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八ヶ岳山麓の楽しみ

2015年04月30日 | 旅行

  八ヶ岳山麓への3日間ではなく、4日間の旅行から戻りました。

  今日の株式相場は大荒れですね。最近は日本株の上下動がNYに波及することが多くなっているため、ちょっと心配です。このブログをご覧のみなさんの多くは株式投資から足を洗われた方が多いので、経済指標やFRBの動きに一喜一憂することはあまりないと思います。しかしこのところアメリカ経済については第一四半期のGDPを始め弱めの指標が多いので、私なりのコメントを簡単にさせていただきます。

   経済は生き物ですから一方向はありえず、常に循環波動を繰り返します。私はいつも長期的にものを見ているため四半期の上下動にあまり反応はしません。今回の成長率は前期比年率でわずか0.2%と低成長でしたが、たとえマイナスであってもそれがリセッションの入り口だとは思いません。アメリカ経済の一番重要な数字は個人消費で、それはプラス1.9%でした。心配するほどの数字ではないと思います。

   アメリカがどれほど好調であっても、世界経済が低調であれば一国で全世界を引っ張ることはできません。アメリカ経済は構成比で言えば世界の22%程度ですので。そして一国だけ高成長を継続することもできません。世界の各国経済はより連携を強めているためです。このスローダウンは単なる短期の循環波動のため、株式市場だけが過剰に反応していますが、アメリカに不安を感じる必要は全くないというのが私のコメントです。

   この先もしアメリカの金利引き上げの時期が遅くなれば、金利上昇を期待されている方はじらされるかもしれませんが、逆にドル安が巡ってくれば円からドル転を狙っている方には朗報かもしれません。しかし為替は相手があるので、アメリカと日本の相対比較が重要です。

  Owlsさんが指摘されていたようにフィッチ・レーティングスが日本の格付けをA+から1ノッチ下げてAとしました。理由は「財政再建への懸念」です。今年度予算が史上最大予算となり、再建への意欲が全く見られないことに懸念を表明しました。フィッチ・レーティングスはムーディーズやS&Pより若干影響力は小さいものの、最近は注目度が高まっていますので侮れません。このダウングレード、日本ではわずかしか報道されず政府も無視していますが、世界の投資家の投資先の基準に一定の影響力を持っていますので、要注意です。例えば機関投資家によっては投資対象を「2社からダブルA以上を得ていること」などとしているためです。

 

  さて、旅行の話に移ります。この冬に息子とスキーで泊った八ヶ岳山麓の富士見高原にあるペンション・ラクーンを再訪しました。このペンション1,200mほどの高原にあり、私のお気に入りに登録されています。ペンションとはいえ設備やインテリアもしっかりとしているし、オーナーもとても感じがよく、そして何よりも料理が美味しいのです。比較的若いオーナーとその両親が協力しているため、余裕を持ったサービスが受けられるます。一般のペンション料金に若干のプラスで、オーベルジュ並みの料理が楽しめる、そこがお気に入りなのです。

   オーナーは料理をどこかで本格的に勉強したわけではなく、とにかく食べ歩きと創意工夫が大好きでここまで来てしまったと言っていました。フレンチ風の食事を出すのですが、四季折々新鮮な地元の食材を使い、味付けやソースなどその都度新たな工夫が加えられ楽しむことができます。食器類や料理のプレゼンテーションもなかなかのものがあります。

 

  今回の滞在中に家内と新たに試みたのはなんとパラグライダーです。パラシュートを付けて傾斜地から走って飛びあがり、空中散歩をするあのパラグライダーです。飛行機からの落下傘ではありませんよ、念のため(笑)。もちろん二人とも初めての経験なので、初心者コースに入りました。ペンションから車で3分ほどの富士見高原スキーで体験できます。先生におぶさって空中散歩をするタンデム・コースもあるのですが、我々は一人で飛び上がるコースを選びました。

  初めに健康保険証を示し「怪我をしてもすべて自己責任です」という誓約書にサインするところから始まりますので、ちょっと緊張します。実際にパラシュートを付ける前にまず5分ほどのビデオで、レッスンがどんなものかを見ることから始まります。すぐにパラシュートを持ってスキー場のゲレンデを100mほど上がったところでレッスン開始。体に背負い、両足にベルトをつけるハーネスと、パラシュートの扱いの基礎的なことを20分ほど習い、そのまま一人ずつ試験飛行に飛び立ちます。

   と言ってしまうと簡単ですが、実際も飛び立つまで20分ほどの簡単な講習でした。その日の天候は晴れで、生徒二人に先生と見習い先生の二人が付いて、懇切丁寧に教えてもらえたのがラッキーでした。

   大事なのは風を読むこと。でもこれは難しいので先生まかせです。斜面は10度ほどの穏やかな斜面でスキーでしたらなんなく滑ることができますが、なにせ空中に飛び立つので、恐がりだと足がすくんでしまう人もいるとのこと。例えていうなら、初めて自転車を習うのに平地で習うのではなく、いきなり下り傾斜で習うようなものです。実は平地で自転車を漕ぎだすよりもよほど簡単なのですが、それは後でわかること。最初は勇気がいりますよね。

   その日は丁度斜面を駆け上がる向かい風のため、絶好のコンディションでした。でもパラグライダーはとても微妙で、風速が3mから5mまでの間しかダメとのこと。微風では飛び立てないし、6mも風があるとパラシュートに体をもっていかれ後ろにひっくり返るのです。我々は初心者なので、よくテレビで見る崖から飛び降りるなんてことはできません。緩やかな斜面を駈け降りながら飛び立つのです。

   一回目の飛行は体に装着するハーネスというプロテクターを兼ねた装備品に先生が手を掛けていて、飛び上がっても離さずに一緒に走ってくれます。しかしこの生徒は大丈夫と判断されると2回目からは先生が手を離す単独飛行になります。

   その日の風は弱めだったので、飛び立つまでに風待ちがありました。そしてほどよい風だと先生が判断すると、パラシュートを付けたまま走りだし、すぐに飛びあがります。風がいいとほんの2・3歩ですぐに体が浮き上がってしまうほど簡単に飛び立て、すぐに浮遊感を味わうことができます。この浮遊感、まるで鳥になったような快感で、一度やったらやめられません。私は3度目の飛行では100mのほとんどを飛行することができ、大満足でした。家内も同じ様に恐いもの知らずのため空中浮遊を楽しむことができました。二人とも着地では一度もころぶことがなく、きれいに着地できたので、先生に褒めてもらいました。

 

  さて次の日は乗馬です。八ヶ岳山麓には日本でも有数の乗馬クラブがいくつかあるそうです。我々が行くのは八ヶ岳ロングライディングクラブと言い、馬場だけではなく高原の森の中での外乗ができるクラブで、実は今回が3度目です。森の中の乗馬はこれまた快感そのもの。東に八ヶ岳、西には南アルプスの甲斐駒ケ岳や北岳を望み、南には富士山も望める富士見高原ならではの景観の中のライディングです。

   このクラブのオーナーは日本でも有名な高取さんと言う方で、70歳で日本ロングライディング選手権で優勝をされた方です。ロングライディング競技は100kmを休みなく人馬一体で早さを競う過酷な競技ですが、それを70歳で優勝したとは驚きです。

   前の2回はその方にリードされ外乗をしたのですが、今回は若い女性の先生でした。20分ほど馬場で馬の扱いを復習。今回は並み足だけでなく、速足を練習しました。実は馬場での練習は我々が馬を扱う練習というより、馬が我々の腕前をチェックしているのだそうです(笑)。

   その日も天候は快晴で気温20度。森の中に入ると涼しさを感じ、速足で風を切るのがとても気持ちの良い日でした。2km四方ほどの森の中を、先生を先頭に3頭で並み足、速足で乗馬を1時間ほどゆっくりと楽しむことができました。

  以上、八ヶ岳山麓でのパラグライダーと乗馬の報告でした。

コメント (9)
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