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秋田県大館市から十和田、奥入瀬渓流へ

2018年06月09日 | 旅行

 

  今回は5月下旬に初めて家内と秋田県を旅行した時の旅行記です。これまで大館空港からアッピのスキー場まで行ったことはあるのですが、県内の旅行は初めてです。といっても空港からレンタカーをして大館市内で秋田犬会館で犬たちに会い、秋田杉の曲げわっぱを郷土博物館で見学し、工房で製作体験をし、一泊しただけです。その後は十和田に向かい、十和田ホテル泊、そして青森県側の奥入瀬渓流ホテルに泊まるという旅行でした。このブログでは写真は貼らないので、もし写真をご覧になりたい方はフェースブックで「林敬一」を検索してください。公開していますので、どなたでもご覧いただけます。

  旅の最初はちょうどザギトワちゃんに送られて人気沸騰中の秋田犬に会いに行きました。秋田保存会の入る会館は血統書を出す権威あるところで、そこで4匹の犬たちに出会い、隣の城址公園を散歩する犬たちにも偶然出会うことができました。大館の街中でも散歩中の秋田犬をよく見かけました。

   秋田犬はけっこういろいろな色の犬がいますね。いわゆる赤毛、白、黒ブチなど、大きいけど人懐こくて、とてもかわいい犬たちでした。秋田犬保存会のHPに行くと、私たちの会った犬たちの写真があります。

   秋田犬のあとは、大館市郷土博物館で秋田杉の曲げわっぱの工芸品を見ました。名工たちの手による曲げわっぱは、とても見ごたえがありました。そのあと、今回の旅行の目的の一つ、曲げわっぱの製作体験です。体験工房で製作のまねごとをすることができました。体験工房では先生に教えてもらいながら制作したのですが、杉板を熱湯で煮て曲げるのはとても無理。その工程を終えたものに底板を取り付けたり、磨きの工程を体験しました。

  郷土博物館で見た作品の写真を先生に見せたところ、実は大半の作品は私たちが習った佐々木先生ご自身が製作したものであることが判明。工房の方が説明してくれたのですが、佐々木先生は「現代の名工」として国から表彰されている、名工中の名工だそうで、そんな方に教えていただけるとは恐れ多いことです。現代の名工は、様々な分野から毎年数名しか選ばれない、名工中の名工です。

   参考までに。製作した曲げわっぱは弁当箱やお重として適当なサイズのものですが、お店で購入すると一つ約1万円もします。それを先生に習いながら自分で作ると約2時間で一人5千円。実に割安な体験でした。自分たちで作ったお弁当箱、大事に使います。家で実際にお弁当を詰めていただくと、ごはんそのものがとてもおいしくいただけますね。秋田杉の香りと水分がほどよく保たれるからでしょう。

   大館でのランチは地元の比内鶏の親子丼をいただきました。大館市内は残念ながら地方にありがちなシャッター商店街でしたが、この「比内や」さんだけは大賑わいで、身のしまった鶏肉にとろけるような卵が乗せられ、とてもおいしい親子丼でした。比内鶏とは大館市比内町の特産で、実は「比内鶏」は天然記念物のため食べてはいけない、とある方から指摘を受けました。我々が食べているのは比内地鶏という食用にしてよい鶏だそうです。もう一つ、一緒に付いてきた漬物が、秋田県横手市あたりの名産「いぶりガッコ」。たくあんの燻製ですが、これまた香りがバッチリついていて、とてもおいしかったのでお土産にも買って帰りました。 

   そして秋田での夕食はもちろんキリタンポ。キリタンポって、タンポを切って鍋に入れるからキリタンポだって、知ってました?私はもちろん知りませんでした。地元で一番の有名店、元祖キリタンポ「むらさき」でいただきました。串に刺していないタンポを手でちぎって鍋に入れますが、とても大きくて、つぶの残ったお餅という感じでした。鍋にはもちろん比内地鶏が入り、あとは山菜ときのこだけ。鶏の出汁がよく出ていて、おいしくいただきました。

    大館市から樹海ラインという名の道路で山に入ると、「七滝」という道の駅があり、車を止めると道路の反対に「七滝」が見えました。道の駅からも直接見えて、里山にいきなり落ちるとても不思議な滝です。しかも滝の下には左から右へ流れる穏やかな渓流があって、滝は渓流に対して直角に落ちてきているのです。日本の滝100選にも入っている名滝だそうで、落差60m、七段になっているので七滝と呼ばれるそうです。道の駅から直接見える、不思議な滝でした。

   十和田湖を目指して峠を上り、湖の見える展望台に出ると、十和田湖の絶景を見ることができました。展望台の駐車場にはいまだに雪が残っていて、途中の峠道にも残雪がたくさんありました。5月の末なのに、雪深い地域なんですね。そういえば雪の深さで最近よく耳にする酸ヶ湯は秋田でしたね。

   十和田湖畔に出て初めに訪れたのは、秋田杉で作られたビジターセンターです。十和田湖の成り立ちを説明するジオラマやここに生息する動植物の説明があって、楽しく見学しました。 

  この日の宿泊は十和田湖で一番古い十和田湖ホテルです。秋田杉で作られた歴史を感じさせるホテルでした。建物自体が有形文化財に指定されています。

  このホテルの沿革をフロントの人に聞くと、おもしろいストーリーを教えてくれました。完成は昭和14年と古いのですが、実はまぼろしとなった昭和15年=1940年のオリンピックに合わせ、外国人観光客誘致のために秋田県が作ったというのです。運営は現在も椿山荘や小涌園を有する藤田観光にまかされていています。

   幻のオリンピックのことをネットで調べてみたら、興味ある事実を見つけました。一つはメイン会場が神宮外苑ではなく、現在の世田谷区の駒沢オリンピック公園だったそうです。64年のオリンピックではサッカーやホッケーの会場で、近くに住んでいたため学校からサッカーなどを見に行きました。もう一つの発見は、なんと同じ40年の冬のオリンピックも札幌で決まっていたんだそうですね、びっくりです。

  十和田ホテルの特徴は秋田県の象徴である秋田杉でできていることと、全室から十和田湖の絶景が見えることです。我々の部屋からも古めかしい窓枠の大きなガラスの向こうに森と湖の絶景が広がっていました。このホテル、お勧めです。食事はもちろん十和田湖を望む展望風呂も素晴らしく、ホテルから湖までの散歩道があって、朝の湖畔の散歩は最高でした。

  十和田湖をあとに、我々は旅のハイライトである奥入瀬渓流に向かいました。宿泊は星野リゾート奥入瀬渓流ホテルです。到着するとちょうどお昼時だったので、渓流に面したテラスで「渓流ランチ」をいただきました。旅にはベストシーズンの5月、毎日晴れていたので外でのランチにはもってこいでした。

  渓流テラスでのランチがとても気持ちよかったので、朝食も同じ場所を予約しておきました。 

  ランチ後は渓流散歩です。奥入瀬に行ったことのない方のために渓流散歩をちょっと案内します。私が日本で最も好きな散歩道かもしれません。渓流に沿った遊歩道はほぼ平坦で、十和田湖から発して奥入瀬渓流ホテルまで14kmもあります。車道とはセパレートされ安全な歩道になっていて、オゾンとイオンを思いきり吸いながら歩けます。

   歩き方のお勧めは、一日で全部は無理と心得て、3分の1から半分程度にして、のんびりと歩くことです。大事なのは往復すると飽きるので、片道はバスに乗ること。そして渓流に逆らって下流から上流に向かって、つまりホテルから十和田湖に向かって歩くべきです。なぜなら見どころである滝や急流は、下からでないといちいち振り返る必要があるからです。ここのベストシーズンは紅葉の季節ですが、その時期の散歩道は行列だそうです。我々は2度目なのですが、1度目は9月末、2度目は新緑の5月でどちらも平日のため空いていました。ホテルのシャトルバスで上流3分の1ほどのところにあるバス停、石ヶ戸(いしげど)まで行き、そこからさらに上流に向かって2時間ほど歩き、3分の2ほど上流にある雲井の滝まで行きました。

   宿泊した奥入瀬渓流ホテルは2つの棟に分かれていて、どちらのロビーにも岡本太郎の作った巨大ないろりがあり、大きなガラスの向こうに渓流と緑が見える素晴らしい演出で客を迎えてくれます。

    ミシュランの三ツ星の定義は、「料理を食べるだけのために、わざわざ旅行をする価値がある料理」だそうです。夕食はまさに定義に沿った、素晴らしい料理でした。あらかじめ宿泊に含まれているコース料理のみですが、個人の嗜好やアレルギーなどには十分に配慮してくれます。コース料理を少しだけ紹介させていただきます。

   まずは前菜が7種、プラスもう一品。それにメインの魚料理と肉料理。そしてデザートですが、なんとデザートだけでまた5種類。

   さすが星野リゾートだけあって料理もさることながら、サービスも完ぺきで、ウェイトレスの女性は約20種もある料理の素材から調理法・味付けのすべてをよどみなく説明し、質問にも的確に答えてくれました。  

  渓流テラスでのランチ、朝食を含め、料理だけのためにわざわざ青森県まで出かける価値があることを実感しました。もっともミシュランに青森版はないので、星のやですが星はついていません。

  以上、秋田と青森の旅行記でした。

  

コメント (2)
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