鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

箱根ガラスの森美術館

2005-10-31 | Weblog
 先週末、箱根の明神平へ行き、帰りに「箱根ガラスの森美術館」へ立ち寄った。今回で3回目であるが、名古屋から箱根初めてのお客さんを案内して内心渋々訪れた。確か4~5年前に初めて来た時にはいかにもイタリアらしい瀟洒な造りに感動した覚えがある。推薦してくれた人もいたせいで、さすが箱根、と思った。その後、実際にイタリア・ヴェニスを旅行したあとになる昨年2月、2回目に訪れた際には本物を見てきた直後だったこともあって、「どうしてこんなものがガラス越しに展示されているのだろう。こんなものはヴェニスならお店に一般の売り物としていっぱい並んでいるのに。ヴェニスに行ったことがないから、みんないわばまがい物にコロッと欺されてしまうのだ」と思って、入場したことを後悔したほどだった。
 それが、今回園内に入って、ガラスの樹木がクリスマスツリー状に飾られているのを見て、季節らしい飾り付けにやや意外性をもった。それで、多分前回と同じであるはずの展示作品を順番に見て回るうちに前回感じた後悔がどこかに吹っ飛んでしまっているのに気がついた。この他にも会場内、および展示作品にちょっとした今風の味付けがしてあり、改めて主催者の努力のあとが感じられ、見直した。
 この感覚は一体、何だろう、と我ながら思った。時間が経つことでヴェニスの本物の感覚が薄れてしまい、つまり鮮度が鈍ったのだろう。人間の記憶なんてそんなものかも知れない。センスというか、感覚は絶えず磨かないと寂れるもの、ということか。
 考えてみれば、昨年2月は帰宅後、脱水症状が出て、高熱を発したことを思い出した。それで失望感も消え去ったのかもしれない。本当、人間の記憶、感覚なんていい加減なもの、とつくづく思い知った次第。

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慰謝料

2005-10-28 | Weblog
 読売新聞の渡辺会長がパジャマ姿の写真を撮られ、週刊文春に掲載され、出版元の文藝春秋社をプライバシー侵害で訴えていた件で、昨日、その訴えを認め、文春側に慰謝料200万円支払え、との判決が下った。判決がこのまま確定すれば、200万円となった根拠は精神的苦痛を推し量ったものなのだろうか、また、200万円は渡辺会長個人の懐に入るものなのだろうか、などの疑問が湧いてくる。
 渡辺会長にとって200万円なんて端金に過ぎない。そんなお金をもらうことより、新聞等マスコミに大々的に報道され、訴えが認められたことの方が大きいだろう。それと、今後のマスコミ攻勢をしのげる効果もあるかもしれない。
 個人的には渡辺会長はマスコミ界の”ガン”的存在で、いいにつけ悪いにつけ象徴として取り上げられ、あるべきマスコミにとっていい影響を及ぼさないので好きではない。あれだけ好き勝手に放言、行動すれば、世間的に一挙手一動が好奇の眼にさらされる、のはむしろ自業自得で同情の余地はない、と思う。ただ、今年4月から施行された「個人情報保護法」の行き過ぎた保護ムードが立ちこめているので、司法の世界ではプライバシー侵害ということになってしまうのだろう。ある意味では困ったものだ。
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読書の秋

2005-10-27 | Weblog
 今年も読書週間がやってきた。本が読まれない、売れない、と嘆いてはや8年。確か本の売上高は8年連続して減少し続けている。単に景気が悪い、では済まされない構造的問題をはらんでいる。よく行った東京・渋谷駅近くで30年以上営業していた旭屋書店、大盛堂書店がこの秋、相次いで店を閉めた。あとで判ったのだが、大盛堂書店は立地のいいところへ小型書店へ転身を図った。それでも本の売れ行き不振の象徴的出来事であることには変わりない。
 本が売れない最大の理由が若者の活字離れと言われる。それと、人々の可処分所得のうち携帯電話代の占める比率が上がって、本代に回らなくなっている。電車に乗って見渡せば、ほとんどの人が読書でなく、携帯電話でメールをしているか、ゲームを楽しんでいる。人々のコミュニケーションのはかり方がこんな寂しい風景になったのは最近の世知辛い世相のなせる技なのだろうか。
 本というか、活字はいまやインターネットに食われていて、情報の入手をネットに頼り、その分本を買わなくなっている。本のうち、雑誌に載っている広告について言えば、ネット広告がラジオ広告を上回り、いずれ雑誌広告を抜くのも時間の問題という。インターネットもPCから携帯電話へ移りつつあるから、ここでも根は同根ともいえる。
 もっともインターネットでも有料のコンテンツもないわけではないので、コンテンツを本で表現するか、有料でインタネットに流すか、という選択をすることはできる。ただ、それは”お金”を取れるに値するコンテンツである、ことが肝心だ。
 粗製濫造の本を送り出してきた出版社が無料のインターネットに食われるのは当然の帰結だ。ここは情報の送り手も受け手も”本物”を見分ける眼を備える、にしくはないようだ。
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WPCエキスポ

2005-10-26 | Weblog
 日経BP社主催の「WPCエキスポ2005」が本日(10月26日)開幕した。東京ビッグサイト東1-6ホールを使って1350小間(公表)を展示してはいるが、内情は極めてお寒い。通路幅がゆったりしていて、なおかつデジタル写真コンテストやら出展者によるプレゼンテーションスペースやら等やたら空きスペースが目立ち、会場全体に閑散感が漂うのは如何ともし難い。かつて幕張メッセを全館(1-11ホール)使用したことを憶えている者にとっては往時の盛況が懐かしい。
 目玉の出展社であるはずのマイクロソフトの展示も力が入っている感じがしない。PC全盛時に数あったIT系展示会のなかで生き残った数少ない展示会で、それなりに健闘はしてきたのは事実だが、今回を見る限り、衰退を辿りいまや息も絶え絶えのビジネスショウに似てきた観さえある。このままいけばライバルのCEATECに吸収されるのも時間の問題か。
 展示会というものは生き物であり、毎年開催するもののその年、その年ごとの新味を織り込んでいかない、とアピールしないし、なによりも主催者のそうしたことへの積極的な姿勢を随所に見せていかない、とまず出展社はついてこない。出展社が意気に感じて出展をしない、と来場者も来ない。展示会は年に一回なので、反動は翌年にやってくる。日経BP社の展示会が開催の初日に日本経済新聞、もしくは日経産業新聞に広告が出ない、ということは親会社の新聞であることからいってもあってはならないことだ。
 「WPCエキスポ」再生の道は当初の原点、地方のソフトウェア会社からマイクロソフト、かつてのジャストシステムを生み出すことに貢献する、に立ち返って戦略を練り直すことしかない。
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第39回東京モーターショー

2005-10-25 | Weblog
 第39回東京モーターショーが千葉・幕張メッセでこの22日(土)から11月6日(日)まで16日間、開催されている。絶好調の自動車業界だけに内外の注目が集まっている。一日10万人を越える人がつめかけ、新車に、コンパニオンに群がっている。見所は愛知万博にも出品された未来カー、環境にも配慮したエコカーあたりか。
このモーターショー、日本で最大の展示会でもある。開催期間が長いこともあるが、総来場者200万人という記録は過去最大である。今回、そこまでいかないだろうが、まさに化け物展示会である。経済界でも日本経団連の会長をトヨタ自動車の奥田碩会長が務めていることからもわかるように自動車が牛耳っている、といっても過言ではない。つい、先月閉幕した愛知万博は予想の入場者は1500万人をはるかに上回る1800万人余を記録したが、これもトヨタあげてのバックアップがあったからこそで、一部に”トヨタ万博”という向きもあったほど。そういえば、今年初めに開設された中部国際空港も同じトヨタのバックアップあってこその離陸であった。
東京モーターショーも日本自動車工業会の会長こそトヨタでないもののトヨタがあってこそのイベント。となれば、世間の注目はいやがうえにも集まるのも道理。一昨日から天候にも恵まれ、一気に過去最高の来場者を記録することもあり得る。
かつての世界最大の企業、米ゼネラルモータースの業績が芳しくなく、展示も寂しいのが若干の気がかりではあるが、自動車はまだまだ人々の夢であることを感じさせるものとなろう。
あと、気になるのは来年からモーターショーは乗用車と商用車を一緒にするかつてのモーターショーに戻すことにしているが、この展示スペースで商用車が加わって果たして大丈夫か、ということだ。実際は再来年の課題ではあるが、東京ビッグサイトとも同時開催ということも視野のうちに入れておくことも必要だろう。
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新聞の未来

2005-10-24 | Weblog
 昨日、テレビを見ていたら月尾嘉男東大名誉教授が「新聞が電子化されれば、今のエネルギー使用量は20分の1になる。紙だけでも新聞は日本の紙使用量の15%を占める。これがゼロになる」と話していた。これまでは単に新聞とインターネットの対比で語られていた新聞のIT化が環境の観点から語られるようになった。新聞関係者にとっては由々しき問題でもある。
 最近、産経新聞は月315円でネットで新聞が読めるとの発表をした。産経新聞ではそれほど全体には影響はしないかも知れないが、米国のニューヨークタイムズ等の動向もあり、新聞の電子化はもはや避けられない。焦点はいつ、どのくらいのスピードで電子化が進むか、だ。今年、あのホリエモンはフジテレビを買収しようとした際、いずれ新聞はインターネットに取って代わられる、と豪語して顰蹙を買ったが、ここへきてそうも言ってられなくなってきた。電子化に環境の要素が加わって、予想外にスピードアップされる可能性が高まってきたのだ。
第四の権力とも言われ、特権の上にあぐらをかいてきた新聞業界に目に見えぬ”神”の鉄槌が下るのは、正直早いのかも知れない。新聞業界人よ、その時が来たらあわてふためかないよう、今から心しておくことが肝要なのではないだろうか。
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JAZZ

2005-10-23 | Weblog
本日(10月23日)午後、縁あって世田谷の松本記念音楽迎賓館にて、寒川敏彦氏の「JAZZ LIVE」なるものを観賞してきた。知らなくて行ったのだが、寒川氏は知る人ぞ知る世界的なJAZZピアニストだそうで、氏の専門のハモンドピアノではなく本邦初のパイプオルガンに挑戦したJAZZファンならよだれのでそうなライブであった。氏いわく「酒も飲まず演奏するのは10年振り」とか。また、パイプオルガンの横にBasindorff(?)ブランドのピアノもあって、それにも挑戦した。氏がこれを弾くのは2回目とかで、「硬くてJAZZに合っている」と言っていた。
 さて、肝心の演奏だが、正直JAZZの大家の演奏をライブで聴くのはほとんど初めてのことで、「これが本物のJAZZか」といった程度で、淋しい。ただ、あのニュ-オルリンズのフレンチクオーターには2回ばかり行ったことがあり、経験だけは本物。考えてみれば、JAZZの真価は即興にあり、演奏者の気持ちが汲み取れればそれでいいのではないだろうか。寒川敏彦氏の演奏は本人の気合いも入っていて、本当最高でした。松本記念音楽迎賓館は40人も入れば満員のホールで真近にJAZZを感じられて良かった、良かった!
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富士山

2005-10-23 | Weblog
 我が家といってもマンションの9階のベランダから富士山が見える。この秋の最低気温とかで、今日(10月23日)、富士山がくっきりと見えた。10年前に入居した時にはよく見えたのが、その後住宅やら、建造物が立て込んで、いまではアパートとアパートの間、なおかつ送電線の隙間からしか見えない。それでも姿がうかがえるだけでも喜ばなくてはならないのかもしれない。
 いまでもそうだが、東海道新幹線で富士山の南を通過する際にいつも富士山が車窓から見えるか、見えないかでその日のツキを占う。「今日は富士山から富士山が見えたからツイてる」なんて思ったりしたものだ。それからすると、東京に居ながらにして富士山が見えることがあるなんて信じ難いことでもあった。いまでも冬の富士山の姿はまさに霊峰といった感じで、宗教的な畏怖さえ感じてしまう。だから、家から富士山が眺められるなんて幸運の賜物といえる。よく山中湖に行くが、富士山の真下に行っても富士山が見えるのは2回に1回だ。
 で、マンションから富士山が見えるのは年に50日あるか、ないかだ。冷静に考えれば、天気が良くて多少冷え込めば、富士山が見えるのだ。それでも富士山が見えると、今日はツイてる、もしくは今日はいいことがありそうだ、と思えてくるのは富士山に対する特別な思いがあるからだろう。
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競馬

2005-10-22 | Weblog
 本日(10月22日)東京競馬場へ行き、例によってまたまたちょっぴり税金を納めてきた。最終レースでなんと三連単(一着から3着まで順番通りに当てる馬券)1800万円を越える史上最高の配当が出現した。当たった人はほんの数人だろうが、まさに宝くじ的な色彩がますます強まってきた。
日本中央競馬会は売上減少で射幸心をあおる高額配当のつく馬券を次々と発売に踏み切っているが、ねらいとは逆にファンの心は離れる一方。当たらないから遠ざかる……。
明日の菊花賞でディープインパクトなる馬が史上6頭目の三冠馬になるのは確実視されているが、これも一度傾いた傾向に歯止めをかけるには至らない状況、となっている。この流れを変えるのは並大抵のことではできないだろう。
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