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「駿河安蘇備 上」を読む 73

庭のビオラ

昨日は金谷宿大学2講座を行う。昨日今日ははりはら塾の発表会。昨日は出席できなかったが、今日は一日立ち会った。32部用意した「面白古文書」、一部を残してはけた。今日は雨で、人出はそれほど多くなかった。

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「駿河安蘇備」の上巻の解読を続ける。

小野寺薬師 手越南山にあり。       真言宗
薬師堂は山の中腹にあり。別當座敷に嘯月亭の額を掛け
たり。東海、不二峰、また府、安倍川を見下ろし、いと景色
よし。正月十六日、参詣、群集す。
金山、また桜山 同所の西にあり。安倍川の流れをうけて、北西は向敷地
村なり。この山を開きて、明和年中、駿府町与力、佐藤
弥惣右衛門資道と云えるもの、遁世して、この山に桜樹、数千
本を植え、幽棲の地とす。桜山と称す。その時、建てたる
一柱の碑あり。
舟山 向敷地、安倍河原の中にあり。弁天社あり。武田の一社、中津の神と云う。
風土記 中津の神社 天平神護元年三月、造社なり、云々。
この社、定かならず。この弁才天社、古くより安置にて、出所詳(つまび)らかならず。
俚俗、この岡に老狐あり。舟山五郎左衛門狐という。よく人をたぶら
かす。村民患(うれ)いて、惣社神主に退(しりぞ)けむことを乞う。惣社神主これを
追伏して、この国に居らしめず。四、五十年老狐の居る事を聞かず。
春齊翁乃癸未紀行
※ 癸未紀行(きびきこう)➜ 林羅山作。林春齊は羅山の三男で間違い。
阿倍河 土人の作猪衣、この辺、狐多し
※ 土人(どじん)➜ その土地で生まれ育った人。土着の人。土地の人。
  氷霜寒烈仲冬天     氷霜寒烈、仲冬の天
  冒ㇾ暁凌風阿倍川    暁を冒(おお)う、凌風(りょうふう)阿倍川
  借問放翁何用處     借問(しゃもん)放つ、翁何用の處
  紙衾夜座野狐禅     (かみふすま)、夜座す、野狐禅(やこぜん)
※ 仲冬(ちゅうとう)➜ 冬の真ん中。陰暦十一月を指す。
※ 凌風(りょうふう)➜ 風を凌いで飛ぶこと。
※ 借問(しゃもん)➜ ためしに問うこと。ちょっと尋ねてみること。
※ 紙衾(かみふすま)➜ 紙子(かみこ)で作った粗末な夜具。
※ 野狐禅(やこぜん)➜ 禅宗において、禅に似て非なる邪禅のこと。
(つづく)

読書:「屋久島トワイライト」 樋口明雄 著
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