北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

釧路は日本有数の馬産地~馬を楽しもう

2011-05-21 23:16:56 | Weblog
 釧路をはじめとする道東地域は日本を代表する馬産地で、その歴史は明治時代までさかのぼります。

 後に人呼んで「ウマの神様」と言われた神(じん)八三郎が釧路へ来たのは明治20年、当時二十歳の青年でした。

 八三郎は釧路へ来てから、商売や農業など様々な職業を経たものの、どれもあまりうまくいきませんでしたが、そんな彼に「馬をやりましょう」と勧めたのは妻のセキだったと言います。

「よし、馬をやるか!」 彼が馬づくりに決心したのは明治35年のことでした。馬の神様が彼に降りた瞬間です。

 八三郎の馬づくりの中で、最大の功績は「日本釧路種」と呼ばれる品種を作り上げたこと。当時の馬は戦争のための強力な武器の一つでした。

 特に日露戦争でコサック騎兵に散々に痛めつけられた軍部からは、「大きな馬が欲しい」という声が強かったのですが、「体の小さな日本人に大きな馬を与えてどうする?日本人の体格に合った馬がいいんじゃ!」という自説を引っ提げて八三郎は陸軍省や農林省を駆けずり回り、ついに五尺二寸(約156センチ)の馬づくりを目標とさせて、それに見合う馬として作り上げたのが「日本釧路種」だったのです。

 今こうした馬の歴史は、釧路市の大楽毛で昔の馬市の後に作られた神馬事記念館がその往時を偲ばせています。


    ※     ※     ※     ※     ※


 さてそんな釧路のこと。一度は馬に乗りたいものだと思っていたら、なんと先週、「東北海道うま会議」のメンバーという方たちが訪れてくれて、道東地域の馬に関する情報をいろいろと教えてくれました。

 しかもこの週末に馬に乗るイベントがあるというので、すぐに申し込んで今日早速参加をしてきたのです。

 乗馬を行うコースは釧路市の隣町の鶴居村にあります。馬会議の幹事長であるMさんも馬に見せられた男の一人。ここ鶴居村の牧場を借りながら、自分で所有する馬たちを使ってホーストレッキングで楽しませてくれています。

 このコースのすぐ近くにはこれまたホーストレッキングで有名などさんこ牧場があって、こことも連携をしているとのこと。


    ※     ※     ※     ※     ※


   【クォーターホースは背が高くてかっこいい】

 今日乗る馬はクォーターホースという種類で、どさんこよりは背が高くて馬らしい姿をしています。私が乗ったのはアポロという名の若いオス。ホーストレッキングには私の他に女性が三名と男性が一名が参加していました。

 馬に乗るのは初めてという参加者もいる中、事前準備と言っても講習も何もほとんどなく、「馬は首が操縦稈なので、手綱を引っ張れば止まるし、あとは右左に顔を向けさせればそちらへ向かいます。走らせるときはかかとでお腹をドンと蹴ってください。じゃ、いきますか」という乱暴な説明(笑)があるばかり。

 しかしそれを可能にしているのが、この馬たちが十分に調教されて馬たちばかりだということ。まさに馬たちが調教されているかどうかこそが、楽しいホーストレッキングができるかどうかの一番のポイントというわけで、それがしっかりできているのがここの馬たちなのです。

 今日の目的地は、はるか遠くに見える、大きな木が数本立っている「どんぐりの丘」と呼ばれる小高い丘。早速出発です。


   【ずいぶん遠くに見える丘ですが…】


 馬の背中の上では上からつりさげられているような気持ちで、と言われますが、つまりは背筋を伸ばして重心を真ん中におけ、ということ。乗っているうちに次第に慣れてくるものです。


   【皆上手に見えるのは馬が利口だから、なのです】


 途中、美味しいからなのか、それとも騎手が馬鹿にされているのかやたらに草を食べる仕草が見られましたが、「馬を扱うポイントはイニシャチブを取ること。騎手にとって気に入らない態度をしたらすぐにびしっと叱ることを繰り返せば、言うことを聞くようになりますよ」というアドバイスを受けて、次第にコントロールが効くようになりました。馬が利口なんです、馬が。


   【見よ、この雄姿】


   【参加者で記念写真をパチリ】


    ※     ※     ※     ※     ※


 今日は朝方現地へ向かう途中で雨が降っていたものの、トレッキングを始める頃には雨も上がり心地よい風が吹き始めました。目的地の「どんぐりの丘」で記念写真を撮って再び元の牧場へ。楽しい馬との2時間の旅でした。

 お値段の9千円(昼食代込、会員は7千円)を高いと思うか、安いと思うか。北海道ならではの思い出づくりも、馬との相性でさらに素敵なものになりそうです。

 私も会員になったので、次はもう少しスピードを上げて走る練習をしたいと思います。

 北海道ならではの良さをもっと味わわなくては、ね。



   【うーん、なんとも北海道らしい風景だ】
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釧路岸壁炉端今日から営業開始

2011-05-20 23:48:13 | Weblog

   【いよいよ今日から岸壁炉端の始まりです】


 いよいよ今日から釧路フィッシャーマンズワーフMOOの河岸で岸壁炉端が始まりました。

 もう夕方から待ちかねたファンがやってきて、半年ぶりの釧路の味を楽しんでいます。

 私も18時半からの会合までの間、知人と一緒に岸壁炉端の始まりに祝杯をあげました。

 テントの中には四つの店舗が入っているのですが、一カ所で夕日ハイボールを買うことができました。岸壁炉端に夕日ハイボールとは釧路風味満点のシチュエーションです。

 釧路っ子も観光客も、こぞって岸壁炉端を楽しんでください。

 今年は今日5月20日から10月31日までです。


   【懐かしいテントの風情】



   【おや、どこかで見た顔が…】



   【今日の夕日…ならぬ、今日の夕日ハイボール(笑)】 
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期間限定には弱い~釧路地域グルメ

2011-05-20 23:45:48 | Weblog
 今現在道内では12の圏域で、シーニックバイウェイという取り組みが行われています。

 これは、行政と企業、地元地域に暮らす人たちが内発的に協力し合って、個性的で活力あふれる魅力的な地域づくりをしようという取り組みで、平成17年から始まったものです。

 ここ釧路圏域では、「釧路湿原・阿寒・摩周シーニックバイウェイ」という名称で、釧路から阿寒、摩周方面にかけての地域で協力しながら地域を盛り上げているところ。

 この運動の修身的な役割を果たしているのが、シーニックバイウェイ支援センターですが、ここが昨年11月から始めたのが「北海道グルメフェア」。

 大手コンビニチェーンのローソンさんの道内店によるご協力の下、12の圏域で一か月交替で順番に地元の美味しい逸品を売り出そうというものです。

 すでに6つの圏域の特別メニューが展開されてきましたが、この5月はいよいよ釧路・阿寒・摩周圏域の番がやってきました。

 釧路から提供されるメニューは四種類。釧路全日空ホテル総料理長楡金久幸シェフ監修の「ビーフストロガノフ」、同じく楡金シェフ監修の「阿寒ポークの焼肉バーガー」、くしろザンギ推進協議会推奨の「ふっくら三角手巻きくしろザンギ」、弟子屈ラーメン監修の「山わさび冷やしラーメン」という顔ぶれです。


   【楡金シェフのビーフストロガノフと阿寒ポークバーガー】


   【弟子屈山わさび冷やしラーメンと手巻きくしろザンギ】



 早速私も買い求めて食べてみましたが、料理のレポーターをできるほどのグルメでもないので、感想は「なるほど、そうきましたか」というくらいでお許しを。

 ただ強烈だったのは、弟子屈の山わさび冷やしラーメンについていた山わさびの辛さ。涙が出ました(笑)


    ※     ※     ※     ※     ※ 


 実は、釧路でのメニュー展開の番になった時に支援センターから私に対して「楡金シェフをご紹介してください」という依頼があって、仲介の労を取ったのでした。

 だから余計に気になっているのですが、商品化もされたことで、全日空ホテルに用事があった時に楡金シェフにお会いしてこの間の模様などを伺いました。

 楡金シェフからは「最初にメニューの打ち合わせをして、いくつかの提案から試作品を作ってくれてそれにさらいアドバイスをするという形で進めました。本当は私が指導に行っている厚岸高校が作っている『かき味噌』を使えないか、という提案もしたのですが、ローソンの食品工場での衛生管理基準と微妙に合わないところがあって叶いませんでした」とのこと。

「ビーフストロガノフはフランス料理の定番で、バターライスをつけることが多いのですが、ちょっとインパクトに欠けるということでペッパーライスにしてみました。試作品は少し甘めに出来上がっていたのでレモンで味をしめるようにアドバイスもしました。今回のことで、阿寒ポークや道産牛などの地産地消にすこしでもご協力できたことを嬉しく思っています」

「それにホテルの写真や名前、私もいろいろ出させていただいて、ホテルとしても大歓迎でした(笑)」

 私としても仲介者としてみなさんが喜んでくれて嬉しく思っています。

    ※     ※     ※     ※     ※

 さて、せっかくできたこの釧路圏域メニュー、道内約540店舗のローソンで販売されていますが、期間は5月17日から30日までの二週間となっています。

 残念ながら本州以南では販売されていません。興味のある方はぜひ北海道へお越しください。

 明日のお弁当はローソンへどうぞ。 


【北海道グルメフェア第7弾!】
   http://bit.ly/jqps2P
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「エンジニアの野外手帳」を読む

2011-05-19 23:45:01 | 本の感想

   【エンジニアの野外手帳】


 知人から「この本、面白いよ」と送られてきたのが「エンジニアの野外手帳」という本。

 編著は北海道を代表する総合建設コンサルタントであるドーコンに勤務するスタッフによる、「ドーコン叢書編集委員会」の皆さん。

 総合建設コンサルタントと言えば、道路、河川、橋梁、環境、生物などの専門家たちで、文字通り道路や河川、都市施設などの社会的インフラの計画、設計、などを生業とする集団です。

 そんな工学的技術者の集団である総合コンサルタントの社員としては、社会の中にちょっと不思議なものやことを見るたびに、「それはなぜか」を探求したくなる職業的な癖があるよう。

 そしてその謎を解くことが社会をまた一つよくする提案に繋がるという確信があるからこそ世の中を見る目が養われ、腕の良い目利きになると普通の人ではわからない微細な事柄が分かってくるのです。

 この本には、そんなエンジニア魂にあふれた、「北海道の謎解き話」や「未来への提言」など12編が含まれていて、そのどれもが、単なる苦労話ではなく、技術者が課題に正面から取り組んだ軌跡だと言えるでしょう。


    ※     ※     ※     ※     ※
 

 魚の生態を知りたくて、どんな酷寒にもめげずにドライスーツに身を包んで水中で魚を見、写真を撮る潜水調査に注いだMさんの人生がそこにあります。

 かといって魚に対しては「焼いて食べよう、掴まえてやろうなどの下心を持っていると、魚は岩陰や糖流木の中に身をひそめて二度と出てこない。産卵期のカップルに不用意に近づくと、産卵放棄してしまう恐れがある。技術者として、決して許される行為ではない」という姿勢で敬意を持って真摯に付き合うことを貫くのだと言います。


 私自身、以前長野県にいた時に潜水調査のプロのNさんという方と仲良くなり、ダイビングを始めました。ダイビングを始めた頃は面白くて、いろいろな調査にも誘ってくれたNさんについて回り、海でのダイビングだけではなく河川調査や湖水調査にも良くいきました。

 Nさんは、「魚の気持ちが分からなければ河川整備などできない」といつも言っておられましたが、「お役人でダイビング免許まで取って自分で潜ろうとする人はそんなにはいないねえ」と苦笑い。

 「河川屋さんは環境が大事というけれど、誠実に川に向き合うというのはどういうことだと思っているのだろう」と、豪快に笑いながら、実にいろいろなことを教えてくれました。

 役人はそんなことまでしないというのならば、やはりできるだけ正確な知見を提供するのが調査のプロということのはず。北海道には潜水調査をする人はなどいないと思っていましたが、立派に活動されていることに安心しました。


    ※     ※     ※     ※     ※

 また別な章では、北海道の道路に関して「まっすぐな道路のミステリー」を挙げています。

 道内をドライブしていると、まっすぐな直線道路をしょっちゅう走ることが多いものです。その理由は、歴史的な経緯さえなければ道路はまっすぐに作るのが一番安上がりだということ。

 ところがこの直線道路が、しばしば遠くの山の山頂を目指して作られていることが多いのだと言います。

 なぜだろう?

 そのことを調べ始めると道内には山にぶつかる道路が40本以上もあることがわかったのだそう。それも大きな山だけではなく、地域にある小さな山にまで向かう道路が多いのだ、とも。

 この章の著者は、調べてゆくうちに「どうやらこれは当時の測量技術に関係があるらしい」という考えにたどり着きます。

 考えてみると、うっそうたる原生林に覆われた北海道で、まず道をつけるために測量をしようと思うと、山を基準にいた測量を行って、そこに道を計画するのが一番合理的だったのでしょう。

 そういう視点でさらにみてみると、運河や排水路、人工河川や鉄道にまでそうした直線が含まれているのだそう。

 そうした道路を実際に走ってみると遠くの山の頂は、直線を遠くまでどこまでも見てゆくと、ある一点に収束する「ビスタ」という手法そのものであることに気が付きます。

 筆者はこれを、「まるで大地に彫刻をしたかのようなこの大きなスケールの『絵になる風景』は『百年前の土木技術者からの贈り物』というべきだ。これから作る道路では求め得ない機構な土木遺産であり、磨けば光る北海道特有の景観資源だ」と述べます。

 私もまっすぐな道路だと思ったことは何度もありますが、その先が山の頂を目指していたかどうかは記憶にありません。これからは改めて視野を広げて道内をドライブして、その景観の資源性を探ってみたいものです。


 土木技術のプロが見ると世の中はこう見えるという、視野を広げてくれる一冊に仕上がっています。

 「エンジニアの野外手帳」というタイトルも良いですね。

 ぜひ本屋さんで一度手にしてみてください。今までとは違った北海道が見えてきます。
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アニマル外交

2011-05-18 22:41:13 | Weblog
 動物園は楽しいもの。しかし最近は希少な動物の飼育頭数が減少の一途をたどっています。

 ホッキョクグマもその例にもれず減少しつつある動物の一つなのですが、まだ繁殖能力のある個体があるうちに繁殖をさせようと始まったのが「ホッキョクグマ繁殖プロジェクト」でした。

 これは、全国の八つの動物園・水族館が連携して互いに動物を貸与し合って結婚・子作りに励んでもらおうという試み。

 このプロジェクトの一環として、釧路動物園では園にいるメスの「クルミ(14歳)」を秋田県男鹿水族館に貸し出して、繁殖を目指すこととしました。

 クルミは4月27日に現地への移動を完了、5月14日には男鹿市と秋田県を挙げてのお披露目式が行われたようです。

---------------≪ ここから引用 ≫--------------
【Yomiuri Online】 結婚式でお披露目、花嫁「クルミ」に歓声    http://bit.ly/iWSxpT

 秋田県男鹿市の男鹿水族館「GAO」で14日、ホッキョクグマ「豪太」(7歳)の花嫁として釧路市動物園からやってきた「クルミ」(14歳)の一般公開が始まった。

 公開に先立つセレモニーでは2頭の“結婚式”も行われ、詰めかけた100人以上の来館者からは県内初となる2世誕生を期待する歓声と拍手が沸き起こった。

 結婚式では、豪太とクルミの代理として、それぞれ中野節副知事、山口良雄釧路市動物園長が特製の婚姻届にサインし、渡部幸男男鹿市長に提出。山口園長が「クルミには釧路と男鹿、秋田を結ぶ架け橋になってほしい」と力を込めると、渡部市長も「クルミさんは家族の一員。大事に受け入れたい」と応えた。 (以下略)

---------------≪ 引用ここまで ≫-------------- 

 無事に結婚披露宴も行われたようでよかった、と思っていたら、釧路市役所には男鹿水族館から、豪太とクルミの結婚記念ぬいぐるみが贈られてきました。


     【ぎゅーと抱き合ってます】


     【キスしてる~♡】


     【二人の名前入りです】



 クルミは毛がちょっと茶色っぽいのが特徴なのですが、そんな細かいところまでちゃんと再現している細やかなぬいぐるみ、向かって左側がクルミのはず。ぎゅ~~っと抱き合う姿が実にかわいらしく出来上がっています。

 この上は、クルミが男鹿市の皆さんにもオスの豪太にも愛されて無事に子宝に恵まれることを祈るばかりです。 

 
    ※     ※     ※     ※     ※

 
 釧路動物園では、秋に台湾建国百周年の記念として台北動物園にタンチョウのオス「ビッグ」とメスの「キカ」の二羽を域外繁殖事業としてお貸しすることになっています。

 台湾では長寿のシンボルである瑞鳥のタンチョウが来ることを本当に心待ちにしてくれていて、先週の5月14日には台湾の国会に当たる台湾立法院の王金平院長以下44名の訪問団が、このツルを視察のために釧路までお越しいただきました。

 そういうことを理由にしながらも、その裏では台湾の実力者が北海道、そして釧路へ来ることで、台湾国民の皆さんへ「北海道も釧路も安全に観光ができますよ」という有形無形の情報を発信してくださっているのです。

 苦しい時にこそ本当の友人が分かるといいますが、台湾の皆さんの温かい心遣いに応えるべく、双方の様々な面での交流が進むことを心から期待したいと思います。

 動物外交というのは案外上手な行政手法なのかもしれません。 
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上手なプレゼンのコツ

2011-05-17 23:45:39 | Weblog
 長く市役所を空けたので、いろいろな打ち合わせが山のように待ち構えています。おまけにこの時期は様々な団体の総会の時期。

 総会と合わせて懇親会への出席の依頼も増えてきます。体調をしっかりと整えておかなくては。


    ※     ※     ※     ※     ※


 以前東京にいたときのことですが、特定の一人を選ぶのにプレゼンテーションをしてもらって、それを評価して一人を決めるというシーンがありました。

 プレゼンのコツなんて、あるようなないような漠然としたものですが、私が経験したなかではとにかく『評価者の心をどうつかむか』ということなのだな、と理解しています。

 プレゼン時間が20分で質疑応答が10分間ということだと、あまり長々とは話せません。要点を絞る中でどこに力点を置くか、ということがポイント。

 私がある応募者を見て「上手なプレゼンだなあ」と感心したのは以下の三点でした。

①求めることを全部説明せず、その中で強調したいところだけをピックアップして説明する
②多少説明時間を余らせて、質疑応答の受け答えの中で自分らしさを売り込む
③この業務にかける真剣さ、誠実さを示す、という三つです。






    ※     ※     ※     ※     ※


 ①の求めることを全部説明しないというのは多少冒険です。求める仕様書で要求していることなのですが、事前に上出の資料を提出する以上、評価者はそれを読んでいる、という前提に立って、あえて全部をだらだらと説明するのではなく、中でも強調したいところだけにしぼっと説明をします。

 聞いている方としては、何人もが全ての項目で似たようなプレゼンをしてくる中で、毛色の変わった説明方法が印象的に映ります。そしてそのピックアップした部分で独創的な提案があったりすると、印象が一気に高まります。案外効果的です。


    ※     ※     ※     ※     ※

 ②も冒険的手法。質疑応答時間も短いと思えば、あえて説明時間を使い切るのではなく、それを短くして「ここから先は質疑応答の中でご説明したいと思います」と、評価者の方を品定めする形を取ります。

 「冒険的手法」というのは、評価者の側の能力が低くて質の高い質問が出てこないと、いいところをみせられないということ。そのかわりに、質の高い質問が出てきてそれに対して上手な受け答えのラリーの応酬姿を見せられると、他の応募者との差が一気に大きくなります。

 この時は、ちょっと意地悪かと思うくらい鋭い質問をする人がいたのですが、それに対して実に巧みに受け答えをしたことで評価が上がりました。
 しかもそれは本来の質疑応答時間を超えてなお行われて、周りの印象も強くなったのです。


    ※     ※     ※     ※     ※


 ③の業務にかける誠実さというのはテクニックというよりも、応募者としての心構えそのものが見定められます。

 誠実さはどのように見せることができるでしょうか?このときは、対象となる現場が離れたところでいくつかある業務で、ほとんどが与えられた図面をベースにして机上のプランを説明していたのに対して、応募者のなかで一人だけが、「全部の現場を見てきましたが…」とさりげなく言い、それぞれの現場の特徴や思うところをつぶさに示してくれました。

 ある意味では常識なのかもしれませんが、時間とお金をかけて事前に多くの現場を実際に見ているというその姿勢に評価が上がりました。


 …とまあ異色な評価向上方法を述べましたが、世の中では数多くのプレゼンが行われています。ちょっとしたことですが、中には予定の原稿を読み上げるような説明者もいて、やはりそれでは心が伝わらないものだと思いました。


 結婚のプロポーズだってプレゼンの一種。プロポーズに予定の原稿を読む人はいませんよね。

 自分の魂からの声を発することができなければきっと成功はおぼつかないことでしょう。結局、魂が前に出ているかどうかが評価の分かれ目になるのだと私は思っています。

 さて、自分なりのプレゼン成功のコツってなにかありますか?
 
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大規模被災地の下水道の問題

2011-05-16 23:45:23 | Weblog

       【被災地の下水道復旧はどうあるべきか】


 被災地を駆け足で見てきましたが、被害の度合いは自治体や集落によってかなりばらつきがあります。

 大船渡や気仙沼などは海に近いところでの被害は大きかったものの、高台に広がる市街地も多くて、主たる部分が残っています。被害規模は甚大とはいえ、そこを起点にして被災区域を復旧することはまだ可能でしょう。

 しかし、南三陸町や陸前高田市などは市街地が広範に津波によって押し流されてしまい、上下水道や電気・通信などの基本的なインフラがほとんど残っていない状況です。

 こうなると、人が住むのが先かインフラを整備するのが先かという鶏と卵の議論に陥ってしまいます。

 また被害があまりに甚大な集落では、住民の多くが亡くなっていますし、地盤が下がってしまったようなところで生き残った人がすぐに住宅を再建できるでしょうか。

 学校などの公共施設は立て直すとして、民間の各種商店などはどれくらいが戻るでしょう。

 しかも公共施設を再度整備しようと思うと、ある程度将来の計画をどれくらいにするか、ということが問題になります。

    ※     ※     ※     ※     ※

 今回改めて線形のインフラで弱いと思ったのが下水道です。道路でも上下水道でも、細い線上に繋がっている線形のインフラと言えます。

 線形のインフラが弱いのは長くて維持管理費がかかる割には、たった一か所が詰まっても機能が落ちてしまうことです。道路も交通事故ですぐに渋滞が発生してしまいますし、長い血管の中でも脳の中でたった一カ所が詰まるだけの脳梗塞は命に係わる機能低下と言えます。

 そんな線形のインフラの中でも、上水道は圧力をかけて水を送り出すので勾配はあまり関係ないのですが、下水道の方は水の勾配を利用して汚水を下流に流すので特に精緻な整備が要求されます。

 今回のように大地震で地盤が下がったりすると、ほぼ全面的な修理が必要になるでしょう。通常時は効率的な反面、ひとたび何かあると影響も大きいのです。
 
 
 そんなわけで、下水道の場合は大丈夫な部分が残っている場合は元通りに復旧するのが合理的ですが、南三陸町のように市街地が後半に日債を受けた場合は、合併浄化槽による個別処理の方が合理的のように思えてきます。

 最近の合併浄化槽は処理能力が向上して、家庭の汚水をかなりなところまできれいにして川に流すことができます。おまけに下水道管が延々と繋がっているわけではないので、整備のお金もかからないし修理も比較的簡単です。

 被災地の復旧に当たっては、線形のインフラと個別のインフラのメリットとデメリットを良く考えなくはいけなくなることでしょう。


    ※     ※     ※     ※     ※


 …とまあ、そんなことを考えながら民主党のマニフェストを見ていたら、下水道の項目で、「公共下水道でなくても良いように措置を講じる」と書かれていました。

 もう国民は民主党のマニフェストなんて忘れてしまったかもしれませんが、今となっては案外被災地復興で生かされるかもしれません。


 なんか、一周遅れるとトップに見えるような…



【参考】

     【もう忘れた?】


【民主党Index2009】http://bit.ly/jwwTqK
国土交通
『地方の特性を生かした国土政策』
現行の画一的・縦割り的な地域振興関係諸法を改め、地域独自の事情や特性に対応した振興策を実施します。地方分権の推進や都市と農山漁村との連携を図り、地域の自立化・多様化を実現し、安全で安心して生活ができる国土形成を目指します。

農山漁村は、超高齢化と若年労働者の流出が進み、過疎化による地域コミュニティの崩壊や農地・林地などの国土荒廃が進行しています。水源確保や土砂流出防止などの国土環境の保全機能、伝統文化や自然との共生等の文化・レジャー機能の充実など、多種多様な機能を生かすための支援策を展開します。

一方、都市部では、密集市街地の形成や交通渋滞の発生など負の遺産が解消されていません。中心市街地の空洞化問題への対策、一極集中下での大規模地震など激甚災害のリスクの解消を重点とします。

(…中略…)

『環境・暮らしにやさしい下水道法等の改正』
下水道整備が各自治体の大きな負担要因になっているとの認識に立ち、硬直的な接続義務を見直す法改正を行い、下水道に偏重した汚水処理対策を正します。

合併浄化槽は、汚水処理性能が下水道と比較して遜色のない水準に達していること、過疎地域において経済効率において優れていること、循環型社会の形成に寄与する機能を有することが指摘されています。このため、下水道法を改正し、公共下水道の排水区域内において合併処理浄化槽で汚水を処理している場合、公共用水域の水質の保全や公衆衛生の見地から著しく不適切な場合を除き、公共下水道への接続義務を免除する等の措置を講じます。

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超クールビズは伝統の知恵で

2011-05-15 23:45:34 | Weblog



 霞ヶ関で「超クールビズ」を始めるという事が話題になっています。

 クールビズと言えば、省エネで冷房の温度を下げすぎないようにするために、夏の期間は上着の着用やワイシャツのネクタイをしなくても良い、ということでした。

 しかしファッション界ではそれを逆手に取って、ネクタイなしのファッショナブルな服装として、襟元のあしらいやボタンのつけかた、カラーリングなどに工夫したドレスシャツをクールビズウェア、クールビズファッションとして大いに売ったのでした。

 わが釧路市では、昨年に記録破りの6月に32℃という気温の日があったことからやっと昨年からクールビズを始めました。紳士服売り場では「クールビズってどういう服装だ?」「半袖のワイシャツでもクールビズなのか?」など、新しい文化に出会ったようなとまどいもあったようで微笑ましいもの。

 新しいことを始めることで、強制ではなくして人々の消費が活発化されるのであれば、増税などよりもずっと気の利いた消費刺激策になるわけです。


    ※    ※    ※    ※


 さて、冒頭の「超クールビズ」。これまでのクールビズに「超」がつくとどうなるかというと、勤務中の服装をノーネクタイのワイシャツやカラーシャツに留まらず、アロハシャツやTシャツ、穴などが開いていなければジーパンでも良しとするのだとか。

 アロハシャツはともかく、ジーパンなら涼しいのか?と訝しい気もしますが、なんだか服装のプロトコル(約束事)がガラガラと崩れて行くようで、私自身はあまり好きにはなれません。

 「服装の乱れ」は「精神の乱れ」と昔学校で習ったような気がしますが、社会に出てみると省エネ、電気節約の名の下に何でもありの様相は、耐える精神を弱くしてしまいそう。

 ネットには「そこまでやるならいっそのこと、甚平や着流しの和装を推奨してはどうか」という声があって、私としてはなるほど!と膝を打ちました。

 元々日本には暑い夏を涼しく過ごすスローライフな工夫が満ちあふれていたはずです。しかしそうした暑さを物理的に涼しくしてしまうという西洋文明社会の波が押し寄せて、文化受容度の高い日本としては「まあ、それも良いか」と受け入れて今日まで現代社会を築いてきました。

 しかし元々日本人はもともと上手に工夫する、という忍耐の精神に事欠かないし、まさに江戸時代などはそうした工夫が花開いたスローな文化の時代でした。

 服装のプロトコルが緩やかになるのなら和服だって良いはず。着物や浴衣、甚平や作務衣はだめでしょうか。着物をぴしっと着付けると気持ちが引き締まりますし、それでいて空気が通るから涼しい。まさに暑い日本にぴったりの装い。

 高級官僚になると、着る着物だって値が張ってきます。化繊の安物なんざあ行けませんよ。給料もよろしいんですからそれなりの超クールビズでお願いします。


 そんなこんなで、和服需要、着物需要を新たに開拓するとともに、日本の行政を動かす霞ヶ関で着物が増えたりすると、昔の江戸城みたいで日本観光に来る外国人にも溜まらないスポットにもなるはず。

 日本の伝統衣装を見に来るのでも観光振興に繋がります。

 超クールビズは是非とも日本伝統の和服も認めてくださるようにお願いします。頑張れ観光庁!

 

【環境省、TシャツやジーンズOK 夏場は「超クールビズ」】
  http://bit.ly/jrh4A4



   【ガールスカウトの制服も昔は着物でしたよね】
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ガールスカウトの強みは何か

2011-05-14 23:45:30 | Weblog
 三陸地方のお見舞いから移動して、今日は東京で(社)日本ガールスカウト連盟の評議員会に出席。私は評議員のひとりに推薦されているのです。

 評議員というと東京近傍在住で各界の著名な方々も多いのですが、そんな中で地方の立場から意見を述べられるということにはそれなりに意味があるだろうと思って、私も参加させて頂いています。

 会場は渋谷区内にあるガールスカウト会館。閑静な住宅街に木々に囲まれて瀟洒な建物が建っています。


           【閑静な住宅街の林の中のレンガ造り】


 現在の会長は和田照子さんという方で、90年以上の歴史を誇るガールスカウト連盟の中でも最も若い会長さんです。

 会として今一番の課題は、全国的な公益法人改革への対応。税金面で優遇を受ける新しい公益法人になるか、それとも一般社団法人になるかの選択が迫られています。

 公益法人になるには本当に公益性が高いかどうかの厳しい基準をクリアしなくてはならず、そのことによるメリットをしっかりと考える必要がありますが、今のところは公益社団法人をめざした準備も順調なようです。


           【評議員会の風景】


    ※    ※    ※    ※


 さて、ガールスカウト連盟として目下の課題は何か?と問われると、「やはり運動体ですので、会員数の確保と活動の活発化です」というのが和田会長の明確なお答え。しかし全国的な少子化の中で、数多ある課外活動や勉強と競争しながらどのように会員を増やして行くというのでしょう。

 ボーイスカウトでもガールスカウトでも、活動にはパトロールシステムという、少人数による協調・指導体制を取ります。

 これは、創始者のベーデン・ポウエルによると「自然にできた、6 〜8人の小グループで、その中の一人がリーダーシップをとりつつも、全員が欠くことのできない役割を果たすようなもの」と表現されています。そしてこのパトロールで行う活動を「パトロールシステム」と呼び、小グループのメンバーがチームワークを学ぶことができるのです。

 しかし団員が少なくなってしまうと、こうしたグループを組んでパトロールシステムを形成することが難しくなってしまうところも出ていて、活動が沈滞化していってしまいます。

 しかし聞けば、全国的におしなべて団員が減っていると言うわけではなく、中には活発な活動によって世間に知られるようになり、そこで入りたいという会員が増えるという+のスパイラルを描いている団もあると言います。

 また、少女は体験イベントに参加すると「入りたい」と言うのですが、親のボランティアによって支えられる部分もあって、親御さんたちが消極的になってしまうと言う例もあるとか。少女が入りたいって思うモチベーションの源泉は何でしょう?「楽しそう」ということなのでしょうか。そこにこそ価値の源がありそうです。

    ※    ※    ※    ※

 活動の方向として、教育や子育てに関心のある女子大生や女子高校生に対するアプローチも検討されていたり、小中学校単位での連携活動にも光明があるかも知れません。現在学校に対しては、様々な外部組織との連携を果たすようにとの要請が強くなっていると聞きます。

 活動の結果として素晴らしい女性として成長して行くその価値を、何度でも、あらゆる形で、あらゆるツールを使って世間に発信して行く行動が必要なように、私には思われたのですが、この実に微妙な部分をどう表現するかが難しそうです。

 ガールスカウトではよく、「自己肯定感の向上」という言い方がされて、それはそれで長く使われてきているのですが、会場からは「保護者に理解されるでしょうか。言葉にもっと価値を持たせる方がよい」という意見も。表現一つすら改善であり改革なのかも知れません。

「クラブ活動や塾と同列で子供達を引っ張り合うのではなく、クラブも良し、塾も良し、ガールも良し、という次元の違うところで価値を訴求して欲しい」という意見には同感です。  


    ※    ※    ※    ※

 
 また、この度の東日本大震災にあたっては、幸いなことに会員本人が亡くなったという方は一人もいなかったのだそうですが、家族を失ったり家を失ったりした会員はいるようで、今後の支援もしてほしいものです。

 大震災に当たっては、ガールスカウトもすぐに独自の支援活動を打ち出して、いくつものメッセージの発出や支援物資の募集、支援物資の発送なども行われました。

 送る品一つにも靴や肌着など女性故に気づくような細やかな品揃えがあって、現地から喜ばれたそう。

 今日の会場からも「大震災関連の活動をさらに積極的に行うべきだ」と言う意見が出ました。大震災に対してまさに女性ならではの支援のやり方や気遣いを発信すること、さらにガールスカウトとして活動していたが故に身に付いていた心構えなどこそがガールスカウトとしての価値なのではないか、というのです。

 ピーター・ドラッカー流に言えば、「自己の強みを活かせ」です。単なる日頃からの活動の成果というだけではなく、一人ひとりの女性として、また女性による集団としての強みとは何か。そこに磨きをかけることで価値がさらに見えてくるかも知れませんね。

 ガールスカウトのモットーは「そなえよつねに」
 
 災害時には特に光り輝くモットーです。 


【社団法人 日本ガールスカウト連盟】 http://www.girlscout.or.jp/ 




           【国内外からのお見舞いが数多く届いています】
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陸前高田~大船渡~気仙沼

2011-05-13 23:45:48 | Weblog
 昨夜の雨は何とか晴れて、一路大船渡市へ。

 道の途中の峠は実にのどかで、山の木々の新葉が開き針葉樹の濃い緑と対比をなして春の明るさを感じさせます。

 山の表情で季節を表す季語には春夏秋冬それぞれのものがありますが、春を表す山の季語は『山笑う』というもの。しかし『山笑う』という季語は、今の三陸地方には悲しく響きます。そんな笑う山の梺には大変な惨状が広がっているのです。


           【遠くの山は笑っているが足元には悲しみが広がる】


 峠を下って沢筋に少しがれきを片づけた後が見受けられるなあ、と思っていると突然川幅が広くなって、あっという間に広大な破壊された原野が広がってきました。やがてここが陸前高田の市街地と知ることになりますが、被害面積の広さがあまりに広大なので声も出ません。

 とにかく延々とがれきの山が広がっています。そんな中、道路だけは左右にがれきを除けて通れるようにしてあって、我々はそこを走るのですが道の両側はがれきの山。『がれきの山』以外の表現が使えないかと思うのですが言葉を選ぶことができません。

 本当に町が壊滅していました。


           【茫漠たる荒野が広がります】



    ※    ※    ※    ※


 大船渡では周辺の船主さんたちが12名集まってくれて、漁業組合の戸田組合長と私からご挨拶をしてお見舞い金を手渡しました。その後の意見交換ではやはり皆さん漁具の不足や地元の市場施設の壊滅などを嘆いていました。

 中には「毎日こんながれきの山を見ていると悲惨なんだけどこんな風景にも慣れて来ちゃうね。慣れちゃって今まで随分ものを持ちすぎてものに振り回されていたな、とも気づいたよ。考え方が変わっちゃったね」とも。苦しいであろう胸の内ですが前向きに変えて行かないといられない気持ちが伝わってきました。




           【大船渡も海辺は壊滅です】


 大船渡では市役所もご挨拶のために訪問し、副市長さんにお会い出来ました。

「いまわが市の復興計画づくりも始まりました。委員さんからは『国もそろそろ復興計画を作るのだろうけれど、先に作った方が強いよ』という意見を頂きました」とおっしゃっていましたが、大船渡だって海沿いは相当数の施設が被害を受けています。一日も早い復興をお祈りします。


    ※    ※    ※    ※

 
 また、昨日来られなくてお見舞いを渡せなかった方を今日訪問しようと、帰る途中で再び気仙沼に立ち寄りました。こちらでは港の反対側にあるお宅を訪問したのですが、途中港を間近に見ることになり、船が焼けて黒こげになっているものを多数見かけました。






 気仙沼は重油タンクが流されてそれに火がついたことで大規模な火災が発生しました。そのため、津波そのものによる被害は免れたのに火災によって焼けてしまったという船も数多いのだそうです。

 おまけに地盤が70センチ程下がったために、満潮時には塩がつかります。この地盤高はどうしたらよいでしょう。




「まあ、命だけは助かったからね」

 何が幸いし何が災いしたのか分からないけれど、ほんのちょっとの何かが生死を
分けたのだそうで、人間の運命は本当に分からないものだ、とおっしゃっていました。


 気仙沼でも市役所を訪問しました。昨年の外来船誘致の催しには気仙沼市長さんがわざわざ訪ねてきてくださったという情報を受けて、表敬のご挨拶に伺ったのです。

 自治体としては基本的に他の自治体において活動をする時は表敬訪問をするというマインドが一般的にあります。私自身、一国一城のお膝元で何か行動をする時は同じ自治体なのだからご挨拶に伺っておくべきだと思っています。

 我々が訪ねた時は菅原市長さんがお会いしてくださり、昨年の外来船誘致の時に釧路の訪問団とあったことも覚えておられました。

 また、気仙沼では釧路の船主さんが行方不明になっていることや、その方所有の八幡丸という船が津波によって建物の屋上にまでうちあげられ取り残されていることも話題になりました。

 市長さんの名刺には『頑張ろう気仙沼 海がある限り気仙沼は不滅」の文字が印刷されており、復興への力強い決意を伺えました。

 ガンバレ大船渡、ガンバレ気仙沼、ガンバレ南三陸町、ガンバレ陸前高田、ガンバレ石巻…

 被害を受けた自治体はまだまだ多いでしょうけれど、支援の輪を大きくそして長く広げ続けたいものです。

 皆さんどうぞ被災地を忘れないでください。心からご協力をお願い致します。


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