駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

カンパニーデラシネラ『ある女の家』

2014年01月26日 | 観劇記/タイトルあ行
 新国立劇場、2014年1月26日ソワレ。

 構成・振付/小野寺修二。
 マイム・パフォーマンスとでもいうのでしょうか…明確なストーリーはなくて、男四人と女ひとりが「家」とか「家族」とかをテーマに踊るというかなんというか…な不思議な舞台でした。
 私はどうしても物語とかコンテクストを追ってしまうタイプで、バレエなんかの舞踊でもストーリーがある古典が好きでコンテンポラリー・ダンスは上手く鑑賞できなかったりします。
 でも舞踊や舞台を観るときには、ただただ演者の肉体、身体能力を観る、という喜びもありますよね。アトラクションとかサーカス、体操競技みたいなものにも通じていくのかもしれないけれど。
 その動きの美しさ、複雑さに感動しているうちに、具体的なイメージはつかめなくても、なんらかの感情のような出来事のようなものを見せてもらいはしたんだな…という不思議な満足感を得て観終えた舞台だったのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宝塚歌劇月組『風と共に去りぬ』

2014年01月26日 | 観劇記/タイトルか行
 梅田芸術劇場、2014年1月25日マチネ。

 宙組版の感想はこちら
 スカーレット編としては1994年の雪組版を観ている…はずだと思います。
 こちらの方が脚本がいいとか、スカーレットがベスト・オブ・まさおパフォーマンスだとか、理事がリアル男性だとか、いろいろ評判を聞いていたので楽しみにして行ったのですが…残念ながら私は感心しませんでした。
 おお、この場面もあるのか、とか、なるほどこうつなげたか、とか思っているうちにパタパタと場面は進むので芝居をたっぷり楽しむ時間がないし、宙組版と同じ場面も細かく台詞がつままれていたりして、それで尺が稼げているのかもしれませんがとにかくあわただしいんですよね。
 スカーレット(龍真咲)がアシュレ(沙央くらま)に告白してフラれ、それをバトラー(轟悠)に目撃される、という重要な場面があるのは大事なことです。が、ここでのスカーレットとアシュレの会話がいかにも短い。スカーレットがどう誤った恋をアシュレに対して抱いてしまっているのか、きちんと説明が済んでいないままに話が進む感じで…
 このスカーレットが父ジェラルド(飛鳥裕)が言うように幼いのか、愚かなのか、ただまっすぐなのか、キャラクターというか役作りが私にはつかめないまま、あれよあれよと見せられてしまった気がしました。
 人数が少ないのは気にならないのですが、下級生が多いので脇役の台詞もつたなく聞こえることが多く、あらららら…と思って乗り切れないでいるうちに終わってしまった感じかな。
 二幕もずいぶんと盛りだくさんでしたね。
 ま、個人的な感想として、要するに私はまさおがダメなんだろうか…と思わないではいられませんでした。すみません。イヤ綺麗でしたけれどね。
 あとスカーレット編にはスカーレットⅡ(凪七瑠海)は必要ないです。ましてこのスカーレットなら。
 ちゃぴも普通だったな…イシちゃんは確かにリアルおっさんで素敵だったけれど、私はテルのバトラーの方が単純に好みでした。
 ニンが合わないのでは?と心配していたコマがこう来たか!という役作りで、夢想家な優男でいい感じのアシュレで感心したのは収穫だったかな。タラでのキスシーンは普通だったけれど(でもここの台詞のやり取りはすごくよかった)、休暇から出発するときにスカーレットにかじりつかれてキスに応えちゃうくだりはすごくよかった。きゅんと来ました。
 るうちゃんも期待していたほどには感じなかった…マギーのミード博士が現役感バリバリの色気だったのには笑いました。やりちゃんもゆうきも…まあしどころがないよね。
 うーん、何がダメだったのかなあ…なんかいかにも楽しんでそうな中の人が見えちゃって鼻白んじゃったのかなあ。ヒロインに共感できないと何もかもが大味な大衆演劇に見えちゃってつらいよね…

 フィナーレは、蛇足だとは思いましたが話をぶち壊しているほどだとは私は思いませんでした。ただ3時間オーバーしてるんだから、パレードだけでよかったのでは、という気はしました。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

読売日本交響楽団ニューイヤー特別コンサート

2014年01月26日 | 観劇記/クラシック・コンサート
 サントリーホール、2014年1月22日ソワレ。

 オペラアリアとウインナーワルツのプログラム。指揮は現田茂夫、ソプラノ/森麻季、テノール/錦織健。
 『リゴレット』の「ほほの涙が」が素晴らしかったです。『ヴェネツィアの一夜』の「来たれ、ゴンドラ」ではエア・ゴンドラをやって見せる芸達者ぶり、楽しいなあ。
 森さんも一幕と二幕ではドレスを着替えて、リリカルに歌って楽しかったです。
 アンコールは「乾杯の歌」とラデツキー行進曲というベタっぷり。華やかで楽しい気分が味わえました。満足。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宝塚歌劇月組『New Wave!-月-』

2014年01月21日 | 観劇記/タイトルな行
 宝塚バウホール、2014年1月21日マチネ、ソワレ。

 美弥るりか、宇月颯、鳳月杏、珠城りょうを中心とした若手メンバーによるバウ・ショーケース。作・演出/三木章雄。全2幕。

 プロローグのブルーと金のラテンのお衣装や、最終場のお衣装、主題歌などは花組と同じ。二幕アタマに今までのショーの主題歌メドレーがあるところや、トップ娘役格が「Amazing Grace」を歌うのも同じかな。
 でも、なんとなく、ショーとして月組版の方がまとまっていた気がしました。それは過去のショーの名場面の再演シーンががっつりあったからだと思います。「ジャズマニア」のプロローグがそうだし、一幕のトシちゃんのGIジョーの場面とかもそうですよね。
 私が最初にこの企画を聞いたときに、その組の過去のショーの名場面や名曲を再現する、と聞いて想像していたとおりのものがここにあったから、かもしれませんが…
 だから花組でも『ジャンクション24』とか『ラ・ノーバ!』とか『ダンディズム』とか『EXCITER!!』とかもっととがっつりやってほしかったんですよ。全部ミキティじゃないですかそうですかすみません。
 そういう聞き覚え、見覚えがある場面があまりなく、なんとなくパラパラした印象が残ってしまったんですよね、花組版は…
 ただよくよく考えると、井上陽水の場面なんかは、だいもんの歌唱力、スター力あってのものだったんだろうな、とは思います。まあいい悪いじゃないのでいろいろやってみんな輝いてくれればいいし、なのでゼヒゼヒ雪、星、宙組でも続演していただきたいと思います。まだまだ育てられるべき若手スターはいっぱいいますよ歌劇団さん!!!

 では各場面などの印象など。
 まずのっけからマミちゃんの「情熱の翼」だ、板付きのみやちゃんにライトが当たって拍手して懐かしい歌が聴けて、盛り上がらないワケはない!
 メンバー紹介を挟んでみやトシたまきちでの「Do you wanna dance?」は客席下りで大釣り堀大会。私が観た日は梅芸が休演日でマチソワとも『風共』組が大挙して来ていたので、絡む絡む盛り上がる(^^)。でもまだお客に対してはテレが見える気がするたまきちが愛しい…ウィンクがおずおずしていたぞ!(笑)

 「ハーフムーン」はグレーのジャンプスーツのちなつがものっそいスタイル見せつけて踊りまくり、すがるちゅーちゃんをソデにしてウミちゃんにがっといくのですが、ちなつならふたりとも楽々面倒見られるだろう!と思いました(^^;)。
 ここのリフト、よかったなあ。支えるちなつがけっこう動いていて上体もそらしている、ちょっと変わった形でダイナミックだった!
 続く「クレセント・ムーン」はダイアナのゆうみちゃんが「月の光」を歌い踊ったあと『クライマックス』での編曲のまんまの「月光」でたまきちクレールが現れるという、全大空担があわわわわの場面。脳内で再生される「ハッ!」のかけ声をやりすごしながら観れば、銀と紫の長髪やこういうタイプのコスプレ衣装が似合うようになっているたまきちにうっとり。クレールはダイアナを絞殺してしまい、ひとりまた闇に帰っていくのでした…
 「Blue Moon」はトシちゃんとはーちゃんのGI場面。キュートでした。
 「ニュームーン」は一幕フィナーレ。「愛はるかに」は名曲だよね! 最後は真っ黄色の満月の中みやちゃんとゆうみちゃんが抱き合って幕。ただ実は今回私はゆうみちゃんにはあまりインパクトを感じなくて、ここは花組の一幕ラストのだいべーの輝くばかりのトップコンビ・オーラが忘れがたかったです。

 二幕は「ごらんなさい、ごらんなさい」から始まる主題歌集の「ムーン・クロニクル」から。「ハート・ジャック」の「ワオ!」が可愛いったらない! 短いけど『WSS』の体育館ダンスがあったのも嬉しかった! 一度ハケたメイン四人がひとりずつ出てきてくれて拍手が入れられるのが嬉しかったの!!
 からんちゃんやまゆぽんもソロをもらって、トシちゃんの「最後のダンス」は聴かせてくれて…「With a Song~」ではゆうみちゃんが夢々しいわっかのドレスで登場してくれました。
 そしてラテン、まずは「ベサム・ムーチョ」、白いスリーピースにソフト帽のたまきちがラスボス感満載で登場…! 歌うと思っていなかったのでおお!という感じでした。そしてタコ足ダルマ足下ふわふわファー付きのちな子登場! なんじゃあの美脚美尻! あんなに形が良くて上がっている御尻はなかなかないよ!!
 かなりアクロバティックな振りも軽々やって、でも簡単そうには見えちゃわなくてちゃんとインパクトあってものすごかった! たまきちのガタイの良さとちなっちゃんの筋力あってのことだよね。ときどきひらりとだけ微笑むふたりもいい。途中たまきちが置いたマイクをちな子ちゃんが拾い上げて渡すのにも激しく萌えた! なんてかいがいしいの!!
 最後のキスはやや甘かったけどね! もっとがっつりいかんかい!! ヒューヒューと大歓声で盛り上げる『風共』組が素晴らしかったです。
 続いてみやちゃん客席登場で「黒き汝が瞳」。「エル・チョクロ」ではトシちゅーが踊るアルゼンチン・タンゴの影が後ろのスクリーンに映って、カッコいいのなんの!
 そしてトシちゃんの「リベル・タンゴ」、ストイックで端正ででも色っぽくて緊迫していて、素晴らしかった! 個人的にメイン四人に並ばれるとトシチャンを観るのがラストになってしまうので、ひとりセンターになってくださると堪能できて助かります。でもホンモノのダンサーだし、もうまんちゃんとふたりでダンス・リーダーの学年だよねえ。素敵でした!
 さらに「月下の蘭」は妖しいみやたまから。扉が開きました…! そこにゆうみちゃんが割って入るトリオ・ダンスになり、最後はのけぞるゆうみちゃんの胸にみやちゃんが顔を埋め、たまきちが逆さにゆうみちゃんにキスするという美しくもけしからんポーズに…!
 ゆうみちゃんがみやちゃんと踊っているときに、たまきちが空の腕にゆうみちゃんがいるかのようにかき抱く振りがあったんだけれど、すっごいときめきました!

 その雰囲気をがらりと変えてみせるちなっちゃんはすごい。舞台に置かれてピンスポの当たるトランペットに対してひとり踊るんだけど、なんかこう、ヤラしくてですね…(ほめてます)。
 よくチェロとかを女体に見立てて絡むような、なんかそんなフラチさを感じてしまいました私は…
 で、「ジャズマニア」プロローグ再現です。マミちゃんもリカちゃんも歌ったあの歌をみやちゃんが…鳥肌もの!

 また順に四人の場面になって、たまきちの「That’s Life」は大空さんのものとは歌詞が違いました。カリンチョさんはどうだったかな? なかなか健闘していて感動。
 みやちゃんからはーちゃんに歌い継いだ「If It’s Over」は圧巻でした! そしてバンド紹介を挟んで主題歌と客席下り、パレード。
 ややグダグダしたトークも楽しいカテコもあって終演。楽しかったです。

 ちゅーちゃん美人だなあ、あーさってどこにいてもわかるなあ…
 あとはまだ覚えられなかったかな。蓮つかさくんとかの歌をもっとがっつり聴いてみたかったです。

***

 備考というか…追記。
 花組ではなかったようなのだけれど、月組では客席にうちわを持ち込む文化(?)があったらしく…
 私も急遽、家にあったテキトーなうちわを持っていって、朝コンビニでビニールテープだけ買って、行きの新幹線でちまちま名前など形作りました。
 私は手先が不器用なのですが、お裁縫とか意外に好きで、編み物にハマったこともあり…最初は恥ずかしいし一応作っていくだけだしテキトーでいいや、とか思っていたのですが、やり出したらおもしろくなってしまい、しまったもっとちゃんと道具とか用意するんだったよ、とか思ってしまいました。
 見てくれるかもしれない、絡んでくれるかもしれないと思うとときめくし力入りますしね。
 比べるなって話かもしれませんが、娘役さんが髪飾りとかアクセサリーを作るときに、もちろん自分を綺麗に見せるためにがんばるというのもあるけれど、組む相手役さんも素敵に見せたい、男役さんにほめられたいと思ってがんばる…みたいなことを言うじゃないですか、あの心理だな、と思いました。
 で、結論としては、私のうちわはかなり地味で、見づらかったに違いない…ソワレはかなり良席だったのになかなか視線が捕まえられず、最後の最後に認識してもらってからはニコニコとアピールをいただけました。
 楽しいよ、やる価値あるよ!!(笑)




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『トライブス』

2014年01月19日 | 観劇記/タイトルた行
 新国立劇場、2014年1月19日マチネ。
 夕食のテーブルを囲む家族。父親のクリストファー(大谷亮介)は評論家、母親のベス(鷲尾真知子)は小説家志望。長男のダニエル(中泉秀雄)は学者志望で論文を執筆中、長女のルース(中村美貴)はオペラ歌手を自称しているが、とても一人前とは言えないパラサイト状態にある。そして次男のビリー(田中圭)は生まれつき耳が不自由な青年であった…
 作/ニーナ・レイン、翻訳・台本/木内宏昌、演出/熊林弘高。2010年ロンドン初演。全2幕。タイトルの「トライブス」とぱ「種族」の意。

 美術は二村周作でしたが、舞台装置が美しく印象的でした。こういうのも演出家が考えるものなのかな。黒で暗い四角い箱が一家の家で、本が床にどかどか置かれていて、クリストファーいうところの「クリエイティブ志向の強い一家」だということもよくわかるのだけれど、ピアノを食卓に使っている行儀の悪さがそこの浅さを示してもいる。家族はみんな黒を着ていて、ビリーだけが白い服で、やがてビリーが家に連れてくるシルヴィア(中嶋朋子)も白い服で。一幕のふたりは清らかで幸せそうで。でも二幕ではシルヴィアはグレーを着るようになっていて、ふたりの間には溝ができている…
 場面転換の音楽の効果的な使い方や、ビリーの調子の悪い補聴器を通したような音割れした会話も印象的でした。
 これは聴覚障害を題材にしたコミュニケーションの話です。
 この一家はディスカッションやディベートを中心にすえていることにしているらしい家庭で、普通の家より確かに会話は多いかもしれないけれど、だからってわかり合っているとか明るく仲がいいということにはなっていない。誰も、特に家長のクリストファーにまったく他人を尊重する精神がなく、人の話なんか聞いてやしないからです。だからとても非建設的。これじゃ子供がまともに育つわけがありません。
 クリエイティブ志向を押し付ける一方で、成人したんだから出ていけというダブル・スタンダードでは、そりゃダニエルにストレスで吃音も出ようというものです。後半ダニエルの通訳をするのはルースで、クリストファーにはそこまで明確な女性蔑視はないようだけれど、ルースはある程度軽く扱われたり人数外とされていることもあったろうことがいい方に出て、父親の被害から逃げられる部分もあったのだろうし、家庭の外に友達に恵まれたか母親のベスと上手く共闘することができた幸運な娘だったのでしょう。女は強い。
 ビリーは聞こえていないだけでわかっていないわけではありません。しかしゆっくり話をして唇の動きを読み取らせたり、話を言い換えたり話を繰り返すのは確かに面倒で、家族はだんだんビリーを都合よく無視することに慣れていってしまったのでしょう。ただしそれは愛していないということではない。それがまた余計にしんどい。
 私は見ていて、そもそも聴覚障害者の興味を引くのに、声をかけても聞こえないからテーブルを叩いたり床を踏み鳴らしたりして振動を与えて気づかせたり、手を叩いて高い音を出したりして見せるのが、実利的だし実際問題としてそうするしかないので仕方ないんだけれど、そして聴覚障害者自体はそのことをなんとも思っていないかもしれないのだけれど、なんか子供とか動物に対してする行為のように見えて、もうそれだけで相手を低く見ていることのようで気に障ったんですね。
 でもそんなのは序の口なんですよね。そしてこの家族はビリーをなるべく普通に育てたいと思っていて、口話を教え、手話は学ばせなかったし学ばなかった。ビリーはシルヴィアから手話を教わって初めて、十全に近いコミュニケーション手段を得たのです。
 それはビリーの家庭からの独立、自立を意味していました。ビリーをある意味で愛していたし必要ともしていた一家にはそれは耐え難いことだった。特にダニエルには。
 一方でシルヴィアは、聾の両親の元に生まれた健常者でしたが、徐々に聴覚を失いつつありました。手話は子供のころから使えてそれで両親とも話してきたけれど、それ以上に外では普通の友達と普通に口で話してきた。それが、音が聞こえづらくなってきていて、自分の声も聞こえなくなってきて話し方もおかしくなってくる。覚悟していてもしきれなくて、世界が狭くなっていくようで、とまどい悩んでいる。手話を知って世界が広がったと思っていたビリーとの蜜月はほんの一瞬のことなのでした。

 …で、シルヴィアってあんなキスでダニエルに揺れたってことなの? それとも彼女にとってダニエルは「健常者の世界」の象徴のようなものだったいうこと? ダニエルが必要としていたのはビリーであってシルヴィアにキスしたのは流れにすぎない、というのはシルヴィアにも十分わかったと思うのだけれど、それともビリーとのつきあいには物足りない何かがあったということ?
 再び吃音が出るようになってしまったダニエルがビリーにすがって、それでビリーはなんと答えたの? 手話や身振り手振りはわかったりわからなかったりします。私にはオチは読み取れなかった。
 ダニエルの想いをビリーは拒否したということ? もちろんそれもアリなんですけれどね。理解はする、でも受け入れられない、ということはありえる。想いを伝えられたとしても成就しない恋愛はある。だからごくごく自然なことなんだけれど、でもそれだけの話ってことなのかな?
 なんか消化不良のような、でもあえてオチも展望もない幕切れにしたかったということであればそれはそれでアリなんだろうというような、そんな見終え方でした…

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする