駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

ロス遠足<夢の休日>日記1

2012年11月28日 | 大空日記
 毎度のことですが、主観で語っています。ご不快に思われた方がいましたら申し訳ない。
 自慢話がしたいわけではなく、みなさんのためにレポを!というエラい使命感でやっているわけでもありません。
 私は本当に書いておかないとどんなことでも忘れる自信があるので、あくまで自分のための記録として書いています。公開するのはそれでも誰かに読んでいただけるなら嬉しいというのと、クラウドに上げておけば紛失しないという利点のためです(^^;)。
 意地悪なネットユーザーのために言い訳しておきます、小心者ですみません…


 さて、最近の宝塚OGが卒業後にほとんどやっている、阪急交通社主催の「○○と行く××△日間ツアー」みたいなのが、個人的には嫌いでした。
 旅行代金はボラれるに決まってるし、客寄せパンダみたいな安い仕事じゃん、と思っていたのです。ホント性格悪くてすみません。
 だから解散式でパンフレットが配られたときも、
「ああ、やっちゃうんだ…義理とはいえ、こういうお仕事は引き受けてほしくなかったなあ、がっかり…所詮は人の子か…」
 と思ってしまいました。ヒドいファンだよねホントに(><)。

 しかし! 所詮人の子、なのは私でした!!

 もともと友達に、どんな企画だろうといつだろうといくらだろうと絶対に行く、と言っていた人がいて、そうは言っても実際にこう企画が発表されると悩むだろうと思っていたのですが、話すとわりとあっさりマジで行く気になっていたので、それに押された、というのもあります。私は彼女のことをいろいろな意味で信頼しているので。
 でもなんといっても当人が、その解散式で
「みんなと一緒に遠足に行きたいなー、と思って…」
 とかなんとか、なんか妙に殊勝らしく可愛く誘うもんだから、なんかころっとほだされてうっかり行く気になってしまったのですよ…!
 実際、人があまりに集まらなかったら人気がないってことになって今後の活動にも差し支えるかもしれないし…とも思い、そんな結果はファンとしては残せないわ!とも思ったし、のちのちキャンセルもできるんだからとりあえず申し込むだけは申し込んでおくか…みたいな気持ちでまずはFAXで申し込み。
 で、一般発売後即完売、と聞くと、申し込んでおいてよかったね、やっぱりせっかくだから行っておこうよね、ともうすっかりその気になって、あれこれ準備しだした私だったのでした。
 もともとどちらかというとヨーロッパ志向なので(最近はめっきりソウルづいていますが、基本的にはヨーロッパ派なのです!)、観劇がてらニューヨークにでも、とかならともかく西海岸なんて、こんなことでもなければ行かなさそうでもありますし…
 しかし基本的にフリーツアーでしか旅行に行ったことがないので、150人もの団体旅行とか、うんざりしそうではある…きっとイライラさせられるしおたおたしてしまうんだろうなあ、でもそういうのもひっくるめていい経験か、という心境でした。
 海外旅行に使っているトランクのうち大きい方はもう20年もので、重くて扱いづらかったため、これを機に買い換えちゃったりもしました。なんだかんだ楽しみにしすぎでしたね私!!
 両替は1万円ほどを考えていたのですが、300ドルパックを買いました。25,190円でした。


 というわけで、11月22日(木)。
 ここで一句。「あの人が 一緒に行こうと言ったから いい夫婦の日は遠足記念日」。

 13時半すぎに自宅を出発。新調した紫色のスーツケース(もちろん千社札貼りました)はコロコロが快調で、早くも気分がアガりました。
 14時過ぎのスカイライナーで成田空港へ。コロコロを引いている女子がみんな仲間に見えて、なんだか妙にドキドキしました。

 15時、第一ターミナル南ウィング集合。カウンター前に100人からがうじゃうじゃしていたらその時点で萎えるわー、とか心配していたのですが、チーム分けされていたせいかそんなにダンゴになることもなくごくごくスムーズでした。
 Eチケットを受け取ってチェックインしてトランクを預けて、搭乗口で伊丹から乗り継いできた友達と合流。飛行機は全日空で快適でした(のちにデルタ航空組もいたことが判明)。
 機内食は夕食は和食をセレクト、かに玉丼とお蕎麦。友達は洋食でチキンのクリーム煮。
 朝食は私は洋食、ベーコンとオムレツ、友達は和食で白身魚とゆかりご飯。
 常にワインがぶ飲みでしたミニボトルなんてすぐだね!(笑)気圧の関係で飛行機では酔い易いと聞きますが、悪酔いもせずこれまた快適でした。
 映画は『コリア』と『桐島、部活やめるってよ』を観ました。
 『コリア』は実話を元にした、南北統一チームが世界卓球を戦う話なのですが、ハ・ジウォンとペ・ドゥナはどちらも童顔の地味美人なので20歳くらいのアスリートにちゃんと見えました。地図に引かれた38度線が卓球台のネットになるのには感動しました。ベタだけど泣きました。日本で開催された大会が舞台でしたがロケではなかったらしく、特にカタカナの広告看板がおかしかったのはご愛敬。
 『桐島~』は原作も読みましたが、評判どおりになかなかいい青春映画だと思いました。

 同日の午前9時半ごろ、予定どおりロサンゼルス空港に到着。
 機内ではちょっとうたた寝したくらいでしたが元気でした。私はもともと寝付きがひどく悪く、睡眠不順に慣れた体質なのか時差ボケを絶対にしない自信もあるのでした。
 入国審査では何故か係員と長くしゃべる人がいて、順番を待つ間ドキドキしどおし。何しろ私の外国語脳は韓国語にスイッチされて久しく、英語が全然出てきませんから…
 まあ向こうは意地悪していろいろ聞いているんじゃなくて、単にフレンドリーでトークがしたいだけなんだよね。私が英語は話せない、とそれだけは英語で言うと、あとは指紋採るのも「ミギテ」「オヤユビ」とか日本語で指示を出してくれて、「ゲンキデ」と送り出してくれました(^^;)。

 荷物も無事にピックアップして、バスを待つ間に代表さん始め会スタッフさんの何人かに遭遇。普通に参加者として来ているんだ!となんかちょっと感動しました。一日早く来ているであろう大空さんに同行しているのかな、となんとなく思っていたので。スタッフさんたちにとってはこれが卒業旅行なのでしょうか…写真の位置やテーブルを決める抽選には一切参加していませんでした。どうせなら普通に混ざればいいのに、今さらなのかなあ、奥ゆかしいなあ。

 さて、一行はよっつに色分けされたグループごとにバスに分乗して、まずは30分ほどでマリーナ・デル・レイのリッツ・カールトンホテルへ。ここのバンケットルームがランチ会場でした。
 ちなみにどピーカン。カリフォルニアの青い空!って感じ。ただし風がさわやかで、適温でした。

 大空さんがご挨拶に現れるというので、テーブルに着く順が抽選になりましたが、くじでまさかのビリを引きました(><)。でも結局マイク位置に向かって上手真ん中あたりのテーブルが2席空いていたので、オペラグラスは必要ない距離に座れました(^^;)。
 というか私は大空さんがトップになってから会に入ったので、シアター形式で1000人規模のお茶会しか知らないので、テーブル席でも150人なんて近い近い、とそれだけで大喜びでした。
 食事はビュッフェスタイルで、美味しかったです。水がライム入りかと思ったら何故かキュウリ(ズッキーニ?)で、青臭かったのは何故…?
 レストランからは陽光燦々と降り注ぐ港が眺められ、ホテルのお庭のプールやパームツリーもとてもいい感じ。食事のあとはあちこち写真など撮ってくつろいでいるうちに、逆光対策のためにシェードが下ろされて、大空さんが登場しました。

 なんか直前に友達のテンションが急に上がり、可愛いなあ、私はそんな感じじゃないなあ、とか思っていたのですが、大空さんの顔を一目見たら吹っ飛びましたねそんな余裕!(笑) 絶対ヘンな声上げてたもん私!!
 私たちの席からよく見えるレストランの戸口から現れた大空さんは、私が扉に対して想定していた位置よりも高い位置に頭があり、私が想定していたよりも早く体が現れきりました。つまり細い薄い背が高い! 足が長い!! 可愛い!!! 綺麗!!!! 知ってたけど!!!!!
 肩のとがった黒ジャケット、Vネックの黒インナー、グレーのパンツに黒い靴。黒いチョーカーネックレス、左人差し指に黒のゴツい指輪。髪も伸ばしていないし、お化粧も男役時代の素化粧とまったく変わっていないように私には見えました。

 ご挨拶、ということで特に司会の誘導もなく質問されるような形式でもなかったためか、最初のうちはさてどんなテンションで何を語ろう、ととまどっていたようにも見えましたが、すぐにいつものペースになりましたね(^^;)。
「みなさん、ついに来ちゃいましたねえ、遠足に…ロサンゼルスまで、ハハハ」
 って楽しそうに笑われても、企画したのはアナタですから! イヤ阪急交通社かもしらんけど!! でもやっぱり「遠足」って表現し続けてくれたのには嬉しかったけれども!!!
「みなさん、お変わりありませんか? 私はどうですかね、変わりましたかね? 千秋楽から5か月ですが、人間5か月くらいじゃ変わりませんよね」
 みたいな言い方も、ああ、らしいわあ…とじんわりきました。
 ロスには一日早く入ったようです。
「もうすぐみなさんが来るんだなあと思うと、ドキドキしました」
 とか
「全ツ先とかでもそうですが、普段より遠い土地でお会いすると、その分みなさんを近く感じますね」
 とか可愛いことも言ってくれて、もうときめくときめく(*^o^*)。

 ここでサプライズプレゼントが告げられ、トレーダージョーのエコバッグと大空さんからのメッセージカードを、各テーブルを回ってひとりずつに手渡ししてくれることになりました。
「このバッグを持っていれば迷子になっても添乗員さんが目印にして見つけてくれて便利ですよ。私もお揃いで持っています…」
 と言ったあと吹いて笑ったのはなんだったのかな!? お揃いで持ってくれていますよねもちろん!!?? 可愛かったけれども!(こればっかだなすみません)
 でも会場はディナーショーみたいに練り歩き用に椅子と椅子の間が離されていたりしないし、大空さんにバッグとカードをひとつずつ渡す阪急交通社スタッフはモタつくしで、大空さんがだんだん青筋立てそうになっているのもよくわかりました(^^;)。いやあ微笑ましかったわマジで! ついには指チョイチョイやってさっさと早く、とせかしたのを私は見逃しませんでしたよ!! ぶっちゃけ我々の方がいろいろ慣れているので、いっそ一列になってグルグルしますけど…とちょっと思いましたけれどね(^^;)。
 だんだん握手会の時の無表情アンドロイド・モードになっていったようにも見えたけれど、とにかく近距離でじっくりお顔が見られて嬉しかったです。逆光のときは美しいシルエットを拝めました。ごちそうさまです!
 そういえばスタッフではない姉妹の方を連れている方がいて、このとき大空さんに紹介していたようでした。「あっ、そっくり!」と笑うのが可愛かったわー!

 予定では三日目にのみ団体記念撮影、のはずだったのですが、ここでバス半分ずつごとに記念撮影をすることになりました。「記念写真…」とまたまた何故かツボってマイクに吹いて笑う大空さんが愛しかったわ! そしてここでも大空さんから最も遠い位置のくじを引き当てる私…
 お庭のパームツリーをバックに撮影。並びに手間取ると優しく誘導するフリして仕切りに入っているのがまた好ましい。私は離れた立ち位置だったためスタンバイ時に横からよく大空さんが眺められたのですが(近すぎた友達は肩しか見えなかった!とあとで嘆いていました(^^;))、ジャケットの合わせが深く中のインナーがよく見えて、品良く胸のラインがあったように思えました。よかよか(*^o^*)。
 あとつむじをガン見しましたすみません。安定の可愛さだったよ!
 グループが入れ替わるあいまに機嫌良くお手振りなんかするものだから、待っているグループや撮影が終わってレストランに戻ったグループから歓声が上がる上がる(^^)。テンション上がったわー!

 去り際には、
「明日はみなさん、ディスニーランド組とサンディエゴ組に分かれて観光なんですよね、せっかくだからお見送りに行っちゃおうかな~」
 発言が飛び出し、会場のテンションまたまた上がる上がる(^^)。ニコニコで退場するのを見送り、どっと放心した我々は本日のミッションが完了したような気になったのでした(^^;)。いやあやっぱり好きだわああ!

 しかしまだ午後も半ば、バスは市内観光へ。

 サンタモニカで降りてまととぶんの歌を歌いながら写真を撮り、チャイニーズシアターでは『スターウォーズ』のキャラクターの足型を激写してきました。路地に「HOLLYWOOD MEMORY」という名前のお店があって、ステファーノの歌がよみがえってきゅんとしたりもしました。

 ロデオドライブは車窓からのみ眺めましたが、確かに銀座の並木通りよりブランドショップが密集していて華やかでしたね。ただし今日はサンクス・ギビング・デーということで閉店が早く、ひっそりしていました。


 17時過ぎにダウンタウンのミレニアム・ビルトモア・ホテル着。

 アメリカン・スタイルの機能的なタイプではなく、ヨーロピアン調の重厚で豪華なホテルでした。フカフカすぎる廊下の絨毯がコロコロ泣かせでしたけれど(^^;)。

 キーが配られた部屋は広いツイン! でもバスタブがなくシャワーブースのみだったので、変更してもらいました。そうしたらやや手狭な部屋になってしまった…残念。

 18時頃、スーパーで水のボトルといきなり行きの飛行機でなくなった歯磨き粉を買ってから(両方で5ドルほど)、事前に申し込んでいたオプショナルツアーでグリフィス天文台へ。
 私が行きたがったのだけれど、夜景は正直言って微妙でした。東京や神戸、札幌、あるいは香港の方がやはり華やかかなー。暮れると冷えて風も冷たく、タイヘンでした。
 
 20時頃、ステーキハウス「ウルフギャング」に到着。シーザーサラダ、カボチャのスープ、ステーキ、デザート、コーヒー。追加で頼んだグラスの赤ワインは17ドル、わーお。さすがに立派なグラスになみなみ注がれてきましたけれどね…
 テーブルで隣り合わせた人はあたりまえですがみんな宝塚歌劇ファンで大空さんファン、話が早くすぐ仲良くなれて、楽しかったです。話の内容からこの人はフォロワーさんでは、とか推理できたりね(^^;)。
 23時過ぎに帰宿。交替でバスルームを使って、ベッドに入ったのは深夜2時をすぎていたかも…


 11月23日(金)。
 快晴。あんなに疲れていたのに、いつもどおりの安定の寝付きの悪さでしょんぼり。
 6時半にモーニングコールが入り、支度して7時半にグランドフロアのバンケットルームでブュッフェの朝食。クロワッサンとヨーグルトが美味でした。
 今回はテーブル抽選を友達に任せ、無事に若い番号を引いてもらって、マイク位置かぶりつきに着席。
 8時半に大空さんが登場。のちに添乗員さんに聞いたところでは、大空さんの背後に控えていたものの、扉を開けたときのみなさんの歓声がものすごくて、思わずのけぞって脇に逃げた、とのことでした(^^;)。
 黒ハット、黒縁メガネ、ゼブラ柄の半袖ニット、グレーデニム、黒ブーツ。ゴツい腕時計と黒のブレスレットが凛々しく、マイクを持つ前腕がほっそりしていて素敵!
 お勧めおみやげを報告し合いましたが、昨日ランチ会場でスーパーで見つけて良さげだと言っていたベーコンとメイプルの板チョコ(どんなだ)はまだ召し上がっていないらしく、味はわからないとのことでした。
 やたらと部屋飲みとそのアテにこだわるトークでしたが、会スタッフさんが飲んでいたりしたのでしょうか…(^^;)。参加者の方からもソルトビネガーのポテトチップ(かな?)をお勧めしたりしていました。
 ここは20分ほどでまたまたニコニコ手を振って退場していきましたが、「行ってらっしゃ~い」と言われ「行ってきま~す」と応える側になるのもなかなか新鮮だなあ、とちょっと感動しました。

 この日はディズニーランド&アウトレットモール組とサンディエゴ&ティファナ組に別れて、バスで9時出発。
 私はミッキーマウスとかにまったく興味がないタイプなのでサンディエゴ・コースを選びました。
 メキシコ国境まで三時間ほどのドライブ。途中曇ったり暑くなったり忙しいお天気。うつらうつらしながら現地添乗員さんのガイドトークを聞いていました。
 入国は歩きで、でもすんなり。
 メキシコ側の街はやはりゴタゴタしてちょっと埃っぽい感じ。
 まず案内されたのが日本人が経営している「アステカ」という雑貨屋さんで、おみやげ用にテキーラ入りチョコレート(4ドル50セントを5つ)と、見つけてしまった小さな馬のエッチング(28ドル)を買ってしまいました。また馬コレクションが増えた…ま、自分用のお土産ということで。
 ここでだいたいの物価をつかんだら、自由行動で交渉して買い物してください、他の店には値札がないので、ということで解散。ただ私は値切るのが大の苦手で、正価でいいのでさくっと買い物したいタイプ。なので写真など撮ってプラプラするだけでした。何故かシマウマ柄にペイントされたロバがあちこちにいたな、観光乗馬なのかな?

 ランチには集合して、メキシカンプレート。タコス美味! トルティージャスープ美味! でもオープンカフェは風が冷たくて寒い! やや苦行!
 メキシコといえば以前カンクンで飲んだテキーラサンライズの美味しさが忘れがたいのですが、ここではマルガリータを飲みました。3ドルだったかな?

 アメリカ入国は行列して時間がかかりましたが、審査自体はこれまたごくスムーズ。
 夕まぐれのサンディエゴのシーポートヴィレッジでお買い物タイム。クリスマスデコレーションが可愛かったけれど、手頃なおみやげがなく買い物しませんでした。暮れゆく港や可愛いクリスマスツリーなどを撮影してお散歩。

 夕食はマリーナ・デル・レイの「シャンハイ・レッズ」でサラダ、牛肉の煮込み、付け合わせはマッシュポテトとエビ。ロブスターが食べたかったんだけれどシュリンプでも満足でした。グラスの赤ワイン9ドル、だったかな?
 デザートのチーズケーキは大きかったけれど、これまた美味しかったです。
 お店を出る頃にはすっかり霧の夜になっていて、ムード満点でしたがかなり肌寒く感じました。天気と気温が読めない街だわあ…

 23時頃ホテル帰着、お風呂タイム。前夜よりは早くベッドに入れたかな、そして少しは眠ったかな…

***

 いつものことですがやはり長いな、いったん上げます。
 そしてトーク部分など記憶が甦ったらまた加筆修正するかもしれません(^^;)、とりいそぎ。


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ゆうきまさみ『鉄腕バーディー』『鉄腕バーディーEVOLUTION』

2012年11月18日 | 愛蔵コミック・コラム/著者名や・ら・わ行
 ゆうきまさみ『鉄腕バーディー』(小学館ヤングサンデーコミックス全20巻)
『鉄腕バーディーEVOLUTION』(小学館ビッグスピリッツコミックス全13巻)


宇宙連邦捜査官バーデイー・シフォン・アルティラは広域指名手配班クリステラ・レビを追って地球に来訪中、誤って現地の少年・千川つとむに大怪我を負わせてしまい、彼の命をつなぐために二心同体で暮らす羽目になり…

 1984年に「少年サンデー増刊号」で連載が始まり、『究極超人あ~る』が「週刊少年サンデー」で連載され始めたため中断され、『機動警察パトレイバー』『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』『パンゲアの娘KUNIE』の週刊連載が完結したあと「週刊ヤングサンデー」に場所を移して描きなおされ、ヤンサン休刊後は「週刊ビッグコミックスピリッツ」に移り、先日ついに完結したSFアクション。
 OVA、テレビアニメ化もされた。

 完結したら読もう、と思っていて、今回一気読みしたわけですが…いやあ、久々に漫画を読む楽しみ、SFを読む楽しみを堪能できて、ワクワクしました。

 この人はなんと言っても絵が上手い。抜群に上手い。
 コマ割りはあえてのこだわりでシンプルなんだけれど、構図やカメラワークは自由自在。デッサンも確かだしグレースケールを含む白黒バランスも素晴らしい。
 何よりキャラクターのビジュアルの描き分けが秀逸で、これだけ大量の登場人物のデザインをきちんと変えて描ける画力という意味では間違いなく日本一でしょう。その意味では井上雄彦よりも絵がうまいと言っていいと私は思います。まあ仕上げに関してはアシスタントの能力なのだとしても、ね。

 そしてキャラクターの人間性を描くのがまた抜群に上手い。ヒューマニティー力(そんな言葉ないと思うけど)がものすごい。
 例えば主人公でありヒロインでもあるバーディー。
 そもそもは「快力乱神が描きたい」「暴れる美少女が描きたい」という、それはそれはわかりやすいオタク発想からスタートした物語のようですが、それがこうなるのがこの作者のちゃんとしたところですよね。オタク第一世代と言っていいかそれに少し遅れたくらいの世代の人だと思うのですが、今どきのオタクのような病み方や歪み方はしていないんですよねえ。意外にまっすくで健康的。愛や正義を信じている、世界平和を願っている。
 だから女子の裸を描いても下心のみにはならない。というかこんなに健康的で、ある意味青年誌の漫画としてはダメだろうってくらいそそられない、色気のない裸も珍しいかもしれません。
 それは何よりバーディー本人が裸になることを厭わないというか、裸を恥ずかしいものととらえる文化に育っていない人間だから。だから嫌らしくならないし、だから描けるし、だから嫌らしくなくてつまんないんだけどなんかおもろいという、いっそ清々しい効果を上げているのでした。
 そういう意味ではこれはやはり少年漫画なんだろうなあ。この「少年」は少年少女という意味の、児童という意味の、です。読者の性差を問わない作品だと思います。
 バーディーとコンビ(?)を組むつとむがこれまた女々しい、ごくごく普通の青年だってこともありますしね。
 実際第一部のつとむの後ろ向きさ加減、理屈っぽく逃げ腰である様子は主人公(の片割れ)としては鼻持ちならないくらいなんですが、それがやがて成長し、正義と義務に目覚め、戦いに挑んでバーディーを支え押し出しときには引っ張りさえするようになるのは本当に感動です。
 それは彼らが男だからとか女だからとかとは関係がない。成長したから、大人になったから、世の中とかかわるようになったからこその変化なのです。
 そういうことを肯定的にとらえる視線がこの作品には、この作者には根底にきちんとある。それが素晴らしいと思います。

 多彩な登場人物たちも素晴らしいし、無性というかコンピューター人格みたいなキャラクターもチャーミングで素晴らしい。
 「少年サンデー増刊号」時代にはなかったマーカーが私はことに気に入りました。そのシステムや形態も愛しいし、無性っぷりも愛しい。でもキャラクターがないわけでは決してないところも素晴らしい。
 これは刑事がふたり一組で活動するときのような相棒的存在であり、秘書やサポート役でもあり公務員の暴走を記録し管理し抑制するための機関でもあるわけですが、さる人が言っていましたが凡百の作家は普通はこれを女性型にデザインするだろう、というのですね。秘書、サポート、お目付け役、乳母すなわち女って発想です。わかる。ありえる。
 でもこの作者はそうは描かない。そこが素晴らしい。真のフェミニストってこういうことだよな、と思います。

 バーディーは性格的にも、もしかしたら年齢的にもそれこそキャラじゃないのか発情期を迎えても恋愛どころではありませんでしたが、ネーチュラーがカシューときちんと恋愛していたのも(ネーチュラーはそうと認めていなかったかもしれないけれど)個人的には印象深かったです。
 『パトレイバー』での熊耳さんとリチャード・王との関係といい、『じゃじゃ馬』での少年漫画初と言っていい朝チュンでない性表現といい、この作者はこう見えて意外にも(ところで私はこの人のことをどういう人間だと前提してこう書いているのだろう、失礼ですよね(^^;))きちんと男女関係を描いているし、あえて逃げたり目をそむけたりなかったものにしたり茶化したりしません。それもいい。
 だからこそ、個人的には、バーディーがネーチュラーを殺さざるをえなかった展開には疑問だったけれどね…バーディーが手を汚すのはもちろん初めてではないけれど、「特殺官」であるネーチュラーに対しバーディーはあくまで捜査官であり、どんな罪人も直接処罰することなく逮捕して裁判にかけることを至上の命題として活動しているキャラクターだったので、やはりそこは一線を超えてしまった感があったかな、と思ったのです…
 その直前のタームが「共闘する女ふたり」で凛々しくカッコよく燃えて萌えた!というせいもありましたけれどね…泣きました。

 物語の構造としては、テロリストを追っていたはずが実は…というパターンであり、最終的にはSF的にはわりとよくあるところにおちついたかなとは思いました。
 NO MORE 管理、NO MORE 支配、ってやつですよね。たとえ滅び失敗することを止めるためであっても、口出し無用。命は勝手に生きていく、それが運命であり、神ならざるものに管理されたり道筋つけられたりするようなものではない、というモチーフです。とてもわかりやすい。
 そして最終的にはコンタクトの話であり、『パトレイバー』が警察官の官僚性を描いた側面があったのと同様、一見スーパーヒーローでありそうな宇宙連邦捜査官の公務員っぽさを描いてこれまた秀逸でした。宇宙人との接近遭遇も現場で起きているんだよね!(笑)
 でもただの戦争ドンパチものとかを描いちゃうんじゃなくて、兵站の重要性とかを見逃せないこの視点はとても大事だと思います。現実ってそういうものだから、現実に立脚してこその物語なんだから。

 次回作は何をやるのかなあ。
 ふたたび「スピリッツ」でだというし、いっそホント正面切って恋愛ものとかでもおもしろいのになー。
 やはり恋愛とかセックス含め他人とつながることは面倒くさいしトラブルも多いけれど楽しいし豊かになることだよ、というメッセージを、フィクションはもっと発信していって読者の精神を育てないと、人類はマジで滅ぶよね。もちろん最終的には滅んだってまったくかまわないんだけれど。滅ばなかった国はない、滅ばなかった種族はないんだから。
 でももし本当に人口減抑制とか少子化対策とかしたいんだったら、保育園の増設とか教育費の手当てとかを尽くす一方で精神性を、恋愛力を育てなきゃダメだよ。
 少年漫画は勝ってなんぼ、少女漫画は愛されてなんぼの話がこれまで多すぎた。これからは愛してなんぼ、つながってなんぼの物語を作るべきだと思いますよ。
 そういうことが描ける人って、意外とこういう作家なのかもしれない、と思ったのでした。




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『エリザベート スペシャル ガラ・コンサート』

2012年11月18日 | 観劇記/タイトルあ行
 シアターオーブ、2012年11月13日ソワレ、17日ソワレ。

 1992年ウィーン初演、1996年日本初演のミュージカル『エリザベート』の、20周年&宝塚歌劇100周年目前を記念した宝塚OGによるガラ公演。

 私は初演の他はマリコ、サエちゃん、アサコ版しか生では観ていません。東宝版も観ていますが、ものすごくフリークかと言われるとそんなこともないライトなファンだと思います。私の『エリザ』論(?)はこちら
 でもせっかくの豪華キャストなので一度くらいは行きたいなーと思っていて、スケジュールの都合とガイチのフランツ、ということでまずチケットを取りました。
 のちに元オサちゃんファンの職場の上司に誘われ、都合2回観劇できました。キャストはけっこうカブリがあったので、それは残念でしたが…でもやはり楽しかったです。
 基本的に歌ウマ揃いで安心して聴いていられるし、踊りのみの場面がカットされていますがほぼ全編上演するようなものだし、音響がいい新しい劇場で聴きやすく観やすいし。
 オケは舞台に乗っていて、セットは上手、下手、中央に奥から伸びる階段状のスロープのみ。演じ手はお衣装はつけて現れますが、小道具はあったりなかったり。
 それでもシシィが追いかける転がるオレンジがそこに見えたし、フランツがシシィに付けてあげるネックレスが見えたし、フランツとシシィの間を閉ざす扉がそこにあるように見えました。素晴らしい…!

 というワケでまずは生では見たことがなかったオサちゃんトート。あいかわらずの歌い方、そしてあいかわらずの人外っぷり。
 私が見たのはとなみシシィの初日だったのですが、となみがまっすぐですこやかでのびやかで凛々しい人間味あふれるシシィだったため、結ばれるはずもない相手への片恋感がすごく出ていて、とてもよかったです。
 次にサエちゃんトートは、私が今でも実況CDでよく聞くもので懐かしく、かつ当然かつてより歌も上手くなっていて、でもハスキーなところとかは健在で、聞いていて楽しかったです。
 特別出演のシメさんを別にしたら、今回のトートはイチロさんにズンコにオサと歌手揃いで、その中ではサエちゃんは決して「歌の人」ではないスターさんだと思うのだけれど、でもやはり雰囲気があって素敵でした。
 シシィはどちらもとなみ。ミドリのシシィも観たかった…!
 フランツも共にガイチ。現役の専科さんですか?な感じがたまらんかったわ! 甘く優しく、後半はせつなく渋く。きゅんきゅんでした。
 ルキーニも共にワタル。全体の狂言回しだし客席いじりもあるし、けっこう重労働なポジションだと思うのだけれど、初演バージョン以外は全回ワタルなんだよね、エラいわ。芸達者で緩急自在で素晴らしかったです。トップコンビを組んでいたとなみをトートの方に押し出す役目をしているのも楽しかった。アフタートークによればとなみへのダメ出しがひときわ厳しかったらしい…愛だなあ。
 ルドルフはコムちゃんとトヨコを見ました。どちらも私にはわりとしっかりした青年像に見えて、それはそれで…だったかな。
 少年ルドルフは理世ちゃん(泣かせた!)とマヨちゃん。
 ゾフィーはタキちゃん、上手くて怖くて怯えたわ…
 
 とにかくメンバーが豪華で端から端まで知った顔なのがとても楽しい。
 個人的にツボだったのはラウシャーのチヤ姉やエルマーのねったん。出番がそんなにないのに熱いシュテファンのアカシとか、やたら目立っていたとみぃとか、どこにいても綺麗な南海まりとか。
 当時、ここまで財産となるコンテンツに育つとは正直思っていませんでした。すごいよなあ…大事にしていってほしいし、いいものはどんどん輸入して上手く翻案していってほしいし、それ以上にオリジナルをがんばっていってほしいです。
 特に音楽ね。結局ミュージカルは楽曲が命、ってところはあると思うので。日本人作曲家にももっともっとがんばっていただきたいものです。

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ツイッターの話

2012年11月11日 | 日記
 別アカウント名でツイッターをやっています。もうすぐ2年半くらいになります。
 始めたのは早いほうだったのではないかと思います。この新しいもの嫌いの私が、新聞の紹介記事を読んで、システムがよくわかっていないにもかかわらず何故か始めてみようと思い立ってすぐ登録しました。
 当時は主に仕事の愚痴をつぶやいていました(^^;)。要するに当時の私は「王様の耳はロバの耳!」と叫べる場所が欲しかったのだと思います。
 フォローはほとんどしていませんでした。芸能人のつぶやきとか興味なかったので。とにかく誰もフォローしていず、ただ自分のためだけにつぶやいていた。そういう意味ではこのブログと同じで、自分のための記録の場、備忘録として活用していたのです。
 フォローしてくる人も当時は外国人ばかりでした。どこから検索してくるのかリンクしてくるのか、見に行くと当然英語のつぶやきばかりで、こちらのツイートは翻訳して見ているの? なんなの? とまったくよくわからなかった。もちろんリフォローはしませんでした。

 そうこうするうちに、とある芝居の感想をつぶやいたときに、「私もそれ観ました」みたいなリプをいただいたんですね。
 で、その方のツイートを見に行くと、似たような趣味で、いろいろなものを観てそれについて語っている。なるほど、とフォローしてみて、そうしたらその人のツイートが自分のタイムラインに並ぶようになって、今度はその人のツイートに私がリプしたりして、そうしたらそれを見ていた人が混ざってきてフォローしてくれて…とつながっていって初めて、ツイッターの意味が、活用の仕方が理解できて、俄然楽しくなったのでした。
 その頃には仕事の山を抜けていたのか愚痴を言うのに飽きたのか(^^;)、私も完全に観劇ツイートにシフトしていたので、同好の志を探してみたりもしました。
 特に楽しかったのが、同じ舞台の違う回を見た人のアドリブ報告とか、客席にこんな人が来ていたよという報告。このリアルタイム感、臨場感、情報性ってすごいな、と思いました。

 というワケでもはやすっかり中毒になっていると思います。
 私は携帯自体はまったくヘビーユーザーではなく、電話とメールとカメラとツイッターしか使っていないと思います(^^;)。
 去年の秋に19泊20日の入院をしたときには、最初の数日は救急病棟で周りも機械だらけで自分もいろいろつながれていたのでホントに携帯NGでしたし、一般病棟に移ってからも一般社会生活から隔離されていたようなものだったので、このときだけは自分へのリプ以外は一切タイムラインを見ませんでしたが、それ以外はすべて必ず見ています。
 500とか1000とかフォローしていて流すだけとか見るときだけ見る、みたいな見方はしていません。だからフォロワーさんもあまり増やせません。仕事中は数時間おきにしか携帯を触らないし、そのときに遡って追えるだけの量にしておかないと、なので。

 なので勝手にルールを決めています。
 フォローするのは、観劇を趣味としている、働いている独身女性。自分と同じ層だから。
 男性や既婚者や学生さんはリストで見ています。こちらは見られるときに見るだけ。常に見ているタイムラインには入れていません。
 自分から誰かを検索しに行くようなことはしていなくて、フォローされたらその人のツイートを見に行って、この条件に合っていたらフォローする、という形にしています。
 あまりつぶやかない人や誰かのツイートをリツイートしているだけの人は寂しいのでフォローしません。あとはいつも140字ギリギリくらいまでつぶやいている人が好き。何故なら自分がそうだから(^^;)。おはありです、とかだけやっている人とかはノーサンキューなのです。
 そしてリアル知人は入れていませんし、アカウントを教えてもいません。実生活とはもはや離れて使っているので。逆に、ツイッターで知り合って劇場とかでご挨拶したりして、そのままお友達になった人も増えましたが、そういう順で知り合った知人はいいんです。でも素の、フツーの友達は恥ずかしくてイヤ、今さら引かれないだろうけれどオタクすぎてあきれられそう(^^;)。
 そんな勝手なマイルールで楽しい自分のタイムラインを作っています。

 若い世代だとまた使い方が違うのかもしれないし、リフォローしないと喧嘩になるとかおはようにはおはようって答えないといじめになるとかいろいろあって大変なようですが…
 私は上手く距離を保って活用したいな、と思っています。同好の志でも全然違うものの見方をしている人がいたりしておもしろかったり、いろいろ教えてもらえたりして、確かに世界は広がっていると思います。

 ゆるくつながっているところがいいのだと思いますし、だから自分がフォローを外されても気にしないようにしているし、自分もなんとなく気に障るツイートが続くような人は思い切ってリストにまわすかフォローを外しています。常に快適で楽しいタイムラインなのが一番だから。去るものは日々に疎しで、気に障っていたこともあっという間に忘れられます。我慢してまで見ることない。
 気の合った人と「会いましょう」ってなって、実際にお会いして話すとやっぱり楽しい。もうお互いツイートで人となりがわかっているからハズレがないんですね。そういうつきあいができるのも楽しいツールだと思います。

 書いたことが思ったように伝わらなくてじれじれしたりヒヤヒヤする事態になることもままありますが、そういうこともひっくるめて、うまく楽しんでいきたいなと思います。オトナだからね!
 ソウルに行ってもウィーンに行ってもつぶやいてきましたしタイムラインも追ってきました。3万ツイート目はロスから、かな…(笑)




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牧阿佐美バレエ団『デューク・エリントン・バレエ』

2012年11月11日 | 観劇記/タイトルた行
 新国立劇場、2012年11月10日マチネ。

 演出・振付/ローラン・プティ、音楽/デューク・エリントン。2001年初演。

 エリントンの演奏録音に振り付けられた全14場。
 どれもとても洒脱で小粋で軽妙で素敵でした。
 音楽が喚起するイメージを具現化する振り付け、それを音楽そのものになって踊るダンサーたち。音楽を観ているような、物語が音楽になっているような…そんなものを観られる、素敵な観劇体験でした。

 「The Opener」は菊地研。まだ暖まっていない客席に対してひとりで向かうのは勇気がいると思うのだけれど、シンプルな装置にお洒落な照明がすでにして素晴らしく、音楽そのものの小粋な動きを見せられてあっという間に引き込まれました。
 「Don’t Get Around Much Anymore」を踊るのはボリショイ・バレエのマリーヤ・アレクサンドロワとデニス・サーヴィンの大人のカップル。黒のモダンな衣装も素晴らしい。
 「Solitude」のソリストは吉岡まな美。彼女がひとり白い衣装で、バーを持った男たちに囲まれて踊ります。バーは彼女を閉じ込める孤独の檻でもあるようで、曲の最後に彼女はそこからするりと抜け出して、軽やかに下手袖にハケていきます。それはまるで何かの脱皮を観ているような鮮やかさでした。
 「Cotton Tail」はヤングなカップルで伊藤友季子と坂爪智来。これも若々しい感じがとてもキュートでチャーミングでした。
 グレーのドレスを着た貴婦人が、燕尾服の男たちよりお酒よね、なんて感じで踊るのは「Sophisticated Lady」。これはラスト、暗転がちょっと失敗したのかな? 残念でした。
 個人的にちょっとぐっときたのがラグワスレン・オトゴンニャムがごくシンプルに踊った「Mood Indigo/Dancer’s in Love」。これがエリントンの曲だと知らなかったので…もちろん『NICE GUY!!』の大空さん歌詞バージョンで脳内再生されました。
 続く「It don’t mean a thing(If ain’t got that swing)」も(これは男性ダンサーが歌いながら踊るちょっと珍しいもの)「Caravan」も『ナイガイ』曲だったもので、もう…ってな感じです。
 ラストは「Take the ”A”Train」総踊り。裏打ちで手拍子入れちゃいました、粋だった!
 席は後ろですがほぼ真正面だったので、フォーメーションが美しく見え、シンプルだけどおもしろい形に凝っている装置の効果もよく見えて、堪能しました!

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