前回は私が著書でお薦めした4つの投資対象に投資されている方に、そのまま継続保有をお薦めしました。
ではその4つの投資対象に
「これから新規投資をするのはどうか」
これが今回のテーマです。まずは長期の米国債からです。
1. 長期の米国債・・・対象を10年-30年のゼロクーポン債にします
円ドルレートの現状を83円に仮定し、年限別に円高にどこまで耐えられるか、ブレークイーブンの為替レートを計算しますとおよそ以下のようになります。
10年物 イールド1.6% 価格85%(償還時には100%) B/E 71円
20年物 イールド2.5% 価格60% 同 B/E 50円
30年物 イールド2.8% 価格43% 同 B/E 35円
上の例を説明します。例えば10年物の米国債を買うとします。
まずはドル建てでの計算です。
10年物米国債の年の利回りは現在1.6%程度です。10年後に100%で償還される債券がいま85%で買えるので、最後まで持ちきれば年率1.6%で回るということです。簡単に計算しますと、
償還まで持ちきれば100-85=15のリターンがありますので、投資額85に対する比率は、
15÷85=17.6%
10年で17.6%の累積リターンを年率に直すと利回りは1.6%だ、ということです。
ではそれを円建てで考えるとどうなるか。
10年後の円ドルレートが83円で現状と同じなら、利回りはドル建てと同じ年1.6%だったことになります。
しかし円高に振れていくと円ドルレートがどこまでいくと損失がでるのかが気になります。それを示したのが B/E の円ドルレートです。現状10年物で金利が1.6%ですから、10年後の円ドルレートが71円でトントンになります。
20年物では金利が2.5%なので50円でトントン、30年物で金利が2.8%なので35円でトントン、ということを最初のB/Eの数値は示しています。
金利がこんなに低くても、債券は長期では非常に強くて、円高耐久力があるのです。
このブレークイーブンの計算をやってくれるサイトを紹介します。半年ほど前にも紹介しましたが、表示形式が少し変わっています。大和証券のHPにある外債のページで、「外債ハイパーマップ」というところでシミュレーションできます。「見方」も解説があります。
ただし私の計算と違い、実際に在庫にある具体的債券を対象に計算しますので、ちょうど10年ではありません。むしろそちらのほうが現実的かもしれませんね。切りのいい年限の数値が知りたければ、私の計算を参考にしてください。ただし大和証券のサイトは数値をどんどん更新しますが、私の計算は円ドルレートや米国債金利が動いてしまうと違ってしまうので、注意してください。
さて問題は、このブレークイーブンの円ドルレートを見て、果たして投資する価値があるか否かです。
つづく