ているような感じだった。
 次いで証言に立った被告は不倫の事実は認めたものの、閉鎖されたホテルの一室で「何をされるかわからに恐怖心があった」と打ち明けた。代理人に質問に答え、椅子席に座り、その前に原告がベッドに腰掛け、入口への通路のフロアの上に不倫相手だった原告の夫が座り込み、まず「不倫の事実を質され、その後で用意してきた謝罪文と慰謝料請求書、それに念書を読み上げさせられ、署名、指印を要求され、言われた通りにしないとただで帰してもらえないような心境になった」と告白した。原告の夫はホテルに行った際に原告に言われて坊主頭に刈り上げていて、普段掛けないメガネも掛けていて、不気味な雰囲気を出していたことも預かっていたようだ。
 被告は慰謝料請求書に署名、指印したものの、その後要求通りには慰謝料は支払わなかった。代理人の質問に答える形で、「金額が適切なものだったら払う積もりはあったが、要求通りには支払う積もりはない」と語った。また、原告からの支払い要求に対しては「代理人を立てて対応する」と答えてきた。
 一方、原告はすでに夫とは別居しているうえに、夫婦関係は破綻しており、現在夫はうつ病になって、この裁判にも現れなかった。
 原告が被告に署名、指印させた請求書が効力のあるものなのか、という点がこの裁判の争点といえ、もうひとつ300万円が妥当な額なのかが問われるべきだろう。不倫裁判でこうして慰謝料を認めさせたうえで争うのは珍しいともいえるが、被告が不倫の事実を認めて署名、指印しているのは不利であるのは否めない。
 裁判官は原告に対し、「慰謝料請求書などはだれかに聞いて作成したのか」と尋ね、原告は「インターネットで調べた」と答えたが、ネットだけでこうしたヤクザまがいの手法が会得できた、とはにわかには信じがたい。裁判官は証人尋問を終えた後で、被告側のある程度の非を認めたうえで、両者に対し、個別に和解を打診することで了解を得た。おそらく100万円前後の支払いで和解することで決着を見ることだろう。
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国民を馬鹿にしたような姿勢でTPP交渉に臨むのは止めてもらいたい

2014-02-26 | Weblog
 シンガポールで行われていたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉の閣僚会合が再び先送りとなり、漂流することとなった。ここ1年強にわたるTPP交渉に関する報道はいつも一体何を話し合っているのか、さっぱりわからない状況で、「合意に至らず」とか、「譲歩できず」といった抽象的な表現ばかりが出てきて、交渉にあたる甘利明TPP担当大臣も苦虫をかみつぶしたような表情で同じような言葉を口走るだけで、第三者には一向に理解できない。特定秘密保護法案の対象になっているのか、実態は定かではないが、余りにも国民を馬鹿にした対応ではないか、と腹が立って仕方がない。
 もともとTPP交渉は米国の要請に従い、前の民主党政権の時代から交渉に応じよう、との姿勢から日本として参加しているものではあるが、いつまで経っても交渉の中身について秘密のベールに包まれたまま、関係者一同、口に封をして事態に対応しているのはいかがなものであろうか、と思われる。日本はコメや牛・豚肉など重要5項目の関税維持を主張しているのに対し、米国は自動車をはじめとする工業製品に対する関税引き上げを主張しているなど国ごとに守りたいラインが様々で、2国間のみならず他国間での交渉が難航するのは理解できるが、その詳細がベールに包まれたまま、交渉の結果だけが発表されるのでは何が何やらわからない。
 TPP交渉の閣僚会合にはJAなど農業団体の圧力団体も同行し、それに自民党の議員団も付いていっているような報道も耳にするが、こうした人々に対しても同じように箝口令を敷いているのだろうか。同じ自民党議員ということで多少の情報が流されるようなことはないものだろうか。交渉を取材している同行記者団はそれを取材しないものなのだろうか。また、従来はこうした外交交渉においては交渉相手の米国なり、その他の国から交渉の内容などが明らかにされ、それが日本にも伝わってくるようなことがあったが、このTPPについてはそれも一切ない。
 昨年末に日本で成立した特定秘密保護法案の関係で、特に政府関係者の間での国家秘密に関する情報の漏洩についての認識が高まったのだろうか。とはいえ、そうしたなかでも国民が知りたい情報を得るのだ、という決意を持たない新聞、テレビの記者連中も情けない。日頃、政府の発表するだけの報道に慣れきってしまったお囲いの記者には期待するのは無理なことかもしれない。特定秘密保護法案は日本だけのことではないので、各国とも同じような状況にあるとしたら、国民はつんぼ桟敷に置かれるということなのだろう。
 日本政府というか、安倍政権としてはTPPは交渉がまとまった段階で、全貌を明らかにするというスタンスなのだろうが、それで世論は納得してくれる、と踏んでいるのだろう。安倍政権に対する支持率がいまのところ高いことから楽観視しているのだろうが、そんな高い支持率がいつまでも続くわけはないから、いずれ落ちてきた段階ではそんな国民を馬鹿にしたような姿勢で乗り切れるものでもないだろう。
 どこかで、TPP交渉の中身を明らかにした方がいいと思うが、いかがなものだろうか
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大雪で転んで腰痛になり、2週間悩まされた。腰は足の先までつながっていることを実感した。

2014-02-25 | Weblog
 この2週間、腰痛に苦しめられた。ことの発端は2週間余前の45年ぶりの大雪にある。8日の午後、近くの町内会館でマンションの理事会があるので、行こうとすると、前夜からの雪で昼間にも拘わらずエントランスはすでに10センチ強の雪が積もっていた。右手に傘、左手の資料を持っているので両手がふさがっていて、ゴム靴ですってんころりと滑って、両足を開いたまま腰を撃ってしまった。相当強くぶつけたのにその時はほとんど痛みを感じることもなく、急いで坂を再度転ばないように降りて、会議に向かった。会議に入って、胡坐を掻いて座っているとどうも腰が痛くなってくるので、正座してなんとかしのいでいたが、転んで腰を撃ったせいだとは思わなかった。
 2時間くらいして終わってマンションに戻ってくると、まだ雪が降っているのにエントランスで雪掻きをしている人がいて、ご苦労さんなことだ、と感心した。その思いが、翌朝ジョギングに起きた際に、せめてマンションの人たちに恩返しをしなくては思ったのか、坂道の雪掻きをすることにつながった。マンションを出たところは傾斜度26度と並みの坂ではなく、こんなに大雪では降りるのに一苦労するので、少しでも除雪してあれば助かる。と思って、坂の上から人が通れるくらいの道幅で除雪をしていった。途中、しんどい場面もあったが、なんとか下まで道筋を作ることができた。おかげで、汗びっしょりとなり、家に帰ってから肌着まで着換えるほどにまでなった。
 ところが、その翌朝、起きると腰に痛みが出て、いつもやっている腹筋など屈伸運動はもちろん、腰を曲げることもできなくなってしまった。あとで考えてみれば坂の雪掻きは下から上へ向かってすべきで、上から下へ向かって行ったため、腰により負担がかかったものと判明した。歩くことがいいだろう、と思って、ジョギングしても途中で歩き始めてしまう始末。これまで軽いぎっくり腰になったことがあり、2、3日安静にしていれば治るだろう、と思っていたが、なかなか治らない。
 特に椅子に座っていると、すぐに腰が痛くなってきて横にならないとどうしようもなくなってくる。見かねたかみさんがヨガでの腰痛への対処法を教えてくれ、横になって足を屈伸させて腰を労わる体操などを教えてくれた。それを折りにつけやってはみるが、一向に回復せずに、とうとう2週間経っても改善しない状況が続いた。年とって骨が固くなってしまっているせいもあるのかな、とも思ったりした。
 で、昨夜になって、思い余ってかみさんにマッサージを頼み、背中から順番に揉んでもらったところ、足から足の裏までいったところ、右足の裏がカチンカチンに固まっていることが判明した。いままで足の裏を揉みほぐすことなどしたことがなかったので、こんなにカチカチに固まっていることなど考えもしなかった。かみさんも驚いて、「1週間くらいはかかることでしょう」と言っていた。そういえば、足をちょっと動かすだけで痙攣みたいになったりしておかしいな、と思っていた。
 かみさんによれば、「腰は手の先から足の先まですべてつながっていて、単に腰だけを揉んでいても治らない」という。そういわれればそうだ、と思って、しばらく右足の裏を揉みほぐし、お風呂に入ってからも足を重点的に揉みほぐした。それで、就寝し、翌朝起きたところ、いつもよりはかなり腰もよくなってきたようだった。
 大雪の後遺症は庶民の生活のこんなところにまで及んでいる。
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戦争とは何かを考えさせてくれた演劇「アルトナの幽閉者」

2014-02-23 | Weblog
 22日は東京・初台の新国立劇場でジャン・ポール・サルトル原作の「アルトナの幽閉者」を観賞した。3時間強にわたる演劇で、一部見ていてしんどい場面もあったが、見終わってみて戦争の責任を問うた重厚な作品であった。主演の戦争帰還者で13年もの間、戦争で犯した罪の責任から逃れられない半ば狂気のフランツを演じた岡本健一の鬼気迫る演技ぶりには圧倒された。サルトルがここで言いたかったことはヒットラーの戦争責任なのか、こうした狂人を生み出す戦争を憎んだのか、いろいろ考えさせてくれた演劇であった。
 いまはハンブルクとなったドイツ・アルトナのある家庭で、喉頭がんに冒され、余命あと半年と宣告されたドイツきっての造船業の経営者である父親は自らの会社の後継者を決めるべく家族会議を開き、次男のヴェルナーに跡を託すことにするが、会議に出席しない長男のフランツのことが気になって仕方がない。ヴェルナーの妻、ヨハンナに猛反発されたこともあって、13年ぶりにフランツに会ってみよう、と言い出す。そこで、その仲立ちをヨハンナにお願いする。
 そのフランツは戦後、アルゼンチンに亡命し、3年前に死んだことととなっているが、実は家に2階に引きこもったまま人目には狂気に生活を送っており、妹のレニだけが世話をしていて、他のだれとも会おうともしない。そこへ訪れたヨハンナにフランツは惚れこんで、最後には13年ぶりに俗世界に出てきて、父親と再会を果たす。
 それまでのフランツの狂気ぶりを主演の岡本健一が見事に演じ切る。時には自ら蟹だといって、両手を前に突き出して、蟹の横這いをしたり、突然貝を両手に持って掏り合わせたり、狂気といわれても仕方のない動作をして、相手を驚かせる。そうかといえば、ヨハンナ役の美波に恋を打ち明けたり、時々正気に戻るふりをする。そして、戦争の際に捕虜を虐待して部下の殺させた幻想に怯えるような場面もある。舞台の正面にはヒットラーを描いた垂れ幕が飾ってあり、一応崇拝しているような雰囲気を出しているが、その像に向かってフランツは時に物を投げつけ、心の葛藤を浮かびあがらせる。
 そうした狂気と正気の混ざった場面が延々と続いた最後に、フランツは父親と再会を果たし、お互いに思っていることをぶつけ合い、双方とも謝りながら、戦争がもたらした世の中を恨み、かつ認め合う。父親は「戦争に負けたことによってドイツは戦後の繁栄を勝ちとった」と語る。そして、父親はフランツを連れ出して、ドライブに出かけたところで、幕となる。その後に登場したヨハンナとレニの会話から父親とフランツは自動車事故で亡くなったことを暗示させて、幕となる。
 サルトルが言いたかったことは戦争が悲惨なものを残したということだったのか、ヒットラーの罪は重いといいたかったのか、父親の言う通り、戦争に負けたことで、ドイツは繁栄を勝ち取ったのか、とにかく考えさせてくれる演劇であった。
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安倍首相は集団的自衛権の解釈など憲法改正ばかりに目がいっていて、政治家本来の使命を忘れているのでは

2014-02-16 | Weblog
 東京にいすれも週末、2週間続けて45年ぶりという27センチもの雪が降った。おかげで4開催連続で東京競馬場の開催が見送りとなった。甲府では114センチと気象観測が始まって以来の積雪量を記録するなど前代未聞のことが相い次いだ。日本の大動脈である東名高速道路が降りしきる雪に立ち往生する車両が出て、加えて衝突事故を起こし、通行不良となり、15、16日の両日にわたり機能不良となった。こんなことも初めてのことで、上空のヘリコプターから撮影した高速道路の上には立ち往生するトラックが列を成していて、つくづく日本は降雪には慣れていないことを思い知らされた。
 16日朝はいつもの休日のように午前6時ころに246号線沿いをジョギングに出かけると、日曜日にも拘わらず車両が連なっており、渋滞しているのが一目でわかった。休日にこんな状態になるのを見たのは初めてのことで、東名高速道路が通行できないため、下の一般道路に迂回しているためと見られ、前日に引き続いて全面通行止めとなっていることがうかがわれた。家に帰って、テレビニュースを見ると、果たして東名高速道路は通行できない状態である、と報道していた。
 その余波なのだろうか、いつも愛読していた毎日新聞は結局、15日の朝刊、夕刊とも配達できず、届かなかった。新聞が休刊日でもないのにまる1日配達されなかったのは初めてのことだ。雪国ならともかく太平洋に臨む表日本でこんなことになるなんて信じられない事態だ。
 16日夕刻に近くのOKストアに買い物に出かけると、パンのコーナーはすっからかんで、牛乳、豆腐など日配品のコーナーには「一部の商品は入荷できない状態で、品切れとなることもありえます」と書いた貼り紙が張り7出してあり、高速道路の通行不可の影響が出始めていることを物語っていた。いつもに比べやけに人が多いのもそのせいか、と思えるほどだった。
 東北、北海道など雪国では1メートルを超える雪など日常茶飯のことで、雪が積もったら対応の仕方については万事決まった方法があり、こんな混乱は惹き起こさないことだろう。しかし、東京、名古屋、大阪の太平洋ベルト地帯では慣れていないので、思わぬ混乱を引き起こす。気象面では30年に1回しか起きないことを異常気象ということにしており、今回の首都圏の大雪はほぼそれに該当する異常気象といってもいい。異常気象だから、対応に不慣れなことがあったのもやむを得ない面もあるが、だからといって許されるわけではない。2週間も続けて起きればもう異常気象とはいえない。
 人々が甘く見て自動車で繰り出し、高速道路上で立ち往生するようなことが起きないように政府、行政機関が注意を促し、大雪への対応を揺るがせにしないことが望まれる。テレビの天気予報の在り方も考えるべきだろう。
 安倍首相はみずからの政治スタンスの報道がどうあるか、どうあるべきかばかりに留意していて、こうした大雪など異常気象に対する警戒注意報がどうあるべきか、避難、対応などについてどうすべきか、などについてもっと配慮する必要がある。集団的自衛権をめぐる憲法解釈など憲法改正にばかり注意がいっていて、国民の生活をいかに守るか、という政治家本来の使命を忘れているのではないだろうか。
 
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野口一橋大名誉教授「政権が企業に春闘ベアを要請するのは自由主義経済の原則に反する」と吠える

2014-02-09 | Weblog
 9日朝のTBSテレビの「時事放談」にパネリストとして登場した野口悠紀雄一橋大名誉教授は「いまの株高はもっぱら円安によるものだ」として、来年度の日本経済について司会の御厨貴東大教授から聞かれると、「13年度の経済成長をもたらしたのは金融緩和によるものではなく公共事業と消費税アップ前の駆け込み消費によるもので、2014年度は間違いなくマイナスとなる」とバッサリと切り捨てた。これに同調してもう一人のパネリストの片山善博慶大教授も「いまの株高がアベノミクスによるものと自慢するのもいかがなものか」と安倍政権の経済政策をこきおろした。
 野口教授は貿易収支の大幅な赤字について「円安の7もたらしたもので、海外からの企業収益などからくる所得収支を重視する政策をとるべきで、日本の経済成長を図るために国内産業を振興するような政策をとり、このために原発再稼働をめざすのは間違っている。日本経済に7とって円安がいいとはいえず、むしろ円高のがいい」とも語った。
 また、野口教授は今春闘で労働者の賃金が上がるかどうか注目されていることについても「企業の利益が増えたから、賃金を上げるべきだというのは間違いで、逆に賃金が上がらなかったから企業の利益が増えたのだ」と指摘し、片山教授は「政府が企業に対して賃金を上げろというのは矛盾している。最近はこうした声かけ政治が多い。本来の政権がやる政策ではない」とし、野口教授も「こうしたパーフォーマンスは自由主義経済の原則に反している」と安倍首相の言動に異を唱えた。
 野口教授はこれに関連して、「日本の産業構造を変化7してきていることに注目すべきだ。製造業が減って、介護医療や外食などサービス産業の比重が高まり、全体として労働者の賃金が減少してきている。だから、欧米のように金融、ITなどの新しい産業がおきてくるような政策をとらないとカバーできない」とアベノミクスがとっている経済政策について疑問を投げかけた。
 時事放談で、最後にいまの政権に対する注文を聞かれた野口教授は「日本経済の実態を直視してほしい」と語った。政権発足後1年余を経過して、株価の上昇で高い評価の出ている安倍政権ではあるが、その株価上昇はもっぱら円安によるものと切り捨て、肝心の来年度の経済動向についても「間違いなくマイナスになる」と断じ、浮かれているアベノミクス礼賛論者に痛烈な一撃を加えた。
 安倍政権発足前後は浜田宏一内閣官房参与の名前をよく見かけたが、最近は全くといっていいほどマスコミで聞かなくなった。頼みの東証株価も失速気味であり、ここでテコ入れしないとアベノミクスもこのまま失速ということになりかねない。ソチでの冬季オリンピックの開会式に列席し、得意満面の安倍首相に挽回できるのだろうか。
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会場内の雰囲気に呑まれたのか、つい気に入った絵画を購入してしまった

2014-02-03 | Weblog
 2日は東京・水道橋の後楽園ドームで幕開けした「テーブルウエア2014」に行った。時々行っているが、初日に行ったのは初めてで、午前11時開場すぐに行ったところ、会場を取り巻くように入場者の列が延々と続いており、雨の中20分近く待ったうえで、入場できた。入場料2000円(前売り1700円)も払って、並ばされるのも業腹だったが、帰るわけにもいかず渋々列についたが、中に入ってみるとそれほどの混雑でもなく、入場の際の荷物チェックに時間がかかったため、と思われた。
 まず入口脇にあった「Style of New York」の米国風テーブルセットの展示を見たあと、会場内でランチを摂って、主催者展示ブースから順番に見て回った。岐阜県土岐市の「どんぶり百選」で気に入った丼を3点ばかり購入し、東京都内にある窯という「とうしょう窯」で皿、伊万里焼きの四角い皿を買った。初日とあってよくて価格の安いものが多い様な気がした。最後に会場の外野フェンス沿いにある絵画コーナーをぶらついた。いつもはほとんど人もいなくてちょっと見ようものならすぐに店員につかまってしまうので気がひけてしまうのに、これも開催初日のせいか結構人がたかっていて、じっくりと見られた。なかで、版画家の棟方志功の天女を描いた版画が目を魅いた。
 その作品はいかにも棟方志功らしいふっくらとした天女を描いた作品で、見るものをほんわかとさせてくれるような心温まるようなものだった。以前から棟方志功の作品はいつか家に飾りたいとは思っていたが、価格が1枚当たり100万円前後していたので、とても手が出るようなものではなく、諦めていた。それが半値の50万4000円と表示されていた。最近の相場も調べていなかったので、それが安いのか、高いのかわからなかったが、ちょっと交渉してみる価値はあるような気がした。
 そこで、寄ってきた店員に聞くと、「お手伝いで詳しいことはわかりませんので」と言って中年の男性を連れてきた。聞けば、棟方志功の新作で、絵から起こした版画だ、という。額縁の裏には連番が打ってあり、「194番」と書いてあり、240刷ったなかの1枚だ、という。なんでも棟方志功には息子さんが2人おり、そのうちの1人が権利を持っていて、父の残した絵を新たに版画にしたものだ、という。棟方志功の作品は東急百貨店が一切の権利を持っていて管理している、ともいう。で、肝心の値段は20~30%方安くなる、というので、向こうの言い値で、即買うことに決めた。
 手続きをすると、出店していたのは東京・日本橋にあるF画廊で、なんと応対してくれていた人はその画廊の社長さんだった。トップ自ら出品しているすべての作品について講釈できて、価格交渉をするというその気合いに飲まれてしまったのかもしれない。
 考えてみれば、ここのところの生活費の1カ月分で即購入を決めてしまったのだから、かみさんからみれば恐ろしいことだったろう。前にも軽井沢の万平ホテルで、見ていた絵を大幅に値引きしてくれたので、すんなり購入したことがあるが、絵の購買というのは勢い、というか、我ながら若干恐ろしいところがある。
 家に帰って、購入伝票をみながらネットで購入した作品の値段をチェックしてみたところ、某大手新聞社系列の会社が購入したのと全く同じ値段で通信販売していたので、それほどサービスしてくれたわけでもないことが判明した。棟方志功の作品が数多く出回り始めたということかもしれない、とも思った。別段損をしたわけではなく、気に入った絵画を購入するにあたって、会場内でのやりとりを楽しんだということになる。ただ、それでも、店頭での表示価格は一体何だったのだろうか、というのが気になった。
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北朝鮮の拉致問題を解決するにも日中、日韓関係がうまくいっていないとダメ

2014-02-02 | Weblog
 2日のTBSの「時事放談」にパネリストとして登場した田中均・日本総研理事長(元外務省審議官)は得意の北朝鮮・拉致問題について「日本政府ももっと大きな構図を描いて北朝鮮との交渉にあたらなければ、解決しない」といまの安倍政権の外交姿勢についてバッサリと切り捨てた。北朝鮮の拉致問題を解決するには「日中、日韓とも仲良くして、そのうえで北朝鮮と交渉し、単に拉致問題だけを切り込むのではなく、核の問題から経済問題まで幅広く議論していかないと拉致家族を返すようなことにまでつながらない」とも語った。安倍首相は北朝鮮の拉致家族を日本に帰還させた際の官房副長官として名をあげた人で、その割りには事の本質を全く理解していない、と言いたげだった。
 田中氏は「先月下旬のオバマ米大統領の一般教書のなかで、中国に触れた部分は1カ所しかなく、それも米国の問題に関連して付随的に言及されたに過ぎず、米国はいまは国内の問題解決にしゃかりきとなっている」と指摘し、米国から見れば、日本はさらにその先にあるとしたうえで、そのなかで日米問題をとらえれば、せめて日中関係は波風立てないで穏便に進んでほしい、というのが米国のスタンスだ、と語った。だから、安倍首相の靖国神社参拝で日中間の外交関係がぎくしゃくするなんてことは「失望」以外の何ものでもない、というわけだ。
 もともと、米国から見た日本は友好国ではあるが、それほど重きを置いてものではない。いまや米国にとって最大の影響を及ぼすのは中国であり、欧米諸国からその中国といまや戦争を仕掛けているのではないか、と見られているのが日本である。さきのダボス会議で講演した安倍首相が日中関係を問われて、「100年前の第1次世界大戦前の英独の関係に似ている」と語ったことから、安倍首相が中国に対して戦争を仕掛けている、と思われているのである。
 安倍首相としては日本を強くするために隣国の中国、韓国に弱みを見せてはならない、と突っ張っているのだろうが、本人の思惑は国内の戦争を知らない若者には受けていて、安倍首相はそれをよしとするようなところが見られるが、とんでもない思い違いである。田中氏の言うように対北朝鮮との交渉に於いても日中、日韓関係がうまくいっていないことには説得力がないし、肝心の交渉がうまくいかないことは目に見えている。言われてみればその通りなのだが、安倍首相にはそのあたりは全く見えていない。側近にイエスマンばかりを配しているので、バランスのとれた意見を言ってくれる人は全くいないということなのだろう。
 田中氏は2002年9月の小泉・金正日の首脳会談で、北朝鮮に拉致問題を認めさせ、拉致家族を帰還させた立て役者で、この会談を成功させるために北朝鮮に対してメリットのあるような会談に持っていくためにあらゆる努力をしたことを振り返り、それに比べればいまは単に拉致問題の解決を要求するだけで、これでは効果がない、とも語った。先のチョン・ソン・タク(張成沢)氏粛清の背後にあるのも党と軍との派遣争いで、金正恩党第一書記は冷酷だ、とも語り、いまだに北朝鮮についての第一級の専門家であることもうかがわせた。かつての同志でもある田中氏の意見を聞こうともしない安倍首相の外交は極めて危ういものであることをいまさらながら感じさせてくれた。
 
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