ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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異次元緩和2周年記念とGenrechtさんの解説

2015年04月11日 | ニュース・コメント

  この2・3日、アレルギー性鼻炎がひどくてほとんど寝込み状態でした。スギとヒノキの両方に反応するため、連休明けくらいまで苦労しそうです。

  さて、クロちゃんの異次元緩和の花火が大々的に打ち上げられて丸2年が経過しました。クロちゃんはじめリフレ派の方々へ2周年記念のメッセージを差し上げたいと思います。

「2年で資金供給を2倍にして、2%のインフレを達成する」ハズでした。マネタリーベースは2年前に150兆円でしたが、それが今年の3月末で290兆円と見事達成し、ご同慶に堪えません。しかし誠に残念なそれら増加分の9割以上が御行の口座にブタ積みのままになっております。つまり世の中にオカネはまわっていません。そして物価は貴殿がどう言い訳しようと2%の上昇からは程遠いいままです。エネルギー価格がとおっしゃいますが、エネルギー価格の下落分を除いても、わずか0.5%程度の上昇にすぎません。リフレ派のご友人たちは早々に旗を降ろして降参していますが、貴殿だけは本土決戦に向けて強気の姿勢を崩していません。我々庶民は本土決戦など決して望まず、貴殿の降伏を祈るばかりです。以上

Genrechtさんへ
  楢橋さんへの詳細な解説コメント、ありがとうございました。私の気持ちになっていただいているとのこと、深く感謝いたします。個人の資産管理に関して、みなさんにとてもよい参考になると思い、追加の文とともに本文にて紹介させていただきます。特に基本行動の内容は詳細を極めています。すべて実行するのはちょっと大変な気もしますが、ご自分の考え方の中に取り入れられるものは是非取り入れて、今後の長期計画の見直しをしてみることをお薦めします。


引用
楢橋さんへ (Genrecht)2015-04-09 00:11:0630代、同志ですね!将来に不安を抱き、運よくこのブログに行き当たり、おめでとうございます(林さんの気持ちになってます(笑))。
一緒に、今後のことを考えていきましょう!


株の投資基準がてんでバラバラなように、為替や債券も、人によって投資基準は微妙に違うと思います。割高か割安かは、購買力平価からの乖離、歴史的節目その他、理論はいろいろあるかもしれませんが、「正解はひとつではない、あるいはわからない」のが実情でしょうか。
この林さんのブログを最低2周、最初はざっと、2周目以降は様々な本やインターネット上の情報を参照しつつフォローしていくことをお勧めします。これだけでも、かなりのブレインストーミングになるのではないでしょうか。
そして、ドルを持つことの意味をもう一度よくよく考えてみてください。


それは、このブログの読者にとっては、ほとんどの方にとって「日本の将来と日本円のリスクヘッジ目的」と思われ、「ストレスフリーに感じられること」だと思います。「利鞘を儲けたい」から投資するわけではない方が多いと思います。日本円に偏っているリスクに比べると、ドルも持ちリスク分散している方が、為替レートは動くものの安心ではありませんか?
私は、102円くらいで買い込んで、96円くらいで耐え切れずに「損切り」してしまった苦い前科があります。そのままずっと持っていたらどれほどよかったか!それ以来、考え方を変えて、「ドル資産にしてしまったものを円建てで考えてもしようがない、そこからゼロスタート」と開き直りました。


米国債を持つこともそうですが、米ドルを持つこと自体も、リスクヘッジ目的なら120円でも、たとえ130円になっても買えないことはない、「ここから将来的にストレスフリーに近い収益を得るのだから」と、ドルをあれ以来粛々と買い増してきて、今では確信できるくらいに思っています。「確信度」は意外に大切だと思います。
藤巻健史氏も、ドル資産を持つことをヘッジ目的で推奨していますが、「円高になったら、それは保険料だと思えばいい」と書いています。この発言は言い得て妙だと思っています。
この前の3月にも、121円でも買ってしまい、その後一時119円を割ってきましたが平然としています。
円高方向に戻ってくることは、むしろ、買い増せるチャンスです。今、1ドルが121円だったのが119円になったとしましょう。1000ドルは1000ドルのままです。でも、円預金の10万円は、ドル建てでは826.44ドルだったのが840.33ドルになりました。にっこり笑って、もう少し円からドルに換えてもいいのではないでしょうか。
為替変動(と金利と株価の変動)には私も不安でしたが、慣れの問題もあります。投資は慣れです(山崎元氏)。相場のウォッチは必要ですが、相場を読むのは基本的に危険と考えた方がよいと思います。
山崎元氏の、「株投資ではチャート分析による売買判断は間違い、有害」との教えは為替にも当てはまるのではないでしょうか。


基本行動は、
①家計のフローとストックをすべて洗い出す。家計簿をつける習慣を作る。貸借対照表を作る。
②FPが作るような、将来にわたるいわゆる「キャッシュフロー表」を作る。ある程度の将来を予測するためです。ネット上に雛形がたくさんあります。
③給料生活者は、何としてでも家計(フロー)を黒字に保つ。固定費等を見直す。毎月、どれくらいの貯蓄ができるかを見積もる。自動送金等、強制貯蓄を行う。
④ストックのうち、円とドルの割合を考える。円で確保しておくべき部分を例えば生活費1年分+教育資金等とし、残りをドルにするなど。
⑤フローのうち、円とドルの割合を考える。確実にわかっている円建ての将来純債務(子供の教育資金等)の積み立てを確保する(場合により保険も必要)。
⑥ ④⑤の一部で、投資を考える(米国債等でストックからキャッシュフローを生み出す)
⑦為替、日米金利、株価等の指標を定期的にチェックする
⑧引退後等、必要なときは勇気をもってとり崩す
 
④⑤⑥よりも、①②③をよほどしっかりするほうが個人の家計では大切です。1,000円の節約でも、そのキャッシュフロー生み出すためには金利1%であっても10万円のストックが必要です!
⑤では、私は「給料の一部をドルで貰っている」と考え、機械的にドルを毎月買っています。
⑥私は運よく収益が出たときは、米国債以外の積極的な投資(米国株等)も行っています。
そして、円建て、ドル建てともに、ストックもフローも増やしていくように努め、計算して実行することが、ストレスフリーへの道だと思っています。
参考になりましたでしょうか。

楢橋さんへ (Genrecht)2015-04-09 09:16:47蛇足です。
生活保護をもらっている人は、年金はもらえません。年金よりも生活保護は額が多いです。生活保護は、原則ストックもフローもない人でないと貰えないと思います。持ち家等、詳しくは勉強していませんが。頑張ったら働けそうな、フローが稼げそうな人には生保給付の可能性は低いと思います。
マイナンバー制で、生保不正受給や税逃れをなくしてもらって、少しでも日本財政にプラスしてもらいたいなぁと思う今日この頃です。焼け石に水でしょうが。
さらに言えば、若者の立場としては、年金基金は解散して再構築してもらいたいものです。
引用終わり


  私のブログを最低2周とのこと、驚くほどの熱心さで勉強していただいていることは、私としてもまことにうれしい限りです。今後も「ストレスフリーの資産運用」へのご協力をよろしくお願いいたします。

コメント (4)
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