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「竹下村誌稿」を読む 312 産業 8

(散歩道のホトトギス)

この赤さ加減は日本原産のホトトギスではない。たぶん、タイワンホトトギスと思われる。

昨日の写真で、干柿を吊り下げている枠、実は子供用の卓球台の足である。息子たちが子供の頃に買ったものと記憶するが、40年経って、こんな使われ方をするとは、当の卓球台も想像すらしなかっただろう。

これに吊るして、朝夕、日向に出し入れして干している。勿論雨の日は家の中である。よく見ると枠の手前の方に空きが出来ている。今朝、それを埋めるべく、渋柿を買ってきた。19個で950円は少し高かった。明日は晴れるから、朝から加工の予定である。これで合計219個となる。

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「竹下村誌稿」の解読を続ける。

       二 田 麦 栽 培

品種 大麦、裸麦、小麦にして、その種類一定ならずといえども、皆な在来種なり。大麦は六角、半裸、裸麦は青膚、白膚、小麦は赤皮、白坊主などあり。その作付歩合は大麦二分、裸麦七分、小麦一分なりとす。従前は大麦の播種多かりしも、漸次減じて、裸麦、小麦などの増加を見るに至れるは、農家経済上の趣向と云うべし。

撰種 塩水撰をなす外、撰種を行なわず。

播種 十一月下旬より十二月下旬までに播種するを普通とす。麦の種類と時期によりて、その量一定せずといえども、大概一反歩三升乃至四升とす。麦は播種期の速遅によりて、大いに収穫に増減あるものなるは、これを本県農事試験場の試験成績に鑑(かんが)みるも、十一月中旬を最適期とす。遅くとも十二月中旬を過すべからず。もしその期を失し、翌年一月末若しくは二月に入りて播種する如きことあらば、殆んど収穫の半ばを減ずべし。本村の如き二毛作の土地にして、適当なる時期に播種すること能わざるものゝ如きは、経営上改善に努力あることを要す。
※ 播種(はしゅ)- 作物の種をまくこと。種まき。

整地 二毛作なれば、稲を刈りたる跡を、牛馬耕にて労力を省き、荒起しをなし、乾燥したる土塊(つちくれ)を粉砕して、五尺巾半円形に整地し、これに横畝を設け畝巾は二尺位とす。近来改良蒔きと称し、巾を広くし立畝となすものあり。

肥料 堆肥、人糞尿、大豆粕、過燐酸などを基肥とし、追肥としては人糞尿、アンモニアなどとす。

耕耘(こううん) 一月中、一番耕作をなし、二月、三月に亘り、二番耕作をなす。四月初旬には耕作を兼ね、田豆(大豆)または紫雲英(蓮華草)の蒔き付けをなす。

病害虫予防 黒穂抜き取りを行なうの外、殆んど駆除予防を行なわず。
※ 黒穂(くろぼ)- 黒穂病にかかった黒い麦の穂。

収納 五月下旬より六月に至り、成熟せる麦穂を麦扱にて扱(こ)ぎ落し、を去り後、俵に入る。俵装は米と変わるなし。また近来、改良麦扱機行なわれ、労力経済上利用される。
※ 麦扱(むぎこき)- 刈り取った麦の穂を落とす作業のこと。
※ 芒(のぎ)- 稲や麦などの穀物の実の先端にある針状の突起。
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