ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

ユダヤ127~21世紀のロスチャイルド家

2017-11-17 08:50:30 | ユダヤ的価値観
●21世紀のロスチャイルド家

 イスラエルの背後には、ロスチャイルド家という世界最大の大富豪とそれに連なる巨大国際金融資本家たちがいる。そこに、アメリカ=イスラエル連合という、巨大な資金力、軍事力、諜報力を持つ勢力が形成されている。
 ここで、今日のロスチャイルド家について書くと、19世紀に栄華を誇ったロスチャイルド家のうち、現在残っているのは、ロンドンのロスチャイルド家とパリのロスチャイルド家(ロチルド家)である。ほかの分家は、ヨーロッパの政治・経済の激動やユダヤ人迫害の中で消滅したか、男系が絶えたため婚姻により別の家が継いでいる。英仏のロスチャイルド家、その親族及びその系列の銀行・企業等を合わせて、ロスチャイルド家とそのグループということができる。
 英仏のロスチャイルド家は、今なお世界で最も巨大な資金力を持つ家柄の一つである。これにつらなるグループは、金(ゴールド)・ダイヤモンド・石油・ウラン等の重要資源の多くを抑えている。
 金とダイヤモンドについては、ロスチャイルド家は、そのグループに属する南アフリカのオッペンハイマー財閥等と連携し、国際価格を思いのままに操れるほどの独占的な地位を保っている。
 まず金の国際価格は、ロンドンにある通称「黄金の間」での取引で、事実上決定される。「黄金の間」は、ロスチャイルド家の本拠N・M・ロスチャイルド&サンズ社のなかにある。ロスチャイルド家とそのグループが取り仕切る金によって、シティとウォール街が結ばれている。通貨を含むあらゆる金融商品は、究極において今も金(ゴールド)によって価値を裏付けられている。その大元のところをロスチャイルド家が掌握している。
 また、ダイヤモンドはイスラエルの主要産業だと先に書いた。大英帝国時代の1888年、ロスチャイルド家に忠実なセシル・ローズが同家支援で南アフリカに作ったデビアス社が、現在も世界のダイヤモンドの8割を支配している。イスラエルは、ロスチャイルド家の支援を受けて、ダイヤモンドの輸出入を行って、富を得ている。
 次に、石油については、1930年代以降、オイル・メジャーと呼ばれる巨大な国際石油企業が、世界の石油を支配してきた。1968年にアラブの産油国がOAPECを結成し、以後メジャーの寡占体制に対抗する構図となっている。しかし、アメリカ、イギリス、オランダ系の7社、セブン・シスターズ(七人姉妹)の優位は変わらない。石油は、アメリカのロックフェラー家の主要産業だが、ロスチャイルド家とそのグループも、イギリスとオランダを中心とするロイヤル・ダッチ・シェルに投資しており、メジャーの一角を占めている。
 次に、水についてだが、水は「21世紀の石油」といわれるほど、価値が上がりつつある。21世紀後半「飢餓の時代」になるという予測があり、食糧の生産・販売は今後一層重要性を増す。ロスチャイルド家とそのグループは、人間の生命に直結する水と食糧についても相当部分を傘下に収めていると見られる。
 ここで特筆したいのは、ウランについてである。ウランは、核兵器の原料であり、また原子力発電所の燃料である。現代世界の軍事とエネルギーは、ウラン抜きには成り立たない。そのウランの多くをロスチャイルド家とそのグループが抑えている。
 ウランは、戦前からロスチャイルド家所有のアフリカのウラン鉱山で採掘されていた。その後、今日までウランの鉱山は、ロスチャイルド財閥が、ほぼ独占してきた状態である。ロスチャイルド家とウランの関係については、広瀬隆の著書『赤い盾』が詳しいので、その記述に基づいて概略を記す。
 ロスチャイルド家のウラン支配は、英仏のロスチャイルド家の連携による。ロスチャイルド家は、初代マイヤー・アムシュルの三男ネイサンが、ロンドン家の初代当主となった。そのネイサンの血を引く者は、ロンドンのアンソニーとパリのアンリの二人だけとなった。彼らは、アムシェルから数えて5代目にあたる世代である。
 ロンドン家の当主となったアンソニーは、パリ家の鉱山会社ペナロヤの創業一族から、イヴォンヌ・カーエンを妻に迎えた。一方、アンリは、イギリスのリオ・チント・ジンク社の創業一族と結婚し、スペインからアフリカまで広大な範囲の鉱山を支配した。こうして、ロンドン家とパリ家が妻となる女性を交換し合うことで、大戦後、ロスチャイルド家はウランをほぼ独占的に支配することが可能になった。このことは、石油の時代であるとともに、原子力の時代である20世紀以降の世界において、ロスチャイルド家とそのグループは大きな強みを加えたことを意味する。
 1945年、アンソニー・ロスチャイルドは、カナダに広大な山林の開発権を獲得した。その開発権は、イングランドの面積に匹敵する13万平方キロに及んだ。アメリカによる原爆投下の成功を受けて、アンソニーは、そこで世界最大のウラン鉱山を開発する事業を進めた。傘下の資源会社リオ・チント・ジンク社とその子会社のリオ・アルゴムが、この事業を担った。両社は、南アフリカのナミビアのロッシング・ウラン鉱山を支配し、さらにオーストラリア鉱業を通じてオーストラリアのウラン鉱山も支配するようになった。
 パリ・ロスチャイルド家の方では、アンソニーの妻の実家カーエン家が創業したペナロヤとその親会社ル・ニッケル(現イメタル)を中心に、傘下にあるウラン・メジャーのモクタ等が鉱山事業を担っている。
 こうして北米・アフリカ・オーストラリアの3大陸のウランを、ロスチャイルド家とそのグループが支配する体制ができた。英仏のロスチャイルド家は、親族間結婚の閨閥で結ばれるとともに、重役の席を相互に交換しており、ウランの国際秘密カルテルを形成し、価格を自由に操作できる体制を生み出した。ロンドンのリオ・チント・ジンク社が、その元締めになっている。

 次回に続く。