大変な読書好き、音楽好きで知られている知人のAさんから、「僭越ながら、小松さんの著書を読みました。とても思うところがあったので感想をブログに載せさせていただきました」という丁寧なメールをいただきました。
川本三郎さんや池内紀さんなど、高名なエッセイイストの本を濫読するAさんですが、そういう方の目に留まったことだけでもう充分光栄でありがたいお話です。
逆に、あの程度の文章で読ませてしまった自分が却って恥ずかしくなってしまいます。
時間があればもっと推敲もできたのに、と思う反面、地域の話題をテーマにする文章では、どこかで時間の区切りをつけないとすぐに内容が陳腐になってしまうために、やはり締め切りは必要なのです。
リアルタイムで「コト」を味わっているときの喜びや興奮、そして感動などはその瞬間に記録をしておかないと、すぐに新鮮さが失われてしまいます。
後から、「なんでこの時はこんなに興奮したんだろう」と恥ずかしい思いをしたとしても、その瞬間の熱い思いをそのままに記録した方が、生きてきた証になるというものです。
そんなわけで、感想を書いてくれたブログをご紹介します。
【スマクラ北海道】読書008:旅に出たくなる本 http://bit.ly/10VTGaV
ブロガーネームは「飄然散人」さん、ありがとうございました。
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建設官僚にして、全国総合開発計画(全総)など、高度成長期の国土計画の多くに携わり、国土庁の事務次官を務め、そして阪神淡路大震災が発生したときには、復興委員会委員長として復興政策の立案に参画したのが下河辺淳(しもこうべあつし)さんでした。
掛川市の助役をしていた時に、当時の榛村純一市長に連れられて霞が関周りをした際に、「そうだ、下河辺さんのところにも寄って行こう」とふらりと事務所を訪ねたことがありました。
当時でもう80歳近いご高齢でしたが、私などにも「若い力で日本を支えてください」と激励されたのを今でも覚えいています。
その際に、「そうだ、ではこれを差し上げましょう」と言って下さったのが、下河辺さんを講師に迎えて若手官僚が十数回にわたる講義を聞いた講義録でした。
日本という国を、縄文の時代の自然環境から説き、社会の発展、技術の発展などを縦横に語りながら、日本という国を独特の視点を与えてくれる講義録は非常に素晴らしい内容の一冊の本のようでした。
驚きなのは、その内容は下河辺さんが語った言葉をそのまま文字に起こしたものだということ。
普通は話し言葉と書き言葉は文体が異なるので、話す言葉をそのまま文字に起こしたのでは読みにくい文章になるものです。
ところが下河辺さんのお話はそのまま書き言葉の文章になっている。
ある人がそのことを、どうしてそうなるのか、と訊ねたところ、「私はそういう風になるように考えて話をしています」と答えられたとか。
要はしっかり意識して考えて、練習をすればそのとおりになるというだけのことなのです。
私などはとてもそこまではいかないので、いつも文章を書くのに苦労していますが、本当に頭の良い人がしっかりと考えると、下河辺さんのようなこともあるのですね。
考えて文章を書く、ということ。
人生に師匠は多いです。
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そうそう、それと日本代表サッカーチームが来年ブラジルで開催されるワールドカップへの出場を決めました。
後半残り10分で失点をしたときは、もうだめかと思いましたが、気合で攻め続けたことで、相手のPKも引っ張り出したというところでしょう。
本田選手が豪快にゴールマウスへのど真ん中のシュートを決めて、同点でのワールドカップ進出決定。
ブラジルでの活躍にも期待していますぞ!