写真①:大黒(左)と恵比須が表を飾る「河崎政一商店」の古い団扇
貝寄せの浜・「貝寄せ館」物語 17
:「河崎政一商店」の古い団扇
取り壊されて今は無いお米屋さん
「河崎政一商店」の古い団扇
――「海とまちなみの会」
福津市津屋崎3丁目にある「麦屋惣平衛邸」当主麦野裕(ゆたか)さん(千葉県在住。「海とまちなみの会」会員)から同会事務所・「貝寄せ館」に寄贈された〈津屋崎千軒〉の商店の古い団扇9枚のうち、沖町にあった米穀店・「河崎政一商店」の団扇の表を飾っているのは、山盛りの米が入れられた枡を前にした立ち姿の大黒(左)と恵比須です=写真①=。
財福と開運出世の神・大黒は大きな白い袋を右肩に担ぎ、商売繁盛の神・恵比須は豊かに稔った黄金色の稲穂を背景にして両手に米俵を抱えています。笑顔で福耳の大黒と恵比須が、商売繁盛を寿いでいる感じで、美しくも懐かしいレトロな色調が魅力です。
団扇の裏には「毎度有難う御座居ます 米穀 雑穀 麺類 飼料・販売 河崎政一商店 津屋崎沖町」と書かれています。
「河崎政一商店」は、江戸の風情を見せる土壁漆喰塗りの二階建て町家=写真②=でしたが、建物の老朽化とシロアリ被害のため、福津市外に住む所有者の方が平成20年(2008年)に取り壊されました=写真③=。
写真②:江戸の風情を見せる土壁漆喰塗りの二階建てだった旧「河崎政一商店」
=福津市津屋崎沖町で、2007年1月27日撮影(吉村青春著『津屋崎学』から)
写真③:取り壊される旧「河崎政一商店」
=福津市津屋崎沖町で、2008年10月4日撮影(吉村青春著『津屋崎学』から)