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志太の杜見学会6

(静居寺の経蔵(輪蔵))

六つの式内社の見学を終えて、日が傾き、市のバスを帰す時間が迫っていたが、最後に島田市旗指の静居寺(じょうこじ)を訪れた。春の牡丹で有名なお寺だが、NT氏がこのお寺を選んだのは、珍しい経蔵(輪蔵)を見せたかったからだという。


(静居寺の華鬘)

気さくな住職に迎えられて、本堂の奥まで案内して頂いた。裏にあった位牌堂が左手に増築されて、元位牌堂は開山堂になって、何体かの僧像が並んでいた。その入口に金色の華鬘(けまん)がつるされてあった。住職に「華鬘ですね」と聞くと、よく知っているねという顔をされた。前回の「古文書に親しむ」講座で、写真付きで説明したばかりだから、記憶に新しい。とはいうものの、自分も実物を目にするのは初めてであった。
※ 華鬘(けまん)- 仏前を荘厳 (しょうごん) するために仏殿の内陣や欄間などにかける仏具。金銅・牛革製の円形または楕円形のものに、唐草や蓮華 (れんげ) を透かし彫りにして、下縁に総状の金物や鈴を垂らすもの。

本堂を出て、本堂左手から裏へ回る。住職は、この夏の台風で、二層になった屋根の上層から瓦が飛び、下層に落ちて下層の瓦も割って、大被害だった、瓦が一般より大きいから衝撃も大きかったと話す。瓦にブルーシートが見え、破片が地面にまだ転がっていた。

経蔵(輪蔵)は、右手奥の少し高いところにあり、八角形のお堂であった。昔、見学に来た時、そばの石碑を読んで、このお堂が「説夢堂」といわれることを知った。その時は格子窓から覗いただけであったが、今日は扉が開けられ、中に入ることが出来た。内部には人の手で回すことが出来る六角の経蔵(輪蔵)が収まっていて、中にお経がぎっしりと、今も収められているという。これを廻すことで、万巻の経を読んだことになる。中の経の状態が気になったので、時々は虫干しをされるのかと聞いたところ、中々出来ないので、今はナフタリンを入れてあると住職が答えた。

これで今日の予定は総て終わり、帰途に付いた。どうにか、バスを帰す時間には間に合ったようである。

帰り道に、参加者から様々なPRがあった。それぞれに興味深い活動をされているようで、以下へ紹介してみる。

一 古民家一棟貸しの宿「熊のや」
島田市高熊で、使われなくなった古民家を改装して、一棟貸しをする宿である。島田市では民泊として初めてのケースらしいが、自炊だとすると、そこへ宿を取る目的がほしい。大井川の釣り、八高山の登山、‥‥、なかなか難しい。

一 島田近代遺産学会講座。島田学習センターで全6回の講座があるという。旧海軍島田・牛尾実験所の調査・発表を機会に、島田金谷史蹟保存会の中に出来た分会らしい。興味はあるが、土曜日の午後というのは、他の講座などのゴールデンタイムで、自分には行けそうにない。

一 土屋誠一氏の石のお地蔵さん展。場所は浜松市天竜区横川の百古里庵という蕎麦屋さんで、11月後半、半月ほど展示され、本人もそこでお地蔵さんを彫っていると聞いた。渋柿を買いに行く序でに寄って見ようかと思う。

今回の見学会、意外と好評だったようで、皆さん、帰りを惜しむように見えた。さっそく次回の企画を望む人もいた。発案・準備から、建築ガイドまですべてやって頂いたNT氏には、一日大変御苦労様でしたと、お礼を述べたい。
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