goo blog サービス終了のお知らせ 

駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

はてなブログに引っ越しました。

2025年06月18日 | 日記
 こちらのサービス終了に伴い、はてなブログを開設して引っ越し作業を進めてきましたが、ついに無事に完了しました。記事、画像、コメント、カテゴリーがまるっと移行されています。
 ただ、ブログ内記事へのリンクが、gooブログ記事へのもののままになっています。これはまとめて差し替えることが無理そうですし、手動でいちいち作業するのも現実的ではありません。なので11月までは放置しておいて、そのあとはエラーとなります。申し訳ございません…
 11月になったらリダイアル設定をしようと思っています。
 これまで、長きに渡り、本当にお世話になりました。
 この記事を含めて2254件、ブログ開設から今日で5714日だそうです。個人サイト時代の記録もコピペしたので、2001年からの記録となっています。単なる個人の日記や備忘録ではありますが、私にとってはとてもとても貴重なものなのでした。無事に引っ越しできて、本当に安堵しています…
 どうぞ、はてなブログの方も引き続き読みにいらしてくださいませ。首を長くしてお待ちしております。


はてなブログ「駒子の備忘録」


 gooさん、本当にお世話になりました!!!



 

最後から二番目の(笑)「はじめまして」。(goo版)

2025年06月09日 | 日記
 キョンキョン、同世代なんですよ…しかも、入れ違いだけど中学の先輩らしいんですよね(笑)。『団地のふたり』も楽しかったけど、今は『続・続・最後から二番目の恋』を楽しく見ています。来たる定年退職への心の準備をしていくのに、良き参考になりそうですしね…

 …と、いうようなことを「はてなブログ」さんでも書いています。こちら
 以前からお知らせしていますとおり、gooブログさんが秋にサービス終了ということで、ただいま引っ越し作業中です。こちらのデータをダウンロードするのはすぐ済んで、今ははてなの方でインポート作業中です。なんせ2252個もの記事…つつがなく引っ越せるよう、祈っております…(><)引っ越しがすべて綺麗に終わりましたら、またご報告しますし、いずれリダイアルも設定しようかと思っていますが、どうぞはてなでもよろしくお願いいたします。
 今は先日の宮崎旅行について書いていますし、今週末には花組マイ初日なので『ドラキュレビュー』マイ初日雑感、なんて記事も書くかもしれません。そのあたりから、あちらでの更新になるかと思います。

 はてなブログ「駒子の備忘録」

 ブックマークなど、よろしくお願いいたします。はてなアカウントをお持ちの方は、「読者になる」もお待ちしています(^o^)。
 名前は、こちらでの「駒乃駒子」からなんとなく変えて「友駒屋駒子」としましたが(実際に名乗ることはないでしょうが、しかし言いにくくはありますよね…)、別に中身は変わらず、一緒です、私です。最後にまた改めてご挨拶しますが、ツイッター(X)やブルースカイ、インスタグラムともども、引き続きよろしくお願いいたします。
 では、今夜間に合うダンスを踊りに行きましょうかね…! 一度きりの人生、踊らにゃ損!ですからね(^o^)。





宝塚歌劇雪組『ROBIN THE HERO/オーヴァチュア!』

2025年06月08日 | 観劇記/タイトルや・ら・わ行
 宝塚大劇場、2025年3月14日13時、4月3日13時、18時(新公)。
 東京宝塚劇場、6月4日18時。

 12世紀、イングランド。国王リチャード一世(奏乃はると)率いる十字軍遠征が行われていたころ、ノッティンガムの荘園領主ロクスレイ卿(叶ゆうり)のひとり息子ロビン(朝美絢)のもとに、従軍していた父が敵軍に通じていた罪で処刑されたと知らせが届く。罪人の息子としてあらぬ容疑をかけられ投獄されたロビンは、王家の血を引く恋人マリアン姫(夢白あや)とも引き裂かれてしまい…
 脚本・演出/齋藤吉正、作曲・編曲/多田里紗、長谷川雅大。遠い昔から語り継がれ、様々な物語が育まれてきたロビン・フッドを、宝塚歌劇ならではの演出で新たに描きあげるミュージカル。雪組新トップスター朝美絢のお披露目公演。

「『ロビンチュア』マイ初日雑感」みたいな記事を、今回珍しく書いていないんですね私…なんでだろう? そうねちねち書くこともない、という感触だったのかな? ちょっとゴタゴタガチャガチャしてるけど、役も多いし、楽しいラブコメ冒険活劇ファンタジーになっていて、まあいいんでないかい?ってくらいだったのかもしれません。
 その印象は3回観ても特に変わらなくて、やっぱりゴタゴタガチャガチャしてるけど、まあいいんでないかい?と思いました。ファンが観ると、役が多い分スターの出番は分散しているので「うちの贔屓の出番が少ない!」みたいな苦情はあるのかもしれませんが…
 ま、ウルトラソウルのくだりと、ロビンの母親がエレノア王妃(妃華ゆきの)だっていうエピソードはなくてもよかったかもね、とは思います。浮いた尺でもっとみっちり芝居するパートに回してもよかったろうと思うのです。ウルトラソウルはヨシマサがやりたいだけだったろうし、まあおもろいんでいいっちゃいいけど、ロビンとマリアンの入れ替わりはともかく、その前の兵士ふたりの入れ替わりのくだりは何がどう入れ替わっているのかさっぱりわからないわけで、まったくの無駄だったということは強く指摘しておきましょう。エンリコと千乃くんの出番を作りたかったのかもしれませんが、そーいうことじゃないんですよ芝居ってのは…同様にかのゆりとゆきのちゃんの、そして愛陽みちちゃんと希翠くんの出番を作りたかったんだとしても、ロクスレイ卿とエレノアの若き日の恋云々はホントどーでもよかったと思うんだけど、これまたヨシマサがこーいうベタな母子ものを好きなんですよね。ホント退くわー…
 あと、マリアンは結局誰とどういう血縁なんでしょうか。リチャードとジョン(透真かずき。ちなみに彼をときおり「アイルランド卿」と呼ぶのは観客が混乱するのでやめた方がいいです)とエレノアが兄弟なのはわかりましたよ? でもマリアンはカスティーリャのプリンセスとされているんだから、エレノアが嫁いだカスティーリャ王側の親族なんじゃないの? その場合、マリアンが一般的に目上の男性への呼称としてリチャードやジョンを「おじさま」と呼ぶことはあっても、彼らはマリアンを「姪」としては扱わないのでは? それと、彼女がイングランド王家に客分?として来ている理由は結局なんなんですか?「やっとわかったわ」「このためだったのね」みたいな台詞が二度ほどありましたが、さっぱりわからないんですけど…エゴサして東京で直してくるかと思ったら、なんの変更もブラッシュアップもありませんでしたよね。ホント残念すぎます…
 あと、ちょいちょい会話の掛け合いがおかしい。この台詞に対してこの返しはねじれてるでしょ?ってところで多々あるし、その言葉、変では?とかもっといい言い回しない?ってところも多々多々ありました。なんとかしてほしいです。
 まあでも、そのあたりに目をつぶれば、何度でも言いますがゴタゴタガチャガチャはしているけれど役が多くて楽しい芝居だった、と私は思いました。良きお披露目公演となったのではないでしょうか。
 ただ、あーさも夢白ちゃんも本来の持ち味というかもっと輝く役どころは別にあるだろう、という気はしているので、次作に熱く期待したく思います。せっかくの暴力的美貌コンビなんだしもうちょっとやってほしいけれど、夢白ちゃんがそろそろ…なのかなあ。『銀の狼』とか観たかったんだけどなあ。このふたりはもっとクラシカルで暗くてドロドロしているような心理ドラマ、ド悲劇の方がハマる気がします。あーさはその顔面の強さもあってキラキラ系アイドルスターと思われがちだけど、そして今回のような純朴な少年が成長して立派な青年に…みたいなのも新鮮に演じられてはいたけれど、ホントはもっと男臭い芝居がハマるタイプなんじゃないかと思うのですよ。トップスターとなるといろいろやることも増えて大変なんでしょうが、代表作、当たり役に恵まれることをお祈りしています。
 敵に寝返って主人公の父親を裏切り、ヒロインに結婚を迫るベタベタの悪役ガイ・ギズボーン(瀬央ゆりあ)役のせおっちは、『不時着』から合流していることもあるし違和感なし、ですね。こちらも役に恵まれていけばちゃんとあーさからスライドしてトップになれるのでは、と私は思っていますので、がんばっていただきたいです(なんかわりと、マイティはなるけどせおっちは無理でしょ、みたいに言う人が多いようなので…その言い方はずんちゃんをナメているようにも聞こえて、いずれにせよ私は不愉快になるのでした)。
 あがちんなんかは役不足に見えたかもしれません。かせきょーもアホの子役なので…すわっちも、うーん…はばまいちゃんやまるちゃんは、まあ娘役の役ってこんな感じだよね、という…愛すみれさまもまあ知ってるパターンだしね…やっぱり出番は少ないんだけど、さんちゃんはいいお役だった気がします。あとはこれでご卒業のあすくんのタック神父(久城あす)は、銀橋ソロももらって良き餞でした。
 全体としては、新公の方がハマっていた気がします。上級生がやると役不足に見えるものも下級生がやるとちょうどいいし、ファンタジー感は薄まりますがストレートな童話感、ジュヴナイル感が出ていた気がしました。後述。


 ファンタスティック・ショーは作・演出/三木章雄。
 花ひとみさお披露目ショー、月ちなじゅりお披露目ショーと来てコレじゃ、そらみんなぽかーんとするよね…(笑)お披露目感などいっさいない、単なるいつものミキティショーでした。そしてミキティショー自体がすごく久々だった気がするので、昭和とは言わずとも平成の香りがプンプンするわー、ってな感じで、また私は外野なのでそんなに嫌いじゃなかったのですが、ザッツお披露目!みたいなものを期待していたファンからしたらそら肩透かしだったことでしょう、と思いました。
 特にお披露目なのにフィナーレにデュエダンがなかったことは残念でしたね。大昔はそんなショーはたくさんあって、今のように構成がかなり規則的になったのってごく最近のことだとは思いますが、でもなんと言ってもお披露目公演なのでね…「エトランジェ!」場面はあったけれど、あれはあれでいいからフィナーレにやっぱりデュエダンが欲しい、というのがファンというものでしょう。
 フィナーレのあーさのソロも珍しいパターンで、それこそミキティのあーさへの愛情や信頼も感じますが、でもなんかさよなら公演みたいで縁起悪いよね、みたいな気になっちゃうファンが多いのも、最近のショーからすると不規則に感じられるからであってさ…ま、これも次作のショーに期待します。
 プロローグあとの、あがちんとすわっち(と、なんとせれーな!)のダンサー場面と、その次のかせきょーまるちゃん、せおっちはばまいのオーディション場面が、どちらもいわゆるダンス対決もので印象が近くなってしまったのは残念でしたね。衣装も振付も、やっていることはけっこう違うんですが、「対決」というコンセプトが同じなのが痛かった…新生雪組のいろんなスターを顔見せさせたい、というのはわかるんですけどね。
 バイク場面は昔のショーか何か(場面名にあった『まい・みらくる』?)からのリバイバルだそうですが、スピリットオブバイクの夢白ちゃんが素晴らしいですね! ゴールディロックス、かくあれかし! 「私を乗りこなしてごらんなさい」みたいな台詞はコンプラとかなんとかより単にダサいので省いた方がよかったと思いましたが、振付(振付/森優貴)含めてとても素敵でした。ライダー男女がほぼ同じ振りでバリバリ踊るのがまたいいんだよねー! すわんはホントどこにいても踊りのキレで目を惹くなー…!
 中詰めはミキティ定番の、これしかないんかなーとやや思わなくもないジャズ。振りはもちろん踊りませんでしたとも!(いい笑顔)なので手拍子がしづらいのには困りました…
 ロケットのセンターはエンリコ、ファンなんで嬉しいです! でも脚上げから手拍子が入れやすいよう、気を遣ってくれよおぉ…
 フィナーレの大階段板付きセンターはばまいちゃん、ってのはかなり破格で、エトワールもやっているし、まだ次期が発表されたわけでもないのに…とつい思ってしまいました、心が狭くてすみません。続く夢白ちゃんカルメンは素晴らしすぎました。男役たちを次々撫で斬りしていくのもいい…!
 パレードのダブルトリオはエンリコと律希くん、白綺華ちゃんにせれーなにありさに音綺みあちゃん、ですよねーというメンツですね。満足です。
 私はあーさはハイ真ん中だね、と思うだけなのと、せおっちにはやっぱり惹かれないので、そのシンメであがちんとかせきょーが踊り出すと目が左右に散ってタイヘンだ、という発見を今回しました(笑)。あがちんのことも好きでも嫌いでもないんだけれど、なんせダンスが上手い! 身体能力が半端ない!! そしてかせきょーのパーッとしたオーラ、スタイルの良さ、伸びやかさははやっぱり強いですよ…!
 新生雪組、この先も楽しみです!!


 大劇場新公も観たので、以下感想を簡単に。
 担当は雑賀ヒカル先生。演出変更は特になかったかと思います。
 ロビンはエンリコ、苑利香輝くん。108期(!)、抜擢の初主演。でも私は初組子くらいのときの新公であすくんのところをやっているのに「めっちゃ上手いな!?」と刮目して以来ずっと好きだったので、嬉しかったです! ショーでは密かにずっとかせきょーのシンメにいるよね、みたいな扱われ方だったので、もうちょっと待つのか、はたまた使う気があるならもっと前に出さんかい!と思っていたら主演が来たので驚きましたが、素養がありそうな男役さんはまずこれくらいで一度やらせておいて、卒業間際にも再度…というのがいいと思っているので、良き育成かと思います。かせきょーに近いぱーっとした明るいオーラの持ち主で華があって、私は良き大器感を感じています。素直にのびのび、かつ丁寧に真摯に演じていて、とてもよかったと思いました。
 しかしヒロインのみなみんともども、せめてこの公演くらいは本公演の役付きをもっと良くしてあげてほしかったです。衛兵とか農民とか、台詞はもらっているにせよ、わかって観ないとわかんないくらいじゃん、それじゃダメだって。ちょっと目立つところをやらせて観客に「アラいいわね」って思わせて、「ああ、あの子が新公やるのね」って思わせてファンに育てていかなきゃ、ダメでしょ? エンリコはシャーウッドの風に入れてもよかったと思うし、みなみんも四大精霊か、なんならクインシー(白綺華)だってよかったと思いますよ…(ToT)
 マリアンはこちらも初ヒロインの愛空みなみちゃん、恐るべき105期。私は顔が好きでずっと追って観ていましたが、使う気あったんだ劇団!?と正直思いましたけどね…てか今回はこれで新公卒業の愛陽みちちゃんがヒロインでよかったと思うんですけど、何故に頑として起用しないのか劇団…? それはともかく、ディズニープリンセスっぷりもありつつもしっとりおちついた良きお姫様っぷりで、夢白マリアンに若干漂うカマトト感がまったくなかったのはとてもよかったです。フツーに上手い…大事!
 そしてガイの紀城ゆりやくんがすごーくよかった! 『ライラック』新公主演では地味だなーと思い、新公オスカルは綺麗でちょっとハッとなったけど、こちらも今回の本公演は農民だし…でも、さすが新公主演を経てからの悪役ってホント濃く、バン!と出られていいんでしょうね。本公演はやはりせおっちの癖ツヨ感がやや出ている役になっていると思うんだけれど、新公は物語が求めるド定番悪役、ヴィランになっていてとてもよかったと思いました。なんせ上手くて手堅いしね!
 それはカーク・フォレスト(諏訪さき)に扮したかせきょーにも言えて、本役とはまた違う小悪党っぷり、ヴィランっぷりが物語を引き締めていたと思いました。ノリノリの悪役、良きでしたよー!
 アラン(咲城けい)は結翔恋くん、ちょっと線が細かったかなー。ミス・オフィーリア(愛すみれ)は麻花すわんちゃん、インパクトあって良きでした・クインシーが音綺みあちゃん、歌えるしこちらもいい爪痕を残していたかと思います。
 ウィル(縣千)は律希くん、ホント美形でイイですよねー…わりとしどころのない役だと思うのですが、ちゃんと存在できていました。
 愛陽みちちゃんはエレノア王妃で、本公演では若き日のエレノアを演じているだけに手堅かったです。マリアンの乳母ルチアナ(杏野このみ)に回っているはばまいちゃんも手堅い。 本公演の代役もしていた蒼波くんのリトル・ジョン(真那春人)はイケオジで素敵だったなー! デイビット(華世京)の水月胡蝶くんは幼い役作りで、それはそれで良きでした。
 エメット(音彩唯)の白綺華ちゃんは女っぽく、スカーレット(華純沙那)の星沢ありさちゃんはめっかわで、これもとても良きでした。
 精霊のまるちゃんが可愛かったのと、若き日のエレノアの紗香にいなちゃんが素敵だったのも印象に残りました。
 下級生が懸命に演じている分、役不足感がなくて、ファンタジー感も薄まるんだけれどフツーにいい「オトナのお伽話」に仕上がって見えました。そういう作品なんじゃないかなー、と思います。


 大劇場公演は約1か月でしたが、東京公演は6週も7週もやってるんですよね…どうぞ大楽までご安全に、飽きずに、事故なく、楽しく上演されますように。
 次の『パリアメ』とかせきょーバウも、楽しみです!!!
 








韓流侃々諤々neo 19『僕が見つけたシンデレラ』

2025年06月07日 | 日記
 2018年JTBC、全16話。BS松竹東急で全24話で見ました。
 原題は『ビューティーインサイド』で、2015年の同名映画を元にテレビドラマ化されたものだそうです。邦題は一応内容から来ていないこともないし、「内面の美」を見つけた相手と恋に落ちる、というようなことだとすれば原題を汲み取ってもいるのでしょうが、時間切れのシンデレラの意味の方を押している気もするし、今ひとつセンスがないようにも感じられます…とはいえ英語をそのまま取り入れた韓国語(外来語の取り入れ方が日本語と韓国語はまた似ているんですよね…)タイトルだと、イメージがふわっとしていてインパクトに欠ける気がするのは、わかります。ともあれ、とても楽しく見ました。

 女優(しかもお騒がせ系)と財閥御曹司のロマンスもののドラマは星の数ほどありますが、このドラマの設定はなかなか一風変わっていました。
 ヒロインはソ・ションジン演じる人気女優ハン・セゲ(『キム・サブ』のソジョンか! 好きな顔なはずだ! でも今回はぐっと美人に作ってるなあぁ…! 女優さんってすごい!)。でも、ドタキャン癖があるとか現場から突然いなくなることが多いとかの噂もある、問題女優とされています。本人はそうした評判にいちいち一喜一憂しない、サバサバしたキャラであるのが好感度高かったです。でも、この「ドタキャン」に関しては彼女は深い悩みを抱えているのでした。何故か十年前から一月に一度、一週間ほど、老若男女人種問わず姿形が変わる…という奇病? 呪い? に罹っているのです。変身期間は仕事にならないのでキャンセルせざるをえず、基本的には引きこもっているものの、若い男性になったときの外出をパパラッチされて「恋人がいる」と噂されたり、子供の姿になっているときに見かけられて「隠し子がいる」と噂されたりしていることには悩んでいます。何より、病院に行こうがお祓いに行こうが症状?がまったく解明されず、原因も治療法もわからない…という状態なのでした。
 彼女が広告モデルを務める航空会社の企画宣伝か広報みたいな部署の本部長、ソ・ドジェ(イ・ミンギ)が相手役。祖父が財閥会長という御曹司で、七光りではなく仕事ができますが、若いし愛想がないしで社内の軋轢も多い。彼もまた十年前の留学先の交通事故による後遺症で、人の顔が識別できない相貌失認という病状を抱えていることをひた隠しにしています。母親のことすら顔を見ただけでは認識できず、声や仕草、よく着ているものの特徴などでなんとか捉えている始末。なので周りからは冷酷だと思われているようです。顔が認識できないということはその表情なんかも読み取れず、相手の感情や機微に疎くなるのかもしれません。ま、そういうのがなくても、やや鼻持ちならない御曹司としての傍若無人っぷりは性格としてあるキャラな気がします。
 で、そんなふたりがひょんなことから関わり合うようになって…というお話です。
 四角関係構造はなく、基本的にはヒロインと相手役がどう心を通わせていくか、という物語ですが、セゲの秘密を知る者として幼なじみのウミ(ムン・ジイン)とウノ(アン・ジェヒョン)がいて、このウノがドジェの義妹カン・サラ(イ・ダヒ)と恋に落ちる脇筋があります。ウノはソウル大学法学部出の秀才ながら神学校目指してバイト中の身で、イケメンでモテるしその自覚はあるけれど神に身を捧げるつもりなので揺れない、というようなキャラ。サラは彼女の父親とドジェの母親が再婚したので義理の妹になった女性ですが、優秀で気が強く、ドジェに対抗心を燃やしているようなところがあります。ドジェの母親は財閥会長の娘としてバリバリのビジネスウーマンをやっていますが、おそらくは政略結婚した最初の夫とは上手くいかなかった、という設定なのかな? サラの父親は植物学者でビジネスにノータッチですが、舅とも義理の息子とも仲は良いようです。でもサラはドジェのところとは同業他社の航空会社の代表で、そういう意味でも反発心、ライバル心を持っている、高飛車で高慢な女性、という設定。そんな女性がウノのような男性と出会って…という展開ですね。
 ちなみにセゲのマネージャー兼所属芸能事務所代表(オフィスの描写がないし他にタレントがいる様子もないので、セゲの個人事務所なのかも)のウミは、ドジェの秘書のジュファン(イ・テリ)とくっつく流れかな?と思っていたのですが、意外とそうはまとまりませんでした(><)。彼はドジェのリハビリを担当していた理学療法士か何かで、そのまま彼の帰国に同伴し今は秘書をしつつ、彼の相貌失認を周りからごまかすのをサポートしている…というような役どころで、親友とも部下とも違う、なかなか素敵なポジションの素敵なキャラでした。メガネ姿が多いのもいい(笑)。
 セゲ、ウミ、ウノは幼なじみなんだと思うけれど、カットや編集もあるのかもしれませんが特に過去については語られなかったように思います。元クラスメイトなのか、ご近所なのか? ウノの実家とは家族ぐるみのつきあいのようですしね。韓ドラってときどき、こういう恋愛にならない異性の幼なじみとか親友、というのがよく出てくると思います。いいですよね。
 そして忘れてならないのがセゲの飼い犬、キンカンですよ…! 金柑のことなのか? どーいうネーミングなんだっていうマルチーズかなんかの小型犬ですが、役者として優秀すぎでは…ドラマとしては特に何かをするとか役目を負わされれるとかはないんだけれど、いいタイミングで泣くとか抱っこされておとなしくなるとかが素晴らしい演出になっていたのでした…!
 
 実はドジェがかばって交通事故に遭った老婆はセゲの変身した姿で…みたいないきさつがのちに明らかになるものの、結局セゲのこの症状?は治らないままに物語は終わります。ドジェの障害は成功率の低い手術にチャレンジして結局快癒した、となるのに、セゲの方はそのまんまなのです。ドジェといると変身する間隔が長くなるとか、変身期間が短くなる…というような描写はありましたが、たとえば真実の愛を得たので呪いが解けました、みたいなお話ではないのでした。ただ、外見がなんであれ、変わってしまう奇病?含めて君を愛するよ、というような結論で終わる物語なので、「ありのままに」というのは昨今の流行りでもありますし、よかったと思いました。
 ロマンスものとして、ベタではあるんだけれど描写やエピソードが繊細で丁寧で、何度も唸らされたしキュンキュンさせられました。また、サラが財界のおっさんたちのセクハラ、パワハラに遭う様子なんかもホント解像度が高くて、韓ドラってホントすごい、とこういう場面を見るたび毎回感動します。
 毎日毎日、楽しく見ました。満足です!



 



劇団チョコレートケーキ『ガマ』

2025年06月05日 | 観劇記/タイトルか行
 吉祥寺シアター、2025年6月3日19時。全席指定前売5,000円。

 ひとりの軍人(岡本篤)とふたりの沖縄県民が逃げ込んだガマ。負傷した少尉は、部下を見捨て民間人を見捨てて退却し、その上死ねずにいることに苦悩している。野戦病院に動員されていた少女(清水緑)は「聖戦」を信じ抜き、少尉を助けることが御国のためと必死に看護する。少女を助ける教師(西尾友樹)は、軍の命じるまま教え子とともに動員されていた。病院豪に薬を取りに行った少女が、ふたりの兵とその案内役を務めている老人(大和田獏)を連れて戻ってくる。アメリカ軍の気配が近づいてきて、ガマに釘付けにされる6人は…
 脚本/古川健、構成・演出/日澤雄介。2022年初演、全一幕。

 ふたりの兵士は青木柳葉魚、浅井伸治。
 前回は「戦争六篇」として上演され、そのうちの唯一の新作だったとのこと。このときも上演自体には気づいていたかと思いますが、重く思えてひるんで観劇に出かけなかったように記憶しています。今回はそのうちの一作だけの再演だったので、チケットを取ってみました。宙全ツ遠征で30年ぶりに沖縄に行って、ひめゆり平和祈念資料館や轟の森で怖くて悲しくて爆泣きしたのに、つい先日もどこかのしょうもない大臣がしょうもない発言をしていて、しかしたいした責任も取らずのうのうと政治家を続けているようだったので、ますます市民の側がちゃんと学んで考えていかないとホント国ごとどうにかされてしまう…と思えた、というのもありました。なのでミュージカル座の『ひめゆり』再演も観る予定です。

 セットというか装置は四角い八百屋の床が二面と、箱のようなものがふたつ置かれているだけのシンプルなものでしたが(舞台美術/長田佳代子)、六人の役者がちゃんとそこを狭そうに、ぎくしゃくしながら上り下りするので、ちゃんとごつごつした岩の洞窟に見えるのでした。靴の裏に滑り止めがあるのか、安全配慮としては正しいのですがそれがときおりきゅっと鳴るので、リアリティをやや削いではいましたが…
 一幕ものですが、ときおり暗転による場面転換はあり、六人それぞれの回想場面なんかが挟まれて、演劇としてよくできていました。そして過剰なところはなく、抑制された端正な芝居で、でも迫るものがありました。主宰の日澤氏は「軍人、民間人を問わず戦争はあらゆるものを不幸にします。その苦しみを実感して頂くために物語を演出しました。表現が適切かは分かりませんが、正直な気持ちです。/この物語は、当時沖縄で何が起こったのかを検証する物語でもあり、今も続く戦争がもたらす未来の物語です」と書いています。お、重い…しかしこの六人は、いろいろな立場の人々をそれぞれ上手く代表しているような存在になっていて、いろんな角度から戦争が捉えられていて、本当によくできた物語、作品になっていると思いました。
 老人の回想場面がないのは、そういうものはもうみんな全部乗り越えて飲み込んである種達観しているところがある人物だからかもしれないし、裏表がない人物だということでもあるのかもしれません。彼も息子3人とも兵隊に取られ、それぞれ違う戦地で亡くしている、ということは会話として語られます。
 兵士ふたりもひとまとめではありましたが、一等兵と二等兵ではちょっとスタンスや意見が違うところもあり、そういう描写もとてもよかったです。そして彼ら下士官と将校も、戦争に対するスタンスが違う…しかし今さら新鮮に感動したのは、彼らが軍人として、民間人に対する責任や区別をきちんと持っていたことです。そして本土の人間としての、沖縄県民に対しても…
 本土! 小さな離島から大きな本島を指すような、本州とほとんど同じイメージの言葉かと私は漠然と考えていたのですが、でもやはり違うのでしょうか…でも九州が、四国が、北海道が本州を本土と呼ぶかな? いわゆる日本列島はひとかたまりのようでいて、それでもいろいろ分断があったことを思うと、日本国の歴史的な成り立ちについてもいろいろと考えざるをえません。
 沖縄県立第一高等女学校、略して一高女の学生で、学徒動員された安里文は、劇中で何度も「沖縄は日本です」「沖縄県民は立派な日本国民です」と叫びます。それは叫ばないとそう認められない状況を表しています。今の目で見ちゃうと、日本になんか入らなくていいよ、そんなにまでして入ろうとする価値があるほどのもんじゃないよ、琉球王国は素晴らしいものだったんだよ、独立した存在だったんだよ…など言ってあげたくなるわけですが(この「あげたい」という意識も問題なんだろうけど)、彼女はもう王国が併合され、琉球藩にされ沖縄県にされ、皇民化教育がされ標準語励行がされた以降の暮らししか知らないわけで、それでも差別があり、つい出てしまううちなーぐちがあるからこそ、こう叫ばないではいられないわけです。その悲痛さよ…!
 周りの大人は、彼女を庇護されるべき子供としてきちんと扱いつつ、彼女を決して「文ちゃん」などとは呼ばずに「安里さん」と呼びます。そうして尊重しつつ、しかし彼女がそう育てられてしまっていることの痛ましさをひしひしと感じている。そう仕向けてきたのは自分たち大人であり、軍人三人からしたら自分たち本土の人間のせいだからです。ダブルスタンダード、アンビバレンツ、嘘と建て前と真実と…
 彼女の看護の腕前はたいしたものだし、凜々しく勇ましく、勇気があって弱音も泣き言も吐きません。若いし体力がある、というのもある。強い。それでも学生です、子供です、本来は守られるべき存在なのです。学徒動員なんて、ましてこんな女学生まで駆り出してやる戦争に、勝ち目も未来も意味もない。成人男性たちはみんなわかっているのです。彼女をそうさせてしまったのは自分たちだけれど、そんな彼女を救いたい、死なせたくない、自分たちも死にたくない、だから投降しよう…そういう話なのですが、そのせめぎ合いのドラマに胸揺すぶられました。
 信じてきたものを手放すのは、怖いし無念だし、今までのことはなんだったんだ、と虚しくなる。信じ続ければ世界が変わるはずだと信じ抜いてきたのに、自分が変わらないと世界は変えられないんだ、となるコペルニクス的転換…そりゃ簡単じゃありません。でも「ぬちどぅたから」、命は宝だ、というのは絶対的真理です。誰にでも命はひとつだけ、失われた命は決して戻らない。命あっての物種、死んで花実が咲くものか…大事な発想です。
 ガマを出ても、そこから先も大変だったかもしれない。それでも…
 そうして彼らが繋いでくれた命を、大切に生きたいし、あくまでも国は人のためにあるのであって人が国のためにあるのではない、ということは改めて肝に銘じるし周りにも訴えていこう、と思ったのでした。

 私の母は昭和20年生まれですが、戦後ではなく、その2月の生まれなので、終戦時は乳飲み子でした。横浜の田舎の生まれで、そのときはさらに田舎に疎開していたのかもしれませんが、ともあれそこで劇中にあったように、赤ん坊の泣き声にいらだった誰かに布でも押しつけられていた日には、私は当然生まれなかったわけです。恐ろしすぎます。命は儚く、もろく、かけがえがなく、尊い。戦争はすべてを破壊します。この国は戦争を放棄しました。それは貫かなくてはなりません。行きたい人や行かざるをえない人はいるのかもしれないけれど、誰かに行かせるだけの人なんて認められません。私は憲法変更に反対です。改正だなんて言いたくもない。まず今の憲法を完全に遵守できてから言え、と思います。
 すべての戦争に反対します。そのためにできることを、わずかでもしていきたいです。