宝塚大劇場、2019年1月22日13時、18時(新公)。
東京宝塚劇場、2019年2月26日18時半、3月9日15時半、24日11時(前楽)。
年に一度のビア祭の初日を迎えて浮き立つドイツ北部の港町、ハンブルク。その港に貨物船フランクフルト号が帰港する。船を下りた水夫のカール(紅ゆずる)は仲間たちと訪れた酒場で、ひとりの娘とで会う。娘の名はマルギット(綺咲愛里)。カールは家出してきたというマルギットと店を抜け出して、ビア祭を楽しむ。一方、古都リューネブルクでは、上流階級の青年フロリアン(礼真琴)がマルギットを探していた…
作/菊田一夫、潤色・演出/上田久美子、作曲・編曲/入江薫、青木朝子、高橋恵。1963年月組で初演、何度も再演されるも83年花組を最後に長らく上演されていなかった往年の名作の「Once upon a time in Takarazuka」。
「鴎の歌」と「若き日の恋」は有名ですよね。私が宝塚歌劇を観始めたころにたくさん買い集めた主題歌名曲集CDみたいなのに収録されていたり、TMPとかタカスペとかOGコンなんかで歌われていたりしてきたので、ご存じの方も多いと思います。でも演目自体は、映像も古いのか近年スカステでも放送されたことがなかったと思いますし、どんなものなのか私はほとんど知りませんでした。トップコンビが水夫とお嬢様、とは聞いていたので、普通に考えて悲恋に終わるお話だよね、と想像がつく程度。スカステニュースのコーナーで熱く語るくーみんのトークを聞いても、なんか上手くイメージができないままに大劇場に出かけていった気がします。
で、爆泣きでした。レポツイなんかはなるべく薄目でしか見ないようにしていたから、というのもありますが、「聞いてない」と思いましたよね。水夫とお嬢様の悲恋、そら想像つくよ、でもこんなに深い物語だったとは…!
幕開きの大階段を使ったショーアップ演出は今回のオリジナルだったそうで、それも宝塚歌劇らしくて素敵だったけれど、何より初演からあったのだろうなと思われるゆかしく美しい日本語の台詞と、それにより紡がれるごくごくシンプルな芝居、そこから生み出される複雑で豊潤な感情のドラマ、それを裏打ちするのに必要十分などちらかというと簡素なセットや装置…役がやや少ないかもしれないな、ということ以外はほぼ完璧な舞台だったのではないでしょうか。菊田一夫って天才、これをやりたがったくーみんも天才、とほとほと感動しました。思えば言っても『月雲』でも『翼』でもくーみんに手紙を書いてこなかった私がつい書いちゃいましたからね…! とにかく感動したことをただただ伝えたい、それほどの衝撃がありました。
「古き良き」というのはある種の枕詞のようにも思いますが、私はこの作品を「古臭い」とは全然思いませんでした。「古い」とも思えなかったかもしれません。
確かに物語が扱っている時代は現代より少し前なのだろうけれど、こうした格差やそれに伴う差別や偏見、それによる障害や問題といった事柄はまったくもって現代的なものでもありますし、何より登場人物たちによって紡がれるドラマが、結局のところ「人を愛するとはどういうことか」ということに尽きるように私には思えたので、古臭いとか現代的とかいうより時代を超越した真実のテーマだと感じたからです。この作品を「古臭い」と判断する人は(この「臭い」には当然ネガティブな意味があると私は捉えているのですが)、たとえば他のどんな作品のどんな点を「現代的」「新しい」として評価しているのでしょう…素朴に疑問。
とはいえ私だって近年の傑作として『AfO』を挙げるにやぶさかではないのですけれど、アレだってやってることの真髄はかなりクラシックというかぶっちゃけレトロだし、なんせ二幕ものだってことが私の評価をひとつ下げるポイントなんですよね…あとはたとえばくーみんオリジナルの『星逢』『神土地』と比べたらどうか、と考えると、これはもう好みの問題でしょうが私は『エルベ』が一番好きかな…比べれば確かに『神土地』の作り方はずっと現代的かもしれません。
まあ何を持って古い、新しいとするかは結局のところ好みの問題になってしまうのかもしれないのでいいっちゃいいのですが、とにかく私はこの「臭い」という言葉にけっこう引っかかったのでした。もっと純粋に、単純に褒められていい出来の作品だと思ったのです。
もう一点、私が世の意見で気になったのが、フロリアンがいい人すぎて怖い、絶対サイコパスなんじゃないか、みたいな件でした。
私は、彼のような人間は全然普通にいると思っています。というか本来人間はこうあるべきだと思っている、と言ってもいいでしょう。フロリアンは賢くて優しくて、でもちょっと卑怯だったり狡かったり弱かったりする部分ももちろんあって、その自覚もあるんだけれど完璧にはうまく立ち回れないという、ごくごく普通の人間ではないでしょうか。
私の人間への理想、期待が高すぎるのでしょうか。でも彼のことを「いい人すぎる、こんな人間いるわけない」と言わざるをえないくらい、いい人とか理想の人間像というかに触れることなく今まできている人が多くなっているのかもしれない…と、これはかなりエラそうに聞こえるでしょうが、私はこうした意見を見るたびに心が冷えました。
私は、フロリアンはとても人間臭い(この「臭い」にはまた独特の意味がありますよね)、素敵な役、キャラクターだと思っています。もちろん例によって好みの問題として私が優等生キャラ好きだってのもあるけれど、好きだなあ。贔屓で演じられたら死んじゃうわ………
ベニーを苦手にする人は少なくないとぶっちゃけ思うのですが、カールは当たり役となりましたね。大劇場千秋楽後に卒業が発表されたので、東京公演はまた違った感慨で観られることになったと思いますが、思えば作品に恵まれた任期だったと総括できそうじゃないですか。新公主演した『スカピン』をお披露目で再演する、というのがドラマチックだったし、『アナワ』もハマっていたし、なーこたんならラストの作品は上手く作ってくると思うので、その流れなら『ベルリン』はノーカンにしてもいい、となりそうだからです。別箱もよかったですもんね。
いつもおちゃらけているムードメーカーで、悪ぶってて、でも本当は純粋でちょっと傷つきやすくて優しくて、だからなおさら…という本質がカールとぴったり。この作品をいつかやりたいと考えていたくーみんのところに星組で何か、と依頼が来てベニーならやれる、となったのかなあ。その巡り合わせの奇跡に感謝したいです。
やっぱりちょっと歌が不安定だったりはするんだけれど、カールの心情が良く伝わっていたし、はしゃぐと台詞の音が割れるきらいもありましたが(たとえば『20世紀号』のだいきほがどんなにハイテンションになってもそういうことが一切なかったので、それが技量の差だとは正直痛感しましたが)それもまたエモーショナルでいいと思えました。あと、通常の演目よりわりと出番が多くて長くて、精神的にも肉体的にもタフでないと務まらない役なのではないかとも思えたので、トップスターとして脂が乗っている時期にやれてよかったのではないかなと思いました。埠頭での後ろ姿が絵になるのには年期が要りますしね。「ほんとだよ」という声の優しさ、温かさ、忘れません。
あーちゃんがまた本当に素晴らしいお嬢様っぷりでした。しかもちゃんと技術でやれているお嬢様でしたからね、可愛いだけでやっているんじゃなかったですからね。そこが素晴らしかったし、その上でこの時代のこういう家のこういう育ちのこういうお嬢様だから仕方ない…と思わせる説得力、憎めない魅力を発揮していてとてもとてもよかったです。
本人がお茶会で、このあとのマルギットはフロリアンではない人と結婚したと思う、と語っていたのも私にはとても印象的でした。私もそうかなと思うからです。結婚しないという選択肢はおそらくないだろうし、フロリアンの愛に改めて気づくこともあったろうし感謝もしたろうし彼に対してまた違った情愛を持つに至りもしたでしょう、でもだからこそ結婚はしなかったんじゃないかな、とか…わかりみしかない…泣ける…フロリアン…
てなわけでまこっちゃんがまたとてもとても良かったですよね! 「お家(と書いて「うち」と読ませる脚本よ…!)へお帰り」というパワーワード(使い方違う)、シビれたわー…!! エエ声の歌はもちろん、本当に役の心情と芝居での立ち位置を理解した上での演技をしていて、ラストの「カール・シュナイダー!」という絶叫が絶品で…本当に素晴らしかったです。
でも彼はマルギットと結婚しないとなるとシュラックの家を出て行かざるをえなかったろうと思うのだけれど、それで大丈夫だったのかしら…こういう有産階級と言われる、それでいて実質何もしていないような人々の暮らしがどう立ちゆくのか現代日本の一庶民の私はよくわかっていないので心配です。貴族ではないようだけれどなんらかの収入があるんでしょうね、遺産だけではないんだと思うし。そしてもちろんこういう人たちは絶対に働かないわけですよ。「職業の低さ」ってこれまたすごいパワーワードですが、「高い」とされる職業があるわけじゃなくて職に就くことそのものが「低い」ことなんですからね、この世界…あな恐ろしや。
でもだからってシュザンヌ(有沙瞳)、ってわけでもなかったろうしなあ…だからフロリアンにはむしろ、カールのような女性と出会って、カールとマルギットは結ばれなかったけれどフロリアンと彼女はうまくいったのでした、という夢を見させてほしい気が、します。
なんなら私が養うよ? 着物の二枚くらいは買うよ…
ヨゼフ・シュラック(一樹千尋)のヒロさん、さすがに上手い。単なる頑固親父というのではなく、こういう時代のこういう世代のこういう階級の家長の頑迷さ、というのをきちんと出していて、かつ憎々しすぎなかったのがよかったと思います。彼らにとっては当然の対応なのである、というところがまた、ドラマを浮き彫りにさせるのですからね。
そしてジュンコさんのヴェロニカ(英真なおき)もまたさすがでした。組長だったから、というのも効いていましたけどね。
そして現組長のユズ長が演じるザビーネ(万里柚美)のたたずまいがまた素晴らしい。こんな美女が、地味で従順なだけのところを買われて後妻に来たんだろうなという役をきっちり演じてみせているのがまた絶妙だと思うのですよ。いいお母さんではあったと思うんだけどなー、せつないなー…
ホテル・フロイデの主人ホルガー(美稀千種)のみきちぐがまた上手い。酒場ブローストの主人デュッケ(瀬稀ゆりと)はこれで卒業、これまた上手い。カールがヴェロニカにすがって泣く場面での後ろ姿が素晴らしかったです。
カウフマン警部(天寿光希)はみっきー、こちらは手堅い。しかし彼が何故マルギットにヨゼフの意思を代弁し、集まりを中止しろと言うのでしょうね? 親戚ではないのだと思うけれど、癒着というのとも違う気がするし…こういうおうちは官憲とは結びつきそうになくない? でも、エラそうな感じが演出としてはいいなと思いました。
そして、大きく書き換えられたらしいお役のトビアス(七海ひろき)…!
前楽、銀橋ソロのあまりの輝きに泣けて泣けて仕方ありませんでした。「♪ああ海よ聞こえるか、残しゆく友の歌、いつまでも聞いてやれお前だけが」なんて歌われて泣かない人がいますかね!?!? 出番は確かに多くはなかったけれど、結ばれずに終わるカールとマルギットに対して結婚するトビアスとベティ(水乃ゆり)、という重要な役どころで、石切りはともかく(笑)ちゃんと恋が芽生えたっぽい様子も見せてくれているし、本当にくーみんの優しさ温かさを感じる配役でしたね。ご卒業おめでとうございます。
水乃ちゃんも可愛かったいじらしかった初々しかった訛りとドタバタ走りがとても良かった!
船員仲間はひとからげのグループ芝居だったけれど、まおくんのオリバー(麻央佑希)のキャラは今までもこうだったの当て書きなのなんなの素晴らしくないですか!?!?
そしてアンゼリカ(音波みのり)はるこの艶やかさせつなさたるや…! ロンバルト(輝咲玲央)さんは絶対いい旦那さんなんですよ、今やラブラブなはずなんですよ、でなきゃこんなに美しくなれませんからね女は。でもせつないよね…! 絶品でした。
そしてそしてくらっちシュザンヌ(有沙瞳)もまた絶品でした。こういう役って匙加減が本当に難しいと思うのです。意地悪にもカマトトにも転ばないギリギリの在り方がとてもよかった…! 「もう二度と誰も…二度と愚かな恋はしないわ!」…贔屓の卒業を意識すると叫びたくなる台詞です…イヤでもシュザンヌは誰かと幸せになってください、フロリアンじゃなくても男はいっぱいいるはずだよきっと…(ToT)
大劇場新公も観たので、ざっとだけ。
なんせ本公演初見がこの日の昼の回だったため、「コレをかりんたんができるの!?」と心配したものでしたが杞憂でした。極美カール(極美慎)、とてもよかったです。
本役さんより、より「わざと悪ぶっているけど本当はいい人」感がにじみ出ちゃって、そしてそれはあくまでリアルでたまたまなのかもしれないけれど、この作品と役に関してはそれで正解だからいいのです。スタイルがいいのは武器だし、台詞も表情もとても良かった。歌ははまだ自信がないのかやや不安定だったけれど、素直な感じなのがいいんですよね。まあ私はすでにしてファンなので全然客観的ではないと思いますが、とにかく大健闘していたと思いました。
そして初ヒロインの水乃ちゃんもとても健闘していたと思います。これまた歌は弱いんだけれど、そして可愛いけどやはりお嬢様力が技術的にはまだまだ足りていなかったと思うのだけれど、マルギットたろうとしているのがとてもよく伝わりましたし、あーちゃんほど浮かれたお姫さま感がなかっただけに余計に、それでもやっぱりうまくいかないんだ、別れざるをえないんだ…というせつなさが出ていたように思えました。首が長くてスタイルのいい正統派の娘役さんですよね、のびのび育っていってほしいです。
ぴーすけのフロリアン(天華えま)は絶品でした。やはり主演経験者がこういう抑え役に回ると安定感が違いますね。まこっちゃんより人間臭い感じ、青い感じがしたのもまたよかったです。
シュザンヌの桜庭舞ちゃんも、上手いだろうことはわかっていたのでウザくならないか心配していたのですが、くらっち同様抜群の案配でよかったです。
そのくらっちはヴェロニカ、これがまた上手い! かりんカールにはこれくらい若いヴェロニカがまたよく似合いました。
娘役で続けるとベティの瑠璃花夏ちゃんがまた上手くてめっかわで惚れました! 逆に星蘭ちゃんのアンゼリカはもの足りなかったです。やはりあの役は美貌だけではダメなんですよ、やはりやや棒に見えましたねえ…(><)
トビアス天飛くん、押し出しいいですよね。プロローグのかりんたんとぴーすけとの並びがみんな違ってみんな良くて素晴らしかったです。ただ、キャラとしてはニン違いに見えたかな…
東京で観て、かりんたんのアドリアンの鼻持ちならなさが上がっていたように感じられて、「正解! 成長!!」と感動しましたね。
「ローゼマリーさんは聡明な女性です」ってホント最低な台詞だと思うんですよ。自分みたいな男を選ぶ女は賢い、という論法でのこの思い上がりとか、人を人とも思っていない醜悪さがこんなに短い言葉で表現できるなんて、本当にすごい台詞だと思います。その意味をちゃんとわかっていて、そしてアドリアン当人はもちろんなんの気なしに、というか本気でさらっと口にしているんだから、という芝居がちゃんとできていると感じました。
お茶会でも、新公主演をしたことで、主役と絡みがない役でもすべての登場人物は主役と結びつき作品のピースとして意味があり、それに徹することの重要性を学んだ、みたいな、イヤこれは私がかなり翻訳して言っているのですが、なんせ「今日私トーク力ヤバくないですか、いつもか」で「日本語難しい!」な人なのでこうは言ってはいませんでしたがでもこういう意味のことを言っていて、やはり経験は人を成長させるんだなあとまざまざと見せつけられた思いがしたのです。
それと同時に、無駄な役がない、すべてが作品のピースとして意味がある、そういう構造になっているこの演目が素晴らしいんだなと改めて思いました。菊田一夫天才、くーみん天才、と改めて思います。
こうしてまた発掘され再演される昔の作品があるといいなと思いますし、このクオリティの新作が生み出されていってほしいなとも思います。上田先生の次回作が本当に楽しみです。
スーパー・レビューは作・演出/中村暁。
お正月のテレビ中継ではJ-POPの多様に非難囂々、また同時期の博多座で『ビバフェス』に通った宙担からは「まんまじゃん」と言われるショーでしたが、私はいずれの回も良席で観られて生徒の識別がよくできたためか、楽しく観ました。てかあーちゃん無双まこっちゃん無双のショーだったのでは?
プロローグあとのアレがセカオワ?のまこっちゃん銀橋ソロ、いわゆる博多ビバフェスでゆりかちゃんがハネウマったところじゃないですか正直みんながいたたまれなくて二回目からすぐ手拍子入れるようになったところじゃないですか。でもまこっちゃんは歌が上手いから保つからみんな聴いちゃうんですよ何もしないでいいんですよ、素晴らしい。
そこからのかいちゃん場面は三曲もあるのにまず驚きましたね、本当に厚遇されましたよねよかったよね。ここの赤いドレスのくらっち可愛かったなあ、でも奥のかりんたんをついつい見ちゃったなあ水乃ちゃんと組むとこ可愛かったなあぁ。
星夢の場面は何を踊っているのか私には皆目意味不明でしたが、かなえちゃんとひーろーのダンスが素晴らしかったのでいいです。あとあーちゃんのダンチな鬘が素敵すぎました。暗転したあと引っ込む前に微笑み合うべにあーもよかった。
そしてあるある韓流場面でもさすがのまこっちゃんね! あれを歌い踊るのは本当にすごい。かりんたんも東京後半ではだいぶ色気を増してこられてましたよ! 暗転直前のウィンクがツボでした。
「チャンピオーネ」は『AM』の思い出が~、とうらめしかったけれど客席降りはみんな楽しそうなんでいいです。星サギのカンパネルラあーちゃんの、またなんてことない紫ワンピにめっちゃ凝ってるわけではないけど絶妙に可愛い鬘がツボでした。あとノリノリのサソリせおっちも。最後に綺麗なジュテで締めるまこっちゃんもね。
そう、わたしはせおっちにはあまり興味がないのですが本当に垢抜けてきましたよね、銀橋ソロも全然埋めてましたよね。からの黒髪ショーとボブのあーちゃんセンター背中がっつり開きドレスの娘役群舞、絶品! 最下の水乃ちゃんのお色気勉強中!なダンスも楽しい。はるこの艶やかさやいーちゃんのいい女っぷりもたまりませんでした。
男役群舞は久々の正統派黒燕尾。かりんたんが最下手とはいえもう一列目で、もっと上級生の後ろに置いて背中を見せて勉強させたいところなのになーと案じてしまいました。こっちゃんの代になったら私は同期だろうとせおっちが二番手だと思っていますが、三番手はしどりゅーぴーすけかりんたんと並べてお茶を濁すのかなーしんどいなーと案じられました…余計なお世話だったらすみません。
そしてデュエダンはあんる姉さんとほのかちゃんの歌声が甘く素晴らしい中、本当に相手役しか見てない見えてないベニーのいじらしさにみんながニヤニヤするしかない、極上の甘々空間でしたね…!
エトワールはかとりーぬ、ご卒業おめでとうございました。歌のお仕事するなら行きたいな。
というわけで安定のAショーでしたが、よかったと思います。お衣装も装置も素敵でした。満足でした。
東京宝塚劇場、2019年2月26日18時半、3月9日15時半、24日11時(前楽)。
年に一度のビア祭の初日を迎えて浮き立つドイツ北部の港町、ハンブルク。その港に貨物船フランクフルト号が帰港する。船を下りた水夫のカール(紅ゆずる)は仲間たちと訪れた酒場で、ひとりの娘とで会う。娘の名はマルギット(綺咲愛里)。カールは家出してきたというマルギットと店を抜け出して、ビア祭を楽しむ。一方、古都リューネブルクでは、上流階級の青年フロリアン(礼真琴)がマルギットを探していた…
作/菊田一夫、潤色・演出/上田久美子、作曲・編曲/入江薫、青木朝子、高橋恵。1963年月組で初演、何度も再演されるも83年花組を最後に長らく上演されていなかった往年の名作の「Once upon a time in Takarazuka」。
「鴎の歌」と「若き日の恋」は有名ですよね。私が宝塚歌劇を観始めたころにたくさん買い集めた主題歌名曲集CDみたいなのに収録されていたり、TMPとかタカスペとかOGコンなんかで歌われていたりしてきたので、ご存じの方も多いと思います。でも演目自体は、映像も古いのか近年スカステでも放送されたことがなかったと思いますし、どんなものなのか私はほとんど知りませんでした。トップコンビが水夫とお嬢様、とは聞いていたので、普通に考えて悲恋に終わるお話だよね、と想像がつく程度。スカステニュースのコーナーで熱く語るくーみんのトークを聞いても、なんか上手くイメージができないままに大劇場に出かけていった気がします。
で、爆泣きでした。レポツイなんかはなるべく薄目でしか見ないようにしていたから、というのもありますが、「聞いてない」と思いましたよね。水夫とお嬢様の悲恋、そら想像つくよ、でもこんなに深い物語だったとは…!
幕開きの大階段を使ったショーアップ演出は今回のオリジナルだったそうで、それも宝塚歌劇らしくて素敵だったけれど、何より初演からあったのだろうなと思われるゆかしく美しい日本語の台詞と、それにより紡がれるごくごくシンプルな芝居、そこから生み出される複雑で豊潤な感情のドラマ、それを裏打ちするのに必要十分などちらかというと簡素なセットや装置…役がやや少ないかもしれないな、ということ以外はほぼ完璧な舞台だったのではないでしょうか。菊田一夫って天才、これをやりたがったくーみんも天才、とほとほと感動しました。思えば言っても『月雲』でも『翼』でもくーみんに手紙を書いてこなかった私がつい書いちゃいましたからね…! とにかく感動したことをただただ伝えたい、それほどの衝撃がありました。
「古き良き」というのはある種の枕詞のようにも思いますが、私はこの作品を「古臭い」とは全然思いませんでした。「古い」とも思えなかったかもしれません。
確かに物語が扱っている時代は現代より少し前なのだろうけれど、こうした格差やそれに伴う差別や偏見、それによる障害や問題といった事柄はまったくもって現代的なものでもありますし、何より登場人物たちによって紡がれるドラマが、結局のところ「人を愛するとはどういうことか」ということに尽きるように私には思えたので、古臭いとか現代的とかいうより時代を超越した真実のテーマだと感じたからです。この作品を「古臭い」と判断する人は(この「臭い」には当然ネガティブな意味があると私は捉えているのですが)、たとえば他のどんな作品のどんな点を「現代的」「新しい」として評価しているのでしょう…素朴に疑問。
とはいえ私だって近年の傑作として『AfO』を挙げるにやぶさかではないのですけれど、アレだってやってることの真髄はかなりクラシックというかぶっちゃけレトロだし、なんせ二幕ものだってことが私の評価をひとつ下げるポイントなんですよね…あとはたとえばくーみんオリジナルの『星逢』『神土地』と比べたらどうか、と考えると、これはもう好みの問題でしょうが私は『エルベ』が一番好きかな…比べれば確かに『神土地』の作り方はずっと現代的かもしれません。
まあ何を持って古い、新しいとするかは結局のところ好みの問題になってしまうのかもしれないのでいいっちゃいいのですが、とにかく私はこの「臭い」という言葉にけっこう引っかかったのでした。もっと純粋に、単純に褒められていい出来の作品だと思ったのです。
もう一点、私が世の意見で気になったのが、フロリアンがいい人すぎて怖い、絶対サイコパスなんじゃないか、みたいな件でした。
私は、彼のような人間は全然普通にいると思っています。というか本来人間はこうあるべきだと思っている、と言ってもいいでしょう。フロリアンは賢くて優しくて、でもちょっと卑怯だったり狡かったり弱かったりする部分ももちろんあって、その自覚もあるんだけれど完璧にはうまく立ち回れないという、ごくごく普通の人間ではないでしょうか。
私の人間への理想、期待が高すぎるのでしょうか。でも彼のことを「いい人すぎる、こんな人間いるわけない」と言わざるをえないくらい、いい人とか理想の人間像というかに触れることなく今まできている人が多くなっているのかもしれない…と、これはかなりエラそうに聞こえるでしょうが、私はこうした意見を見るたびに心が冷えました。
私は、フロリアンはとても人間臭い(この「臭い」にはまた独特の意味がありますよね)、素敵な役、キャラクターだと思っています。もちろん例によって好みの問題として私が優等生キャラ好きだってのもあるけれど、好きだなあ。贔屓で演じられたら死んじゃうわ………
ベニーを苦手にする人は少なくないとぶっちゃけ思うのですが、カールは当たり役となりましたね。大劇場千秋楽後に卒業が発表されたので、東京公演はまた違った感慨で観られることになったと思いますが、思えば作品に恵まれた任期だったと総括できそうじゃないですか。新公主演した『スカピン』をお披露目で再演する、というのがドラマチックだったし、『アナワ』もハマっていたし、なーこたんならラストの作品は上手く作ってくると思うので、その流れなら『ベルリン』はノーカンにしてもいい、となりそうだからです。別箱もよかったですもんね。
いつもおちゃらけているムードメーカーで、悪ぶってて、でも本当は純粋でちょっと傷つきやすくて優しくて、だからなおさら…という本質がカールとぴったり。この作品をいつかやりたいと考えていたくーみんのところに星組で何か、と依頼が来てベニーならやれる、となったのかなあ。その巡り合わせの奇跡に感謝したいです。
やっぱりちょっと歌が不安定だったりはするんだけれど、カールの心情が良く伝わっていたし、はしゃぐと台詞の音が割れるきらいもありましたが(たとえば『20世紀号』のだいきほがどんなにハイテンションになってもそういうことが一切なかったので、それが技量の差だとは正直痛感しましたが)それもまたエモーショナルでいいと思えました。あと、通常の演目よりわりと出番が多くて長くて、精神的にも肉体的にもタフでないと務まらない役なのではないかとも思えたので、トップスターとして脂が乗っている時期にやれてよかったのではないかなと思いました。埠頭での後ろ姿が絵になるのには年期が要りますしね。「ほんとだよ」という声の優しさ、温かさ、忘れません。
あーちゃんがまた本当に素晴らしいお嬢様っぷりでした。しかもちゃんと技術でやれているお嬢様でしたからね、可愛いだけでやっているんじゃなかったですからね。そこが素晴らしかったし、その上でこの時代のこういう家のこういう育ちのこういうお嬢様だから仕方ない…と思わせる説得力、憎めない魅力を発揮していてとてもとてもよかったです。
本人がお茶会で、このあとのマルギットはフロリアンではない人と結婚したと思う、と語っていたのも私にはとても印象的でした。私もそうかなと思うからです。結婚しないという選択肢はおそらくないだろうし、フロリアンの愛に改めて気づくこともあったろうし感謝もしたろうし彼に対してまた違った情愛を持つに至りもしたでしょう、でもだからこそ結婚はしなかったんじゃないかな、とか…わかりみしかない…泣ける…フロリアン…
てなわけでまこっちゃんがまたとてもとても良かったですよね! 「お家(と書いて「うち」と読ませる脚本よ…!)へお帰り」というパワーワード(使い方違う)、シビれたわー…!! エエ声の歌はもちろん、本当に役の心情と芝居での立ち位置を理解した上での演技をしていて、ラストの「カール・シュナイダー!」という絶叫が絶品で…本当に素晴らしかったです。
でも彼はマルギットと結婚しないとなるとシュラックの家を出て行かざるをえなかったろうと思うのだけれど、それで大丈夫だったのかしら…こういう有産階級と言われる、それでいて実質何もしていないような人々の暮らしがどう立ちゆくのか現代日本の一庶民の私はよくわかっていないので心配です。貴族ではないようだけれどなんらかの収入があるんでしょうね、遺産だけではないんだと思うし。そしてもちろんこういう人たちは絶対に働かないわけですよ。「職業の低さ」ってこれまたすごいパワーワードですが、「高い」とされる職業があるわけじゃなくて職に就くことそのものが「低い」ことなんですからね、この世界…あな恐ろしや。
でもだからってシュザンヌ(有沙瞳)、ってわけでもなかったろうしなあ…だからフロリアンにはむしろ、カールのような女性と出会って、カールとマルギットは結ばれなかったけれどフロリアンと彼女はうまくいったのでした、という夢を見させてほしい気が、します。
なんなら私が養うよ? 着物の二枚くらいは買うよ…
ヨゼフ・シュラック(一樹千尋)のヒロさん、さすがに上手い。単なる頑固親父というのではなく、こういう時代のこういう世代のこういう階級の家長の頑迷さ、というのをきちんと出していて、かつ憎々しすぎなかったのがよかったと思います。彼らにとっては当然の対応なのである、というところがまた、ドラマを浮き彫りにさせるのですからね。
そしてジュンコさんのヴェロニカ(英真なおき)もまたさすがでした。組長だったから、というのも効いていましたけどね。
そして現組長のユズ長が演じるザビーネ(万里柚美)のたたずまいがまた素晴らしい。こんな美女が、地味で従順なだけのところを買われて後妻に来たんだろうなという役をきっちり演じてみせているのがまた絶妙だと思うのですよ。いいお母さんではあったと思うんだけどなー、せつないなー…
ホテル・フロイデの主人ホルガー(美稀千種)のみきちぐがまた上手い。酒場ブローストの主人デュッケ(瀬稀ゆりと)はこれで卒業、これまた上手い。カールがヴェロニカにすがって泣く場面での後ろ姿が素晴らしかったです。
カウフマン警部(天寿光希)はみっきー、こちらは手堅い。しかし彼が何故マルギットにヨゼフの意思を代弁し、集まりを中止しろと言うのでしょうね? 親戚ではないのだと思うけれど、癒着というのとも違う気がするし…こういうおうちは官憲とは結びつきそうになくない? でも、エラそうな感じが演出としてはいいなと思いました。
そして、大きく書き換えられたらしいお役のトビアス(七海ひろき)…!
前楽、銀橋ソロのあまりの輝きに泣けて泣けて仕方ありませんでした。「♪ああ海よ聞こえるか、残しゆく友の歌、いつまでも聞いてやれお前だけが」なんて歌われて泣かない人がいますかね!?!? 出番は確かに多くはなかったけれど、結ばれずに終わるカールとマルギットに対して結婚するトビアスとベティ(水乃ゆり)、という重要な役どころで、石切りはともかく(笑)ちゃんと恋が芽生えたっぽい様子も見せてくれているし、本当にくーみんの優しさ温かさを感じる配役でしたね。ご卒業おめでとうございます。
水乃ちゃんも可愛かったいじらしかった初々しかった訛りとドタバタ走りがとても良かった!
船員仲間はひとからげのグループ芝居だったけれど、まおくんのオリバー(麻央佑希)のキャラは今までもこうだったの当て書きなのなんなの素晴らしくないですか!?!?
そしてアンゼリカ(音波みのり)はるこの艶やかさせつなさたるや…! ロンバルト(輝咲玲央)さんは絶対いい旦那さんなんですよ、今やラブラブなはずなんですよ、でなきゃこんなに美しくなれませんからね女は。でもせつないよね…! 絶品でした。
そしてそしてくらっちシュザンヌ(有沙瞳)もまた絶品でした。こういう役って匙加減が本当に難しいと思うのです。意地悪にもカマトトにも転ばないギリギリの在り方がとてもよかった…! 「もう二度と誰も…二度と愚かな恋はしないわ!」…贔屓の卒業を意識すると叫びたくなる台詞です…イヤでもシュザンヌは誰かと幸せになってください、フロリアンじゃなくても男はいっぱいいるはずだよきっと…(ToT)
大劇場新公も観たので、ざっとだけ。
なんせ本公演初見がこの日の昼の回だったため、「コレをかりんたんができるの!?」と心配したものでしたが杞憂でした。極美カール(極美慎)、とてもよかったです。
本役さんより、より「わざと悪ぶっているけど本当はいい人」感がにじみ出ちゃって、そしてそれはあくまでリアルでたまたまなのかもしれないけれど、この作品と役に関してはそれで正解だからいいのです。スタイルがいいのは武器だし、台詞も表情もとても良かった。歌ははまだ自信がないのかやや不安定だったけれど、素直な感じなのがいいんですよね。まあ私はすでにしてファンなので全然客観的ではないと思いますが、とにかく大健闘していたと思いました。
そして初ヒロインの水乃ちゃんもとても健闘していたと思います。これまた歌は弱いんだけれど、そして可愛いけどやはりお嬢様力が技術的にはまだまだ足りていなかったと思うのだけれど、マルギットたろうとしているのがとてもよく伝わりましたし、あーちゃんほど浮かれたお姫さま感がなかっただけに余計に、それでもやっぱりうまくいかないんだ、別れざるをえないんだ…というせつなさが出ていたように思えました。首が長くてスタイルのいい正統派の娘役さんですよね、のびのび育っていってほしいです。
ぴーすけのフロリアン(天華えま)は絶品でした。やはり主演経験者がこういう抑え役に回ると安定感が違いますね。まこっちゃんより人間臭い感じ、青い感じがしたのもまたよかったです。
シュザンヌの桜庭舞ちゃんも、上手いだろうことはわかっていたのでウザくならないか心配していたのですが、くらっち同様抜群の案配でよかったです。
そのくらっちはヴェロニカ、これがまた上手い! かりんカールにはこれくらい若いヴェロニカがまたよく似合いました。
娘役で続けるとベティの瑠璃花夏ちゃんがまた上手くてめっかわで惚れました! 逆に星蘭ちゃんのアンゼリカはもの足りなかったです。やはりあの役は美貌だけではダメなんですよ、やはりやや棒に見えましたねえ…(><)
トビアス天飛くん、押し出しいいですよね。プロローグのかりんたんとぴーすけとの並びがみんな違ってみんな良くて素晴らしかったです。ただ、キャラとしてはニン違いに見えたかな…
東京で観て、かりんたんのアドリアンの鼻持ちならなさが上がっていたように感じられて、「正解! 成長!!」と感動しましたね。
「ローゼマリーさんは聡明な女性です」ってホント最低な台詞だと思うんですよ。自分みたいな男を選ぶ女は賢い、という論法でのこの思い上がりとか、人を人とも思っていない醜悪さがこんなに短い言葉で表現できるなんて、本当にすごい台詞だと思います。その意味をちゃんとわかっていて、そしてアドリアン当人はもちろんなんの気なしに、というか本気でさらっと口にしているんだから、という芝居がちゃんとできていると感じました。
お茶会でも、新公主演をしたことで、主役と絡みがない役でもすべての登場人物は主役と結びつき作品のピースとして意味があり、それに徹することの重要性を学んだ、みたいな、イヤこれは私がかなり翻訳して言っているのですが、なんせ「今日私トーク力ヤバくないですか、いつもか」で「日本語難しい!」な人なのでこうは言ってはいませんでしたがでもこういう意味のことを言っていて、やはり経験は人を成長させるんだなあとまざまざと見せつけられた思いがしたのです。
それと同時に、無駄な役がない、すべてが作品のピースとして意味がある、そういう構造になっているこの演目が素晴らしいんだなと改めて思いました。菊田一夫天才、くーみん天才、と改めて思います。
こうしてまた発掘され再演される昔の作品があるといいなと思いますし、このクオリティの新作が生み出されていってほしいなとも思います。上田先生の次回作が本当に楽しみです。
スーパー・レビューは作・演出/中村暁。
お正月のテレビ中継ではJ-POPの多様に非難囂々、また同時期の博多座で『ビバフェス』に通った宙担からは「まんまじゃん」と言われるショーでしたが、私はいずれの回も良席で観られて生徒の識別がよくできたためか、楽しく観ました。てかあーちゃん無双まこっちゃん無双のショーだったのでは?
プロローグあとのアレがセカオワ?のまこっちゃん銀橋ソロ、いわゆる博多ビバフェスでゆりかちゃんがハネウマったところじゃないですか正直みんながいたたまれなくて二回目からすぐ手拍子入れるようになったところじゃないですか。でもまこっちゃんは歌が上手いから保つからみんな聴いちゃうんですよ何もしないでいいんですよ、素晴らしい。
そこからのかいちゃん場面は三曲もあるのにまず驚きましたね、本当に厚遇されましたよねよかったよね。ここの赤いドレスのくらっち可愛かったなあ、でも奥のかりんたんをついつい見ちゃったなあ水乃ちゃんと組むとこ可愛かったなあぁ。
星夢の場面は何を踊っているのか私には皆目意味不明でしたが、かなえちゃんとひーろーのダンスが素晴らしかったのでいいです。あとあーちゃんのダンチな鬘が素敵すぎました。暗転したあと引っ込む前に微笑み合うべにあーもよかった。
そしてあるある韓流場面でもさすがのまこっちゃんね! あれを歌い踊るのは本当にすごい。かりんたんも東京後半ではだいぶ色気を増してこられてましたよ! 暗転直前のウィンクがツボでした。
「チャンピオーネ」は『AM』の思い出が~、とうらめしかったけれど客席降りはみんな楽しそうなんでいいです。星サギのカンパネルラあーちゃんの、またなんてことない紫ワンピにめっちゃ凝ってるわけではないけど絶妙に可愛い鬘がツボでした。あとノリノリのサソリせおっちも。最後に綺麗なジュテで締めるまこっちゃんもね。
そう、わたしはせおっちにはあまり興味がないのですが本当に垢抜けてきましたよね、銀橋ソロも全然埋めてましたよね。からの黒髪ショーとボブのあーちゃんセンター背中がっつり開きドレスの娘役群舞、絶品! 最下の水乃ちゃんのお色気勉強中!なダンスも楽しい。はるこの艶やかさやいーちゃんのいい女っぷりもたまりませんでした。
男役群舞は久々の正統派黒燕尾。かりんたんが最下手とはいえもう一列目で、もっと上級生の後ろに置いて背中を見せて勉強させたいところなのになーと案じてしまいました。こっちゃんの代になったら私は同期だろうとせおっちが二番手だと思っていますが、三番手はしどりゅーぴーすけかりんたんと並べてお茶を濁すのかなーしんどいなーと案じられました…余計なお世話だったらすみません。
そしてデュエダンはあんる姉さんとほのかちゃんの歌声が甘く素晴らしい中、本当に相手役しか見てない見えてないベニーのいじらしさにみんながニヤニヤするしかない、極上の甘々空間でしたね…!
エトワールはかとりーぬ、ご卒業おめでとうございました。歌のお仕事するなら行きたいな。
というわけで安定のAショーでしたが、よかったと思います。お衣装も装置も素敵でした。満足でした。