リベルテールの社会学

生きている人間の自由とは、私の自由と、あなたの自由のことだ。そして社会科学とは、この人間の自由を実現する道具だ。

森毅的実践

2013-06-01 20:45:59 | その他
 こんばんは、よい気候が続きます、梅雨だけど。
 
 週初めには、勤め先の窓に小さな子鳥がやってきて室内に入りたがっているように窓ガラスをつついていました。どれどれ、なんの鳥かしらんと近づいたら、いったん飛び立って、という間にまたゴツンと窓ガラスにぶつかって消えてしまいました。知らない羽模様でしたがどこかの家から逃げた赤ちゃん鳥でなければいいのですが。
 と思ってたら、知り合いのブログに、やはり事務室の窓に体当たりした小鳥がいて気絶してしまったそうで、撫でてるうちに気がついたとのことですが、ブログ主が心配してました。
 鳥もなかなか大変なようです。
 
 さて、今日の「時間を大事に」は (って、いつそんなブログテーマにしたのか。まあ、ちょっと手抜きということですが) 森毅。 亡くなった数学の先生です。 手抜きというかストレス解消にエッセイを図書館から借りたところで。
 前から私の好きっぽい方ということで借りたのですが、ご本人、スラっと「自分はリバータリアン」とおっしゃってたようです。
 もちろん、リバータリアンといっても最近ネットでみかける思想の歴史も知らない若い衆がいうような右翼資本主義者のことではなく、アナーキストのことです、よね。いちいち発言に頷ける(うなづける)からね。 
 ただ、惜しむらくは発言が表面的に正しいだけで、言ってもせんない。届かない。そりゃ数学者になに期待すんじゃ、ってことだからそれでよろしいんですが。
 
 で、先生おっしゃる中で役に立ちそうなところで、
 『教育は荒廃なんかしていない、過剰なだけだ』、親も教師もうるさすぎる、それでは子どもは育たない。教育とは自分でなんとかする能力をつくる場だ。それが教育のすべてだ、子どもよ、自分を大切にしなさい、というわけで。
 
 というわけで、正しいんだけど言ってもせんない。
 こういうのを「そうだそうだ」 と実行するのは、はじめからそう思っている教師や親や子どもばかり。そりゃ、そういう人にとっては力になるから、発言することは決してムダではないんだけどね。
 
 で、何がせんないって、自分(子ども)におためごかしで懸かってくる連日の教育攻撃に歯向かうには、子どもの自主性まかせとなるしかない。
 教育は教師の必要で動くし、親は自分の満足で動く、その結果が今だ。そしたら残るのは子どもだけだからね。
 
 というわけで、ここは個人的に、このブログご訪問者で将来親になる若い方にのみ、お届け。
 
 子どもの自立というものは、子どもが10歳までに自分の好きなことを思う存分やった、何度も成功し、親に褒められた、年長に褒められた、本に書いてある通りできた、その経験にしかない。それが彼の文化となり、それで子どもは世間と対抗する。 
 それが田んぼの雑草取りであるか、ワカメ採りであるか、百メートル走であるか、サッカーであるか、塾の席次であるか、それは別として。それは別だが、その手続きの中で、その手続きによってのみ、彼は彼の文化を彼の中に確立する。(具体的な賞賛に応ずる能動的行為の達成、という意味です)
 
 もっとも森先生も「自分の家庭の文化が育ってさえいれば、学校なんてものは、そんなに気にする必要はない」とおっしゃる。さすがですね。先生のご本をご覧になると一見チャランポランのようですが、どうしてどうして。とても本質を認識していらしゃること、数学者とは思えない。ただ、そこから先が分からず、ともかく社会に発言しようとなさったようです。 
 まあ、言ってもせんない蛇足を加えると、子どもの遊びに食い込み拡張している商品主義=「与える文化」を止めない限り、これも期待薄なのではありますが。(流れる時間を泳ぐだけの人生、という意味ですが)
 
 
   「とかなんとかたかだかのサラリーマンが偉そうに」っていわれるのも普通ですね、とくに通りすがりの人とか。
   まあ、そういう人はせいぜい過剰教育をして、20年後、そらみたことかといってくださいませ。いえたらね。いいんじゃないですか、東大にいれるのが親の役目と思っている人は。誰だってカネがあって病気にならなきゃ東大くらい入れられるでしょ。それでどうなろうがわたしゃなんの興味もありません。(うちのお子さんからなにかを言われたとするとちょっと違いますが)

   (注:なお、私は自分の20年後の社会からの評価を疑ったことなど一度もありません。
      これは同情してくださる常連の方用に、「ご心配なく」というほどのことで。)
   

コメント
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