駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

ラッパ屋『七人の墓友』

2024年07月01日 | 観劇記/タイトルさ行
 紀伊國屋ホール、2024年6月27日19時。

 夏のある日。吉野家の自宅の庭では、年に一度のバーベキュー大会が開かれようとしている。父・義男(俵木藤汰)、母・邦子(弘中麻紀)のもとに三人の子供たちが集まり、それぞれが近況を報告し合うという恒例行事だ。義男の友人・栗原(おかやまはじめ)もやってきて、楽しい宴が始まるが…
 脚本・演出/鈴木聡。俳優座に書き下ろして2014年に初演されたものを劇団創立40周年記念に上演。全2幕。

『シャボン玉ビリーホリデー』『サクラパパオー』なんかのタイトルは知っていて、いつか観てみたいなと思っていた劇団でしたが、桜一花が客演するというので出かけてきました。ベテラン俳優さんたちが活躍できる芝居を、と俳優座に書き下ろしたものを、自分たちの劇団員もちょうどよく歳をとってきたとのことで、自分たちでもやることにしたそうです。「世の荒波に揉まれて酸いも甘いも知り尽くした大人が楽しめる芝居」がコンセプトの劇団だそうで、素敵だなと思いました。また機会あれば観ていきたいです。
 うちの父親は姉がひとりいるだけの長男ですが、親と折り合いが悪いのか、それこそ今の私の歳くらいのときに突然自分たちのお墓を買いました。実家は八王子で遠くもなんともないのに、です。祖父は私がものごころつくころには亡くなっていて、祖母がいる八王子には私が幼いころに数回行ったかと思いますが、あまり記憶がありません。祖母のお葬式にも出たはずですが、やはり覚えていません…で、父が買ったお墓に一度連れていかれましたが、その後何もどうもしていません。両親はとても仲がいいように私の目には見えますが、実は母が父に対して邦子のように「あなたと同じ墓に入りたくない。死んでまで一緒にいなくていい」というようなことを考えているのかどうか、考えたことも聞いたこともありません。母の実家のお墓は横浜の外れですが、そこは母の長兄が継いでいるのでしょうか…こちらも私がものごころつく前に祖父は亡くなっていて、幼いころには祖母のいる家に行って従姉たちと遊んだ記憶もあるのですが、そして中学生のころには祖母のお葬式に出た記憶もありますが、その後すっかり疎遠です。
 私も弟も独身なので、父が買ったお墓に両親を納めたのちは、順番はともかく私と弟でなんとかするなり今流行りの墓仕舞いをするなりするのかな、と漠然と考えていました。自分自身のことは死んだら終わりだと考えているので、お葬式もお墓もどうでもいいと考えています。今後ますますお墓の問題はいろいろ出てくるのでしょうが、弔ってくれる子孫がいないんだからしょうがありません。この国はそうやってゆるやかに滅んでいくのだろう、などと考えたり、ます。
 でも、邦子が朗読ボランティア仲間たちと作っている「墓友」は、死ぬまでのまだ長いとも短いとも言えない期間をより楽しく暮らすための活動なのかな、と思えました。死後、この墓友たちと楽しくいられる、と考えることで、今の生きづらさをなんとか耐えている…そこまで深刻でなくても、現実に倦んでいて、せめて死後の夢を見たい…そんな悲しい明るさがあるように思えました。もちろん舞台はユーモアにあふれ客席から笑いも多く湧き、悲痛なばかりではありません。あくまでよく生きるための発想、なんですよね。あとは邦子以外は全員単身者だから、というのもある。
 遥香(桜一花)の、「私も入る!」と言ってすぐまた取りやめるのも、いいなと思いました。まだ若いというのもあるけれど、生きている限り考えが変わることはあるわけで、それは他の墓友たちも同様なわけです。いつでも変化していいのです。これからひとりずつ見送って、みんながみんな綺麗な死に方ができるとも限らないし、どんな修羅場が訪れるかもしれないし、友が増えたり減ったりすることもあるでしょう。七人、というのは単に語呂がいいだけのものなのです。その自由さ、ゆるやかさもいいなと思いました。
 長男の義和(宇納佑)は結婚していて親に孫の顔を見せていますが、長女の仁美(岩橋道子)は仕事の上司と不倫していて、たとえ相手が別れても結婚する気はなく、次男の義明(中野順一朗)はニューヨークで一緒に暮らしている同性のパートナー・照之(浦川拓海)を連れてくる…あるあるです。遥香は若いホストの剛(林大樹)に入れあげているし、アラフォー独身女性の恋愛事情もあるあるすぎます。剛の今カノの聖子(磯部莉菜子)の在り方もめっちゃよかった。現代の風俗に対する解像度が高い脚本だな、と思いました。
 ただ、墓友の佐和子(松村武)の登場にどっかん湧く客席には退きました…カムカムミニキーナ主宰で有名なんだろうし、それが女役?という妙味はあるんでしょうけれど、こういうマダムってフツーにいるのに、単に女装ってだけで笑うんだもんなー…って気がしたので。なかなか道は遠いです…
 前日に観たモダンスイマーズの『雨とベンツと国道と私』同様、タイトルがいいんですよね! ニヤリとさせられ、感動させられました。邦子の墓友は六人いて、七人目が加わったり脱退したりして、そうこうするうちにひとり亡くなって、その納骨式にみんなが集まり、やがてお寺の本堂に歓談の場所を移していって、庭に残ったのが吉田家の両親と三兄弟と長男の妻と次男のパートナーの七人だった…で、幕、なのです(イヤ暗転ラストだったけど)。これが正解、という主張ではないと思います。ただ、お互いきちんと尊重し合って、依存でも一方的でもない良好な関係が築けているのなら、家や家族といった塊はまとまりとしていたって自然ですし、死んだあと同じお墓にまとまるのも自然なことなのでしょう。いかにも昭和なおっさんだった義男は、少しは変わったのかもしれない。なら、邦子の考えも変わっていくかもしれない。未来はわからない、でも血のつながりは変わらない…未来に縛られることなく、今を一生懸命、楽しく生きていけばいい。そんな元気をもらえた舞台でした。










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『舞台 サイボーグ009』

2024年05月25日 | 観劇記/タイトルさ行
 日本青年館ホール、2024年5月21日17時。

 世界中に戦争を引き起こし、兵器を売りつける謎の組織「黒い幽霊団(ブラック・ゴースト)」に誘拐され、最強の兵士=サイボーグに改造されてしまった少年・島村ジョー(七海ひろき)。世界各地から集められ、同じように改造された8人のサイボーグ戦士たちとともに反旗を翻し、襲い来る刺客たちに立ち向かう…
 原作/石ノ森章太郎、演出/植木豪、脚本/亀田真二郎。誕生から60周年を迎える漫画を原作にした90分のステージ。

 1968年、79年、2001年にテレビアニメ化されていて、私は79年の「新アニメ」(当時そう呼ばれていた記憶…)を見て育った子供の世代です。でも今回のクリエイターやキャストたちは、01年版を見て育ったような世代なのねねねね…
 原作漫画も、学童保育で通っていた子供会館の図書館とかで読んでいたと思います。記憶ナシ、自分で買って持っていたことはナシ。アニメの「♪吹き荒ぶ風がよく似合う9人の戦士と…」という主題歌は未だに歌えますが、細かい内容はまったく覚えていません。
 でも、9人のナンバーとフルネームと人種・国籍と特殊能力は未だにソラで全部言えます。今考えるとステロタイプだし、偏見や差別がありまくりだと言われても仕方がないかと思いますが、当時の私はこれでお国柄というものを学習したのです。今考えるに多用性表現の走りとも言えるかもしれないし、世界のあちこちで戦争や紛争を起こして儲ける武器商人の組織が、そのために各国の若者を誘拐してサイボーグに改造して兵士として送り込む…というのはある種の説得力がある設定だと思います。そしてそれでも人の心を失わなかったゼロゼロナンバーの9人が組織に反旗を翻し、世界平和のために組織と戦う…というのは説得力ありすぎの胸アツ設定だ、と改めて思いました。
 ただ、なんで揃いの制服(?)着てるんねん、とか(イヤなんか強化素材の云々…って設定はあったかも)、やはり物理的、科学的に考えて不可能すぎる特殊能力とかもあるので、現代に真面目にリメイクするのは無理があるとは思います。なので舞台、しかもミュージカル化というのはどんぴしゃの転換だと思いました。舞台って、その場で生身の役者が演じているのに、というかだからこそかかる魔法があるというか、リアルとは別次元のファンタジー感が生まれるものだと私は考えているので、こういう題材にものすごく合うと思うんですよね。そしてそのパフォーマンスを通して原作のテーマやメッセージがより深く遠く届けられる…
 というわけでかいちゃんだしはるこだし、イワン(天華えま)の声はぴーちゃんだしで、喜び勇んではるこのお席で拝見しました! 植木さんは観たことはないけど名前は知っていましたしね。『ヒプノシスマイク』の人なんですね、これまた名前しか知りませんが…キャストも多くはこの関連の方のようでした。2.5っぽいってことかな?など思いつつ、それもまた新鮮だし楽しいだろう!とワクテカでした。
 しかしこの公演日程はなんなんだ、子役が出ているわけでもないのにソワレが17時開演とは…? 上演時間90分なんだから、平日ソワレは19時半開演でもいいくらいで、勤め人にもう少し優しくしてくれてもいいのよ?とは思いました。ただ配信が非常に手厚く、SNS告知なども活発で、後半はチケットが無事に完売して当日券のみとなったようなので、それは興行として本当によかったな、と思います。
 ノー予習でもまったく問題ない構成はさすがでした。キャラ紹介みたいなオープニングはあるだろう、とは思っていましたが、それをやったのちにさらにそれぞれがどんな生い立ちの人でどんな状況で改造されたかまで、しっかり語られる親切設計。これは各キャラの濃いファンも嬉しいでしょう。
 ストーリーはジョーの少年院時代の友人で、やはり改造されてしまったシキ(滝澤諒)とリク(相澤莉多)のプラスとマイナスの兄弟を巡る物語で、これは原作だかアニメだかでも人気エピソードだったはずです。ある意味でシンプルなお話を、アクロバティックなアクションや、戦闘・バトルを表現するダンス、それぞれの特殊能力を演出してみせる映像や照明その他いろいろを駆使しまくったパフォーマンスでつないで観せていき飽きさせない、とてもよくできた構成になっていたと思いました。純粋に圧倒されたし興奮しました。サーカスみ、アトラクションみが強く、ドラマが薄いと言われればそれはそうなんだけれど、あえてそう舵を切って作っている舞台なんだと思います。というか真面目なリメイクが苦しい題材なので、真面目なストプレとかには向かないんだから、この作りで正しいと思いました。
 イヤしかしホントすごかったなー! 殺陣とかって、斬られ役が上手いからこそカッコ良くキマる、みたいなのがあるじゃないですか。まさにソレでした。細かいプロフィールがプログラムにないのが実にもったいない、BG SOLDIERSのみなさんが、身体能力もスキルも素晴らしくて(残念ながら台詞は滑舌含めてやや怪しく、籠もって聞こえづらいことが多くて、そこは純正の?俳優さんたちはさすがスキルがあるんだな、と痛感しましたが…)とにかく圧巻! この盛り上げがなければ成立しないステージでした。
 対するゼロゼロナンバーのみなさんもホント芸達者揃いで、ちゃんとそのキャラになってくれているのはもちろん、歌やダンスやパフォーマンスも良くて、いずれも素晴らしかったです。ジェット(高橋駿一)のいかにもアメリカンでちょっとイキっててでも本当は気遣いもできるところ、アルベルト(里中将道)のクールでニヒルなようでいて本当は優しいところ、ジェロニモ(桜庭大翔)の気は優しくて力持ちな感じの大男っぷり、張々湖(酒井敏也)とグレート・ブリテン(川原一馬)のおじさん漫才コンビっぷり、ピュンマ(Toyotaka)の寡黙で、でも熱いところ…もうきゅんきゅんでした。特にグレート・ブリテン(ホントどうなのこの名前、ってな感じではあるのですが…)はよかったなあぁ! 原作ではチーム最年長でそういう意味でのリーダーでありつつも、いつも飄々としていておちゃらけていてムードメイカーで…っていう感じのキャラだったかと思うのですが、そこまで歳がいっていないだろうにそういう年長感が出ていたし、なんせ歌が上手かったし、プログラムの写真で常にウィンクしているようなところがホントそのまんま!って感じでたぎりました。酒井さんがダンスとなるとイワン人形を抱いてカウント取るだけになるのもよかった(笑)。イヤいいんですよ、感じがよく出ていました。
 ギルモア博士(大高洋夫)はだいぶダンディになっていましたが、別にヘンに胴布団をつけすぎなくてもいいわけで、これもちょうどよかったと思いました。
 そしてはるこフランソワーズ(音波みのり)ですよ! OG実はなんでもできる説もありますが、こういうゴリゴリのダンスもできるのねキレッキレじゃないのアナタ!という驚きがすごかったし、ポーズの決めや立ち姿、佇まいの美しさがさすがだし、歌も現役時代より良くなっていたし(むしろ作曲的に謎のメロディラインで、歌いづらそうで聞きづらかった気がしました…)、何より可愛いし、芝居がいい…! 役作りが大正解すぎました。
 フランソワーズって、紅一点だしパリジェンヌだけど、モモレンジャーみたいなチームのアイドルとかでは全然ないんですよね。むしろクールで冷静でとてもクレバーな人で、イワンが立てた戦略に対して特殊能力を駆使して戦術を立てるような、もうひとりのチームの頭脳であり現場指揮官でありみんなのリーダーでもあるのです。そして改造されたことをとても悲しんでいて、戦うことにずっと忌避感を持ち続けている…他のみんなが多かれ少なかれこの状態を受け入れ、なかば前向きに戦っている中での彼女のこの姿勢は、別に女性ならではの優しさとや弱さとか女々しさとはされていなくて、あくまで彼女の人間としての個性であり、むしろ知性の表れなのだ、とされているのです。男の子って幼稚でおバカさんで女の子の方が聡明でオトナ、というのが原作ないし当時のアニメにあったことは私はものすごく覚えていて(記憶の捏造だったらすみません)、石森正太郎(当時)ってそういう作家だったと思っていますし、そんな作家が単なる添え物のヒロインではなく、確固たるメンバーのひとりとして描いたフランソワーズを、はるこが凜々しく美しく体現してくれたことに、私は本当に感動したのでした。はることよかったよはるこ、さすが俺たちのはるこだよ…てか卒業後もこんなに芸能活動をやってくれるとは思っていなかったので、本当に嬉しいです…!
 そしてそして、もちのろんでかいちゃんジョーの素晴らしさですよ!
 ジョーは最後に改造されたので、ブラック・ゴースト側の科学力も上がっていて一番高性能、という設定なんですけれど、最後に改造されたのでみんなと比べると状況・状態を理解できていなくて、受け入れられていない。そしてその違和感や悲しさ、寂しさをずっと持ち続けている、ものすごく人間臭いヒーローなんです。ポーの一族でずっと人間に戻りたがっていたエドガーと同じなんです。恐るべし89期! アカレンジャーとかの王道タイプではない、明るくまっすぐでマッチョなヒーローではない。この造形が、原作の丸っこい絵柄もあって、それこそ腐女子の走りのような女性ファンのハートを当時つかんだんだと思います。それを体現するのに、七海ひろき以上の存在がありますか? いやナイ。即答でしょう!
 髪型が完璧だし、黄色いマフラーのたなびかせ方すら完璧だし、アンニュイだけど清々しい立ち姿とかたまらなかったですし、もちろん歌もダンスもアクションもこなすし…いやもう素晴らしい座長っぷりだったと思います。こういう企画ってどこから、何ありきで立ち上がっていくものなのか、私は素人なので皆目わかりませんが、この世界にかいちゃんがいてくれてかった…!と拝みたいレベルです。彼女が卒業後に切り開いてきた道は、本当に本当にすごいし尊いものだと思います…!!
 パレード、じゃないかラインナップ前に再度キャラというかキャスト紹介がある中で、フランソワーズだけジョーとのデュエダンになってるの、ホントたまりませんでした。いいのココはホントにカップルだから。てかここのかいちゃんジョーの優しい眼差しにキュンとしない女子、います…!?
 はー、楽しかった、おもしろかった、よくできていた。私は全然観られていませんが、2.5次元舞台もおそらく玉石混淆なのでしょう。でも、いいものはいいんだと思います、あたりまえのことのようですが。観られてよかった、制作してもらえてよかった…! アラ還おっさんがノスタルジーだけで作るようなこのあたりの年代の作品のリバイバルものとは、一線を画していたと思います。作るならちゃんと作るべき、これもあたりまえですよね。こういう作品はノンバーバルというか、海外にも輸出していけるんじゃないのかなあ…やはりこのあたりのコンテンツって日本の最大の利点のひとつでしょう。国が沈みきる前に、何か展望があるといいな、と切に願います。



 



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宝塚歌劇雪組『39Steps』

2024年05月04日 | 観劇記/タイトルさ行
 宝塚バウホール、2024年4月30日11時半、15時。

 欧州各地の緊張が高まる1914年初頭、イギリスではドイツによる侵略戦争の計画が噂されている。南アフリカで鉱山技師として働いていた青年リチャード・ハネー(凪七瑠海)は、ダイヤモンドの採掘で一山当て、念願だった故郷での暮らしを叶えるためにロンドンへと戻ってきたが、代わり映えのしない毎日に飽き飽きしていた。そんなある日、退屈しのぎに訪れたミュージック・ホール「アリアドネ」で、店の踊り子アリス(野々花ひまり)と出会い、しばしダンスを楽しむが、憂鬱な気分は晴れない。だがアパートの自室に帰り着くやいなや、上の階に住む男が背中を刺された瀕死の状態で飛び込んできて…
 原作/ジョン・バガン、脚本・演出/田渕大輔、作曲・編曲/青木朝子、植田浩徳、多田里紗。ヒッチコックにより映画化され、近年はウェストエンドでも舞台化されたサスペンス『三十九階段』をミュージカル化したバウ・ヴォードヴィル。第二部は第一部の設定を踏襲し、「アリアドネ」のショータイムを見せる。全2幕。

 原作は未読。ライトに楽しめるミステリー、と聞いて楽しみに出かけました。午前の部を観たときには「二度観るほどのものでもないかな…」と思わなくはありませんでしたが、二度観ればやはりテンポが良く感じられるしあちこちチェックや再確認もできるし、ショーは楽しくて下級生までけっこう認識できたので、楽しい遠征となりました。咲ちゃんリサイタル組が観劇に来ていて、午前は咲ちゃんやすわっち、午後は愛すみれちゃんやはいちゃん、かせきょーのお姿を拝見しました。ありがたや…
 リチャードの現況は台詞や演技だけではよくわからず、本当に一山当てての帰国なのかもわからないくらいで、むしろ彼がスバイなのかな…とも思ったのですが、このミスリードは狙ったものなのでしょうか? でも、「♪人生は暇つぶし…」なんて歌う主人公に好感は持ちづらいので、もうちょっと台詞を足して、彼が現況に倦んでいるならそれをはっきり打ち出さないと、なんだかなあ、とはちょっと思いました。あとは警官の追及をかわすための無理チュー、って宝塚歌劇ではよくあるシチュエーションですが、今やこれは性犯罪だろうという視線が観客側にあるので、何もうちょっと考えた方がいいと思います。
 それでいうと頬に傷のある牧師(叶ゆうり)も別に本物の牧師ではないんだろうし、そのソロナンバーに歌い踊る修道女たちはイメージであって本物のシスターたちではないのかもしれませんが、ここの彼女たちのお衣装はいつかどこかからお叱りを受けるんではないでしょうか…イヤ大好物ですよ、私はね。でも宗教的なことに対してあまりに無頓着なことは、文化の違いという説明では逃げ切れない部分があるだろうとも思うので…あとリチャードの変装で中国人の易者になるのも、外国人差別表象と言われかねないと思いますよ? 原作や映画や舞台にあるのかもしれませんが、同じアジア人としてどうなのよ…?? こういうコンプラ意識は持っていきましょうよ劇団、それもパワハラ是正だけでない課題ですよ…?
 と、あちこちヒヤヒヤしなくもなかったですが、展開はわかりやすいし、なんせカチャはスマートでひまりが素晴らしいヒロインっぷりで、最後ににわにわがいいところをかっさらっていく、楽しい舞台だったので満足です。
 踊り子たちは妃華ちゃんに我が愛しの愛空みなみたんに星沢ありさちゃんがフィーチャーされていて(他にりなくる、仕事ができるもんで大家にイメージのダンサーに大活躍でした)、『ボイルドドイル』新公ではまだ笑顔が一種類しかないなー、と思ってしまった星沢ちゃんが表情豊かになっていて、成長著しかったです。まだまだ地味な潤花、くらいには見えたかな(笑)。なのでみなみたんもがんばれー! 下級生3人では星姫あやかちゃんが鬘が可愛くて、ちょっとバタ臭い顔立ちも映えていて良きでした。
 アリアドネの歌手ピーター(久城あす)のあすくんがさすがに華があって手堅く、バーテンダーのジャック(紀城ゆりや)も目立つところなんだけれどこれは可もなく不可もない感じ…この人は新公でもなんかいつも手堅いんだけど、私からしたらもう一押し爪痕を残してほしいところなんですよね。それからすると叶ゆうりが濃いのはもちろん、手下のしゃんたんと蒼波くんが振りきっていたのはよかったです。特に蒼波くんはあの前髪でファンを何人かつかんだと思う…(笑)あとは刑事(紗蘭令愛)の紗蘭くんも、これまで新公では手堅く上手いなーという印象でしたが、丸顔長身スタイル良しで、ちょっといいんじゃない!?実は有望な若手スターなのでは!?と今回開眼しましたよ私…なんかこれまで老け役ばっかやってなかった? 使おう、使っていこう!
 というわけでショーは英国のスパイといえば…で007推しでゴールドフィンガーから、若手男役では客席降りもあって、下級生みんながんばってカッコつけててめっちゃよかったです。本公演ではまだこんな大勢口にも入らない子も多いだろうから、貴重な経験だったと思います。下半身がまだパツパツなのも、豊かな将来性が詰まっているんだと思いました(笑)。
 次いでカチャがマタ・ハリ、ターゲットが叶ゆうり、そこに現れちゃった恋人の兵士?がしゃんたん、ギャルソンとして「スカイフォール」を歌うあすくん…という場面がまたよかった。てかカチャの女装なんて何度も何度も何度も観てきましたが、ここのお衣装の胴の透け具合はかなりアグレッシブでしたよね…! でも下品でないところが素晴らしいのですが(衣装/薄井香菜)。あすくんのお歌は絶品で、兵士が持ってきた薔薇の花束が最後に彼の手に渡るところも実にいいなと思いました。
 その後、名探偵ニワニワ(奏乃はると)と助手ヒマリ(野々花ひまり)、助手サラン(紗蘭令愛)がミスター・カチャを探しにクラブ「コパカバーナ」へ潜入…という流れ、メガネのひまりが可愛いよ! 手帳に金のヒマワリのシールが貼ってあるのも可愛いよ!! コパカバーナは全ツでも使ってるんだから被らないよう知恵使えよ…と思わなくもなかったですが、ニャンコみたいな手の振りが可愛いのと(振付/三井聡)懐かしの『A Motion!!』お衣装のアレンジだったので許します…(笑)
 そこからの娘役ちゃんのファンキーズは、めっちゃ可愛くてよかったんですが、歌はキーが低すぎてみんな合っていなかったのでは…星沢ちゃん上げを感じましたが、場数でゆきのちゃんとりなくるが歌えていて面目キープかと思いました。
 からの黒燕尾と娘役のブルーダイヤモンドは、ベタだけどうっとりしましたね…! バウであの人数であの大きさのスカートを広げて回るのはなかなか圧巻でした。デュエダンもしっかりあって、ひまりの役名は「ステイ・ゴールド」…! デコルテにVのラインのネックストラップがあるドレスって素敵ですよね! ごちそうさまでした。
 パレードは第一部の役に戻る感じで、手拍子で楽しく華やかに終えられて、よかったです。

 カテコでは劇中の台詞にある「最近ワクワクしたこと」をふたりずつ言っていくようでした。星沢ちゃんが美味しいもののことを考えるのが大好きで、千秋楽が終わったらアレ食べようコレ食べようと楽しみにしている、というのを、それが地なんでしょうけれどすごく高い声でハアハア語るもんだから、カチャがデレて合いの手をどんどん高い声にしていくのもおもしろかったですし、祈菜さあやちゃんが初めて男役さんと組んでカップル振りができて嬉しい、男役さんが本当にカッコよくて…みたいなことを、まだ全然できあがっていない声でほとんど素人みたいに話すのもホントいじらしくて可愛らしかったです。これもこういう別箱公演でないと下級生はなかなか経験できないことだと思うので、ホントよかったねーとこちらも微笑ましくなりました。
 贅沢に生バンドで、それも生徒には勉強、経験になったことでしょう。大阪公演もどうぞ無事の完走を、お祈りしています…!













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『三月花形歌舞伎』

2024年03月27日 | 観劇記/タイトルさ行
 南座、2024年3月22日11時(桜プログラム)、15時半(松プログラム)。

 桜ブログラムの前半は、『女殺油地獄』。野崎の観世音への参詣人で賑わう徳庵堤に、大坂天満町の油屋・豊島屋七左衛門(尾上右近)の妻女・お吉(中村壱太郎)が娘のお光と乳飲み子とともにやってきて、夫が来るのを待っている。そこへ河内屋徳兵衛の倅・与兵衛(中村隼人)がやってくる。次男坊の気軽さもあって、放蕩のうちに暮らす与兵衛は、今日は新地の馴染みの芸者が自分の誘いは断ったにもかかわらず、会津の客と野崎参りに来ていると聞いて、喧嘩を売ろうと遊び仲間とやってきていて…作/近松門左衛門、監修/片岡仁左衛門。人形浄瑠璃として書かれた世話もので、1721年初演。1909年の上演後、歌舞伎のレパートリーになった。三幕。
 松プログラムの前半は『心中天網島 河庄』。大坂の色町・曽根崎新地の河庄に、天満の紙屋の丁稚の三五郎(上村吉太朗)が、遊女の紀の国屋小春(中村壱太郎)に手紙を届けに来る。手紙は紙屋の女房・おさんから小春に宛てたもので、おさんは夫の治兵衛(尾上右近)との間にふたりの子までなしている。一方で小春は三年前から治兵衛と深い仲となり、心中の約束を交わしていて…原作/近松門左衛門、改作/近松半二、指導/中村鴈治郎。『心中天網島』を改作した『心中紙屋治兵衛』の上の巻を歌舞伎に移した一幕で、1781年初演。
 二作とも近松門左衛門没後三百年を記念して上演。プログラム後半はともに舞踊劇『忍夜恋曲者 将門』で、桜は光圀/右近、松は光圀/隼人、ともに傾城如月実は将門娘滝夜叉姫/壱太郎。

 タイトルがキョーレツで有名な『女殺~』を観てみたいと思い、友会が当たっていた宝塚歌劇花組大劇場公演の前日に観ようとしたら、その日は昼の部でやっていて、なら夜も観るか、とさくっと二回とも三階正面席を取りました。南座へ初めて来たが楽前回しかったこともあり、どんどん腰が軽くなっている気がします…
 南座のこの月での花形歌舞伎は今年で四年目とのこと。コロナ禍が最も厳しかった頃、東京以外での上演機会を求めて企画されたものだそうですね。それがちゃんと続いているところが胸アツです。
 毎回、アタマに手引き口上がついていて、この日の昼の部は壱太郎さん。『女殺~』について、解題として「油の地獄で女が殺されるお話です」と言ってのけていて、笑っちゃいました。でも「歌舞伎ってすごいですね、タイトルでオチを言っちゃうんですね、でも何故そうなるか、というのを見せてくれるんですね」とも語っていて、さすがだな、と思いました。で、どうしてそうなる話なのかまったく知らずに、ワクワク観ました。
 結果として、朝11時から観る芝居なんかいな…とは思いましたが、一日通すとやはりこれが一番おもしろかった気がしました。なので組み合わせとしてはやはり夜の部で観るべきだったかもしれません(^^;)。まあでもいいのです、トータルで一日本当に楽しかったので!
 これは実際にあった事件がもとになっているそうで、その犯人はちゃんと捕まって処刑されているんだそうですが、歌舞伎では例によってのやりっ放しエンドです。与兵衛が逃げて終わり、オチてない。ただその事件の凄惨さとしょうもなさ、そこはかとなく漂ってしまう滑稽さと、それでも救われない悲しさ、虚しさが圧巻で、観客の心を揺さぶり、掴んで放さない作品なのでしょう…いやぁすごかったです。
 与兵衛とお吉に恋愛感情がある形の映画などもあるそうですが、今回はそうではありません。そこがいいな、と思いました。あくまで同業者で知人程度で、まあお吉は与兵衛に対してちょっと情けない近所のボンとして心配したり案じたりはしているし、放っておけない弟分くらいには思っているんだろうけれど、あだめいた気持ちはない。それは夫がちょっと嫉妬深いからでもあるし、当人の賢さ、たしなみ、慎み深さ故でもある。それなのに…
 与兵衛の方も、父親を早くに亡くし、母親が番頭と再婚して家を盛り立てて、父親違いの娘が生まれて病弱で手がかかり、優秀な兄はさっさと独立してしまい…で、肩身が狭いようなおもしろくないような、なのはわかるけれど、いつまでもグレていられる歳でもあるまいし、親の想いも身に染みただろうに、なのに…という、ものすごいこじれたドラマなのでした。
 しかしそれはそれとして借金もあって切羽詰まり、どうとでもなれと思ってしまって、優しい姉貴分だった人に無心を断られ、「夫が帰ってきたら不義だと誤解されそうだからとっとと出ていってくれ」みたいに言われて、かえって「なら不義になって金を貸してくれ」と迫れる神経ってホントなんなんだ…と人間の恐ろしさに震撼しますよね。与兵衛がだんだんヘンな意味でハイになっちゃってるのがビンビンに伝わりましたし、そこでまさかの帯クルクルがこんな形で観られるとも思わなかったし、その後与兵衛は床の油を避けるためにこの帯が作る道を踏んで逃げるんですよ、ホント人としてサイテー!とも思うし、当然の行為のようでもある…正気づいて怖くなって、でもやったったでー!みたいな興奮もあるし、狂乱したまま、奪ったお金もぽろぽろ落としそうな勢いで、震えながらどたどた去っていく男…その哀れさ、悲しさ、おかしさ、せつなさよ…!
 与兵衛の母・おさわ(上村吉弥)がめっちゃいいんですよ、めっちゃ泣かせるんです。最初の結婚や夫婦としての暮らしがどうだったかはあまり語られませんが、家のために再婚せざるをえなかったんだろうし、それで商売のことがよくわかっている番頭上がりの徳兵衛(嵐橘三郎)と…となったのでしょうが、もちろん当時も口さがなく言う人は周りにもいたことでしょう、今でもコソコソ言われているのかもしれません。でもそこから協力し合って家を盛り立てて、連れ添ううちにお互い愛情も湧いたろうし、なんならハナから実は好き同士だったのかもしれないし、そうやってがんばって長男も独立させて、末娘の看病をして、フーテンの次男もどうにかしたいと思いつつ上手く叱れないでいて…というその遠慮、気兼ね、でもあふれる情愛…深い、濃い。それは与兵衛にも伝わってはいるのだけれど、でも改心できないものなんですよねえぇ…
 というわけで壱太郎さんのお吉のちょうどいい感じのお姉さんっぷり、女房っぷりが素晴らしく、隼人さんの与兵衛の青さ、若さ、しょうもなさ、悪さ、でもちょっと色気が漂っちゃう感じも素晴らしかったのでした。隼人さんはこれが初役で、これから十年とかかけて何度か演じて、どんどん仕上げていくのではないかしらん…
 そして、観ていて何度「右近さん早く帰ってきてー!」と心で叫んだことでしょう…イヤこの人も商売熱心だからこそ掛け取りに忙しく出歩いているんだし、留守にしたのは別に彼のせいではないんだけれど…少しでも早く帰ってこられていたら、この惨劇を止められたかもしれないのにねえぇ…などと、また泣くしかなかったのでした。イヤしかしすごい話だよ…また観たいです!(笑)

 それからすると『河庄』は、上方和事芸を堪能する演目ということでしたが、私にはちょっとまったりしていたかな…こちらの隼人さんは『女殺~』の右近さんより出番があり、なんかまたおかしいようなしょうもないようなな兄弟を演じていておもしろいのですが、女性視点で観るとホント男ってやつぁ…って気持ちになるので。出てこないけれど、小春に手紙を書いたおさんに共感しやすい観客も多いことでしょう…
 で、どうまとめるんだと思っていたらこちらもやりっ放しの、三人があれこれああでもないこうでもないと言い合ってのその愁嘆場のままのエンドなのでした。ホント歌舞伎ってやつぁ…!
 でも右近さんの柔らかさが治兵衛の情けなさ、しょうもなさ、でもそれが愛嬌にもなっちゃうところに通じていて、よかったです。壱太郎さんもあたりまえですが『女殺~』とは全然違う小粋な遊女で、素敵でした。ふたりを別れさせようとして武士の振りまでしてわたわたする隼人さんもラブリーでした。おもしろかったです。

『将門』は、このネタは私ですらもう何度か観ている気がする…という(イヤ実際には滝夜叉姫に関して、ですが)人気、定番のキャラ、エピソードなのでしょうね。正直、常磐津連中の歌詞は私はちゃんとは聞き取れないし舞踊も読み取れないので、筋書(番附、とされていたのがいかにも関西でした)のあらすじ頼りでしたが、それでも演じられている情景や心情はよくわかったかと思います。壱太郎さん、素敵でした!
 右近さんの方が踊りっぽく、隼人さんの方が決めポーズっぽい感じ。蝦蟇に関する演出が桜と松でちょっと違っていて、姫が引っ込むと蝦蟇がどろんと現れる形もいいし、最後に蝦蟇と並んだ姫が赤旗ばーんと広げる形もいいな、とこれもまあやりっ放しエンドなんだけれど、大満足でした。ドリフ…じゃない、屋体崩しのスペクタクルも楽しかったです。てかこの蝦蟇の手乗りサイズくらいのぬいぐるみを出したら売れると思うんだけれど、どうでしょう松竹さん…(笑)

 恒例のお手製弁当も持ち込みましたが、幕間は30分、マチソワ間もきっかり1時間しかなくて、お茶やごはんするにも慌ただしく、周りのグルメその他は今後またじっくり攻めていきたいな、と思いました。てか頑丈、鈍感な私の腰とお尻をもってしても最後はさすがに…だったので、安易にマチソワせずゆっくり行って周りも楽しもうよ、ってことなんでしょうけれど、ついつい貧乏性なもので…
 古典はやっぱり難しいなあと思いつつも、引き続きいろいろ観ていきたいと思いました。楽しかったです!








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十二月大歌舞伎第三部『猩々/天守物語』

2023年12月26日 | 観劇記/タイトルさ行
 歌舞伎座、2023年12月25日17時45分。

『猩々』の猩々は松緑と勘九郎、酒売りは種之助。私は舞踊はさっぱりわかりませんが、格調高い千鳥足もあるものよ、と感動しました(笑)。酔っぱらいたるもの、かくありたい。猩々とは中国に伝わる、水中に棲むお酒好きの無邪気な霊獣なんだそうですね。あふれる愛嬌と品格、だそうな…クリスマスに観る松羽目物もめでたげで、楽しかったです。
『天守物語』は大空さんで観て以降、何度か観ていて、今回けっこう台詞を覚えている自分に驚きました。原作/泉鏡花、演出/坂東玉三郎で、長く玉さまが富姫をやってきたところを、今回は七之助に任せて自分は亀姫というのが趣向の舞台ですよね。で、これがもうホント可愛かった! キャイキャイしていて若くて可愛くていじらしくて、どーいう声なのあれは!? 三階席から観ても目がつぶれるかと思うほどのふたりのまばゆさ、艶やかさ、可愛らしさに痺れました…! ツーショ舞台写真、買いましたとも、ええ。しかし台所のことでなく「まあ、お勝手…!」と言ってスネてみたい人生でしたよ…
 図書之助は虎之介、彼も声が良くてよかったです! もしかしたらちょっと歌舞伎っぽくないのかもしれないけれど、すごくヒーロー声で、そら富姫さまも「帰したくない…」ってなりますわな!と思いました。
 薄は吉弥、舌長姥が勘九郎、朱の盤坊が獅堂。そしてこれまた声が良くて私が大好きな片岡亀蔵が小田原修理でしたウハウハ。
 七さまもホントしっとりお美しくて、堪能させていただきました。


 今年はこれが観劇納めでした。
 確か観劇始めも歌舞伎座で、今年は私にとって歌舞伎開眼の年だったのかなあ、などとも思います。今年一番素で泣いた舞台は『新・三国志』だったかな、とも思うので…
 ナウシカ歌舞伎以降、新作歌舞伎やスーパー歌舞伎を中心にゆるゆる観てきて、顔や声を覚えた役者も少しは出てきて楽しくなってきました。
 もちろん猿之助さんの事件は残念でしたし、宝塚歌劇の事件同様に命は取り返しがつかないのだけれど、反省し改善して復帰してくれるというのなら、やはり才能がある人なのは間違いがないので、見守りたい応援していきたい、と思うのでした。
 来年も乱歩歌舞伎と『ヤマトタケル』はすでにチケットを押さえ済み。ただ、BS放送を録画して観た『ヤマトタケル』が脚本としてはおもしろく思えなかったことが気がかりですが…改良されていることに期待!
 今年の観劇回数は183回、数え始めた2010年以降最多だった去年を11回上回ってしまいました。来年こそ…身長以下に抑えたい…お金がいくらあっても足りないよ…節制するのよ自分!と言い聞かせてはいます。います…が…さてどうなりますことやら。
 もう一本、今年の総括記事を書くかもしれませんが、書かなかったら年明けは雪組そして星組観劇からです。来年もどうぞご贔屓に…!








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