パリはヴォージュ広場の片隅にたたずむ、ルイ14世が寵姫のために建てたという「王妃の館」。今は一見の客は決して泊めない、パリ随一の敷居の高さを誇る超高級ホテルとなっているこのシャトーに、何故か二組のワケあり日本人ツアーが同宿することになり…傑作人情巨編。
配役も出たことだし、と宙組公演の予習に読んでみました。映画は未見。
演目発表時から「クレヨンは誰がやるの?」と騒がれている印象があったのですが、なるほどみんなこういうキャラクターが好きだねぇ…
ただ、贔屓がその相手役(笑)を務めることになったようなので、さて大丈夫なんだろうな?とあわてて読んでみました。
結果としては、心配していたほどではなかった…かな。つまりもっと目も当てられない扱いなんじゃないかと心配していたし怒りまくる気満々だったのです(いつも何かに怒る準備をしていて申し訳ない…)。くだらないギャグ扱いになっているとか、リアリティのかけらもないとか、ちょっと前の作品とはいえセクシャルマイノリティに対してあまりにあまりな偏見や嘲笑に満ちみちた描写なのではあるまいか、と…
ツイートでスクショを上げている人がいて、語尾にハートマークがついているのとかも耐え難かったんですよね。ラノベならまだしも、一般文芸が恥を知れ!と。
ま、結果から言うとハートマークは確かにありましたし、なんの効果も上げていず作家のアタマの悪さを露呈しているだけだなとしか思えませんでしたが、総じてこのカップルの、あるいは彼らのキャラクターの描き方はそこまで悪いものではなかった、と私には思えました。というか、そもそも全体にそんなに人間をきちんと描いているような文芸作品ではなかった。エンタメ中間小説としてはまあこんなものだよね、という印象でした。あまり読んだことがない作家さんなのですが、なんかもっと歴史大作みたいなのでブレイクした人なんじゃなかったっけ?
まあでも、なので全体としては意外にも、「で、どうなるの?」という興味でちゃんと引っ張られて、最後まで楽しくスイスイ読みました。
ただ…これってそんなにものすごくおもしろいしいい作品って感じじゃないですよね? 映画化したり舞台化したりするほどの価値があるもの? ぶっちゃけこの程度の群像劇なら、少なくとも宝塚歌劇オリジナルでいくらでも作れそうじゃない?
『銀英伝』や『ルパン三世』、『るろうに剣心』くらい原作にネームバリューがあれば「あの作品を宝塚歌劇でやるなんて!?」ってインパクトや宣伝効果があると思うけど、この作品にはそんな力はありませんよね…? なんでオリジナルで作らないの?
私にはいかにも注文されて書いただけの、言いたいことやテーマやメッセージは特にない、なんてことない作品にしか見えなかったけどな…ラストにトートツにいいこと言おうとしている感じがいっそ鼻につきました。
百歩譲って、あまり有機的に絡んでいるとは思えない劇中劇というか、作品の中で小説家キャラクターが書いている小説の内容パートが、宝塚歌劇では正しくやれる、というのはあるかもしれませんが…
ただこれも、観ていないのでホントはなんとも言えませんが、映画の、フランスのルイ14世のエピソードなのに日本人俳優がやることのおかしさ、おもしろみ、の方が正しくて、タカラジェンヌが外国人に扮することはフツーすぎてそれだけでは笑えない、みたいになったりしませんかね?
あと、原作小説では現代パートと劇中劇パートはまったく独立していますが、それでいいのかな? それでおもしろくなるのかな? なんか、そつちの方が心配です…
もちろんマコちゃんとクレヨンについても、マコちゃんの「熱血堅物警察官」設定は踏襲するようだけど、年齢とかガタイとか警察辞めてるのかどうかとかはそのままやるのか謎だし、やれるものなのかやった方がいいのかも謎、変更するならどう修正するのかも現時点では見えなくて謎で、心配ではあります。下手にやるとクレヨンよりデリケートな問題になりそうで激しく不安。
クレヨンについても、女性の男役に、性自認が女性の異性愛者の現段階では体(の一部はまだ)は男性、というキャラクターをやらせるんですからね、よく考えて台詞書いてくださいよ田渕くん! クレヨンは同性愛者じゃないんだからね、ここ試験に出るからねマジで!!
私にあきりくを美味しくいただかせてください、頼みますマジで。
…こんなおそらく年内ラストの更新ですみません…
来年も良き一年となりますよう!
配役も出たことだし、と宙組公演の予習に読んでみました。映画は未見。
演目発表時から「クレヨンは誰がやるの?」と騒がれている印象があったのですが、なるほどみんなこういうキャラクターが好きだねぇ…
ただ、贔屓がその相手役(笑)を務めることになったようなので、さて大丈夫なんだろうな?とあわてて読んでみました。
結果としては、心配していたほどではなかった…かな。つまりもっと目も当てられない扱いなんじゃないかと心配していたし怒りまくる気満々だったのです(いつも何かに怒る準備をしていて申し訳ない…)。くだらないギャグ扱いになっているとか、リアリティのかけらもないとか、ちょっと前の作品とはいえセクシャルマイノリティに対してあまりにあまりな偏見や嘲笑に満ちみちた描写なのではあるまいか、と…
ツイートでスクショを上げている人がいて、語尾にハートマークがついているのとかも耐え難かったんですよね。ラノベならまだしも、一般文芸が恥を知れ!と。
ま、結果から言うとハートマークは確かにありましたし、なんの効果も上げていず作家のアタマの悪さを露呈しているだけだなとしか思えませんでしたが、総じてこのカップルの、あるいは彼らのキャラクターの描き方はそこまで悪いものではなかった、と私には思えました。というか、そもそも全体にそんなに人間をきちんと描いているような文芸作品ではなかった。エンタメ中間小説としてはまあこんなものだよね、という印象でした。あまり読んだことがない作家さんなのですが、なんかもっと歴史大作みたいなのでブレイクした人なんじゃなかったっけ?
まあでも、なので全体としては意外にも、「で、どうなるの?」という興味でちゃんと引っ張られて、最後まで楽しくスイスイ読みました。
ただ…これってそんなにものすごくおもしろいしいい作品って感じじゃないですよね? 映画化したり舞台化したりするほどの価値があるもの? ぶっちゃけこの程度の群像劇なら、少なくとも宝塚歌劇オリジナルでいくらでも作れそうじゃない?
『銀英伝』や『ルパン三世』、『るろうに剣心』くらい原作にネームバリューがあれば「あの作品を宝塚歌劇でやるなんて!?」ってインパクトや宣伝効果があると思うけど、この作品にはそんな力はありませんよね…? なんでオリジナルで作らないの?
私にはいかにも注文されて書いただけの、言いたいことやテーマやメッセージは特にない、なんてことない作品にしか見えなかったけどな…ラストにトートツにいいこと言おうとしている感じがいっそ鼻につきました。
百歩譲って、あまり有機的に絡んでいるとは思えない劇中劇というか、作品の中で小説家キャラクターが書いている小説の内容パートが、宝塚歌劇では正しくやれる、というのはあるかもしれませんが…
ただこれも、観ていないのでホントはなんとも言えませんが、映画の、フランスのルイ14世のエピソードなのに日本人俳優がやることのおかしさ、おもしろみ、の方が正しくて、タカラジェンヌが外国人に扮することはフツーすぎてそれだけでは笑えない、みたいになったりしませんかね?
あと、原作小説では現代パートと劇中劇パートはまったく独立していますが、それでいいのかな? それでおもしろくなるのかな? なんか、そつちの方が心配です…
もちろんマコちゃんとクレヨンについても、マコちゃんの「熱血堅物警察官」設定は踏襲するようだけど、年齢とかガタイとか警察辞めてるのかどうかとかはそのままやるのか謎だし、やれるものなのかやった方がいいのかも謎、変更するならどう修正するのかも現時点では見えなくて謎で、心配ではあります。下手にやるとクレヨンよりデリケートな問題になりそうで激しく不安。
クレヨンについても、女性の男役に、性自認が女性の異性愛者の現段階では体(の一部はまだ)は男性、というキャラクターをやらせるんですからね、よく考えて台詞書いてくださいよ田渕くん! クレヨンは同性愛者じゃないんだからね、ここ試験に出るからねマジで!!
私にあきりくを美味しくいただかせてください、頼みますマジで。
…こんなおそらく年内ラストの更新ですみません…
来年も良き一年となりますよう!