気象庁が29日、これまでの津波など災害警報に加えて「特別警報」なるものを発令する、と発表した。異常気象で未曽有の大雨や、暑さなどの現象が続いて起きているための措置であるが、その基準が「数十年に一度の規模なり、量」というのだから、素人にはわかりにくい。大雨、暴風、高潮、大雪などの気象情報はもちろん、津波、火山噴火、地震も対象にするというが、そうなると災害全般にわたることになり、そこまで徹底するとなると、それを発動するだけの事前の予報を行ううえでの情報収集が完備しているか、となるといささか心もとない感じがする。
気象庁によれば、特別警報はいままでの注意報、警報の上に設けられるもので、対象となるのは大雨、暴風、高潮、波浪、暴風雨、大雪、それに津波、火山噴火、地震の3つも加わる、という。特別警報の基準はたとえば大雨の場合、「台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨となる大雨が予想される時」となっており、「数十年に一度の量なり、規模」が目安となっている。この特別警報は政府インターネットテレビを通じて出されることになっており、30日から実施となる、という。
災害が起きるのを事前に察知して、できるだけ災害が起きるのを防ぐのにはだれも疑問をさしはさまないことだろう。ただ、問題は日本全国の地図を前におおざっぱな気象予報だけを伝えられて、特別警報を出されても視聴者は一体、どこのあたりが危険なのかを知りようがない。日本全国をメッシュにしてこれこれの地区が大雨なら大雨の特別警報が出ています、と地域を具体的に指定しての警報を発することができるものなのだろうか。
さらに問題はこうした特別警報が発せられた場合、それぞれの災害に応じて、関係する地方自治体と連携して、避難する場所への誘導の体制ができているか、どうかである。気象庁の予報を聞いていると、最後に必ず「命を大切に」と結んで終わっているが、命を大切にと言われても具体的にどこへ避難して、災害が及ばないようにするのか、だれしも考え込んでしまうことだろう。もとより、気象庁の職員に言われなくともだれしも命は大事にしており、いまさらそんなことをいわれても困ってしまう。気象庁の職員も社交辞令でなく、本気でそう願っていることだろうが、視聴者にとってはそんなメッセージより、災害に応じての避難場所を具体的に指示してもらった方がありがたい。
そのためにはこうした警報を発する前に、前提となる気象予報をより正確なものにすることがなによりも求められる。天気予報でも結構狂うことがあり、特に地震の予報などは先日に誤作動して誤った警報を発信してしまったことがあったが、そんなことは許されない。いままで以上に気象予報がより正確なものとなるようなことに力を注いでもらいたいものだ。特別警報云々より、気象予報をより正確なものとするために新たなシステムを開発する、というのが先決のような気があする。
こう考えてくると、今回の気象庁の措置は9月1日の防災の日を前に官邸あたりの誰かから指示を受けて、やっつけ仕事でまとめた措置のようで、お粗末なことこのうえないようだ。
気象庁によれば、特別警報はいままでの注意報、警報の上に設けられるもので、対象となるのは大雨、暴風、高潮、波浪、暴風雨、大雪、それに津波、火山噴火、地震の3つも加わる、という。特別警報の基準はたとえば大雨の場合、「台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨となる大雨が予想される時」となっており、「数十年に一度の量なり、規模」が目安となっている。この特別警報は政府インターネットテレビを通じて出されることになっており、30日から実施となる、という。
災害が起きるのを事前に察知して、できるだけ災害が起きるのを防ぐのにはだれも疑問をさしはさまないことだろう。ただ、問題は日本全国の地図を前におおざっぱな気象予報だけを伝えられて、特別警報を出されても視聴者は一体、どこのあたりが危険なのかを知りようがない。日本全国をメッシュにしてこれこれの地区が大雨なら大雨の特別警報が出ています、と地域を具体的に指定しての警報を発することができるものなのだろうか。
さらに問題はこうした特別警報が発せられた場合、それぞれの災害に応じて、関係する地方自治体と連携して、避難する場所への誘導の体制ができているか、どうかである。気象庁の予報を聞いていると、最後に必ず「命を大切に」と結んで終わっているが、命を大切にと言われても具体的にどこへ避難して、災害が及ばないようにするのか、だれしも考え込んでしまうことだろう。もとより、気象庁の職員に言われなくともだれしも命は大事にしており、いまさらそんなことをいわれても困ってしまう。気象庁の職員も社交辞令でなく、本気でそう願っていることだろうが、視聴者にとってはそんなメッセージより、災害に応じての避難場所を具体的に指示してもらった方がありがたい。
そのためにはこうした警報を発する前に、前提となる気象予報をより正確なものにすることがなによりも求められる。天気予報でも結構狂うことがあり、特に地震の予報などは先日に誤作動して誤った警報を発信してしまったことがあったが、そんなことは許されない。いままで以上に気象予報がより正確なものとなるようなことに力を注いでもらいたいものだ。特別警報云々より、気象予報をより正確なものとするために新たなシステムを開発する、というのが先決のような気があする。
こう考えてくると、今回の気象庁の措置は9月1日の防災の日を前に官邸あたりの誰かから指示を受けて、やっつけ仕事でまとめた措置のようで、お粗末なことこのうえないようだ。