ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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XXX重要情報XXX  債券の益出し取引コストについて(クロス取引のスプレッド)

2015年09月01日 | H28年、証券税制変更のおまとめ情報

  平成28年の税制改正にからんで、みなさんから多くの情報が寄せられました。今後みなさんが見やすいように 「おまとめ情報」として、記事のカテゴリーを追加いたしましたので、ご利用ください。

  みなさんとの議論の中で、今年中に含み益のある債券の益出しをする場合、


1.売った債券をすぐに買い戻すことが可能か

2.その場合、売買のスプレッドはどれくらい取られるのか

という疑問については確実な結論には至っていませんでした。

  本日私は新たな情報を得ましたので、みなさんにお知らせいたします。私がアドバイスを差し上げているある投資家の方とN証券会社のセールス担当者のミーティングに同席しました。その席上、セールス担当が益出し取引の説明パンフレットを示したのです。パンフレットは私の手元にありますが「債券・公社債投信の税制が変わります」と題され、 具体的事例のQ&Aがあります。そのうち益出し取引の部分を以下に簡略化して引用します。

引用

Q; 保有している債券などに為替や価格上昇による含み益があります。税制変更前に取得価額を現状レベルにする方法はありますか?

A; 15年中に一度売却し、ただちに再買い付けする取引、いわゆる「クロス取引」を行う方法があります。この場合、再買い付けの取得価額が来年度からの特定口座組み入れに用いられます。ただしクロス取引を行った場合、売却と再買い付けのそれぞれにおいて価格が異なるため、差額費用が生じる場合があります。

引用終わり

  このN証券のパンフレットでは、これまで嫌がっていたクロス取引を正々堂々受けて立つという大きな変化が見られます。

  私から「差額はいくらくらいか?」という質問に対して、「0.1%です」とのこと。本当にそんなに小さなスプレッドなのかと質問すると、本部に確認の上返答いたしますとのことでしたがその後連絡があり、間違いなくスプレッドは0.1%とのことでした。

  スプレッドわずか0.1%であれば債券を長期保有する方にとってクロス取引をやらない手はない、ということだと思います。たとえ償還まで持ち切る場合でも、為替差益が多くなれば為替コストを上げることに大きなメリットがあるからです。

  私の情報は1社だけですので、他の証券会社に口座のある方は、是非確認されることをお薦めします。

以上、益出しクロス取引の情報でした。

 

コメント (23)
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