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鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

訴訟を起こすのはいい面もあるが果たしていいことなのか考えさせれた「ウィンズロー・ボーイ」

2015-04-26 | Weblog

 26日は東京・初台の新国立劇場で、英国人テレンス・ラティガン作の演劇「ウィンズロー・ボーイ」を観賞した。この9日から公演していた演劇で、公演の最終日とあってか、満員の盛況ぶりで見る前から期待を抱かせた。特に演劇で千秋楽にあたる最終日に観劇するのは初めてのことで、なにかあるのか、と思って見ていたが、カーテンコールで出演者全員が3度現れ、主演の俳優2人が手を振って観衆の拍手に応えていたくらいで、これといったシーンはお目にかかれなかった。演じている方にすれば、何回もあることなので、淡々と臨んだということなのだろう。それにしても3時間の演劇であったが、十分に見応えのある演劇ではあった。

 「ウィンズロー・ボーイ」は英国の中流家庭ウィンズロー家の少年といったタイトルで、日本流にいえば”田中家の少年”というありふれたタイトルで、これだけでは一体何のことを描いたものであるか、という予測はつかない。舞台は20世紀初頭の第1次世界大戦の前の英国のロンドン郊外のウインズロー家の居間に海軍兵学校に寄宿していたはずの次男、ロニーが突然、家に帰ってきて、家政婦に迎えられるが、何か事情があるのか、父母や兄、姉に会いたがらない雰囲気であるところから始まる。その日はたまたま姉キャサリンの結婚が決まる日で、父母はそのために婿を待ち構えている。その婿が型通りの挨拶をしてめでたく結婚が決まった後に家族で乾杯をすることになり、家政婦がロニーが帰省していることを口を滑らせてしまう。

 あおれを聞いた父のアーサーは烈火の如く怒り、即刻ロニーを呼んで問い質す。で、ロニーは海軍兵学校で5シリングを盗み、退学となった事実を打ち明けるが、汚名を着せられたものだ、と主張する。それを聞いたアーサーは即座に敏腕の弁護士に頼み、海軍に異議を申し立てることを決意し、行動を起こすに至る。ところが、それがことは海軍のみならず、政府にまで盾を突くことに発展し、英国議会にまで影響を及ぼすことになり、以後長い間にわたり新聞紙上のみならず世間を騒がすこととなり、ウィンズロー家に大きな影響をもたらすこととなる。

 ひつつには訴訟費用の負担が大きくのしかかり、キャサリンの婚礼のみならず兄ディッキーの学業生活も断念しなければならないこととなる。さらには世間のウィンズロー家に対する見方が豹変し、あの問題のウィンズロー家との言い方をされるようになる。ウィンズロー・ボーイとはそうした意味が込められている、というわけである。それで父アーサーも訴訟の行方にはすっかり弱気となるが、最後は姉キャサリンの意向で当初の目論み通り、最後まで行くこととなる。

 で、最後は相手側が非を認め、ウィンズロー家の申し立ては全面的に認められることとなり、めでたしめでたしというこおtになるが、それにしてもウィンズロー家の払った犠牲は大きく、よかったといって喜んでいいものかどうか考えさせる結末となり、観ていた観客に考えさせるものとなった。

 あと全体にコメディ的な要素が随所に盛り込まれていて、どこかで笑いを誘うような場面が結構あったが、そのせいか主人公の奥さん、グレイスを務めた竹下景子がそれほどシリアスなセリフがなかったせいか、コメディ的な役回りをさせられていたのが気になった。出演者のほとんどがそれほど有名な役者がいなかっただけにちょっと気の毒な感じがしたのは鈍想愚感子だけだったのだろうか。

 

 

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マスコミ企業がなぜ貸しビル業に乗り出すのか、不可解な「銀座朝日ビル」

2015-04-17 | Weblog

 週刊新潮4月23日号に「信頼度10%台に蒼ざめた朝日新聞」と題したコラムが掲載されている。韓国の」慰安婦報道問題の誤報を発表して以来、ずっと朝日新聞に対する評判は芳しくないが、読者の信頼度が低下している事実によって裏付けられたことになる。確かに慰安婦問題の誤報を認めて以来の朝日新聞の対応はトップの木村伊量が引責辞任して子飼いの渡辺雅隆取締役を公認社長に指名した以降も低空飛行が続いているようだ。安倍首相のアベノミクスの先行きがおかしくなり始めているこの時期に由々しきことではある。

 週刊新潮によると、ビデオリサーチが毎年行っている全国新聞総合調査(J-READ)で、全国47都道府県の15歳から69歳までの個人を対象とした調査で一昨年まで全国紙では日経に次いで20%台後半で2位だった朝日新聞に対する信頼度が10%台に落ち、5位になったことが明らかとなった。この事実に朝日新聞の首脳はショックを受けている、という。

  新聞の信頼度調査なるものがあったことすらほとんどの人は知らないし、サンプル数がどのくらいで、そもそもその調査自体の信頼度なるものも不明なので、いくら10%になったといってもほんの噂話程度にしか受け取ることはできない。それでも朝日新聞こそが日本のジャーナリズムを代表しているのだ、と自認している人が多い朝日新聞社内でそれなりに衝撃が走っていることだけは推察される。朝日新聞社内の独自調査、それも朝日新聞読者のみを対象にしたものではあるが、それによると信頼度は48%にまで上昇している、とも週刊新潮は報じている、というのだから朝日新聞はそうした姿勢をこそ反省すべきだろう。

 そういえば、先日、朝日新聞に2017年をメドに東京・銀座の並木通り沿いに「銀座朝日ビル」と称する地上12階、地下2階の商業ビルを建設する計画である、との記事が掲載されていた。このビルにはラグジャリーポテルと商業施設が入居する、というから、天下の朝日新聞の本業とは全く関係ない事業に乗り出すこととなる。マスコミに関係する企業がなぜこんな貸しビル業に乗り出さなければならないのだろうか。延べ床面積は1万6千平方mというから、建築面積は1000平方m強ということになるが、たまたま保有していた銀座の土地の有効活用を図ろうということなのだろうが、慰安婦報道問題以降の右往左往ぶりから見て、朝日新聞にそうした経営センスの備わった経営者がいる、とは到底思えない。 この事業は紺屋の白袴ならぬ生兵法で、遅かれ早かれビルを丸ごと手放すことになりかねないことになるものと思われる。

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進む地方議会の劣悪化に目を向けないと安倍首相の暴走を許してしまうことになりかねない

2015-04-06 | Weblog

  統一地方選がいまひとつ盛り上がらない。今回は2度の総選挙で自公の与党が圧勝したこともあって、余計に選挙への関心が湧かないのだろう。国会議員に当選1回、もしくは2回の新人が多数を占めていることからか、今日の日本経済新聞の4ページの定期コラム「核心」に論説委員長の芹川洋一が「国会議員の力が落ちた 定着する県高国低」と書いている。全国各地の県会議員のなかには当選5回を重ねる強者の古参議員がいっぱいいて、とても新人の国会議員では太刀打ちできない、としている。総論的にはそうなのかもしれないが、ことご当地、川崎市高津区では全くそうではない。

 前回4年前の統一地方選の時には高津区の県会議員に立候補する予定の自民党公認の小川くにこが公示の数週間前から溝の口駅前に立って演説をしていて、熱心な姿を見せていた。雨の日も風の日も駅頭に立って懸命に立候補の志を述べていたのが印象に残り、そのかいあってか、見事に当選を果たした。当選後は県議会副議長になり、今回も早くから自民党の谷垣禎一幹事長と立ち会い演説会を企画し、着々と事前の選挙活動を展開してきた。それで、今回も公示前から駅頭での演説をするのか、と注目していたら、一日も演説には立たなかったようだった。

 それで、公示前にどうやら高津区の県会議員の立候補者は定員2に対し2人しかいない、との噂が流れてきた。小川くにこと維新の党の斉藤たかみの2人ふあでkんお無投票当選が確定的ということfだった。頼みの共産党も神奈川ネットワークも勝ち目がないとして立候補を見送ったというのだ。そんな情勢から、小川陣営では事前の立ち会い演説も必要ない、との判断に傾いたのだろう。

 小川くにこは副議長にはなっているものの、鈍想愚感子が以前に神奈川県議会を傍聴した際に自民党の代表質問に立って質問しているのを傍聴したことがあるが、重箱の隅を突つくような質問をしていて、驚いた記憶がある。こんな人がわららの県会議員を務めているのかとがっかりもした。選挙民はもっと人物の精査をした方がいい、と思ったものだった。

 日経の芹川論説委員長は県高国低をもたらした原因は小選挙区制にある、としていたが、総論的にはそうだろうが、一方ではこんな議論に対象にもならないところで、地方議会の劣悪化が進んでいることもまた事実である。もともと庶民は政治に対して関心がないのである。国会の論戦はもちろん、地方の議会でどんなやりとりがされているのか、ほとんどの人は議会の傍聴に行ったことがないし、納めた税金がどのように使われているのか、について目すら向けていないのが大勢なのだろう。

 政治家にあんる人が一体どんな人なのか、をもっと目を向けるべきだろう。このままいけば安倍首相の暴走を許してしまい、日本の明日は危うくなってしまうことに思いを致すべきだろう。

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