鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

裁判官が原告側の代理人の不手際に腹を据えかねていきなり判決期日を申し渡した

2015-08-20 | Weblog

 19日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。午後1時半から402号法廷での損害賠償請求の民事裁判を傍聴した。原告側の女性の原告が座ってはいるが、被告側にはそれらしき人はだれもいないまま証人の宣誓になり、被告側の弁護士が急いで控室にいるであろう被告を呼びに行こうとしたところ、原告側から異議のようなものが申し立てられ、そのまま原告だけ宣誓を読み上げた。原告は昭和38年生まれと言い、意外と年取っているのだ、と思った。そのまま証人尋問に入り、まずは原告の経歴が問われ夫との間で警察沙汰となる夫婦喧嘩が過去3回あったことや、いまは別居状態にあること、それにハワイで不妊治療を受け、女の子を授かったことなどが明らかとされた。

 原告への尋問を聞く限り、夫は再三にわたって妻に暴力を振るい、挙げ句の果てには外で女性と暮らす不倫を働いているとんでもない人物である、との印象を持つに至った。裁判はその不倫相手を相手に損害賠償を請求されているもので、夫と被告との付き合いは興信所の調査でも数々の証拠写真を撮られており、証拠として提出されている。ただ、反対尋問では原告が夫に抱く派手な女性関係は被告以外では確たる証拠があるわけではないことが明らかとされ、そんな夫に対し原告が「離婚を望んでいない」と明言することが疑問として残った。

 続いて証人に立った原告の夫は「3回にも及ぶ警察沙汰の後に原告が数週間にわたり、一切連絡をしてこなかった」ことをもって、「夫婦関係は破綻していると認識していた」と言い、被告と関係があったことを認めた。夫の証言では自身より原告の方に非があるようなことを言い、原告の不妊治療は外部のドナーから卵子を提供してもらうものであり、原告が言うような300万円でなく1000万円以上かかっている、ことを明らかにした。

 さらに証人に立った被告は原告の夫とは夫の前の会社の同僚で偶然、東京・丸の内で再会し、近況を語り合ううちにお互いの境遇が似ていることから急接近し、瞬くうちにただならぬ関係となったことが暴露された。ただ、被告は数年前に毛細血管が腫れる難病に罹り、当時はとても原告の夫と深い関係になることなど生理的にできない状況にあったことが明らかとされた。それでも原告の夫との不倫関係が正当化されるわけではなく、情状酌量の余地が残る程度のものにとどまった。

 裁判は午後4時半終了の予定が主に原告側の代理人の不手際により、約1時間も超過することとなった。裁判長は何回も原告側の尋問を遮り、途中で打ち切ったりした。証人尋問の時間は予め、原告、被告双方の代理人が時間を申請し、そのうえで予定が立てられている。それを1時間も超過することは前代未聞のことで、だからか、最後の被告への反対尋問が終わった段階で、裁判長は双方に諮ることもなく、直ちに「判決は10月19日、午後1時10分からです」と宣言して閉廷してしまった。普通は裁判官が原告、被告双方の代理人に最終弁論なり、和解なりを打診して、返答を聞きながら、判決すべきかどうかを探るのに、いきなり判決日時を決めてしまった。よほど被告側の代理人の不手際が腹に据えかねていたのだろう。

 傍聴していた限り、夫の不倫は夫婦関係が破綻していたとはいえ、法律的には婚姻関係は続いていたわけで夫の側に多少の非があると認めざるを得ないだろう。従って、被告に対し「請求額のなにがしかの損害賠償を支払え」というものになるのではなかろうか。

  

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安倍首相の戦後70年の”長談話”はだれに向けて、何を言っているのかわからない

2015-08-15 | Weblog

 安倍首相が大騒ぎして作成した「戦後70年談話」を大げさに閣議で承認をとったうえで、14日午後6時から首相官邸で記者会見して表明した。その記者会見では前置きもなにもなくいきなり談話を始め、それも戦後といいながら明治維新からの殖産振興から説き始めたのにはびっくりした。これでは戦後70年ではなくて日本の近代史ではないか、と思っていると、話は日露戦争もで引き合いに出し、そのまま第2次世界大戦に及び、ようやく本題に近づいてきたものの、時計をみるとすでに10分近く経っている。これでは「談話ではなく長談話だ」と思えてきた。

 肝心の植民地支配、侵略、反省、お詫びといった文言は出てくるもののいずれも引用といった形で、果たして安倍首相が心からそう思っているのか定かではない。「侵略」についても歴史家の判断に委ねるといった言い回しで、潔くない。一政治家であるくせに近代日本を大々的に振り返っておきながら、肝心とところは「歴史家の判断」云々というのは安保法案で大勢の拳法学者が憲法違反としているのに憲法の番人は最高裁である、とうそぶいているのと共通するものがある。勝手に論を組み立てて、都合の悪いところは学者の判断に委ねる、というこすからい精神が見え見えである。

 話し終わってみると実に23分の長きにわたった。原稿にして3000字だ、という。これでは30分の閣議でろくに議論する時間がなかった、ということになる。閣議というものがいかにおざなりのものあるか、証明したようなものである。

 全体に長すぎてなにを言っているのか、ピンとこない。このことは村山富市元首相も語っていた。戦後70年談話といいながら一体だれに向けて発信しているのかが、さっぱりわからない。まるで終戦記念日を前にした施政方針演説のようでもあったが、単に来世に名を残したいだけのパーフォーマンスではなkろうか、とも思えてくる。最初は「過去の村山談話、小泉談話にとらわれず未来志向で」といいながら、安保法案に対する自らの不手際で内閣支持率が急降下したことから、いろいろな要素を盛り込まざるを得なくなり、最後はお茶と濁した、というところか。ネットでだれかが指摘していたが、来月になればだれも憶えていないことだろう。

 一番注視していた中国、韓国の反応はこれから踏み込んだ形で出てくることだろうが、概して評判はよくない。安倍首相自らの言葉でないことが一番響いているようだ。それに最後の方で付け加えた「戦争を知らないいまの子どもたちにお詫びを引き継がせたくない」という件りは一個人としては許される発言ではあるが、国を背負う政治家としては看過できない言葉である。国を代表して発言している限りは「子どもたちの世代になったら、知りません」とは言えないだろう。増して安倍首相自身も戦争を知らない世代に一人である。こんな単純なことすら弁えない安倍首相はやはりおかしい、と言わざるを得ない。

 それにしてもさんざん周囲に「戦後70年談話」と吹聴しておきながら、いざ発表してみると一体なんのために、だれに向けて発表したのか、首をかしげざるを得ないおやふやなものを発表して、本当に人騒がせな御仁である。15日付の朝日新聞の社説では「「この談話は出す必要がなかった。いや、出すべきではなかった」よもで酷評されている。正直、TBSテレビの「ニュース23」で若者たち10数人でまとめた戦後70年談話の方が率直で、真摯なもので、聞くに値する者だった。一国の首相として恥ずかしい行為でもあった。

 

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トム・クルーズ人気と過去の「ミッション・インポッシブル」ブランドが観客増をもたらしている

2015-08-12 | Weblog

 11日は午前中に渋谷で人と会う予定があったので、午後早くから話題の映画「ミッション・インポッシブル ローグネーッション」を観賞することにした。ミッション・インポシブルはシリーズでずっと観てきているし、公開したばかりということと興収成績がいいとネットで報じていたので観ることにしたのだが、前日にネットでチケットを購入したときにはガラガラだったのにいざ席についてみるとぎっしり満員で、相変わらずのトム・クルーズ人気の高さをみせつけてくれた。

 ローグネーションとは直訳すればごろつき国家という人を食ったようなタイトルで一体何のことか、と思わせる。冒頭から離陸寸前の飛行機にトム・クルーズ演じるイーサン・ハントが長躯、翼に飛び乗り、仲間が扉を開けてくれたのに乗じ、中へ乗り込んで荷物を運び出すスリル満点のシーンが繰り広げられる。続いてハントがロンドンだかのある店に侵入し、何かを盗もうとしてガラスの空間に閉じ込められ、気がついたらロープに両手両足を縛られた状態に陥っている。そこへ現れた賊の一味の女性が何やら薬のようなものを持って現れ、ハントに注射さいようとする。そこへ数人の男が乗り込んできて、なかの1人がハントに殴りかかる。すると先ほどの女性がいきなり仲間を襲い、ハントを逃がす。

 場面変わって米国でCIAのなかに置かれた暗殺・謀略を担当していた特殊耕工作部隊、IMFは使命を終えたとして解体することが本決まりになろう、としていた。そうしたことも知らずハントは新たなシンジケートに戦いを挑もう、としていた。そのシンジケートに属していた女戦士イルサが仕掛けた罠に乗って、モロッコに赴き、シンジケートが欲しがっていたメモリーを盗み出すが、最後にイルサに持っていかれてしまう。イルサは先にハントを逃がしてくれた謎の女性で、シンジケートのボス、レーンにメモリーを手渡すが、とっさに空のメモリーにされてしまい、役割りを果たすことがdけいなくなってしまう。

 敵をシンジケートと決めたハントはメモリーを取り戻すべく奔走するが、IMFの同僚、ブレントを拉致されてしまい、脅迫に乗って英国首相を誘拐する羽目になてしまう。そこで、シンジケートが英国が密かに組織した特殊部隊であることを知り、大事な秘密を知ることになり、改めてレーンと対決し、最後にはレーンを捕えることに成功し、IMFは存続することが正式決定する。

 ミッション・インポッシブルはこれで5作目であるが、今回はこれといったテーマがるわけでなく、ぼやっとした仮想敵が出てきて、ハントがこれに立ち向かい、爆走するジェット機に飛び乗るシーンやら、オートバイで高速道路を超高速で激走するシーンがあったりして、手に汗握るシーンが相次ぎ、映画としては楽しめるものではあるが、終わって「はていものは一体何だったのか」と考えると一頃のヤクザ映画を見終わったようなカラっとした感じに襲われる。トム・クルーズもいまや53歳で決して若くはないが、その割りにはよくやると思えてくる。

 少なくともこの映画に関してはこれといった売り物もないのにこれだけの観客を動員しているのは「ミッション・インポッシブル」のブランドとトム・クルーズ人気と言えるだろう。逆に言えば、他に魅力のある映画がない、ということもいえるのだろう。

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亡き中村勘九郎、坂東三津五郎に捧ぐ舞台となった「8月納涼歌舞伎」

2015-08-10 | Weblog

 10日は東京・銀座の歌舞伎座へ「8月納涼歌舞伎」を観賞に行った。朝一番の第一部を前から12盤目の比較的見やすい座席で日本版シンデレラといった感じの「おちくぼ物語」と「棒しばり」の2作品を観賞した。2作品ともことし2月に亡くなった坂東三津五郎の子息である坂東巳之助が出演しており、特に後半の「棒しばり」はその前に若くして亡くなった中村勘三郎の子息である中村勘九郎との共演で亡くなった父親2人の当たり芝居を演じ、「10世坂東三津五郎に捧ぐ」と銘打ってあったこともあり、余計に興を誘った出し物ちょなっていた。

 「おちくぼ物語」は父親の先妻の娘である源中納言の娘は継母の北の方や腹違いの妹たちに虐げられ、屋敷の一番落ち窪んだ部屋に住んでいることからおちくぼの君と言われていた。今日もいつものように妹たちから頼まれた縫い物の出来具合いがよくないとなじられたうえ、家族そろっての外出にも連れていかない、と言われていた。その姫の味方tぽなっているのが侍女の阿漕と夫の帯刀で、特に帯刀は都で第一の貴公子左近少将と姫とのを取り持とうと今日も左近少将から姫への手紙を持ってきていた。

 姫も左近少将に気がるようで、それまでもらっていた和歌をそらんじていて口に出すほどで、たまたま現れた左近少将と割りのない仲になってしまい、阿漕と帯刀の喜びところとなる。幸い、継母と妹たちは出かけていて、2人は想いを遂げるに至る。それから3日に渡り2人は逢瀬を重ねるが、3日目の晩に顔を出した継母にばれてしまう。ところが、かねて妹の一人が左近少将に想いを寄せているのを知った左近少将は友人をその妹のもとに忍ばせ、まんまと契りを結ばせてしまう。朝になって事の次第を知った妹は母親に泣きつき、母親は蔵に閉じ込めた姫のもとに子息を遣わせ、夫婦となることを迫らせ、姫に酒を飲ませる。ところが、初めて酒なるものを呑んだ姫は酒乱に陥り、寄ってきた義兄はもちろん、妹、継母をも一撃のもとに倒してしまう怪力ぶりを発揮し、唖然とさせる。これには左近少将もびっくりし、急いで姫に駆け寄り、求婚するに至る。そこで目の覚めた姫は思わず、願いが叶ってにっころりと承諾する。万事めでたしめでたしとなり、源中納言の奏でる笛の音に送られて2人は新たな門出へ旅立っていく。

 後半の「棒しぼり」は大名の曽根松兵衛が留守の間に家来の太郎冠者と次郎冠者が酒蔵に忍び込んでは酒を飲んでしまうことに悩んでいた。今日こそはなんとかしたいと思い、次郎冠者が棒を使った踊りをすると聞き込み、それを観たい、と所望する。それで棒を使った棒踊りを披露しているのに乗じ、次郎冠者の両手を棒にしばりつけてしまい、さらに太郎冠者の両手も後ろ手に縛ってしまい。これなら酒蔵に忍び込めまい、と思い、外出してしまう。

 それでも太郎、次郎冠者は両手を縛られても巧みに棒を使い、酒蔵に忍び込み、酒を飲むのに成功してしまう。中村勘九郎と坂東巳之助演じる両冠者は巧みな踊りを見せ、観客をうならせた。さながら2人の亡き父親が演じた役を見事にこなし、満場の喝采を浴びていた。名役者であった中村勘三郎、坂東三津五郎に捧げる舞台となったのは間違いのないところだった。

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