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「竹下村誌稿」を読む 311 産業 7

(今年の干柿の出来栄えは?)

良い天気が続いて、干柿は順調に仕上がっている。寒くなって、何とかカビの心配も減って来た。今200個加工済みだが、目標は400個である。

午後、中央図書館から電話と聞いて、どこの図書館か一瞬迷った。電話は掛川中央図書館からで、文学講座の文学散歩、欠席が多く出たので、参加するかとの話。参加することにした。一度はくじに外れて、予定を外していた。目的地は由井宿周辺で、何度も訪れた既知の地区であるけれども、途中々々で、講師のお話が聞けるのが楽しみである。

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「竹下村誌稿」の解読を続ける。

       三 貯蔵米駆虫

貯蔵米駆虫、稲の収穫後米として貯蔵中、翌年夏期に至れば、穀象穀蛾などのために蝕害せらるゝもの少しとせざれば、紙袋入りに俵装して貯蔵し、夏時の蝕害を防ぐの外、古来これが駆除法の行われたるを聞かず。従いて完全なる駆虫剤なかりしも、近来、二硫化炭素の応用発見せし以来、その成績効果を確かむるものあるを以って、漸次実行するに至る。
※ 駆虫(くちゅう)- 寄生虫や害虫を駆除すること。
※ 穀象(こくぞう)- コクゾウムシのこと。黒色で体長は二、三ミリ。頭部の先が象の鼻のように突き出ている。米の胚に穴をあけて卵を産む。幼虫は米を食べて成長する米の害虫である。
※ 穀蛾(こくが)- 小形の蛾で、幼虫は貯蔵穀物を食害する害虫。
※ 蝕害(しょくがい)- 虫や鳥獣が、植物を食い荒らすこと。



      第三節 麦

       一 生  産

麦は米に亜(つ)至要の作物にして、殊に農家の常食糧として、古来より重要せられたる産物なり。故に農家の注意は殆んど米作に譲らず。その耕種法の如きも、各自改良に勉めつゝあり。
※ 至要(しよう)- きわめて大切なこと。この上なく重要であること。

本村畑一町七反歩の内、大概茶園若しくは桑園となりて、麦作をなすものは僅々二、三反歩位に過ぎざるべしといえども、乾田に二毛作として作付するもの、丗二町歩ありて、田畑(大正五年)実収、麦四百三十四石七斗を産す。大麦、裸麦、小麦を通じて、一反歩多きものは一石六斗、少なきものは一石一斗にして、平均一石三斗五升に当る。

これを本県作付、反別四万四千町歩、麦産額五十七万六千石にして、平均一反歩一石三斗一升となり、本郡作付、反別三千町歩、その産額三万一千五百石、平均一反歩一石五升に対比すれば、本村の産額、また以って他に譲らざるを認むべし。若しこれを市価一石金八円と仮定せば、その価格参千四百七拾七円六拾銭を得べし。


読書:「最終標的 所轄魂」 笹本稜平 著
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