駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

今年もお世話になりました!&来年の抱負!!

2018年12月30日 | 日記
 今年の観劇回数は144回でした。去年より微減、ほぼ一昨年並みかな。近年で最多観劇回数だったのは2015年でしたが、まあほぼほぼ平均していると思います。
 8割が宝塚歌劇、その8割が宙組だったかと思います。ホントは外部ももっと観たいんだけどなー。とりあえず宝塚歌劇に関してはおかげさまで今年も全演目が観劇できました(DSやタカスペなどのイベント系を除く)、なので満足です。

 仕事は、去年異動したので油断していたら今年は大きな担当業務替えがあって、夏以降はバタバタしましたねー。体重と体脂肪を記録するだけのダイエットアプリを使っているのですが、夏まで横ばいで8月以降が完全に右肩上がりなんですよ。わかりやすいストレス過食…さすがに業務には慣れましたが、本質的には向いているとは思えないことをやっているので、この先はちょっと悩みますね。来年は異動はないと思うけれど、その先、異動希望を出すかどうか、出すならどこへ行って何をやるのか、やれるのか…定年までのカウントダウンもあるので、そろそろ真面目に考えないと、とは思っています。
 ともあれ健康で元気に過ごせたことには感謝しています。ただ、強度の近視で眼圧が高いため緑内障の疑いがあるということで、ここ5、6年ずっと半年に一度くらい視野検査を受けていて、ずっと経過観察という診断だったのについに、左目だけ目薬にしましょうと言われてしまいました。緑内障は治らないので点眼で進行を遅くするしかなく、つきあっていくしかない病気です。私にはアンドレばりにまだまだ見たいものがあるので、きちんとやっていきたいと思っています。副作用でまつげが濃くなるらしいんだけど、ホントかな!? てか左目だけって…

 プライベートでは、去年のさる出来事をやっとあちこちに漏らせたりして、まああとはお友達にも恵まれ、楽しく呑んで食べて元気に過ごせたのでいいのです。パリ旅行も台湾旅行も観劇絡みではあったけれど、楽しく行けました。感謝です。

 そして来年はいよいよ50歳になる年です。人生折り返し地点です!(笑)人生100年時代だと思っていますからね、宝塚歌劇150周年を杖ついてでも観に行く気満々ですからね! アラン・ショレふうに言うと残暑を終えて実りの秋に突入!ってなところです(笑)。なので何かメモリアルなこともしたいと思っていますし、とりあえず三大目標を立ててみました。
 ひとつめは、社交ダンス教室通いの再開。一昨年の異動で仕事の忙しさのレベルが変わって足が遠のいてしまい、また行くとなってもまた入会金を支払うところから始めないとダメかなとも思いますが、そしてなんか全部忘れた気がするしまた初心者クラスからかと思うのですが、とにかく一生の趣味としてもう少しやりたいんですよねえ。えいやっ!と時間を作って再開したいと思っています。
 ふたつめはひとり旅。遠征や出張を別にすれば、純粋な意味でのひとりでの旅行というものをしたことが私はないのです。わりと同行者に頼っていろいろやってもらいがち、というのもある。でももういいオトナなんですから、一度くらいひとりで何もかもがんばってみたいと思っています。
 第一候補はヴェネチア。私はイタリアはフィレンツェとミラノしか行ったことがなくて、ローマとヴェネチアにもいずれ行きたいと思っていて、しかもヴェネチアは沈む前に行かないと、とか思っているわけです。3泊5日のパリ弾丸旅行がけっこうなんとかなって楽しかったことに味をしめているので、行ける気がするんですよね。観光や美術館やカフェやごはんをマイペースに進めまくるのは楽しい気がします。
 次点は香港。返還されてから行っていないのです。あとは、アジアンリゾートはひとりだと退屈しそうな気がしますが、ハノイはちょっと興味あります。ホーチミンが楽しかった記憶があるので。
 さてどこなら休めるかな…
 そしてみっつめは、ややしょっぱいですが、終活第一弾とは言わないまでも、ちょっといろいろまとめて、とりあえず母親と親友に預けておこうかな、実家に関しては逆に預かってもおこうかな、とか考えています。たとえば預金通帳やハンコをどこに閉まってあるかとか、そもそもどこに預金口座があるのかとか暗証番号とか、あるいはこうしたサイトのパスワードとか、そういうもののことです。何かで倒れたら、車に轢かれでもしたら、テロに遭ったりしたら、と明日のことはわからないわけで。両親もありがたくもピンピンしているのですが、どこに何をどうしているのかとか聞いておかないとな、弟と共有しておかないとな、とかちょっと真面目に考えるのです。
 とりあえず、ツイッターに12時間現れないことは海外旅行の飛行機とか寝だめとかでありえると思うのですが、24時間いないとなったら何かあったと思っていただけると嬉しいです(^^;)。まさかのときには、ここの更新とかも誰かにどうしかしてもらわないと、とかね…最後の一筆とかを用意しておいた方がいいのかしらん。
 孤独死云々と言われても、配偶者がいようが子孫がいようが人はひとりで自分の死を死ぬのです。だからそれはいい。ただ後始末とか、逆に長患いすることになったときの対処は、ある程度しておかないとな、とは考えているということです。
 そういうようなことも、来年のうちには一度ちゃんと考えてみて、何かしら支度したいと思っています。

 ともあれ、来年もよろしくお願いいたします。みなさまも良いお年をお迎えくださいませ。



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宮崎駿『風の谷のナウシカ』(徳間書店アニメージュコミックス全7巻)

2018年12月30日 | 愛蔵コミック・コラム/著者名ま行
 巨大文明滅亡後1000年、人類はわずかに残された居住可能な土地に点在していた。そんな中のひとつ、「風の谷」のナウシカは、ある日腐海で王蟲の抜け殻に出会うのだが…

 アニメ版の方は中学生くらいのときから何度も何度も見ていると思います。原作漫画の最終巻の刊行は奥付によれば1995年のようですが、私が愛蔵しているのは2001年発行のものなので、そのころに揃えたのでしょう。来年歌舞伎になるというので久々に見て号泣し、再読してまた号泣しました。愛蔵コミックスとして記事を立てていないことに気づいたので、今さら書いています。
 しかしアニメ版は原作漫画のごく序盤を、かつかなり単純化して仕立てているのですが、これはこれで本当に素晴らしいなと思います。今なお古びていない動きや演出もそうですし、絵の持つパワーも素晴らしい。そして戦争の愚かさについてなどのモチーフは、残念ながら今なお刺さるのでした。
 原作漫画はさらに複雑で深遠で、また漫画としては残念ながらやや稚拙というかわかりづらいせいもあって、読む人を選ぶタイプの作品かもしれません。けれどやっていることは意外とまっとうな、というか言ってしまえばよくあるSFなんですよね。主人公が少女であることやクシャナが女性であることには、実はあまり意味がありすぎることはない。そこもなんとはなしに私には好ましいです。ナウシカはオーマの「母」になったりしていますが、そこにもヒロインに必要以上の「母性」みたいなものは強要されていない。ナウシカの行動はあくまで人間としての責任感によるものに見えます。そしてこの作品で作家が描きたかったことはあくまで、文明がいかに愚かになりえるかとか、それでも生命は尊く自由であり制御されたり制限されるべきでない、あくまで自律の中でより良く進化できるはずのものなのだ、文明はそれを信じられず統制しようとした瞬間に堕ちた神になるのだ、というわりと単純なテーマかな、と思うのです。聖少女が世界を救う、みたいな話ではない。そこがいい。
 もちろん人類が進化しそびれそして滅びてしまっても、自然も地球も何も困らない。存在し続けるし銀河は回転し宇宙は膨張し続け、すべて世はこともなしなのです。でも私たちはこうした作品からいろいろなことが学べるはずなのです。たとえばここで描かれている戦争の愚かさ、悲惨さです。黄昏のこの世界で、国と国はもはや土地や富の取り合いをしているのではなく、奴隷にする人民、国民にする人間を取り合っている。次の世代を産み育て国を存続させる人間がもはや足りていない世界で、小さないじましい争いを続けているその愚かさに、あきれかえる他ありません。私たちは共存する優しさと賢さを手に入れなければならないのです。けれどそれが全然達成されていないからこそ、まだまだ読み継がれるべき作品なのでしょう。そして舞台化でもなんでもして、広く知られていくべき作品なのです。
 デジタルアニメとか実写化とかには向かない作品だと思うので、舞台化、しかも歌舞伎というのはなかなかにおもしろいかもしれません。楽しみです!

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麻生みこと『そこをなんとか』(白泉社花とゆめコミックススペシャル全15巻)

2018年12月29日 | 愛蔵コミック・コラム/著者名あ行
 弁護士は儲かる! そんな考えから成績ギリギリで弁護士になった改世楽子。しかしその年の司法試験には大量の合格者で、就職にあぶれてしまった楽子は零細事務所に押しかけ就職!? そこには嫌味でデキる先輩弁護士・東海林がいて…新米弁護士の奮闘記。

 隔月刊誌(連載当初はまだ月刊誌だったかな?)「メロディ」にて11年に及んだ連載でしたが、楽しく読んできました。
 理屈っぽい人間なので、法律とかそういう理屈が通ったりでも通らなかったりする法廷ものというかリーガルものというかが昔から大好きなのです。一話完結で、本筋が進む話もあれば本当に事件や裁判メインの話もあり、らっこが活躍することもあれば騙されることも失敗することも描かれる、いい作品でした。菅原先生や久保田さん、中道先生や赤星くんといったキャラクターの置かれ方もとても上手かったです。
 で、もちろんらっこと東海林先生のラブコメとして読んだわけですが、後半は本当に「この赤星君をどうフるの!?」と心配で心配で…なんせらっこがザルなので酒の上での不埒なんてネタは使えないし、赤星くんだって意外と(オイ)誠実というか真面目というか気弱というかプライド高いというか、要するにらっこに本当の意味では愛されていない、必要とされていないことがわかっちゃってるから踏み込めない、でもあきらめきれない、という事態が長く続いたわけで…
 で、結果、まさしくその「長く」続いた「時間」が解決してしまったわけです。最終巻は厚く最終エピソードも長く最終裁判にも時間がかかったわけですが、その時間の長さに恋の情熱は耐えられなかったのです。こんなに会わないですむのなら残りの人生も一緒でなくてもやっていけるってことですもんね。赤星くんは愛よりプライドを取ったのかもしれませんが、それでも正解だったと思います。中道先生が言うほど彼は誰でもいいわけじゃなくて、意外に面倒な男だとは思いますがしかしこういう男が得意な女もいるものなので、赤星くんのことはやはり心配にはなりません(ヒドい)。でも東海林先生は心配だもんね。
 東海林先生は正しく「私のメガネくん」でした。好き…! ラブコメと言いつつラブ以前みたいなもので、らっことはチューもしてなきゃ手も握っていません。でも愛があるのは充分にわかる。からの、ラストのあの台詞ですよあの見開きですよダブルミーニング最高! 上手い!! 犬の肉球以上にときめいた!!!(笑)今どき男が女の頭ポンポンするなんて(まあ「ぐりぐり」だけど)、ってのはあるんだけどこれはソレと違うってのも充分わかるじゃないですか! だからこそ素晴らしいわけですよ!!
 菅原先生と久保田さんの松本ライフとか、ちみちみ番外編が描かれるといいなとも思いますが、とりあえず綺麗に完結してよかったです。大満足で愛蔵するのでした。


 
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宝塚歌劇宙組『白鷺の城/異人たちのルネサンス』

2018年12月29日 | 観劇記/タイトルさ行
 宝塚大劇場、2018年10月5日11時(初日)、6日11時、7日11時、14日11時、23日13時、18時(新公)、28日11時。
 東京宝塚劇場、11月23日15時半(初日)、24日15時半(組総見)、29日18時半、12月6日18時半(新公)、13日18時半、18日13時半、22日15時半、24日15時半(大楽)。

 15世紀、代々銀行業を営むメディチ家の当主ロレンツォ・ディ・メディチ(芹香斗亜)はフィレンツェの統治者として、また芸術作品の収集家としてイタリア全土にその名を知られていた。ロレンツォの関心はヴェロッキオ工房で働くレオナルド・ダ・ヴィンチ(真風涼帆)に向けられていた。人並み外れた才能を持つ彼を独占し、召し抱えたいと狙うロレンツォだったが、レオナルドはそのやり口に反発し、庇護を受けることを拒み続けていた…
 作・演出/田渕大輔、作曲・編曲/青木朝子、編曲/植田浩德。

 初日の感想はこちら、ル・サンクつっこみ記事はこちら
 ここのあらすじはいつもプログラムから書き移すのですが、今キーボードを打ちながら、「…こんな説明、舞台のどこにもなかったじゃん…」と遠い目になるのを止められませんでした。
 イヤ、補完はできますよ? 類推もできますし、史実に関しては多少の知識がある観客も多いことでしょうよ。
 でも舞台できちんと描かなきゃダメじゃん、プログラムのあらすじに書いておいたからその設定を前提に舞台を観てネ、なんてダメに決まってるじゃん。設定が、前提が舞台上できちんと構築されないままに話が始まるから、大半の人がぽかんとなっておいていかれる気分になってノレなくて早々に飽きて寝て、それでほとんど観てなくても駄作だったねって判定するんですよ。それでいいの? 悔しくないの? 悔しいでしょ? なら反省して、猛省して、次作がんばりましょうねマジで。若い作家に期待するしか劇団の未来はありませんからね、私はあきらめませんからね。ちゃんと観て褒めるべきは褒めダメなところはダメ出ししますよなんの権限もないけれど。生徒はみんながんばってるんだから、ファンもがんばって通ってるんだから、作家も座付きの立場に甘えずがんばってください。基本を勉強して、感性を磨き、個性を際立たせてより良いオリジナル作品を作っていってください。頼みますよホントに…
 とはいえ、ビギナーを同伴してみると、誰も着替えないのでキャラクターが判別しやすく、誰が誰だかわからなくなっちゃって混乱するようなことはないし、主要キャラクターの数も少ないので複雑な筋が追えなくなるようなこともないようで、「どうなるの?」というストーリー展開への興味だけでけっこう楽しめてくれているようでした。たとえラストがベタベタでも、綺麗だったね良かったねおもしろかったね、と単純に満足するようだ、ということも観察できました。話に大きな矛盾や破綻はないし(グイドの計画の荒さに関してはさておき)、ストーリーテリングとしてはまあまあ明快で上手く作れているんですよね。貧乏くさい気がしなくもないけど装置の使い方は上手いし、プロローグからの本編の始まり方とかも上手い、歌詞もいい。ホント褒めたい点も多々あるのです。一、二回観る他組ファンが「言われているほど悪くないんじゃない? このレベルの凡作なんて過去にもたくさんあったし」と言うのもよくわかりますし、私だってその立場ならそんな評価で終えていたと思います。
 ただ、過去にもあったからと言うのは今もなお進化できていないということの指摘なので、劇団はもっと重く受け止めるべきですよね。世の娯楽は日々アップデートし進化し深化しより新しいものおもしろいもの素晴らしいものが続々と生まれているのです。十年一日同じレベルのものをやってたら飽きられます、見捨てられます。私は今の、現代の観客として、過去にも似たレベルの作品はあったから、という理由だけではこの作品を擁護できません。
 てか昔の作家だろうとたとえば昔の柴田先生なら(『黒豹』のことがあるので今の柴田先生にはもう求められないと私は考えています)、この作品、まったく同じ流れだとしてももっと深い、染みる台詞を書いて全然違う味わいを持たせられたと思うんですよね(ついでにたとえばパッツィの手下にもっとキャラを与えたり、グイドやクラリーチェにも参謀や侍女の役を置いたりするだろうし、工房仲間のキャラにももっと差をつけたことでしょう)。あるいはこの、このモチーフ、このテーマでいくならこの話でなくても他にもうちょっとおもしろくできたんじゃないの?という歯がゆさが今回のミソなのかもしれません。ハシボーではない、というところがね。
 でも、これなら主人公がダ・ヴィンチである必要はなかったのではないかとか、むしろロレンツォを主人公にした方がもっとおもしろいドラマが描けたのではなかろうかとか、ついつい違う提案をしたくなる作品なのですよ…そこがなんとももったいなかったと思いました。

 では簡単に生徒の感想を。
 ゆりかちゃんは、後半は特に、夢見がちでちょっと浮き世離れしていて周りから変人扱いされちゃう、当人は普通の好青年のつもりなんだけれどやっぱり才能ある芸術家…という感じにレオナルドを作っているように見えました。それは好感が持てました。私はゆりかちゃんの素の純朴さとかが好きなので、こういうキャラクターが好きなんですね。でも世間的にはもっとバリバリに色気出しちゃうような大人な役や黒い役、悪い役の方がウケるし舞台でもハマるんじゃないかしらん…と思うと、もう『オーシャンズ11』に期待するしかないかなと思っています。作品としては実は私はあまり買っていないのだけれど。『黒い瞳』のニコライも私はキャラクターとしては大好きでこういうゆりかちゃんもきっと好みなんだろうけれど、多分また似ちゃうかなと思うので。『WSS』のトニーもこの系統だったと思いますしね。こんないい素材のトップスターにもっといい役、いい演目を振ってやってくれよ劇団…(ToT)
 まどかはいいね、上手いしさらに上手くなったと思います。ロリっぽく言われがちだけれど本当は大人っぽい芝居ができるタイプのトップ娘役さんですよね。オレンジのドレスの色っぽさはたまりませんでした。もし田渕先生が本気でこのカテリーナの境遇、キャラクターに集中して話を構築できたなら、フェミニズム的に大傑作が生まれたかもしれないのに…と思うと残念です。
 キキちゃんは…あの銀鏡ソロはまあカッコいいんだろうけれど、もうちょっと意味のあるものにしてあげたかったよな、と思います。私はこの人にはスターとして特に興味はないんだけれど(全然ツボらないんですよすみません)、真ん中に置くと一番映えるタイプだとは思っていて、だからこそ二番手の今、もっといろんなタイプのいい役をやらせてあげたいと思っているのですけれど…そこは心配。もっといい悪役や儲け役を書いてあげてくださいよ先生方…あ、ラムセスはこれに当たっていたかな。『群盗』がハマることを祈っています。
 愛ちゃんはいいね、こちらも上手くなっていますよね。こういう役はもうお手のもの、というのもあるし、でもちゃんと今までとは違うアプローチをして違うキャラクターになっているのがいいですよね。グイドというキャラクターになかなかドラマがあったのもよかった。専科異動に関してはいろいろ言いたいこともあるけれど、とりあえず見守り続けたいと思っています。
 ずんちゃんも上手いんだけどね、そして決して弟キャラなだけじゃないスターさんなんだけどね、それこそ組替えはないんですかね、がっつり三番手にしていく意向に見えますが大丈夫なんですかね。というのはやっぱりどうしてもタッパが足りなく見えるからですよ、四番手にするのであろうそらしかり、なんですけれどね…こういうところが宙組経営で不安すぎる点なんですよホント…
 あとはやはりまっぷーの芝居がいいですね。工房でのレオナルドとのやりとりには本当に慈愛に満ちていて、あの場面だけが芝居濃度の高さで際立っていました。
 あおいちゃんもきゃのんもせーこもみんな「知ってる」って役でそこが残念だし、工房チームもしかりでカイルの仲間たちと何が違うの?ってなっちゃってるのが本当に残念です。こういうキャラしか書けないのならせめて配役を変えてくれ。
 そしてモンチやかなこは? あきもやなっつ、りっつやわんたは? こってぃやきよやアラレ、何してました? 中堅も若手も、スターを全然生かせていないって話ですよ。娘役にも役がなさすぎる。ららにもじゅりにももっと違う仕事をさせてくれ。そしてまいあをもっと使ってくださいよお願いですから…
 今回でご卒業のかけるとなっちゃんにはダンサーとして見せ場が与えられていましたが、特にかけるはもっとお芝居をする役が見たかった気もしましたねー。もったいない…でも大楽の酒場の場面でのソロへの拍手やジュリアーノの婚約披露でのダンスへの拍手が熱く大きく、感動的でした。

 一応、ペルジーノさん語りも。
 鬘というか髪型についてはもうあちこちで話に出ていますが、赤毛というのは演出家の指定で、でも地毛がうまく染まらなかったし色は抜けて安定しないしで全鬘でいくことにして、だったら前髪も珍しく下ろしてみるかとなったそうなんですが、その前髪が今回のポイントだったと思っているのでその流れに感謝!です。色もだけれど、下ろしていて幼く見えてすごく若者っぽくて、そこがよかったんだと思います。ゆりかちゃんの兄弟子にちゃんと見えていたのかは謎ですが…(^^;)
 大楽の酒場の場面でかけるのダンスのシメに拍手が鳴り止まず、ペルジーノがレオナルドを名を呼んで芝居を再開するのを遅らせていましたよね。ちょっと感動しちゃいました。
 ここのアドリブとそのあとの銀橋から上手花道へのアドリブだけが楽しみな日々でしたが、ホント毎回どーでもいいことをわちゃわちゃやっていてみんな愛らしかったです。しかしりく、くっつきすぎやで…(笑)
 ラストにサライの肩を抱いて去るくだりについては、あの時点ではペルジーノたちはサライからくわしい説明を聞かされないままにただ教会まで連れてこられただけだろうから、サライがしてしまったことの重大さも把握していなくて、でも何か事情がありげなことは察して、けれどここはレオナルドとカテリーナのふたりにしてあげよう、話はあとでゆっくり聞くよ…という感じでサライとともに立ち去るのかな、と思えました。
 サライには、病身の家族がいるとか外国で絵を学びたいとかの理由があることにした方があの行動に納得しやすかったかもしれないけれど、私は人は金に単に目がくらむこともあると思っているので、あれはあれでよかったと思っています(そしてあのくだりのりんきらパッツィの下衆っぷりはサイコーでしたよね!)。ただこの物語は全体にそこまで人間を業深いものだとは描けていないので、サライのこの在り方が浮いていて、それが良くないのだとは思っています。
 なんにせよ、ペルジーノは優しい。そしてほとんどただそれだけのキャラクターだったけれど、これでは他にやりようもなかったと思うので、今回はもういいです…
 (ね? あんなに女役を嫌がっていたけれど、カイルの仲間たちとか工房チームとかなんてグループ芝居なんかよりネフェルティティの方がなんぼか重要な役だったしやりがいあったでしょ? やってよかったでしょ? もっとやりたいでしょ? と言いたいです…これを不満に思ってより奮闘しより長くいてくれたら、とか思います…(ToT))


 本朝妖綺譚『白鷺の城』の作・演出は大野拓史。
 初日は、もっとフツーの日本物ショーも観たかったけれどな…とも思いましたが、回数を重ねるうちに、むしろこちらをお芝居にしてショーをネルサンス・モチーフのものにしてフィナーレはまんまで上演したらよかったんじゃないの!?と思うようになりました。どの場面もいろいろ設定つまっているし前後で省略されているエピソードなんかも知りたいし、もっとまかまどのイチャイチャが見たいよー!
 妖狐のまどかにゃんはとにかく絶品でした。
 こちらは殿上人も武人も祭りの男もそれはそれはあでやかで素敵でしたが、ソロのひとつも欲しかったよね…こちらも全体にスター起用という点では甚だしく残念だったので、そのあたりも次の公演ではどうにかしていただきたいです。フツーのショーならもっとやりようあったろうと思いますしね…てか博多座でもっと歌手として使ってくれていいのよ!? その次はまたショーなしの公演なんだからさあ…


 というわけで総じてフラストレーションがたまる公演でしたが、みんな邪馬台国とかベルリンとかで耐えてきた苦しみですよね、みなが耐えてきた苦しみなら私も耐えてみせよう…!とオスカルばりにがんばりましたよ。それでも観劇回数はさすがに少なめになりました。
 大楽は滑り込めて感謝でした。やはりその場にいられるってありがたい…!
 カテコの退団者とのコール&レスポンスの楽しかったこと!
「あさひなー!」「あおいー!」なんて空前絶後だし「なっちゃん!」「がんばってー!」なんてホント心込めちゃったし(近い距離から口元に手をメガホン状で当てて呼ばわるゆりかちゃんがホントにキュートでした)入りがサンタ扮装だったかけるとの「メリー?」「クリスマース!」も本当に楽しかったです。
 からの、組子も加わって全員での「愛ちゃん!」「がんばってー!」ですよ。ライビュで見てるんだろうなって愛ちゃん会のお友達の分まで二階席から大声張り上げちゃいました。劇場がひとつになってた、みんな心はひとつだった。みんないろいろ思うところはあって、でも信じて送り出すと決めた、そんなあたたかさでした。あれは愛ちゃんも本当に嬉しかっただろうし、伝わったと信じています。
 風があってかなり寒かったけれど、『白夜』大楽に比べたら可愛いものでアレを生き延びた私たちに怖いものはありませんでした。退団者四人をしっかり見送り、贔屓からすぐの集合日について茶目っ気あるお言葉もいただいて、餃子でクリパ兼打ち上げして大満足で解散しました。またムラで、次は博多座で、と言い合って別れられる、大事な楽しいお友達たちに感謝です。いい観劇納めになりました。










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『Jubilant』

2018年12月25日 | 観劇記/タイトルさ行
 東京會舘ローズルーム、2018年12月23日13時半。

 来年1月8日に新規オープンする東京會舘のプレオープン企画、宝塚歌劇団OGによるDS。構成・演出/中村一徳、音楽監督・指揮/塩田明弘。

 出演者は湖月わたる、朝海ひかる、大空ゆうひ、壮一帆、白羽ゆり、遠野あすか。
 当初は「え? 誰が歌うの?」とか思ったものでした(笑)。強いて言えばあすかかな、あとは現役時代に歌手として名をはせた人はいないメンツだよね、という…でもあすかも最近はちょっと芸能活動から身を退いている印象ですし、腹筋が落ちているというか歌唱力はそんなに圧倒的なものを感じませんでした。むしろ舞台女優としてストプレやミュージカルにバリバリ出演している他のメンツの方がレベルアップしていて、まったく問題なかったです。
 というかとてもとても贅沢な時間と空間を過ごせました。リニューアルした東京會舘が絨毯ふかふかでシャンデリアきらきらでリッチでゴージャスでラグジュアリーでお食事もお酒も美味しかったということももちろんありますが、こういうショーは往年のスターが懐かしのあの歌を!とかこの組み合わせでこんな歌を!とかのときめきをファンが愛でるものなので、共有した愛と歴史があればそれで充分なのでした。
 塩田先生のダンシング指揮も素晴らしく(宝塚歌劇での指揮はまだ十年で、95期と同期のつもりでいるそうです)、竹下さんの司会もそつがなく、あたたかな空気で心地良かったです。あ、客席のマダム率はすごかった、年齢層が高かった…! ワタルなんてそんなに昔のスターじゃないと思うんだけどな、私なんかまだまだひよっこでした。あと10年か20年はがんばらないと私もあの域にはいけないわ…!
 だからか、東京會舘は結婚式場でもあるのでその話題になったときに、出演者はあすか以外は独身なんだけれど、というか東京會舘が一度閉まるときのコンサートでリニューアル時にはここで挙式をなんて話題も出たのに、結局その後誰もお嫁に行っていませんねなんて話になって、私は今どきそれはたとえ女性同士の話題だとしてもセクハラですとか思わなくはなかったし、かつ正直その話がやや長く感じられたのですが、それでもなんとなく微笑ましく出演者の幸せを祈る方向性としての話題なのだとは理解できたのは、こういう客層だったからです。ま、でも、やっぱりでっかいお世話だろう、とは思いますけれどね。

 オープニングは全員で「ボンジュール宝塚」。途中「宝塚」が「東京會舘」の替え歌になるご愛敬アリ。
 一列に並んだら大空さんが最上手の下級生ポジションにいたので新鮮で笑っちゃったのですが、娘役ちゃんふたりを内に入れるためでもあったかもしれないけれどその後大空さんが怪我をしていてあまり歩き回れない旨が告げられたので、袖からあまり離れないですむようにしたのかなと心配になりました。見ている分には動きに不自由はなさそうでしたが、客席降りも、客席真ん中のお立ち台に来ることもありませんでした。「代わりに私が!」とえりたんが奥まで走ってくれていましたけど(><)。
 ワタルはサイドに赤いラインが入った黒のパンツスーツ、コムちゃんは華やかなブラウスに赤紫のパンツだったかな? 大空さんは金の飾りが入った黒の変わり燕尾みたいに見えるお洋服、えりたんは白のパンツスーツ。となみが白ドレス、あすかは赤かピンクのドレスだったかな。
 えりたんが『Shall We Dance?』から「change」を優しく歌えば一瞬でシャイなサラリーマンになり、大空さんが『ヴァレンチノ』から「アランチャ」をせつせつと歌えばオレンジ畑が見え、あすかが『スカーレット・ピンパーネル』から「あなたを見つめると」を歌えば遠くにパーシーの後ろ姿が浮かび、となみが『エリザベート』から「私だけに」を歌うと天空が広がりました。そして私はコムちゃんのトップ時代をほぼ観ていないのでなんの歌かわからなかったのですが「風のように」を歌いながらポケットに手を突っ込んだとき、お衣装は背広に化けました。さらにワタルは『王家に捧ぐ歌』より「エジプトは領地を広げている」、広がってるよ安泰だよ!
 ショーメドレーは大空さんの「Apasionado!!」から、えりたんの「EXCITER!!」、となみが「ミロワール」、あすかが「ダンディズム」、コム「レ・コラージュ」、そしてワタルの「コパカバーナ」でした。『NW!宙』を思い起こして泣きました…
 さらにデュエットはワタコムで「月夜の歌聲」、となみあすかの「夢アモール」(シトラス初舞台だもんね!)、大空さんビルにえりたんジョン卿の「愛が世界をまわらせる」!
 最近オペラ楽曲を勉強しているというとなみが「私のお父さん」、あすかが「夢にも思わなかった」、えりたんがレミゼの「The Cafe Song」、そして大空さんがライブなどで歌っているオリジナル曲の「いつかの歌のように」、コムちゃんが「ホワイト・クリスマス」、そしてワタルが超カッコ良く「All That Jazz」! 最後は客席参加で「きよしこの夜」、アンコールに再度「ボンジュール宝塚」でした。
 後半のお衣装は、ワタルがキラキラの黒スーツ、大空さんも珍しく黒のドレス、コムもグレーのドレスでえりたんはまたまたパンツだった…ことしか覚えていません、申し訳ない。ワタルの現役感は本当に素晴らしいなあ。そして大空さんはお茶会なんかでも未だスカートの下にパンツ履いたりしているので、ちゃんとしたドレス姿を初めて見た気がしました。前半はポニーテール、後半はアップにしていました。前髪がぱっつんでラブリーでした。
 ベルばら特出のときの小雨デュエダンの話やらも出て、のびのび楽しそうでよかったです。『どうぶつ会議』の初日はいつだったかな、早い全快をお祈りしています。
 宙組発足時の組子だったり、雪組や花組で一緒だったりトップコンビだったり同期だったり、みんな関わりがあったメンツで、楽しそうでよかったです。最後にとなみがワタルの腕に手をかけてエスコートされて出てきたのにもときめきました。宙組20周年記念の一環といってもいい企画だったかもしれませんね。たまにはこういう贅沢な催しに参加してみるのもいいなと思いました。幸せな年末になりました。



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