ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

李登輝氏が靖国神社を参拝

2007-06-09 08:53:17 | 靖国問題
 台湾の李登輝前総統が、5月30日から来日している。李氏は、金美齢氏に続いて、日本人に日本精神を取り戻すよう呼びかけている台湾人の一人である。

 大塚寛一先生の著書『真の日本精神が世界を救う』(イースト・プレス)を贈呈し、日本における日本精神復興促進運動についてもご理解をいただいている。
 李氏が、6月7日にホテルオークラ東京で講演をすると知り、私も応募したが、残念ながら参加できなかった。

 安倍政権のもと、日本は中国に対し、主張する外交を展開している。李登輝氏の来日及び滞在中の行動についても、私人としての意思を尊重し、中国共産党政府の容喙を斥けている。
 李登輝氏は、滞在中に、実兄の祀られている靖国神社を参拝したいという希望を表わしていた。安倍首相は、氏の靖国参拝について、「李氏は私人として来日した。私人として当然、信仰の自由がある。本人が判断することだ」と述べ、正当な見解をもって応えた。

 李登輝氏は、7日午前、念願の参拝がかなった。兄を慕い、その兄に会いたいという真情の吐露が、日本人の心を打った、
 亡兄の李登欽氏は「岩里武則」の日本名で合祀されているという。靖国神社には、246万6千人以上の人々が祀られているが、その中には、戦前日本国籍だった台湾人約2万8千人、朝鮮人約2万1千人が含まれている。彼らもまた、日本人として、誇りを持って、日本のために命を捧げた英霊である。感謝の誠を捧げたい。

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●産経新聞 平成19年6月7日付

李登輝氏が靖国参拝 戦死の実兄しのぶ
http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070607/wdi070607003.htm

 来日中の李登輝前台湾総統(84)は7日午前10時すぎ、亡兄の李登欽氏が「岩里武則」の日本名で合祀(ごうし)されている東京・九段の靖国神社を初参拝した。
 クリスチャンである李登輝氏は政治、歴史、宗教を切り離し、フィリピンで戦死した兄を持つ私人として、実兄の英霊に一礼した。
 李氏は到着殿から曾文恵夫人らを伴って内部に入り、靖国神社側によると「(本殿で)昇殿参拝をした。遺族として参拝された」という。また、同行した作家の曽野綾子さんによると、李氏は靖国側の指示に従い、おはらいを受けた後に本殿で一礼した。
 参拝には、日本側からは曽野さんの夫、三浦朱門さん、西村真悟・衆院議員らが同行。台湾側から台湾独立建国連盟の黄昭堂主席らが付き添った。
 李氏は参拝を前に宿泊先のホテルで記者会見し、「靖国神社に参ります。62年間、会ったことのない兄を靖国神社で合祀し、遺霊を守ってくれることに感謝してきます。これは個人的な立場であり、政治的にも歴史的にも(関連づけて)考えないでください」と目頭を押さえて、実兄を思う弟の気持ちを訴えた。

●産経新聞 平成19年6月9日付

「最高の来日だった」 台湾の李登輝前総統が会見
http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070609/chn070609001.htm

 先月30日から来日している台湾の李登輝前総統(84)は9日午前、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、「これまでの(来日で)最高でした。日本の皆様の支持のたまものです」と訪日実現に深く感謝した。
 一方、李氏の実兄が祀られる東京・九段の靖国神社への参拝が実現したことについて、「家族とともに兄の遺霊に冥福を祈ることができた。一生忘れられない」と満足そうに語った。
 中国外務省が不満を表明していることに関しては、「中国やコリア(韓国、北朝鮮)が(靖国問題を)歴史、政治問題として取り上げるのは、(国内問題を)自国内処理できないためだ」と指摘。その上で「批判される理由はなく、(戦争で)亡くなった若い人を祀ることは、当たり前のことだ」と激しい口調で訴えた。
 また中国の反発が外務省の報道官レベルにとどまったことに絡み、李氏は「(中国の)指導者は何も言っていない。(報道官が)騒いでいることを(メディアが)大きく取り上げるのは間違いだと思う」とも述べた。
 退任後の李氏の来日は、2001年、04年に続く3回目で、目的は学術・文化交流と念願だった松尾芭蕉の「奥の細道」をたどる私的な家族旅行。「政治活動はしない」という従来の枠組みは残ったが、22年ぶりに東京への立ち寄りを果たし、7日は靖国神社を個人として参拝した。講演や記者会見も初めて実現した。李氏は同日夕、中華航空機で帰台の途につく。
(2007/06/09 13:53)
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・拙稿「李登輝は『日本精神』の復興を訴えている」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion04b.htm
・拙稿「慰霊と靖国~日本人を結ぶ絆」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion08f.htm