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悪魔皇帝プーチンの自己矛盾

2022年03月10日 | ロシアのウクライナ侵攻

  世界が一つとなってロシアに対抗しても、依然として悪魔皇帝プーチンはひるむどころかますます激しい攻撃を行っていますね。病院、幼稚園、学校などを爆撃するという信じられないほどの蛮行を行っています。

  彼の行動を精神異常かもしれないという分析がなされていますが、私はそうは思いません。これまでもロシア周辺のチェチェン侵攻、ジョージア紛争をはじめ一般人の虐殺や暗殺はむしろ彼の日常的得意技といえるほどです。今回も異常行動などではなく、いつものプーチンだと思います。

  なかでもチェチェン紛争は1次2次と続き、2次は1999年―2009年まで続く泥沼と化し、死者は少なくとも5万人から10万人と言われています。

 

  懲りないプーチンは今回「ウクライナの非武装と中立」を目指してはいますが、私に言わせれば矛盾もはなはだしい。というのは、もしウクライナを占拠するとすぐ隣はルーマニア、ポーランド、ハンガリー、モルドバなどのNATO諸国となり、これまではお隣さんでなかったNATO諸国に一気に接してしまうからです。

  この自己矛盾に対してプーチンは、ウクライナの中立化などと言ってはいますが、占領して現政権を追い出せば世界の誰もがロシア化されたとみなします。まさに隣に迫るNATOを自ら接近して作り出すという愚かな行為に見えるのです。

 

  一方でプーチンの支持基盤であるオリガルヒの反プーチン発言や行動が目立ってきました。2月9日付日経新聞はオリガルヒの逃避行動について以下のように書いています。長い記事のため、かいつまんで引用します。

 

日経新聞の記事のタイトルは「ロシア富裕層、国外逃避か」

「フライトレーダー24」がオリガルヒの国外逃避をとらえている。「フライトレーダー24」とは、世界中の飛行機の追尾をするシステム。航空機が出す「ADS-B」と呼ばれる空中衝突を回避するための信号を活用している。ADS-Bには世界中の航空機の位置情報、高度、管制官と交信する際に使う呼び出し符号(コールサイン)などが含まれる。その上このシステムは一般の人も見ることができるため、普段から世界中の航空マニアに利用されている。

プライベートジェットを所有できるのはオリガルヒなど超富裕層に限られる。このシステムが捕捉しているロシアのプライベートジェットが続々と海外に飛び立っており、その数はウクライナ侵攻の前後の比較では4割も増加している。

引用終わり

 

  身内であるはずのオリガルヒもプーチンの元から密かに去りつつあるようです。そして何人かのオリガルヒはプーチンを表立って非難し始めていて、その動きは今後反プーチンの大きなうねりを作り出す可能性を秘めているかもしれません。期待したいと思います。

 

コメント (6)
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