駒子の備忘録

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宝塚歌劇月組『Eternita』~もう何度目かの、そしてもしかしたらラス前の?珠城日記

2021年01月17日 | 観劇記/タイトルあ行
 宝塚バウホール、2021年1月16日12時、15時。

 もともとは去年6月に予定されていたディナーショーを、場所を移して上演する3Days Special LIVE。
 構成・演出/三木章雄、音楽/吉田優子、編曲/竹内一宏、振付/若央りさ。

 はい、もしかしたらご存じの方があまりいなかったりするのかもしれませんけれど、私は珠城さんの大ファンなんですよ…(周知のことだったらすみません)というわけで日帰りダブル観劇遠征をシュッとキメてきました。久々にサラに入れて、ブレックファーストメニューがいただけて嬉しかったです。ロイヤルミルクティーとシナモントースト…!

 さて、珠城さんの初舞台の『ミーマイ』は、ミホコのサヨナラ公演でしたね。私は東京で観ていて、ロケットなどにいたのでしょうがもちろんさすがに記憶は記憶ございません。トークでも出ていましたが、確か「歌劇」で『ラスプレ』新公で2番手きりやんの役をやると知って、押されている下級生さんなんだろうなあ、と意識したのが私の珠城さんとの最初の出会い(?)だったかと思います。当人はそりゃまだ右も左も本当にワケわからない時期で、そりゃテンパったことでしょう…アサコがトシちゃんに「歩き方が変だから見てやって」と言って、スーツでただ歩くだけのお稽古を延々つきあってくれた、というエピソードを披露してくれました。一方でちなつがあのときロングコートで銀橋に走り出てくる珠城さんがカッコ良かったことを語り、『幽霊刑事』ポスター撮影ではそれ以来のロングコート姿だったよね、という話題からたしかまゆぽんだったかが「あのポーズ、オリンピックのポスターかと思いましたよ」と言い出したのがめっちゃおもろかったです。
 私が初めて珠城さんを生で観たのは『HAMLET!!』レアティーズですね。これがあの珠城りょうか、と意識して観た記憶があります。そしてわりとちゃんとしていたし、何よりガタイがいいのがいいなあ、と抜擢に納得した記憶…
 なのでそこからずっと気になっていて、会に入ったお友達が身近にいたこともあって私はそこまではいいや、などと日和りつつも、ずっとずっと好きで見ていました。まさかトップスターに至るまでにこんなに紆余曲折あると思っていませんでしたよね…もうこの組配属すぐの新公、別箱からコレなんだから、月組と星組が得意の一本被りの御曹司として自他ともにガンガン育てられ鍛えられ上げられていくのだろう、自他ともに認めていくのだろうと思っていたのですよ私は。なんか、もっと楽に、スムーズに就任させてあげたかったよ…けれどその後もいろいろあって、結果的には任期が長くなったのも、よかったのかなと今は思っています。
 そんないろいろも振り返る、まさに感情の忙しい100分でした。ちなみに夜の回のお席が最後列ほぼセンターで、ほぼ私に向かって歌ってくださっていますよね、という視線の合いっぷりで、本当に幸せでした…確かまゆぽんが言っていましたがバウホールは後列の持ち上がり方が急でどの観客の顔も被りなく良く見えるそうです。5列目くらいまではむしろアレだけど、そのあとは本当に観易い劇場ですよね。そして本当に温かな空間でした。

 オープニングは『アリスの恋人』のマーチ・ラビット。白燕尾のボタンが赤い目に、ベストのボタンが黒い鼻に、襟は耳になっていたんですね!? 初めて気づきました、当時は顔しか見ていなかった気がします…ホント可愛いお衣装だったんだなー! ピンクのメッシュが入った鬘もキュート! しっぽを「肉まんじゃないですよ!」とか言って客席もいじるなんて、なんて成長したの珠城さん…!ともうのっけからコーフンしてタイヘンでしたワタクシ。当時も「さすがなーこたん、このたまきちにすごい役を書くよ…!」と震えたものでした。下級生をちょいと目立たせる役、みたいなのがもうハナから似合わないタイプで(笑)、だからって別にカワイイ押しでもないニンだからこの役もかなりアレだったんですけれど(オイ)、でもやるからにはもうこれくらい吹っ切っていた方がよかったんですよね。その後の小公演なんかの役を思うだに、そう痛感します。個人的にはホントいろいろ思うところがあった作品で、なーこたんに暑苦しいお手紙を書いてしまったこともいい思い出です。私が観た昼の回ではゆりちゃんが観劇に来ていて、そういえば帽子屋もすごく良かったなあぁ、と感慨深かったです。主演のみりおのニンにもよく合っていた、いい演目だったよなあ、と思い出バイアスもあるかもしれませんが、早くもしみじみしてしまいました…
 ラビットがハケるとカーテンが開いて、舞台中央に階段がある二段セット、その下にバンド、白燕尾のちなつ、まゆぽん、ヤス、ギリギリが板付いていて、トップお披露目公演のショー『カルーセル円舞曲』より主題歌。差し色に紫を効かせた白の変わり燕尾の珠城さんが加わって熱唱。まあ客席の手拍子が走る走る! バンドが引っ張られてどーする、コントロールしてー!リズム保ってー!メンバーが歌いづらそうでしたがな…でも手拍子が大きくて、音楽が聞こえづらかったりもしたんだろうなー。ヒヤヒヤしましたが、やはりショーの主題歌は楽しい! アガりました!! そういえば『グラホ』の歌はなかったけれど、権利関係の問題を気にした選曲だったのでしょうか。サヨナラショーでもやれないのかな、寂しいな…ともあれお正月公演でしたよね、大晦日から遠征したよね、懐かしい…!
 そしてメンバー紹介、だったかな? 自己紹介のお題は昼の回は「動物にたとえると」でギリギリが恐竜、ヤスがミーアキャット、まゆぽんが熊、ちなつがシロイルカ、珠城さんは大型犬とよく言われる、とのことでした(「でもゆりさんだけは、あ、紫門ゆりやさんですけど、私は笑うとくしゃっ手なって眉間に皺が寄るらしいんですけど、それがウサギみたいって言ってくれます」とののろけ?自慢?アリ)。午後の回はチャームポイントで、ギリギリが大きな口、ヤスがくぼんだ目、まゆぽんがエクボ、ちなつが生え際。珠城さんは左耳の縁を示して、形がちょっと変わっていることをアピールしていました。うん、特徴的だけどチャーミングかどうかは疑問だね(笑)。ちなみに初日は「珠城さんの好きな部位」がお題だったそうです、私は頬骨が好きです!
 そしてEarly Yearsのコーナー、まずは『春の雪』より「桎梏」。いい作品でしたよね、三島も喜んでるだろうよと思った記憶…あと珠城さんに抱かれて死んだみりお(言い方…)が、腕の中が本当にあったかくて本当に寝そうになったと何かの時にコメントしていたことが忘れがたいです。いい学ラン姿だったなあ…あとなんか縛られてたしな…ホント性癖…生田…(呼び捨て御免)
 続いてプレお披露目公演だった『アーサー王伝説』より「私は誰?」。海外ミュージカルで、難しかったのかなあ。初日の上級生たちの緊張がハンパなかったそうで、ヤスちゃんも出番前に袖で緊張してたら、そこへ来た珠城さんがやはりすごく緊張していて「手を握っていい?」と言ってきたんだそうな…何ソレどこのガブリエル…珠城さんはこのエピソードを綺麗さっぱり忘れていて、そしてヤスが見守った珠城さんの出番はもちろん全然震えてなんかいなくて、アレはなんだったんだ…となったそうです(笑)。ええ話や。てかヤスはホントに頭が良くて優しくて繊細で人の心の機微がわかって、だからこういうトークにすごくハートがあって、そして抜群に上手かったです。全ツ『激情』主演と次期トップ就任が発表になった頃、お稽古初日と言っていたかな?に、11回も書き直したという便箋何枚にも渡るお手紙をくれたそうで、今でも「ああっ、ツラいっ!」ってなったときには珠城さんはそのお手紙を読み直したりするんだそうです。「珠城さんがこれから背負うものの重さは私にはわからないかもしれないけれど、珠城さんが嬉しければ私も嬉しい、珠城さんが悲しければ私も悲しい、そういう組子が支えていますよ」…みたいな内容だったそうです。な、泣ける…そしてこの演目は、この歌の歌詞もそうだけれど、ホント運命に勝手に選ばれてがんばらざるをえない主人公、みたいな話で、珠城さんには似合いなんだけど重いんだよ…!と代わりに泣いたものでした。懐かしい…
 お次は前奏からたぎった! 『1789』より「誰のために踊らされているのか?」。大好きだった、ただ半円描いて移動するみたいな振りも再現されていてめっちゃ嬉しかったです。そろそろこっちゃんか咲ちゃんあたりで再演してほしいなー、好きな作品だったしロベスピエールも大好きでした。外部版も観ましたね。当時の月組はマギーとかコマとかの別格スターの配置、バランスも良く、スターの多彩さがいい方に出た演目でした。ありちゃんのトップお披露目にしてくれてもいいですよ?
 そしてギリのバラクとのデュエットで『鳳凰伝』より「されど夢」。珠城さんがメンバーについてひとりずつ語るコーナーがあって、ギリギリのときには、お付き、いわゆるお手伝いをしてくれていることや、がんばり屋さんで、でもこの歌は合わせてくれようとしちゃうので「バラクなので対等でいいんだよ」と言ったこと、そうしたら舞台で変わってきてくれてそれが本当に嬉しかったこと、を語ってくれました。下級生のいいところを嬉しそうに愛しそうに語る珠城さん、というのはお茶会なんかでよく見てきた光景でもあり、今はそういう機会がないだけに懐かしかったです。大空さんの最後のDSがメンバーひとりずつと1曲ずつデュエットを歌うという構成で、ソレでいくのかなーと思ったら残念ながらそうではなかったですが、でもいいデュエットでした。てかギリギリ、いい男役さんになったよね…思えばこのメンバー、ちなつが二分の一主演をしている他は誰も新公主演をしていなくて、それは学年が近い珠城さんが持っていっちゃったからでもあるのかもしれないけれど、でもだから路線じゃないのかもしれないけれど明らかに今の月組の中核を担うスターで実力派で、押しも押されぬ存在なんですよね。よくぞ選んだ、そしてこうでしかなかったメンバーなのかなあ、と思いました。
 続いてカチャが歌ったところをまゆぽんで、『激情』より「自由と抑制Ⅱ」。これもよかったです。そしてまゆぽんはタッパもあるしガタイもいいので、まゆぽんキャリエールに珠城さんエリックなんてのも一場面なら観てみたかったよ…と思ったりしました。しかしまゆぽんはホント、新公でフツーに真ん中張れたと思うんだけどなあ…『舞音』新公主演はまゆぽんでもよかったんじゃなかろうか、と私は今でも思っています…
 そのあと、一度ハケた珠城さんが青い着物を肩がけにして出てきて、私の涙腺が崩壊しました! 『月雲の皇子』より「花のうた」。つーかコレ、サヨナラショーでももう一回絶対やってね? ペンラ振る絶好の曲だからね、当時からもうそう言っていたからね…
 からのヤスのティコが出てきて、「綺麗」を巡るやりとりが再現されて、もうたまりませんでした…そうか、ヤスちゃんとはデュエットがなかった代わりにここのお芝居再現場面があったわけですね。「あの人みたいな様子のことだよ」…こんな素敵な「様子」って言葉の使い方、あります!? 大好きなセリフでした…はあぁ、たまらん。銀河劇場再演のお稽古で、くーみんからは「ティコが大人になっちゃった、上手くなっちゃった」とダメ出しされたそうです。それはそうだよね、でもそもそも初演でこの役にヤスを配したくーみんの炯眼たるや…恐るべし。
 これでちなつが緑の着物を着てきたらどうしようと思いましたがそれはなかった、けどふたりで「穴穂の歌~木梨の歌」。いやー珠城さんがあのときのザンバラお髪に見えたね、すごいね!
 からの、これサヨナラショーでやりますよね?案件第二弾、『Bandito』より「ジュリアーノと仲間たち」。これもまた、当人は望んでないのにリーダーに担ぎ上げられちゃう役で話で、みんなちょっとどうしてこうなんもかんも珠城さんに背負わせるの…!?って初日から涙目になった記憶…でも、珠城さんの無骨さ、真っ直ぐさを生かしたいい役、いいお話でもありました。そして珠城さんの主演運の良さを寿いだなあ…まあ世間的にはやや地味と思われて評判はそんなには良くなかったかもしれないのですが、いいわかばだったし、私は好きな作品でした。ちなみに昼の回の席がこの公演初日観劇の席に近くて、フィナーレのデュエダンで白の変わり燕尾で出てきた珠城さんがホントにザッツ・王子さまで素敵であまりにも意外で(オイ)、椅子から飛び上がりかけたのをまざまざと思い出しました…
 このときみんなは赤と黒の変わり燕尾になっていて、珠城さんも赤のお衣装になって再登場したんだったかな? で、トークを挟んで『Apasionado!!』だったかな? もちろんアサコのショーであり月組のショーなんですけれど、私は大空担でもあって宙組版も通いましたからね、もう感慨深すぎました…!
 Glorious Daysとしてトップ時代および新公主演のコーナーになって、まずは『雨唄』より「SINGIN' IN THE RAIN」。りくのときは手拍子したな…と混ぜるなキケン、な思い出がちょっと蘇っちゃいました。ちゃんと傘の小道具があるのがいいですよね。
 そして『エドワード8世』より「プリンス・チャーミング」。退団を発表しているんだから今なら「退位の歌」もアリだったかもしれない…でもお茶目で軽快で良かったです。この新公も好きだったなあぁ…
 そして初新公主演だった『スカピン』より、ここは日替わりだそうですがこの日は「炎の中へ」だったかな? それまで新公はプロ・ファンが観るもので私なんかとても…と思っていたのですが、珠城さん初主演がどうしても観たくあれこれツテを辿りまくって出かけた、私にとって初新公観劇となった思い出深い作品です…懐かしい。
 そして『ロミジュリ』から「世界の王」。これはヤバいかりんたんのマーキューシオ楽しみすぎる大丈夫かな、とちょっと気が散りましたすみません。イヤ楽しそうでよかったです。赤いお衣装だったけど確かにモンタギューの若者たちでしたよ、そして新公では確かカットになった楽曲ですもんね? 新公ロミオも、いっぱいいっぱいだったんでしょうがとてもがんばっていましたよね。本公演の死は、まあニンじゃなかったんだけど、とにかくこの時期の劇団は珠城さんをアピールしたくてしょうがなかったんですよね…しかしホントやり方がヘタだったよね…
 ここで4人のトークになって、去年の珠城さんとの思い出話とか新公の思い出とかを語ったんだったかな? ちなつがお稽古のあとふたりで人気のない宝塚の街をお散歩して帰ったとか、まゆぽんが拝賀式のあと再度待ち合わせしてふたりで阪急に乗って初詣に行ったとか、いろいろエピソードを披露してくれました。そしてまゆぽんの「どうやって伝えよう」、ちなつの「心のひとオスカル」。『ベルばら』、いろいろしんどかったよね…とまたいろいろ蘇りました。この頃はちゃぴも本当にタイヘンだったろうよ…
 そして「クリタカ」! 盛り上がりました!! 全ツもあったし、この振りはホント覚えているほど観たなー。
 Precious Songsのターン、ブルーグレーの飾りが付いた白の三つ揃えスーツで新郎キタ!な珠城さんが『赤と黒』より「恋こそ我がいのち」。これ、今スカステで円盤のCM流してるんですけど歌がホントひどくて(笑)、イヤ珠城さんには出ない音とか上がりきらない音があるのはもうデフォルトなんですけど(オイオイ)、でも今回は歌えていて胸をなで下ろしました…いやぁ身構えるんですよね、出ない音来るぞってもうわかるので、ファンなので(^^;)。
 そして『DH』のときのかな? 背中が開いた、深いスリットの入ったドレスになったちなつを迎えて、『NW!』より「BESAME MUCHO」。珠城さんに袖からハットを渡す「影の出演者」はまゆぽんとのこと(笑)。そうそう、ここまで珠城さんはヘッドマイクも付けているんだけど手にマイクを持って歌っていたんですけれど、それを置いてから歌い出すんだけどその置き方がめちゃめちゃカッケーんですよマジ惚れる抱いて!! ハイ、がっつりヤッている感のある濃いふたりでたいそうよろしゅうございました。でも背中合わせに立って伸ばした手でお互いの太腿を摩り合う振りがあったあと、その手をつなぐんだよね、それがなんか妙にピュアでキュンとしました…シメには並んでお辞儀しちゃうんだもん、確かにちなつが相手役でしたね(笑)。
 そしてもう一度『激情』に戻って「愛すること生きることどうしてこんなに切ないの」…私この曲大っ好きなんですよー。そういえばここも「恋こそ我がいのち」も、女声パートもみんなメンバーが歌っていましたね。特にヤス、ギリギリ、素敵でした。そしてこの場面終わり、両腕広げて、目をつぶって、顔を仰のけてキメ!だったんですけれど、もう照明といいそのお顔といい、絶品でした。ここの舞台写真が欲しいですプリーズ…そういえばつけまつげの目尻側に乗せた青が本当に綺麗でした。
 ラストソングは『PUCK』より「JUST SAY DANCE TONIGHT」! このボビー、本当にニンじゃなくてしんどかったんですよね。でもこの曲の歌詞はとてもいいし、今聞くとホント刺さる…そしてこの新公のサー・グレイヴィルはとても良かったんですよね、この配役はよかった…
 アンコールは歌謡曲かなあ? 明るいクラップの歌としっとりめのバラード、だったかな? サークレットに真ん中分け、ゴールドの変わり燕尾というザッツ・トップスター!なお衣装で出てきてくれました。その後、感想なんかをトークして終幕、だったかと思います。はー、濃かった…

 プログラムの三木先生の言葉がとても温かいですね。「逃げられない長男。いい人ぶるのではなく、本当にいい人にならねば、の決意。決して楽な道では無かったはずです。でも、とてもいい笑顔が出来るようになりました。」…月組ファンで、初舞台も月組で、月組に配属されて、生え抜きでトップスターに就任して。でも、たまにある、なんにも出来ないんだけど華がものすごくて万人が認めちゃう…みたいなタイプのスターではなかったので、御曹司感もそんなになくて、意外と苦難の道を歩まされたのかもしれません。でも、とにかく努力する人で、絶対に逃げませんでした。それで上級生に可愛がられ心配され励まされ見守られて、もがき悩み苦しみあがいて、その背中を見て下級生が懐き敬い支え、ともに努力し…そうして紡いできた歴史だと思います。新公時代、よくわからない群雄時代、『ドラゲナイ』で急にブログラムもラインナップもみやちゃんを抜いて物議を醸したこと…ホントいろいろありました。劇団がもっと上手くスターとしての位取りをさせておけば、あんなに風当たりが強いこともなかったのではなかろうか、と思うのですが、まあタラレバを言っていても仕方がないので、今は「終わりよければすべてよし」を目指して、最後まで元気に走り抜けていただきたいです。

 今回のライブで出てこなかった作品についても、思い出話を以下、少しばかり。
 『ジプシー男爵』は本公演も新公もちゃんと観たはずなんだけど、珠城さんの記憶はあまりありません…なんでだろう? でもこの公演ではちゃぴに関して「娘役をさせるとは押したいんだろうな、転向させたいんだろうな」と思ったことをとてもよく覚えています。
 『STUDIO54』はみくちゃんと兄妹の警官、みたいな役でしたっけね。押したいんだろうけどふさわしい役を書いてもらえてなくて、当人もなんだかやりようがなくてまごついていたのでは…と心配した記憶があります。この頃からもっとわかりやすく大きな役を当てちゃっていた方が、のちにいろいろ楽だったのではなかろうか、とホント思います。
 『アルジェの男』、これは私は作品としてとにかく好きです。本公演はよくある主人公の仲間役で、新公アンリもニンかと言われるとナゾでしたが(笑)、新公全体がとてもよかった記憶があります。
 まゆぽんのトークで出た『ルパン』は、評判はアレでしたが私は意外に嫌いじゃなかった演目です。新公のルパンとルブランの絆が本公演を越えていた、とまゆぽんは本役のみっちゃんから褒められたそうですが、まあそらそうだよなと思いましたよ(笑)。珠城さんのルパンも、もちろんまさおのあの洒脱さ、軽妙さはなかったけれど、実直でいいルパンだった印象です。本公演のジョゼファンは、だからもうこういう役をやらせるスターじゃないんだと何度言わせればいーんじゃ!となりましたけどね…
 ショーの新公主演となった『花詩集100!!』はすごーくすごーくよかったですよ! 真ん中力が育ってきていて、もう準備ができあがりつつあります!って感じがすごかったです。本役と違うギンギラ衣装がワクテカだったなー!!
 『舞音』はとても景子っぽい景子作品で、クオンはもうちょっと書きようあったやろとは思うお役でした。2番手時代にいい役、いい作品に出会うことは大事なんですけどねえ…ホントその点は不遇でした。
 そこへ主演で回る全ツ『激情』の発表が来て、私は確かこのとき南の島に旅行中だったんですけれど、エステが終わって電波の入るところへ出たらスマホの通知がものすごくて、ホテルの庭のベンチでずーっとお友達たちとLINEトークしていた記憶があります。ホセ、よかったなあ、泣いたなあ、あちこち行ったなあ、楽しかったなあ…
 『NOBUNAGA』は髭のロルテス。体臭を感じさせましたよね…(笑)
 そしてトップ時代に一度はイシちゃん降臨を担当しなければならないのだと思いますが、それが『長崎しぐれ坂』でしたね。役は良かったんだけど作品としてはあまりおもしろく感じなかったかな…てかもっとおもしろくできるやろ、と思いました。
 早くまた再演し、劇団の財産として育てていってもらいたい『AfO』、『カンパニー/BADDY』あたりはサヨナラショーまでお預けでしょうか? ちゃぴサヨナラ公演だった『エリザベート』もなかったですね。『OTT』は、まあ版権かな。『夢現無双/クルンテープ』以降は、さくさくとセットでこれもサヨナラショー候補なのかもしれません。

 持参した文庫を行きの新幹線で読み終えてしまったので、ソリオのサンクスで『幽霊刑事』を買いました。ぬかりのない私…あとはこのラスト・バウと、サヨナラ公演を残すのみ、ですね。私の誕生日の翌々日にご卒業です、歳はとりたくないものだわ…最後まで、しっかり見守りたいと思いますし、卒業後の進路がなんであれ、心を寄せたいと思っています。どうかくれぐれもご安全に…最近の記事はみんなシメがコレになってしまいますが、本当に祈っています。


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