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2013年からの資産運用 その15、 REITのはなし

2013年03月09日 | 2013年からの資産運用
 
  不動産の初めのお話は自宅についてでした。それをおさらいしますと、「ローンの残っていない自宅はそのまま保有を継続しなさい」というのが私のお薦めでした。

  もちろんこれはすべてのケースに当てはまるわけではありません。時々このブログにコメントをいただく「ななし」さんのように海外に移住を検討されたり、都会暮らしのRさんが田舎に引っ越す検討をされているのであれば、売却するのも選択肢の一つでしょう。

  しかしそうしたケースでも保有を継続しながら、というオプションもあります。

  例えばRさんが都会の家を貸すと20万円になり、海外や田舎のアパートを半分の10万円で借りられるなら、保有を続けて自分はコストの安い家を借り、こずかいを稼ぐことができるかもしれません。

  そして保有継続のもう一つのメリットは、もしアベチャンの政策が思うにまかせず円高とデフレが継続したとしても、売らないのですから現状に変化が起きないことです。

  海外で暮らしていれば円高のメリットを享受でき、田舎暮らしでもデフレだからといってさしたるデメリットはありません。都会で貸す家賃の下落が田舎暮らしの生活費の下落より早いことはあるかもしれませんが、さほど大きなリスクではないでしょう。それがリスクと感じたら、元の家に戻ればよいのです。

  ではここからREITの話に入ります。

  REITは Real Estate Investment Trust の略で、不動産に特化した会社型投資信託です。アメリカでは70年代の初めから税制の整備が行われたことでREITが開始され、すでに40年の歴史があります。もともとREITは株価の成長を主に期待するものではなく、分配金(配当)をエンジョイする投資対象です。

  分配金は投資家にとってコンスタントなキャッシュフローが得られるという意味では債券投資に似ている部分があります。アメリカのREITで採用されていた分配金のルールを日本でも真似ていて、REITは収益の9割以上を株主に分配することで法人税を払わなくて済むというメリットを得られます。

  次回はREITへの投資と普通の企業への投資を比較しますので、その違いをしっかりと理解してください。

  
コメント
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