24日にロシア軍がウクライナに侵攻して以来、4日経ったが、昨日あたりからのテレビ各局のニュースを見ていたら、ロシアのプーチン、ウクライナのゼレンスキー両大統領とも国内の支持率は20%そこそことなっており、国民の支持を失いつつあることが判明した。プーチン大統領はウクライナに侵攻することで、大国ロシアの威力を世界に見せつけることをねらったようだが、当のウクライナはもちろんいまや世界中に反プーチン運動は引き起こすという思っても見ない結果となって跳ね返ってくつつある、という。ゼレンスキーウクライナ大統領は国際的な支持を集めつつあり、ロシア軍が撤退すれば救国の英雄視されるような目も出てきた。
いずれにしろ、今回のプーチン大統領の暴挙は国連での反発をはじめ、世界各国で「戦争反対」のデモを引き起こす本人にとっても意外な世論、運動となり、国内で反プーチンのデモが起きるなどと思ってもみなかった動きが広まっており、いまではどうして事態を収拾しようか、と思いあぐねる結果となっている。過去の世界史を繙いてみれば、ヒットラーはじめいずれの独裁者も最後は国民、部下からもそっぽをむかれ、自ら退路を断つような結果となっている。プーチンも例外ではなく、自らの手でプーチン劇場の幕を引き下ろさざるを得ない局面に入りつつある、といっていいだろう。
考えてみれば、プーチンは当年とって69歳で、決して若くはない。ウクライナ問題がなくてもそろそろ後進に道を譲ってもいい年代にさしかかっている。大統領になってことしで22年というから、世界で最も長く元首を務めていることになる。ウクライナ侵攻が始まって、ロシア国会であろう場面で、プーチンとの閣僚とのやりとりが公開されたが、プーチン大統領が面罵しているところがあり、いかにもプーチンが独裁者であることを物語っていた。側近はじめ閣僚のだれもが逆らえないことを如実に表していた。
今回のウクライナ侵攻についてもプーチンは誰にも相談せずに自ら決めて、実行に移したことと思われる。普通なら議会なり、ロシアの然るべき機関、組織にその旨を告げ、了解してもらったうえで実行ということになるのだろうが、そうした手続きなり、了承を得たようなことは聞いていない。プーチン大統領が独断で決め、戦闘開始を宣告したのだろう、と思う。そんなことがまかり通るということはロシアが国として機能していない証拠でもある。
今回のウクライナ侵攻について、ロシア、ウクライナ間で和平交渉が行われるとか、イスラエルが仲介に入るなどの話が出てきているが、独裁者プーチンにとってはまず話に乗ってくるようなことはないことだろう。プーチンとしては行くところまで行って、最後は自ら決着をつける、という形でしか終わらないことだろう。それがどんなか形をとるのか、プーチンの頭の中でしか、描かれていないことだろう。
とはいうものの、現実にロシアーウクライナ間の戦争はまだ続いている。世界各国で展開されている戦争反対、プーチン辞任要求のデモは今後一層激しく展開されることだろう。そうした声をプーチンのもとに届けることによって、プーチンの意図する「ロシア大帝国」の野望を押しつぶすことによってしか、この戦争を止めることはできないかもしれない。が、それしか事態が終息する手はないのかもしれない。
追記(3月1日)ロシアーウクライナ戦争は膠着した戦況からか、28日になって両国の停戦交渉が隣国のベラルーシで行われる、というなんとも理解できかねる狐と狸の化かし合いともいえる事態となった。形だけのものか、時間かせぎかねらいはわからないが、合意には至らず引き続き停戦交渉を行うこととなった。欧米諸国はSWIFT(国際銀行間通信協会)ではロシアの銀行に対して決済ネットワークから排除することを決め、ロシアに対する経済制裁を強化することにし、いよいよプーチンを追い詰める構えを見せており、プーチン包囲網は着々と進行している。