ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

新刊「投資は米国債が一番」幻冬舎刊
「証券会社が売りたがらない米国債を買え」ダイヤモンド社刊
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回答編2

2011年10月07日 | 資産運用 


 私のブログのタイトルを今一度見てください。タイトルは

「ストレスフリーの資産運用」です。

そしてサブ・タイトルは

「リタイア世代の方に、ストレスフリーの資産運用を伝授します」とあります。

みなさんが資産運用でストレスを感じるのはたぶん
・損をするかもしれない時
・リスクを感じる時

ではないでしょうか。

損をしない代表的運用方法は、債券投資です。100で買ったものが100で返ってくるからです。

損をしないことと同時にリタイア世代の方にとって重要なのは、安定的なキャッシュフローを定期的に得ることです。債券は償還されるまで、金利は定期的収入としてしっかりともらうことができます。債券がフィクストインカムと呼ばれるゆえんです。

債券投資のリスクは、発行体がデフォルトをしてしまうこと。それを避けるには投資対象を国債などの超安全資産に限定することです。

ところが今の日本では肝心の国債のCDSスプレッドが155にも達してしまうほど、安全とは言えなくなっています。もっとも昨日は142に縮小し、ちょっと一息です。しかしこうしたことを繰り返すようでは、ストレスフリーの投資対象とは言えません。

そこで私のお薦めは、相変わらず世界が危機に陥っても必ず買われる米国債への投資ということになります。どうしても米国にリスクを感じるという方には、スーパーソブリン(国際機関)の発行する債券をお薦めします。

一方、わたしがこのブログを始めた頃にみなさんにお伝えしたことを思い出してください。それを途中からお読みいただいている方にもお知らせしますと、

「資産運用で一番大切なことは、流動性だ」

流動性と言うのは、資産の売却のしやすさです。売りたいときに市場に買い手が必ずいることが一番大切なことだ、と申し上げました。流動性の重要性は本当にそのときになってみないと実感がともなわないため、わかりません。でも危機的状況になってからでは時すでに遅し。流動性危機あるいは流動性の枯渇とは、買いの手が引っ込み、売るに売れない状態のことを指す言葉です。

つづく
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kmn)
2011-10-11 10:00:58
こんにちは。先週、書店で林さんの「米国債を買え」をなんとなく手にとって購入し、一気に読みました。「投資とはリスクをとるものという考えを捨てる」という言葉に、自分の考えを考え直してみようと思いました。本を読む数週間前にストレスフルだった投信を全て手放していたのですが、なるほどこれからはシンプルに米国債を買えばいいのだな、と思いました。
自分は34なので(少し投信についてかじった程度)、ゼロクーポンとかを検討していたのですが、証券会社を見てみたら本で載っているより今は利回りが良くないみたいですね。そうすると、豪ドル建の債券、ということになりますが、豪ドル建ての債券で豪国債以外はどれが安全でどれがよくないのか、ちょっと分からなくなりました。「スーパーソブリン」ということは、●●公社となっているもので格付けが良いものを選べばよいのでしょうか。
長々とすいません。
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kmnさんへ (林敬一)
2011-10-11 15:02:08
「米国債を買え」を購入いただき、ありがとうございます。

ストレスフルだった投信を丁度手放されたタイミングで、私の本を手に取られたんですね。

その前からゼロクーポン債を検討されていたとのこと、よく勉強をされていますね。

ご質問への回答ですが、ちょうど次回で触れる予定の内容でしたので、本文中で回答をさせていただきます。

あしからず
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