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大相撲、土俵の下の争いごとに違和感あり!

2017年12月26日 | ニュース・コメント

   このところの進展具合に大いなる違和感を感じていますので、一両日中に結論が出そうなタイミングですが、あえて一言申し上げます。私はたいした相撲ファンでもなく、相撲界を論じる資格などない人間であることを初めにことわっておきます。

  私の感じる違和感はマスコミのトーンと相撲協会の対応です。このところ被害者側の貴ノ岩の親方である貴乃花に関する批判が一段と強まっています。マスコミの指摘する問題点は、

1.巡業部長でありながら協会への報告義務を怠った、組織人としてあるまじき行為だ

2.今回の事件の責任者の一人でありながらダンマリ作戦に出て対世間も含め説明責任を果たしていない

これら二つに集約されます。

  それらは「全くもってそのとおり」と思われがちなのですが、しかしまてよ、そもそも報告義務は誰にあるのでしょう。

  事件の報告義務は事件当日その場に居合わせた力士連中、とりわけ横綱にこそあるのではないでしょうか。明らかにもみ消し工作に入っていた横綱連中こそ、報告義務を怠った当事者として最も非難されるべきです。これについては協会も軽微ながら罰を与えました。彼らは警察から事情聴取を受ける前に巡業中のことゆえ、巡業部長の貴乃花に報告をすべきだったのではないでしょうか。巡業部長には隠しておこうという明らかな隠ぺい工作があったのに、貴乃花ばかりを責めるのはおかしいのです。

  貴乃花に言わせれば、日馬富士を含めた当事者から報告を受けていないのに、どういう報告を協会にしたらよいのでしょう。マスコミはそうしたことをすっ飛ばし、貴乃花の協会に対する報告義務ばかりを責め立てる間違いを犯していると私は感じています。

  ついでに「組織人としてあるまじき行為だ」という非難ですが、彼はそもそも相撲協会の組織そのものを体質改善しようとしているのですから、この批判は的外れです。これらが違和感その1。

  その2、ダンマリ作戦で説明責任を果たしていないことについてです。これもまず当事者から報告を受けていない貴乃花は、何を説明したらよいのでしょう。できることは貴ノ岩からの報告だけで説明することですが、一方からの報告で説明するのは片手落ちだし危険です。なにしろ貴ノ岩と貴乃花は利害を共有する関係者なのでから片棒を担いでいると見られる恐れがあります。それに貴ノ岩以外の出席者全員が結託して口裏を合わせれば、どうとでもできる可能性があります。

  じゃ、何故貴ノ岩を物理的にもかくまって協会やマスコミから遮断し、自身もダンマリを続けたのか。

  ここからは推測でしかないのですが、まずは警察権力による信ぴょう性の高い事実確認調査を望んだことが理由でしょう。これはかなりの程度実現したとみることができます。

  そして二つ目は、公益財団法人になってからも古い体質を持ったままの相撲協会への批判でしょう。裁判沙汰に持ち込み、白黒をつけたかったのかもしれません。

  しかしきのうの協会との話合いや、それ以前の理事会での話で貴乃花は、

  「巡業部長としてやれることは全てやった」

と述べたと伝えられていますが、これについては逆に違和感を覚えます。

  一連の貴乃花の作戦は下手クソです。多くの相撲ファンは解決が長引く裁判沙汰など望んでいないし、早く晴れて初場所を楽しみたいと思っているファンが大半だと思われるからです。

  そもそも相撲の世界は長い歴史と伝統があり、格式を重んじる世界ですから、きっとわたしのような素人は知らない世界がいろいろあるのでしょう。

  私の勝手なマスコミと協会、そして貴乃花への批判でした。

明日以降の進展を楽しみに待ちましょう。

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