弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

裁判が混乱に拍車をかけている!?-宇宙戦艦ヤマトの著作権はいずこに…

2007年01月09日 | 法律情報
アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の著作権は誰に帰属するのか? を巡る司法判断により、関係各当事者に混乱が広がっているようです。

報道によると、宇宙戦艦ヤマトの著作権登録を行っている会社が、無断で当該アニメを用いているとして、著作権侵害による裁判を提起していたようです。
そうしたところ、昨年末に東京地裁で判決がなされ、著作権登録を行っている会社に著作権は帰属しないので、著作権侵害は成立しないとして請求棄却判決が出されたようです。

原告の会社が、文化庁へ著作権登録を行っているにもかかわらず、著作権が帰属しないという司法判断が出されたことで、
・結局、著作権は誰に帰属するのか?
・文化庁がお墨付きを与えた(?)著作権登録はどうなるの?
・宇宙戦艦ヤマトを利用したキャラクター商品等は、今度どうなるの?
などなど、関係各当事者の困惑は相当なものと思われます。


そういえば、宇宙戦艦ヤマトについては、松本零士氏がプロデューサーに対し、著作権の帰属について裁判を提起し、共同著作とする和解が成立しているはずですが、この裁判との関係性もどうなるのでしょうか?
(確かに、民事訴訟の理論として、著作権登録を行っている会社は訴訟当事者ではないようですので、訴訟の効力は及んでいないのでしょうが、法理論はともかく、著作権の帰属について色々な司法判断があると、現場は混乱しますよね。)

原告側は控訴したようですので、統一判断を示すべく、関係各当事者を含めた話し合いによる解決が求められる事案となりそうです。


関連するニュースへのリンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070109-00000001-san-soci

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