駒子の備忘録

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宝塚歌劇月組『HAMLET!!』

2010年03月05日 | 観劇記/タイトルは行
 日本青年館、2010年2月22日マチネ、24日ソワレ。

 デンマーク、エルシノアの宮殿では、先王がこの世を去ってから二か月とたたないうちに、先王の弟で新国王のクローディアス(越乃リュウ)が戴冠式を行っていた。先王の息子ハムレット(龍真咲)はクローディアスが王となり母ガートルード(五峰亜季)を妃に迎えたことが許せないでいた。そこへ親友ホレーシオ(宇月颯)が先王の亡霊(研ルイス)を見たと告げて…原作/ウィリアム・シェイクスピア、脚本・演出/藤井大介、作曲・編曲/青木朝子、手島恭子。全2幕。宝塚歌劇では40年ぶり4度目の『ハムレット』、ロック・オペラ版。

 「to be or not to be…」
 と歌い出すハムレット(^^)。イエいいんですけれどね。
 私はシェイクスピアは大時代的すぎているし破綻しているところもたくさんあるし韻文は日本語にはなじまないと思うしであまり買っていないので、これくらいにいじってしまった方がいいと思っています。
 だって父の復讐のためとはいえ、恋人のオフィーリア(蘭乃はな)を狂気に追いやり、幼なじみのローゼンクランツ(憧花ゆりの)とギルデンスターン(鳳月杏)を死地に追いやるんですよ? ちょっとフォローしづらい…

 さてバウ公演なので下級生にまでたくさんの役がつき、みんな生き生きとしていて楽しい好演でした。
 上級生から言うとコシリュウは色悪として完璧、フィナーレでの艶やかさは一日の長アリ。
 マユミ姐さんはこれまた色っぽい王妃役ですばらしい。ハムレットはファザコンのみならずマザコンでもあるわけですが、女同士で演じるガートルードの胸に顔を埋めるハムレット、なんて絵面は妖しすぎてよかったです(^^)。
 ルイスちゃんも良かったし、フィナーレでは妖精っぽくてこれまた素敵でした。
 ヒロインは次期花組トップ娘役のハナちゃん。昔は歌がひどかったらしいですが、今回はまったく問題がなかったのでは? 狂乱シーンの芝居心といい、これからが楽しみです。若すぎるけどね!
 トシちゃん、きちんと認識したのは初めてですが、フィギュアスケート男子シングルの小塚選手に似ていると巷で噂(^^)。好漢でしたね、よかったです。
 スズナさんはキャラを女に変えてハムレットを愛していたというありがちな作り(^^)。でもいい感じのお姉さんふうでした。
 ポローニアスの綾月せりも好演。
 そしてオフィーリアの兄レアティーズに抜擢されている珠城りょう。『ラスト プレイ』新人好演でなんとキリヤンの役を演じたという逸材ですが、まったく問題ない! 特に体がしっかりしているところがとてもよかったです。
 ホレーシオの妹シーリア(花陽みら)、三魔女ムーヴァ、ムーニョ、ムーガル(美夢ひまり、夏月都、白雪さち花)もよかった。
 コロスでは彩央寿音が目立って見えました。

 やはりバウ公演は楽しいです。
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