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台風一過の多摩川

2019年10月14日 | ニュース・コメント

  台風の悪いニュースがいっぱいのとき、うれしいニュースを流してくれました。 やりましたね、ニッポン!

  相手が死に物狂いで来る試合で見事に勝利。これであと何度かニッポンの試合を見ることができるのは、本当にうれしいかぎりです。ガンバレ、ニッポン!

 

今回も台風のお話です。

   台風の前の記事で私はこう書いていました。「きっと大型台風のため、思わぬところで思わぬ大災害になるのではないかと懸念されます」。どうやら今回それは台風の進路では全くない長野県の千曲川で起こったようです。私は毎年長野の野沢温泉スキー場に行くのですが、そのたびに千曲川沿いを運転します。千曲川はとても大きな川で、そのまま新潟県に入ると日本で一番大きな信濃川になります。千曲川では堤防が何か所も決壊し、激流が川沿いの家の下をえぐり、家が崩れ落ちる様子が映像でとらえられていました。この映像が私にはデジャブに思えました。それは昔多摩川で流された家々のことです。

   今回の台風で久々に東京と川崎の間を流れる多摩川が氾濫しました。1974年に多摩川沿いの狛江市の家が19軒も流された狛江洪水と呼ばれる洪水がありました。「岸辺のアルバム」というテレビドラマのネタになった洪水です。この時は家々が次々と流される様子やピアノなどの家具が流される映像がニュースで何度も流れ、今でも鮮明な記憶として残っています。その時不思議だったのは、多摩川のこんなに近くに家が立ち並ぶ場所があったのかということでした。

   最近私は多摩川沿いをニコタマから京王多摩川に向かってよくサイクリングするのですが、途中小田急線の和泉多摩川の鉄橋の手前あたりを通過する時に、「多摩川決壊の碑」と言うのを見つけました。そうかあの決壊箇所はここだったのかと思いをはせました。今は堤防の位置や住宅の位置が変わってしまったようですが、このモニュメントがその位置を特定してくれています。ドラマ「岸辺のアルバム」は、洪水で写真アルバムを無くして悲しむ人の家族が、その後崩壊していく過程を描いた悲しい話でした。

   今回の二子橋付近の氾濫では世田谷区側は、家屋やマンションや病院の床下や地下に浸水した程度でしたが、川崎市側は道路面から3mほど上まで浸水し、マンションの1階に住む人が亡くなっています。台風の翌朝気になったので家を出てまっすぐ多摩川方面に自転車で行ってみると、驚きの光景がありました。それは、多摩川自体はすでにだいぶ水位が低下しているのに、多摩川に合流する野川に多摩川の流れがいまだに逆流しているのです。ということは、前の日には大逆流が起こっていたことになります。中小河川が合流する地点にはもちろん堤防がないため、大きな河川の逆流は非常に危険だと思います。去年の岡山の真備町の大水害はその例でした。

  数年前この野川と多摩川の合流地点で大規模な河川改修工事をやっていましたが、それがきっと奏功して災害を防いだのだと思います。多摩川など一級河川にはすでにスーパー堤防が整備されつつありますが、中小河川の堤防は甘いと思われます。川崎市側の水害も小さな川のそばかもしれません。今後はそうした個所の補強が必要なのではないでしょうか。いや、その前にできれば河川の近くには住まないことが一番でしょうね。

 

  大型台風の影響は関東から東北地方への舞台を移して、今後まだまだ被害が拡がりそうでとても心配です。私が一週間前に行った千葉県の様子は、停電しているという以外、ニュースとしてはほとんど流れませんでした。でもそれはきっと「ニュースがないのはいいニュース」と考えることにします。

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