ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

天皇陛下ご会見問題の集会報告

2009-12-21 18:21:16 | 時事
 本日、午後3時より東京・永田町の憲政記念館で「天皇陛下ご会見の政治利用を糾弾する緊急国民集会」が開催された。主催は日本会議・日本会議国会議員懇談会、共催は日本会議地方議員連盟・日本女性の会である。
 私は、同僚・友人とともに参加してきた。簡単に報告したい。

 国歌斉唱に続いて、開会の辞が日本会議会長・三好達氏によって述べられた後、主催者を代表して日本会議国会議員懇談会会長・平沼赴夫氏が挨拶した。続いて、各界からの提言に移り、元内閣総理大臣・安倍晋三氏、自由民主党政調会長・石破茂氏、改革クラブ国対委員長・大江康弘氏、初代内閣安全保障室長・佐々淳行氏、評論家・石平氏、日本大学教授・百地章氏が発言した。日本を憂え、皇室を思う方々の熱い訴えに、私はしばしば感涙した。そこで聴き学んだことは、現在連載中の「天皇陛下を利用する暴君・小沢一郎」に反映したい。
 集会は、決議文朗読に入り、日本会議東京都議会議員懇談会会長・小礒明氏が文案を朗読し、満場われんばかりの拍手をもって採択された。決議文は、安倍元首相に手渡され、安倍氏は「これから首相官邸に行って、鳩山首相にしっかりと伝えたい」と力強く応えた。

 年末多忙の時期、また平日昼に行う緊急集会であるにもかかわらず、多数が参集し、場内は通路や演壇前にまで人が溢れた。参加者は1千名と発表された。
 発言の機会はなかったが、壇上にチベット出身のペマ・ギャルポ氏、世界ウイグル会議日本代表のイリハム・マハムティ氏も列席していることが紹介された。

 以下、集会で採択された決議文を掲載する。

●天皇陛下ご会見の「政治利用」を糾弾する緊急国民集会決議

 天皇陛下には、さる十二月十五日、中国の習近平国家副主席とご会見になった。陛下のご高齢とご多忙などを配慮して守られてきた「1ヵ月ルール」を政府・民主党が蹂躙して実現した異例の会見である。
 今回の会見について政府は「1ヵ月ルール」を理由に一度、正式に断っている。ところが中国側は「ルール違反」を認めながらもこれに納得せず、「会見が実現するかどうかの一点に習副主席訪日の成否はかかっている」として、あからさまにルールを無視する理不尽な要求を繰り返した。政府はこれに屈し、「日中関係は政治的に重要である」とする、まさしく政治的な理由から特例を認めてしまったのである。
 いうまでもなく政府は、こうした他国による「政治利用」から天皇陛下をお守りしなければならない立場にある。にもかかわらず、中国側の意に副って再三にわたり宮内庁に対して圧力をかけた政府の行動は、国であれ人であれ、公平無私、つねに分け隔てなく接してこられた天皇陛下の国際親善の原則を根底から損うものであり、国民世論の反発を招くのも当然だと言わねばならない。
 ところが、日ごとに高まる批判に対して鳩山首相は「国民挙げて、将来のリーダーになれる可能性の高い方を、もっと喜びの中でお迎えすべきだ」とうそぶいた。驚くべきことに、他国による陛下の「政治利用」を政治的な理由から承認してしまった政府もまた、陛下を「政治利用」したことにほかならないことへの責任と反省は、全く見られないのである。
 民主党の小沢幹事長にいたっては、「天皇陛下の(国事)行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだ」と揚言した。しかし、このような憲法解釈は全くの誤りだというほかない。外国要人とのご会見は国事行為ではなく、象徴としての公的行為である。そして、陛下の公的行為は、内閣の「助言と承認」によってなされるものではない。あたかも内閣が陛下に命令することができるかのごとき不遜きわまる小沢発言を断じて容認することはできない。
 さらに、小沢幹事長は十二月十一日、外遊先の韓国においても「ご訪韓は時期尚早」という宮内庁の意向を無視して、「韓国の皆さんが受け入れ、歓迎してくださるなら結構なことだ」と、ご訪韓を快諾するかのような発言を行った。一介の政党幹事長に、天皇陛下の外国ご訪問を云々する権限などあるはずもなく、甚だしい越権行為である。
 ここに、政府・民主党による陛下の「政治利用」を断乎糾弾し、その責任を厳しく追及するとともに、近い将来その計画が具体化される危険のある天皇陛下のご訪韓計画に強く反対するものである。
 右、決議する。
 平成二十一年十二月二十一日
    日本会議・日本会議国会議員懇談会・日本会議地方議員連盟・日本女性の会

天皇陛下を利用する暴君・小沢一郎3

2009-12-21 08:48:10 | 時事
 「友愛を捨てて、日本に返れ」シリーズを一時休止し、本稿を短期集中連載する。全8回の予定。

●万策尽きた中国側は小沢氏に提案した

 12月3日、宮本雄二駐中国大使は、外務省に天皇陛下特例会見の実現を「官邸を説得しろ」と伝えたが、岡田外相は「1ヶ月ルールを守るべき」と断った。その翌日、小沢一郎氏は、鳩山首相と会談した。内容は明らかでないが、特例会見の対応を話し合ったものと見られる。
 それから3日たった12月7日、平野官房長官は、中曽根氏から電話を受け、羽毛田宮内庁長官に電話して、会見の実現を要請した。羽毛田氏は断った。この7日ごろ、外務省の外務省の垂(たるみ)秀夫中国・モンゴル課長は、中曽根元首相に「1ヶ月ルール」を説明し、中曽根氏は「よく分かった」と答えたという。そうであれば、中曽根氏の働きかけは、そこでとまったと考えられる。
 『新潮』によると、「8日頃までは鳩山総理自身も"実現は無理だろうな"という感触だったと見られます。その証拠に、同日午前、崔天凱・駐日中国大使に会った平野官房長官は"実現は難しい"旨伝えており、それは中国本国にも伝達されています」と官邸関係者は語った。
 万策つきた中国側にとって、残された最後のカードが「小沢一郎」だった、と『文春』は書いている。崔大使は9日、国会内で小沢氏と会談した。『文春』の記事で「日中外交筋」は、「9日の時点では、会見の実現はほぼ絶望的でした。ところがこの会談以降、潮目が変わった」と言う。
 小沢氏は11月20日、楊外相から「習副主席を陛下に会わせて欲しい」と頼まれている。12月4日には鳩山首相と会って、対応を話し合ったことだろう。ところが、1ヶ月前どころか、習氏が来日予定が5日後に迫っても、会見の目処は立っていない。
 小沢氏は、翌10日から、143人の民主党議員を含む総勢600名を超える「大訪中団」を率いて北京を訪れる予定だった。その小沢氏に、中国側は、ある提案を持ちかけた。

●「ゴチャゴチャやっとらんで早くせい」と鳩山首相を恫喝

 『文春』によると、崔天凱・駐日中国大使は、小沢氏に次のように持ちかけた。「もし天皇との会見をセッティングしてくれたら、胡錦濤国家主席が143人の民主党訪中団の議員と一人ひとり握手する写真撮影をセッティングします」と。
 胡主席がこれだけの人数と個別撮影に応じるのは極めて異例であり、この申し出は中国側にとってもリスクあるものだった。先の北京特派員は『文春』に次のように語る。「日本の議員相手にここまでサービスしたとわかれば、依然としで反日感情の強い中国で、胡錦濤への批判が出ることは確実だからです。事実、国家主席が訪中団を迎えた映像は、中国国内で報じられませんでした」
 小沢氏は、崔大使の申し出に、心を動かされたのだろう。当日の9日、小沢サイドから鳩山首相サイドに電話が入り、こう罵倒したーー「オレの面子をつぶす気か」。
 震え上がった首相は、平野官房長官に指示をした。平野氏は再度、羽毛田氏に天皇会見を強く迫った。官僚組織の一員である羽毛田氏に、これ以上、抗うすべはなかった、と『文春』は書いている。ただし、民主党幹事長室は「そのような事実はない」と回答しているという。
 この経過について、『新潮』は、ある官邸関係者から聴いたことを書いている。8、9日頃、膠着していた情勢が「急変」した。契機となったのは、小沢氏の行動だった。小沢氏は鳩山総理に直接電話を入れ、「何をやっとるのか」「ゴチャゴチャやっとらんで早くせい」、そう恫喝した。
 「この電話に震え上がった鳩山総理は平野氏に宮内庁への再度の依頼を指示。それが10日の平野氏と羽毛田氏のやり取りに繋がったのです」と官邸関係者は伝える。
 平野氏は「総理の指示で」と強い口調で再度、羽毛田氏に会見の実現を依頼した。羽毛田氏はついに折れ、特例を認めた会見が実現の運びとなった。この受け入れの背景には、小沢氏の恫喝があったというのである。

 次回に続く。