鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

政府が「プロ野球球団をいまの12から16に増やす」と言い出すのはどう考えてもおかしい

2014-05-27 | Weblog
 26日NHKニュースを見ていたら、先に自民党が提言した「プロ野球球団をいまの12球団から16球団へ」について、安倍首相が「地域活性化にもなるなどから大いに推進したい」と賛成する旨を報じていた。特定のスポーツの振興を政府が後押しするなどということはどう考えてもおかしいし、増してプロ野球球団の経営は私企業に属することで、それを経済の活性化にもなると支援するその考え方がおかしい。自民党ならびに安倍首相は経済そのものがわかっているのかも疑わしくなってくる。
 そもそも日本のプロ野球界がいまどういう状態に置かれているのか、政治家のみなさんは理解しているのだろうか。いまだに王、長嶋のゴールデン時代の残像が頭に残っているのではないだろうか。一応、開催される試合にはそれなりの観客が集まってはいるが、いまやサッカー界に比べれば人気の点では劣っているし、プロ野球球団の経営内容は一部を除いてどこも赤字に困っているのが実情である。
 もう10年近く前になるが、ホリエモンが球団経営に乗り出そうとして名乗りを上げ、世論の反発を受けて撤退し、その後楽天、およびソフトバンクが球団経営に乗り出し、ソフトバンクホークスと楽天イーグルスの2球団が誕生した。その時のきっかけが近鉄、南海球団の撤退だった。サッカー人気に押され、ファンのプロ野球離れが起きて、まずテレビのプロ野球中継が減少し、プロ野球球団の経営を大きく圧迫することとなった。野茂選手の米メジャーリーグ入りをきっかけに有力選手が次から次へと米メジャー入りしていったこともファンの離反を招いた。その後、プロ野球の経営に興味を示したのはTBSとDeNAに過ぎず、ほとんどの企業は球団経営に興味を示さなくなった。
 そうした状況を知ってか、知らずか、自民党と安倍首相は「プロ野球球団をいまの12から16に増やす」と言い出している。経済活性化、および地域振興に結び付くというのがその理由のようで、沖縄、四国などの地域が名前に上がっている、という。
 数あるスポーツのなかで、なぜ野球だけがこうして支援の手が上がるのか、不思議なことだ。まさか、政府寄りの読売新聞を経営する渡辺恒雄オーナーのお声がかりでこうしたことになっているとは思いたくないが、いまのプロ野球が長期衰退傾向にあることだけは間違いないことだろう。なんらかの手を打たないと、いずれプロ野球は一部のファンだけのものとなってしまうことだろう。ただ、それにはいまのプロ野球界を牛耳っている渡辺巨人軍オーナーの影を一掃することから始めなければなんともならないことだろう。
 そんなプロ野球界の現状を全く理解することなく、自民党、安倍首相が12球団から16球団へと言っているのは笑止千万なことでもある。
 経済を荷っている企業というものはあくまでも経営者のアニマルスピリッツという起業意欲のもとに成り立っている。それを政府がなんらかの意図のもとに推し進めようとするなど土台間違っている。そんなことができる、と思っている政治家のセンスこそが間違っている。そんなセンスだから、26日、某民放テレビが報じたように安倍内閣の支持率が発足以来最低の40%台と大幅に落ちたのだろう。
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就任以来、中国、韓国と絶縁状態なのは「集団的自衛権の行使容認」のためだった

2014-05-17 | Weblog
 安倍首相が集団的自衛権の行使容認に乗り出し、事例をあげてその理由を記者会見で述べていたが、その姿を見ていて、なぜこの人はこんなことに一生懸命に取り組んでいるのか、疑問に思った。こんなに右傾化させて、一体日本をどうしようというのだろうか、いまひとつピンとこなかった。「みなさんの子どもたちが……」といかにも日本の未来を背負う子どもたちのためとのおためごかしを必死に説く姿にはいつもの安倍首相らしからぬ滑稽ささえ漂っていた。安倍首相にこうしたパーフォーマンスをさせているのはだれなのかを考えて、はたと思い当たったことがあった。
 そもそも集団的自衛権の行使容認なんてまわりくどい手法なんか取らずに一挙に憲法を改正して自衛隊を国防軍とし、戦争をすることができるようにしたい、というのが安倍首相、およびそのバックにいる自民党の右寄りの人たちの思いである。それを「戦後レジームからの脱却」などといかにも近代的な装いを纏っているにすぎない。安倍首相らの本意はいまの日本国憲法第9条の「「戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認」、つまり「①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」を改定し、武力の保持、並びに交戦ができるようにしたい、というものである。
 それを露骨に言うと国民の反発を招くので、遠回りに「集団的自衛権の行使容認」と言っているに過ぎない。ただ、どんな議論を展開してもこの憲法9条に大きく違反しているのは明らかで、いくら同盟国を助けるためといっても、海外で武力を行使し、交戦することになるのは明らかで、これは憲法違反以外の何ものでもない。
 それをいまの日本国憲法は日本自らが発案したものではなく、第2次世界大戦で勝利した米国から押し付けられたもので、時代に合わないものだ、という論理でなんとかいいくるめようとしてきたが、それでも納得が得られないことから、新たに「集団的自衛権の行使容認、そのための憲法解釈の変更」というまわりくどい手法を編み出してきたのだ。
 安倍首相は一昨年の就任以来ずっと、隣国の中国、および韓国といまだに首脳会談を開かず、あたかも敵対関係のyぽうな状態を続けてきた。遠い欧州やアフリカなどには絶えず出かけているが、中国、韓国には一切足を踏み入れていない。しかも北朝鮮とも拉致問題もあって、ずっと疎遠な関係のままできている。
 今回の「集団的自衛権の行使容認」の説明にあたって、これら中国、韓国、北朝鮮の脅威を並べて、いまにも米国はじめ友好国が攻められた場合に集団的自衛権のもとに自衛隊が発動しなければならない、と説いた。就任以来、中国、韓国と絶縁状態できたのはこの「集団的自衛権の行使容認」に国民の理解を得るためだった、と得心した次第である。
中国、韓国、北朝鮮とすぐ近くに敵らしき国があれば、憲法解釈の変更、そして交戦について国民の理解が得られ易い、というわけだ。
 ほぼ1年半にわたってこのシナリオを描いた人がいる、としたら、まさに壮大なものだった、と褒められていいだろう。しかし、こんなシナリオのために本来仲良くすべき隣人を遠い宇宙の先に追いやってしまった罪は重いと言わざるを得ない。
 肝心のアベノミクスは頼みの日本の株式市場も崩落しつつあり、アベノミクスの魅力は色失せてしまっている。日本経済を振興させるべき第3の矢である日本経済振興策が一向に出てこなくて、日本経済はまたもや沈没しかろうとしている。日経ビジネスの5月19日号の編集長インタビューで、塩野七生氏は安倍首相を運のいい人で、「だれがやっていてもこの程度はできたでしょう」と喝破している。このままでは安倍首相は単に運のいい政治家ということで終わることだろう。
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鼻血が出るのは精神的なもので、それを政治的にとらえることだけは間違っている

2014-05-15 | Weblog
 漫画「美味しんぼ」で福島原発の放射能被害で鼻血が出るとの表現があり、佐藤雄平福島県知事が「風評被害を助長するような印象で極めて残念」と発言するなど波紋は広がっている。たかが漫画の表現に目くじらを立てるのもどうか、と思われるが、安倍政権が原発の再稼働に躍起となっているのにそれに水を差すような方向に世論を持っていこうとする動きに神経質になっている政府の意向が働いているように思えてならない。
 「美味しんぼ」は小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載されている評判の漫画で、作者の雁屋哲氏が福島県双葉町の井戸川克隆町長に取材したうえで記載したもので、取材された井戸川前町長はいまだに鼻血が出ていることをネット上で写真付きで公開して、事実であることを主張している。「美味しんぼ」では大阪市で岩手県のガレキをゴミ焼却場で焼却した際に周辺住民の多くから同じように鼻血が出るような障害が出たことを書いており、これに対して橋下大阪市長が抗議するような動きも伝えられている。政府の菅官房長官も異を唱えるなど過剰な反応が出ている。
 漫画がフィクションであるとは常識であるが、実名で井戸川氏が登場し、福島原発の被害がいまだに甚大であることが世間に訴えられているようで、政府筋は過剰に反応しているのであろう。漫画の描くことなどは無視したらいいのにと思われるのに評判の漫画の連載ではそうもいかない、とでもいうのだろうか。本来ならことし夏くらいからでも原発の再稼働になっているはずだったのに原発ゼロの声が高まるのではまずい、とでも思ったのだろう。
 もちろん、原発から放出される放射能と鼻血の関係は医学的に立証されているわけではない。ただ、井戸川氏が言うように福島原発の被災地に住む人のなかにいまだに鼻血が出る症状が止まらない人がいるのも事実で、実際に鼻血が出ている人がいる以上、放射能とは関係ない、とは決して言えない。
 鈍想愚感子もかつて高校生の頃、鼻血がよく出たことがある。特に大学受験を控えた冬場には朝起きると必ず鼻血が出た。朝起きて冷たい水で顔を洗うと必ず鼻血が出た。一時は病気か、と思ったが、他に病気らしい症状は全くなく、単に鼻血だけが出た。大学受験が終わってからは常に鼻血が出る症状はなくなり、あとから考えると大学受験を前に緊張していたことが鼻血となったようだった。その後は異常に疲れた時とか、極度に緊張したりすると鼻血が出るようなことはあったが、それの30歳を過ぎる頃からすっかりなくなった。
 されから推測するに、東日本大震災という異常な体験をし、精神的に追い詰められて鼻血が出るようになり、その後も疲れが取れないような状態が続いているような人は毎日でも鼻血が出るようなことは十分にありうることと思われる。それを医学的に解明することはおそらく、いまの医学では無理なことだろう。
 鼻血が出るよういうことは精神的なことなのだろう。だから、人によって鼻血が出る人と出ない人が出てくる、ということになるのだろう。鼻血現象は冷静に見るべきで、こと政治的にとらえることだけは間違っている。

追記 16日になって小学館は週刊ビッグコミックスの最新号で「批判を真摯に受け止め、表現のあり方について今一度見直す」と表明し、「美味しんぼ」の連載を一時とりやめつことにした。休載は以前から決まっていたとの説もあるようだが、出版元の小学館としてはここは冷却期間を置いた方がいい、とも判断したようだ。作者の雁屋哲氏の意向は伝えられていないが、表現の自由と医学的な解明とは相いれない問題のようで、それに政治的な色彩もがかぶさってきて、作者の真意がどこまで伝えられるか、全くわからに状況になって、嫌気がさしているこおtだけは間違いなさそうだ。
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日中間の意思疎通がうまくいかない背景に中国の漢字の簡略化があるのではないか

2014-05-11 | Weblog
 10日は大学時代の友人の義兄にあたるKさんと懇談することとなった。元自動車メーカーのエンジニアだったKさんは77歳になるが、何を思ったか最近中国語のラジオ講座を聴講することを決めたが、それで思うことがあり、ぜひお話したい、ということだった。一体どんなことなのか、と膝を乗り出すと、やおらA4版の紙を取り出し、2つに折った上に「簡体字」と書いたマスのなかに30ばかりの漢字らしき文字が並んでいるのを示し、「これが判りますか」と尋ねてきた。どうやら中国の文字らしいが、さっぱりわからない。
 首をかしげる当方にKさんは折った紙を広げ、「回答は下にあります」と示してくれた。それによると、児童の「児」なる文字は下のルのような文字となっており、「漢」なる文字はサンズイの右に又が書いてある文字となっている。また、「雲」は下の云だけに略されており、「豊」なる文字は全く関係のない漢数字の三に縦の線が入っている、およそ想像もつかない文字に置き換えられている。すべての文字が簡体字を見ただけでは元の漢字が何であったか、全く読めない文字に変わってしまっている。
 Kさんによると、中国では毛沢東が政権を握って以来、中国政府によってそれまで用いられてきた漢字はずべてこうした簡体字に置き換えられてしまった、という。これでは漢字に親しんできた日本の人がこれら簡体字を見ても理解できない状態になっている、という。中国には漢字が2万以上あるとされているが、すべてこうした簡体字に置き換えられてしまった、という。中国の小中学校はじめ学校ではこれら簡体字が学ばれている、とも語ってくれた。中国4000年来培ってきた文化ともぷっつり切れてしまったような感じがして、残念で堪らない、とも話してくれた。
 中国がなぜこんなことを行ったのか、本当の理由はわからないが、これでは四書五経はじめ三国志、水滸伝、紅楼夢など中国の名だたる歴史的書物を読めない中国人が多数出ていることになり、同じような漢字文化圏に属する日本との文化交流もままならないことになってしまう。尖閣諸島の領有問題で対立が深まる日中外交がうまくいかなくなっている背景にはこうした問題が横たわっているのではないか、とKさんは指摘してくれた。
 安倍首相はこの連休中に欧州諸国を歴訪したが、記者会見などでは覇権を強める中国を名指しで非難し、折角、高村正彦自民党副総裁が中国を訪問し、中国要人と会って日中間の融和を説いているのに水を浴びせたような形となってしまっている。ここ当分、日中首脳会談が開催されるようなことはまずないことだろう。
 Kさんは中国の漢字がいかに簡体字となっているかの詳細な一覧表も見せてくれたが、最初に見せてもらった30文字同様、一見して判読できないものばかりだった。画数が多くなる文字については簡体字となっていないような文字も見受けられたが、簡体字とした文字とそうでない文字との差がどこにあるのか、どういったルールに基づいて簡体字としたのかもわからなかった。せめてそのルールがわかれば、元に戻すのもありうるのだが、こうしたことは中国政府の当局者に確かめてみないとわからないことだ。
 いずれにしろ、香り高き中国文化の継承にあたっては簡体字がふさわしくないものであるのは明らかで、できれば元の漢字に戻してもらいたいものだ。日中、日韓の間がうまくいかなくなっている背景にはこうした文字の簡略化が横たわっているのかもしれない、と思った次第。
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熱海・伊豆山で、興亜観音なるものを祀りA級戦犯の慰霊をひっそりと行っている人がいた

2014-05-09 | Weblog
 この7、8日と東急ハーヴェスト伊豆山に行ってみた。熱海に昨年8月にオープンした施設で、評判がよさそうだったので、どんなものか見てみよう、と思ったからだった。伊豆山という地名から山の上を想像していたら、国道135号線の海沿いのとこおrに立地していながら、眼下に熱海の海岸を見下ろす地点にあり、お風呂もプールも相模湾を一望できる絶景で、たちまちに気に入るところとなった。連休明けにもかかわらず大勢の人で混んでおり、相変わらずの人気ぶりだった。熱海駅までのシャトルバスで午前11時発のはほぼ満員だったが、ホテルの従業員がほぼ総出で、フロントに見送りに立ってくれたのにはびっくりした。
 8日の朝は朝食のあと散歩でもしようか、とホテルのフロントから国道135号線に出たところ、向かいの山道の入り口に「興亜観音」なる看板が立っていたので、多分頂上にでもそれらしきものがあるのだろう、と軽い運動にでもなるか、とも思いながらやや急な山道を登っていった。途中、家が立っていたのであろう形跡のあるところを通りながら約10分くらい登ると、駐車場らしきところがあり、その前に100人くらいの名前が書いてある銅板があり、「興亜観音」に寄進する旨が書いてあった。その筆頭に元伊藤忠商事副社長の瀬島龍三なる名が書いてあり、従軍兵士を祀るものであることがわかった。
 なおも山道を辿っていくと、中腹に人家があり、洗濯物が干してあったので、観音さまをお守りしている人が住んでいることがわかった。その上をしばらく登っていくとようやく観音さまを拝顔することができた。ちょっとお詣りして、神社らしきところへ赴き、お詣りでもしようかと思っていたら、墨染めの法衣をもとった住職らしき女性が出てきて、「お詣りありがとうございます」と言って案内してくれるので、付いていくと、再び観音さまのところへ案内され、「興亜観音」の由来などを説明してくれた。それによると、戦前中国で戦った松井石根陸軍大将はじめ7人がA級戦犯として昭和23年12月23日に絞首刑となった、その遺骨を祀るために建立されたもので、中国の大場鎮・南京地区の土を取り寄せ、陶工柴山清風氏の作になる高さ3・3メートルの観音さまで、毎年5月18日に法要が行われる、という。
 住職のお経で線香も手向けてお詣りをし、その後、社務所にてお茶までご馳走になり、思わぬ接待にあった。社務所には冷蔵庫やお茶用の設備も備わっていて、十分に整った施設となっていて、裏さびれた様子ではなかった。例年の法要には多いときで100人くらい集まったこともあった、という。
 こんなに丁重な受け入れをしてもらったうえはお賽銭もはずまなくてはならないだろう、と思って帰りにお札1枚を置いてきたが、ほんの軽い足ならしの積もりが思わぬ発見の旅となった。家に帰ってから、もらってきたパンフレットを改めて読んだところ、興亜観音奉賛会なるものがあり、入会金1000円、年会費3000円となっていて、お札は入会金だったと納得した。松井大将に縁もゆかりもないし、靖国神社に関係する者でもないが、世の中にはこんな慰霊をしている人々もいるのだ、と妙に感じ入った。
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NHKニュースの「ゴールデンウィークのさなかに宇宙旅行」の言いたかったことがわかった

2014-05-05 | Weblog
 4日午後7時のNHKニュースを見ていたら、ゴールデンウィークの暇ダネとしてか、宇宙旅行について報道していた。登場したのは旅行代理店の担当者で、いまのところ募集説明会に大勢の人が参加していて、関心が高まっていることを報じていた。ただ、宇宙旅行の詳細がよくわからないうえ、旅行そのものを主催しているのがどこなのかはっきりとせず、ニュースとしてはやや片手落ちの感が深く、NHKとしては取材不足が否めなかった。
 NHKによれば、いま現在計画されている宇宙旅行はマッハ3のスピードで高度110キロくらいまで上がり、そこから地球を眺めるというもので、時間にしたら数時間程度のもので、そのスピードに肉体が耐えるための訓練が必要で、説明会はもっぱらその内容を中心としたものだ、という。費用は1人2400万円くらいで、それでも結構な人が申し込んでいるようだ、という。その1人としてライブドアの経営者だった人が実名で登場し、宇宙旅行を申し込んでいる人が年に1回か、定期的に集まって親睦を深めており、その交流が魅力だと語っていた。
 まだ参加していない宇宙旅行OB会ならぬ未前の会が行われていることさえ不可解なことだが、料金の2400万円が払えるという自己満足だけで成り立っている自尊心をくすぐる会とでも言ったらいいのかもしれない。それと何事にも飛びつく新し物好きということで話が盛り上がるということなのだろう。
 漫画家の西原理恵子がいつかテレビで宇宙旅行をするために身体を鍛えている、と話していたのを見たことがある。それといまだにマスコミで好き勝手を語っているホリエモンこと堀江貴文元ライブドア社長が宇宙旅行に申し込んだ、とも言っていた。4日のNHKニュースに登場したライブドアの元経営者もホリエモンの友人かもしれない。
 宇宙旅行がいまの海外旅行並みのレジャーとなるにはまだまだ多くの技術開発が行われなければならないし、人間の体力についても改善が図らなければならない点が数多い。いまの技術水準ではあまりにもリスクが高く、無事に生きて帰ることの確率があまりにも低いだろう。だからこそ、宇宙旅行に出かける意欲が高いともいえる。ただ、その割りには宇宙旅行で得られるものはせいぜい高い空の上から地球を眺めることができる、ということぐらいで、せめて月面着陸なり、月面歩行ができる段階まで宇宙旅行は待った方がいいのではという気になってくる。そう考えてくると、鈍想愚感子としてはそれよりもまだ地球上で行ったことのないところへ出かけていく方が魅力があるように思えてくる。
 小さいころには21世紀になったら、宇宙旅行は当たり前のことのように行われているだろう、と想像したものだった。それからすると、科学技術の進歩はやや停滞しているように思われる。米ソの2大強国の冷戦こそ終焉したが、相対的に国家の分離独立が多数出てきて、かつての冷戦に劣らぬ複雑な世界を形成していて、そちらにエナルギーを取られるような形になってきている。
 宇宙旅行ができるということは世界が平和であることの象徴ともいえ、NHKニュースが言いたかったのはそういうことだったのだろう、と納得した次第。
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消費税アップで国民に犠牲を強いて、自らの議員報酬アップだけを図るのは許せない

2014-05-01 | Weblog
 この連休中ずっと注目していたことがあった。4月末で切れる国会議員の歳費カットが5月以降も継続されるかどうかだったが、一向にそれらしき動きは報道されず、国会議員の歳費は年間1700万円から2100万円にアップすることが本決まりとあんった。国民は4月からの消費税アップに伴う家計費増で苦しんでいるのに国会議員だけは歳費アップとは許せない。あまつさえ、この連休中に安倍首相はじめ大臣、国会議員ら述べ150人が外遊に出かけている、という。国民不在の政治とはこのことをいうのではなかろうか。全く許せない。
 もともと国会議員の歳費20%カットは東日本大震災のための復興税を導入した際に、国会議員も痛みを伴うべきだ、として2014年4月までを期限として導入された。当時の野田首相が党首討論の時に安倍自民党総裁と来国会会期中に議員の定数削減を必ず実施する、と約束し、それが果たされないうちは議員の報酬カットは継続することを約束した。その安倍総裁はいまや総理で、その約束を真っ先に守らなければならない地位にあるのに、いち早く欧州への外遊に出かけてしまった。
 この件については国会議員のなかでも良識のある維新の会、結いの党、みんなの党は国会議員の歳費カットはさらに強化して30%とすべきだ、とする法案を衆議院に提出したが、これに対して国会で議論したかどうか一切明らかではない。与党の公明党は同じような意向であるが、肝心の自民党は「新人議員の台所が苦しい」(石破茂幹事長)とおよそ理由にならないことを言い立てて、検討する姿勢すら見せていない。結果的には維新の会らの上程案も全く審議することなく廃案としてしまった。
 どう考えてもおかしい。いまだにデフレのなかで苦しんでいる国民をしり目に自らの報酬アップだけを図ろう、とする自民党の議員は国政を担当するに値しない。最高裁で憲法違反とされている定数削減をも決められない議員など議員資格がない、といってもいいだろう。
 しかも自ら約束した議員定数の削減が成るまで議員の報酬カットは継続する、との公約は一体どこへ行ったのだろうか。安倍総理がこれについて一言も発することなく、海外へ旅立ってしまったことは重大な国民に対する背任行為でもある。そんな御仁が政権の座に就いていることすらおかしい、と言わざるを得ない。
 安倍首相よ、いまからでも遅くはない。議員の報酬カットについての対応をはっきりと言明すべきだ。欧州外遊から帰国したら、直ちに閣議を開き、改めて議員の報酬カットに対してどう対応していくのかを議論して、国民の前で釈明すべきだろう。
 お隣の韓国では朴大統領が旅客船、セウォル号転覆事件の対応のまずさから辞任に追い込まれようとしている。安倍首相はさぞかし心中ではいい気味だと思っているのかもしれないが、「明日は我が身だ」と思ってこの問題に真剣に取り組むべきだ、と思う。
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