16日、米トランプ大統領が「安部首相がノーベル平和賞にトランプ大統領を推薦してくれたと記者会見で明らかにした。今月27日にヴェトナムで開催される米国と北朝鮮の首脳会談を前にこんなタイミングで明らかにされたのはいかなる意味があるのか。米国の研究機関の調べによると、北朝鮮はいまだに核開発を着々と進めており、昨年6月の核廃棄を約束したトランプ・金正恩会談は一体何だったのかが問われているのにとんでもないことで、世界に恥をさらすノーベル平和賞推薦ともなりかねない。早々には韓国の文大統領の間違い」ではないか、との観測が流れたが、日本の官邸筋が「トランプ大統領から依頼されて行った」と表明しただけにこの波紋は大きく広がりそうだ。
トランプ大統領は同じタイミングで国境に壁を構築することで国家異常事態宣言に踏み切るとの意向を表明しており、その時の記者会見で、CNNの記者から「国境を超えてくる移民より、米国内に住む人の方のが犯罪率が高い」と質問されると、統計が間違っているのだと言わんばかりに「フェイクニュース」と切り捨てた。日本の国会でも統計の問題で激しくやりあっているのを彷彿とさせるシーンに安部首相とトランプ大統領が似たような境遇に追い込まれていることを思い知らされた。そういえば、安部首相はトランプ大統領の犬のようにすり寄っているが、お互い似たもの同士ではないか、とも思い至った。安部首相の推薦文には冒頭「日本を代表して……」と入っているようで、日本国民としてそんなことを了解してはいない、と申し上げたい。
安部首相はこのところ、統計不正問題をきっかけに土俵際まで追い込まれようとしている。先週の自民党大会での「悪魔のような民主党政権」との」発言で岡田克也立憲民主党議員から撤回を迫られて、その意思のないことを言明、あまつさえ党首としてふさわしくなく「言論の自由だ」と言い切った。同じ自民党大会で自衛官の募集に際し、「市町村の6割が協力してくれない」とお門違いの不満をぶちまけた。市町村が協力しないのは自衛官の募集にあたって個人情報の閲覧について公開できないことを理由としているのであって、いかにも自衛隊を嫌っているかのように見做すのはいかがと思われる。これについては小野寺五典膳防衛相が自民党員に市町村に協力を呼びかけるよう文書を出すおまけまでついた。自民党代議士が市町村に連絡されば、職員は政治的圧力を感じざるを得なくなる。安部首相はこうしたことまで考えて発言したのか、と疑いたくなる。安部首相は憲法改正までスムーズに行うことまで話をもっていったというから、とんでもないことである。
統計不正問題から悪魔発言、自衛官募集、そしてノーベル平和賞推薦とこの相次ぐ安部首相のとどまるところをしらないとんちんかんな言動はまさに安部首相の首相としての資質を問われる問題発言である。一国の首相がこんな小学生の児童に聞かせたら危なっかしくて仕方がない言動は決して許されるべきものではない。安部一強のいまの政界ではだれも止められないようであるので、ここは国民が声を挙げて阻止するしかない。国会議事堂近くでのデモはもちろん、あらゆる機会をとらえて安部首相を阻止する行動に立ち上がるべき、と思った.
追記1 18日の国会予算委員会で玉木雄一郎国民民主党代表が安部首相に「米トランプ大統領をノーベル平を和賞に推薦したのか」と質問したら、安部首相は「ノーベル賞推薦については50年間公開されないことになっている」と答え、それ以上回答しなかった。どう答えても恥の上塗りとなるので、回答避けたと思われるが、周辺のだれか小賢しい知恵者が予め回答案を作成でもしたのだろう。だとしたら、トランプ大統領がルールを破ったことになる。トランプ大統領は安部首相から伝えられた、と言っており、一方の安部首相および周辺はトランプ大統領から要請された、としている。真相のほどはいずれ明らかにされるだろうが、それまでどちらの狸が仕掛けたか、ということで、いずれにしろ、世界を惑わし、世界から笑われるだけのことだろう。安部首相は北朝鮮の拉致家族の解放をトランプ大統領に依頼した見返りにでもノーベル平和賞の推薦を頼まれたことなのかもしれないが、仮にそうだとしたら本来自らやるべきことをトランプ大統領に依頼するからこんな事態を招いたことを深く反省すべきだろう。
追記2 18日夜の民放テレビはほぼトップで安部首相のノーベル平和賞に米トランプ大統領を推薦のニュースを取り上げているのに午後7時のNHKは一言も触れずじまいだった。安部首相がトランプ大統領のポチなら、さしずめNHKは安部首相のポチということなのだろう。海外のマスコミもこぞって取り上げているのに無視するとはなんたる報道姿勢なのだろう。こんな状況ではもう視聴など払いたくなくなってくる。安部首相は海外の政治家から相手にされなくなるだろうし、ことし半ばに日本で開催されるG20では失敗に帰するのは目に見えている。