3年ぶりに我が家で迎える年末年始でことしやるべきことはほぼ終わった感でお昼のNHKニュースを見ていたら、「日本雑誌協会が今日から有力出版社約40社が刊行している雑誌の特別号を一斉に売り出し、本屋の店頭に並べている」と報じていた。どこか新宿の紀伊国屋書店の店頭で店員が通りかかるお客さんに向かって購入を呼び掛けている映像が流されていた。NHKによると、雑誌協会は雑誌の売り上げが不振なので、この大晦日に定期刊行の雑誌の特別号を発行し、売り上げの挽回に務めたいとの目論見とのことだった。出版界はインターネットに押されてずっと書籍・雑誌とも売れ行き不振となっており、これを一挙に打開すべく打ち出されたのがこの”奇策”ということのようだった。
テレビの報道内容を見ている限り、雑誌以外にも書籍も並べているようだったので、どんな形で大晦日の雑誌売り出しを行っているか興味が涌いてきた。で、ランチを食べた後に早速、川崎・溝の口の文教堂書店本店の店頭を覗いてみた。文教堂は関東周辺にチェーン展開している本屋で、溝の口本店は5階建てで、1階から4階まで本を並べている川崎界隈では比較的大きな書店である。ところが、その文教堂書店本店を隈なく見てみたが、NHKが報じていたような大晦日売り出しをしているような形跡はどこにも見られなかった。
考えてみれば、この忙しい時期に通常の売り場を拡充してそうした大晦日売り出しのスペースを作り、そのために幟やPOP(店頭広告)を手配し、店員を張り付けるのは容易なことではない。そんなスペースもないし、地方の中小書店ではとてもそんなことに付き合うようなことはできないだろう。文教堂書店のようなチェーン店でも本店ではなんとか付き合えても駅構内に構えている中小の書店ではとても対応できないだろう。
ということはこの大晦日売り出しに賛同して販売している書店は新宿の紀伊国屋書店のような都会の繁華街に店を構える大型書店しかないことになる。明日以降に都心に出掛けるようなことがあったら、確かめてみたいが雑誌協会の呼び賭けに賛同して実際に大晦日売り出しを実施した書店は全国でみればごくわずかでしかないのではなかろうか。
日本雑誌協会がこの企画を決めた際に日本書店商業組合連合会や日本出版取次協会など関連団体との話し合いは行われ、了解は取り付けていたのだろうか。出版社自体も週刊誌などは年末年始は合併号を発行するなど従業員を休ませる体制を取ってきているなか、逆に労働強化を強いるような方向の企画を打ち出して、会員から反発を受けそうな雰囲気があるなか、雑誌の配送、および販売をお願いする関連団体に労働強化を強いるような要請をしてスムーズに了解が取れたものなのか、疑問が残る。
もともと雑誌の売れ行きが芳しくないのは不況が続いているのに加え、インターネットの浸透に押されていることが大きな理由であるが、雑誌そのもののコンテンツが消費者のニーズをとらえきれていない側面もあるのではないだろうか。それなのに関連団体にも労働強化を強いて、発行号を増やすような”奇策”に出るというのは少し筋が違うのではないか、という気がしてならない。
テレビの報道内容を見ている限り、雑誌以外にも書籍も並べているようだったので、どんな形で大晦日の雑誌売り出しを行っているか興味が涌いてきた。で、ランチを食べた後に早速、川崎・溝の口の文教堂書店本店の店頭を覗いてみた。文教堂は関東周辺にチェーン展開している本屋で、溝の口本店は5階建てで、1階から4階まで本を並べている川崎界隈では比較的大きな書店である。ところが、その文教堂書店本店を隈なく見てみたが、NHKが報じていたような大晦日売り出しをしているような形跡はどこにも見られなかった。
考えてみれば、この忙しい時期に通常の売り場を拡充してそうした大晦日売り出しのスペースを作り、そのために幟やPOP(店頭広告)を手配し、店員を張り付けるのは容易なことではない。そんなスペースもないし、地方の中小書店ではとてもそんなことに付き合うようなことはできないだろう。文教堂書店のようなチェーン店でも本店ではなんとか付き合えても駅構内に構えている中小の書店ではとても対応できないだろう。
ということはこの大晦日売り出しに賛同して販売している書店は新宿の紀伊国屋書店のような都会の繁華街に店を構える大型書店しかないことになる。明日以降に都心に出掛けるようなことがあったら、確かめてみたいが雑誌協会の呼び賭けに賛同して実際に大晦日売り出しを実施した書店は全国でみればごくわずかでしかないのではなかろうか。
日本雑誌協会がこの企画を決めた際に日本書店商業組合連合会や日本出版取次協会など関連団体との話し合いは行われ、了解は取り付けていたのだろうか。出版社自体も週刊誌などは年末年始は合併号を発行するなど従業員を休ませる体制を取ってきているなか、逆に労働強化を強いるような方向の企画を打ち出して、会員から反発を受けそうな雰囲気があるなか、雑誌の配送、および販売をお願いする関連団体に労働強化を強いるような要請をしてスムーズに了解が取れたものなのか、疑問が残る。
もともと雑誌の売れ行きが芳しくないのは不況が続いているのに加え、インターネットの浸透に押されていることが大きな理由であるが、雑誌そのもののコンテンツが消費者のニーズをとらえきれていない側面もあるのではないだろうか。それなのに関連団体にも労働強化を強いて、発行号を増やすような”奇策”に出るというのは少し筋が違うのではないか、という気がしてならない。