ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

友愛を捨てて、日本に返れ19

2009-12-04 09:24:58 | 時事
●世話になった人から妻を奪った男が総理大臣に

 友愛という道徳を説く鳩山氏について、もうひとつ見逃せない不道徳は、略奪愛である。
 「週刊文春」平成21年9月24日号は、「鳩山幸元夫・田浦新一朗氏が実名告発 『私を裏切った由紀夫くんと幸へ』 不義理な略奪愛 新首相の『資格』を問う」という表題の記事を載せた。
 「週刊文春」は、9年前にも鳩山幸(みゆき)夫人の前夫の義兄・ジェームズ坂田氏の手記を掲載した。そこには、義弟の妻を奪い、その家庭を壊した、およそ「友愛」とはほど遠い鳩山由紀夫氏の行状が綴られていた。その鳩山氏が日本国の総理大臣になった今、前夫の田浦新一朗氏本人が重い口を開いたとして、今回の記事が掲載されている。
 「週刊文春」は、平成12年10月12日号に「総理を狙う男を告発! 義弟の妻を奪った輩を許さない 初めて明かす鳩山由紀夫の不道徳な“略奪婚”」という記事を載せた。そこで田浦氏の義兄・ジェームズ坂田氏が、鳩山氏の略奪愛を告発した。このとき妻を奪われた田浦氏は「義兄と姉は、由紀夫君が30年以上前“サンフランシスコでしたこと”を現在も許せずにいます。(略)現在、由紀夫君は総理を狙う政治家というではありませんか。ならば、過去のことを日本の方々に話したいという義兄の気持ちに、反対する理由はありません」と同誌に語った。田浦氏は、今日もサンフランシスコ郊外に居住している。
 坂田氏の手記は概要、次のとおりである。昭和45年(1970)、鳩山氏は東京大学卒業後、アメリカのスタンフォード大学に留学。知人の紹介で、日系2世の坂田氏一家が、鳩山氏の慣れない外国暮らしのアテンドをすることになった。当時坂田氏はサンフランシスコで日本料理店「蝶々」を経営。そこを手伝っていたのが、田浦氏と妻の幸氏だった。翌年、由紀夫氏と幸氏の密会が目撃されるようになった。その後、幸氏は計画的に田浦氏の家を出て、鳩山氏と同棲。以来、今日に至るまで、侘びはおろか連絡も一切ない。「昔から『据え膳食わぬは男の恥』という言い方もありますが、一宿一飯の世話になった男の嫁に関しては、話は別というのが常識でしょう。(略)由紀夫氏には、そういったモラルが完全に欠如している」と坂田氏は書いている。

●背徳者が説く「友愛」は破綻する

 昭和50年(1975)3月、鳩山夫妻は結婚。当時のマスコミは、鳩山家の御曹子がバツイチの女性と結婚するというので随分書き立てた。不義理の末の駆け落ちと報じられたが、由紀夫氏は「それは間違いです。僕も彼女もなるべく円満に事を運ぶために、忍耐強く、時間をかけました」(「週刊新潮」昭和50年4月10日号)と弁明した。しかし、鳩山夫妻は、幸氏が田浦家を出てから一度も、田浦氏はもちろん坂田夫妻とも話し合う機会を持とうとしなかった。
 坂田氏は、先ほどの手記の最後に自身の思いを書いている。「モラルのない人間が政治をやると、それはただの『政治屋』になってしまいます。先の大戦で無辜の民を苦しめた日本の政治家は、依然として同じ体質なのでしょうか。(略)こんな男に国をまかせておいていいのか‥‥」と。この時の取材で、坂田氏は憤りを露にし、「間男をするような男、泥棒に総理大臣は務まらないでしょう」と吐き捨てたという。
 鳩山氏を告発したジェームズ坂田氏は、5年前に他界した。田浦氏はこの度の「週刊文春」の取材で、次のように語った。「義兄がそのとき発言したことを鳩山夫妻が真摯に受け止めてくれることを願っていたのですが、最近の様子を聞くと、どうやらそういうこともないようですね」と。
 平成21年8月30日の衆議院総選挙で、民主党が第一党となった。その翌日、幸夫人は、「スポーツニッポン」に手記を寄せた。そこに幸氏は「家庭を守れない者に国は守れません」と書いている。夫ある身でありながら、若い留学生と不倫をし、家庭を棄ててその男の元に走り、元の夫を傷つけた女性が、「家庭を守れない者は国を守れません」と、のたもう。鳩山氏によく似た物言いである。
 略奪愛は、友愛とは正反対である。愛欲による利己的行為であり、配偶者を奪われた者は深く傷つく。男性が他の男性の妻を寝取るのは、多くの社会では犯罪とされる。鳩山氏は、こうした背徳行為を行なっている。幸夫人もまた首相夫人、ファースト・レディとして公の場に出る以上、過去を問われるのは当然である。不倫の末の略奪愛を告発された鳩山夫妻が、国内外で友愛を説くのは、偽善である。私は、鳩山夫妻は日本国の首相及び首相夫人に、ふさわしくないと思う。
 鳩山氏は友愛という道徳的な理念を自らの政治哲学の根本としている。しかし、鳩山氏は、「友愛=兄弟愛・同胞愛」を説きながら兄弟で争いをし、母親から受けた多額の資金で偽装献金をし、また世話になった人の妻を奪って「泥棒」と非難されている。背徳者は、道徳を説いても、自ら正体を暴露し、破綻にいたる。鳩山氏の友愛は、既に氏自身の行状によって破綻しているのである。

 次回に続く。