弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

裁判官もイロイロ

2009年04月17日 | 経験談・感じたこと
岐阜の裁判官が、被告に対して「アンタ」だとか「バカ」と発言したということで話題になっていますが、まぁ、裁判官も人の子ですので、思わず「不適切発言?」を出してしまうのかもしれませんね。


ところで、裁判官ネタでいうと、先日、私にとって初めてのタイプの裁判官と当たりました。
(別に暴言を吐くとかそういう裁判官の話ではありません。念のため)

一般的に民事事件の場合、代理人弁護士が手続きを進めていき、陳述書で依頼者の言いたいこと(若干感情面も含めて)を裁判官に伝え、当事者尋問で本人の思っていることを裁判官に直接伝えるという流れになることが多いと思います。
そして、当事者が直接裁判官と話をする機会があるとすれば、和解の席上くらいではないと思います。
(※準備書面など弁護士が作成する書面は、論理性や合理性を重視しますので、感情面はどうしても切り捨てることになってしまいます)


しかし、某事件で担当となった裁判官は、まだ争点整理段階であり、もちろん尋問も行われておらず、しかも和解の協議さえ始まっていないにもかかわらず、
「尋問前に、一度、当事者を同行させて下さい」
「尋問はどうしても制限的になるので、私(=裁判官)のやり方としては、尋問前に、当事者より直接話を聞きたいと考えています」
と言ってきてました。
(どうやらサシで話をするらしい…)

私からは、一応
「当事者は感情的になるかもしれませんが大丈夫ですか」
と尋ねましたが、裁判官は、
「構いません」
とのこと。

この様なことを言ってきた裁判官は初めてなので、どの様に対処すべきか色々と思案しているところです。
(尋問では本音を話さないので、直接対面することで、本音を聞き出そうという趣旨か?それなら尋問前と同様、想定問答の準備が必要になるかも…。
あるいは、代理人を介することは面倒なので、事件を早く落とすために、直接当事者本人に対して強烈な(?)和解勧試が行わうためだけか?それなら何のための代理人なのか…。
等々考えたりもします)


まぁ、「裁判官は話を聞いてくれない!」という不満も一部あるのは事実ですので、その不満に対する対処なのかもしれません。
いずれにせよ、初めてのタイプの裁判官なので、これからどの様な訴訟指揮をするにせよ、依頼者のために適切に対処したいと思います。

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