北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

アニマル外交

2011-05-18 22:41:13 | Weblog
 動物園は楽しいもの。しかし最近は希少な動物の飼育頭数が減少の一途をたどっています。

 ホッキョクグマもその例にもれず減少しつつある動物の一つなのですが、まだ繁殖能力のある個体があるうちに繁殖をさせようと始まったのが「ホッキョクグマ繁殖プロジェクト」でした。

 これは、全国の八つの動物園・水族館が連携して互いに動物を貸与し合って結婚・子作りに励んでもらおうという試み。

 このプロジェクトの一環として、釧路動物園では園にいるメスの「クルミ(14歳)」を秋田県男鹿水族館に貸し出して、繁殖を目指すこととしました。

 クルミは4月27日に現地への移動を完了、5月14日には男鹿市と秋田県を挙げてのお披露目式が行われたようです。

---------------≪ ここから引用 ≫--------------
【Yomiuri Online】 結婚式でお披露目、花嫁「クルミ」に歓声    http://bit.ly/iWSxpT

 秋田県男鹿市の男鹿水族館「GAO」で14日、ホッキョクグマ「豪太」(7歳)の花嫁として釧路市動物園からやってきた「クルミ」(14歳)の一般公開が始まった。

 公開に先立つセレモニーでは2頭の“結婚式”も行われ、詰めかけた100人以上の来館者からは県内初となる2世誕生を期待する歓声と拍手が沸き起こった。

 結婚式では、豪太とクルミの代理として、それぞれ中野節副知事、山口良雄釧路市動物園長が特製の婚姻届にサインし、渡部幸男男鹿市長に提出。山口園長が「クルミには釧路と男鹿、秋田を結ぶ架け橋になってほしい」と力を込めると、渡部市長も「クルミさんは家族の一員。大事に受け入れたい」と応えた。 (以下略)

---------------≪ 引用ここまで ≫-------------- 

 無事に結婚披露宴も行われたようでよかった、と思っていたら、釧路市役所には男鹿水族館から、豪太とクルミの結婚記念ぬいぐるみが贈られてきました。


     【ぎゅーと抱き合ってます】


     【キスしてる~♡】


     【二人の名前入りです】



 クルミは毛がちょっと茶色っぽいのが特徴なのですが、そんな細かいところまでちゃんと再現している細やかなぬいぐるみ、向かって左側がクルミのはず。ぎゅ~~っと抱き合う姿が実にかわいらしく出来上がっています。

 この上は、クルミが男鹿市の皆さんにもオスの豪太にも愛されて無事に子宝に恵まれることを祈るばかりです。 

 
    ※     ※     ※     ※     ※

 
 釧路動物園では、秋に台湾建国百周年の記念として台北動物園にタンチョウのオス「ビッグ」とメスの「キカ」の二羽を域外繁殖事業としてお貸しすることになっています。

 台湾では長寿のシンボルである瑞鳥のタンチョウが来ることを本当に心待ちにしてくれていて、先週の5月14日には台湾の国会に当たる台湾立法院の王金平院長以下44名の訪問団が、このツルを視察のために釧路までお越しいただきました。

 そういうことを理由にしながらも、その裏では台湾の実力者が北海道、そして釧路へ来ることで、台湾国民の皆さんへ「北海道も釧路も安全に観光ができますよ」という有形無形の情報を発信してくださっているのです。

 苦しい時にこそ本当の友人が分かるといいますが、台湾の皆さんの温かい心遣いに応えるべく、双方の様々な面での交流が進むことを心から期待したいと思います。

 動物外交というのは案外上手な行政手法なのかもしれません。 
コメント
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