GWの最中は、とんでもない天候に翻弄された方も多いかと思います。私は最後の5月6日に御殿場でゴルフをしたのですが、8:30にスタートし幸い雨にも降られず最後の18番ホールまできました。
最終ホールは難しいパー5のホールで、ティーショット、2打目とナイスショットをして、グリーン手前70ヤードのところまで来ました。ところがそこでにわかに黒雲が立ち込め雷が鳴り始め、サイレンが鳴ったのです。サイレンは「すぐに雷よけの小屋に入れ」を意味します。同じパーティーの3人も「えー、あと5分もかかんないのに!」とぶつぶつ言いながらキャディーさんの指示でボールをそのままにして、避難小屋に逃げ込みました。
するとどうでしょう、1分も経たないうちに集中豪雨、それがあっという間に直径1cmほどのヒョウに変わり、目の前のグリーンは雪が積もったように真っ白です。誰かが「このヒョウの大きさがゴルフボールの大きさになったら、みんなの車はボコボコだね(笑)」。とても冗談じゃ済まないほどのひどい降りでした。避難してよかったー!
でもヒョウも3分ほどでストップし、うまい具合に雨に替わり、真っ白だったグリーンが雨に洗われて緑に戻りました。その雨もすぐにやみことなきを得ました。プレー再開までたった10分でしたが、映画の1シーンを見ているように荒天は通り過ぎました。まさかその間に関東では竜巻が襲っているとはツユ知らず・・・
では本題に戻ります。前回は、国の債務がバブルの状態になっているかの判断になりうる指標として、3つの項目を上げて説明しました。まとめてみますと、
1. 収入と利払い・・・企業で言えば黒字分の利益が、金利の支払いに対して何倍あるかという指標で、利益が金利支払い分の数倍はないと不安視されます。日本の財政は赤字なので、倍率は計れません。アメリカも赤字のため計測不能。
2. 収入と借金の大きさ・・・住宅ローンで言えば限度は収入の5-6倍。日本は税収の24倍なので、超バブルのレベルにある。アメリカは6倍程度。
3. 債務とGDPの比率・・・日本は220%とかつて戦後のデフォルト時237%だったレベルに近付いている。アメリカは110%。あと2年程度でかつてのデフォルトのレベルに達する。
国家の債務は株価のようにチャートで表すことができないため、見た目で簡単な判断をすることができません。でも上の3つの目安を使えば、およその判断ができます。私の債務バブルの判断は、以上のような数値を目安にしています。
さて、ここまで「投資にあたって、本当に肝心なことは何か」というテーマで、「バブルの臭いを嗅ぎ分けろ」というお話をさし上げてきました。
株はPERの倍数を指標として使い、チャートを見て、「東京タワーが立っていたらバブっている証拠だ」と申し上げました。株のお話では、アップルとバークシャー・ハサウェーを例にとり、「アップルはバブルの気配あり」と指摘しましたが、果たして今後どうなるでしょう。
そしてもう一つの指摘は、以下のとおりでした。
>例えば就職をする時でも、そこに何かバブルの匂いがしたらそれを避ける。ゲーム産業が破竹の勢いなら、決してそうした企業に就職してはいけません。消費者ローン会社と同じような運命をたどるのは目に見えているからです。
と書きました。その舌の根が乾かないうちに、なんとSNSゲーム産業の株は暴落しています。あんな子供を騙すたぐいのボロい儲けが続くわけがないのです。みなさんもゲーム産業のバブルぶりは気づかれていましたか?
バブルのお話しの最後は、「ハヤリものを見分けるクセをつけよう」というテーマです。これがある程度身につけば、相場で踊らされ続けて大損ばかり、ということも防げると思います。
世の中は「ハヤリもの」と、「ハヤラセもの」にあふれています。雑誌やネットの仕掛けによる「ハヤラセもの」にはみなさんも踊らされることはないでしょう。まだ流行ってもいないのに、「今年の流行はコレだ」というアレです(笑)。
しかしすでに周りでハヤリ始めている「ハヤリもの」には逆らえず、つい一緒に踊ってしまうことも多いかと思います。そしてハヤリものの中から出て「ホンマもん」は生き残り、いつのまにか定番として定着します。
相場観をつかむには、日常生活においてもこうした判断を自分なりにして、判断の目を鍛えることが必要です。これはハヤラセものか、ハヤリものか、はたまたホンマもんか。そうしたことを常に気を付けて見ることで目が鍛えられます。
日経新聞の先月の「私の履歴書」は、演出家の蜷川幸雄が書いていました。私はサラリーマン社長の履歴書は経団連の会長であろうが、全く読みません。波乱も万丈もないのでつまらないし、必ず「晴天の霹靂のように、突然社長を仰せつかった」(ウソだろうー)という決まり文句が書かれているからです(笑)。サラリーマン以外はけっこう読みます。蜷川幸雄のオヤジさんは、「電車は反対に乗れ」と子供時分の彼に言ったそうです。みんなと一緒にラッシュアワーの電車に乗るのではなく、反対に向かう空いた電車に乗れ、と。
わかっていてもそれを簡単にはできないのが人間です。しかしそれができなければ相場には決して勝てません。自分は反対行きの電車にとてもじゃないけど乗れない、と言う人は、「相場もん」には手を出さないことです。
つづく
最終ホールは難しいパー5のホールで、ティーショット、2打目とナイスショットをして、グリーン手前70ヤードのところまで来ました。ところがそこでにわかに黒雲が立ち込め雷が鳴り始め、サイレンが鳴ったのです。サイレンは「すぐに雷よけの小屋に入れ」を意味します。同じパーティーの3人も「えー、あと5分もかかんないのに!」とぶつぶつ言いながらキャディーさんの指示でボールをそのままにして、避難小屋に逃げ込みました。
するとどうでしょう、1分も経たないうちに集中豪雨、それがあっという間に直径1cmほどのヒョウに変わり、目の前のグリーンは雪が積もったように真っ白です。誰かが「このヒョウの大きさがゴルフボールの大きさになったら、みんなの車はボコボコだね(笑)」。とても冗談じゃ済まないほどのひどい降りでした。避難してよかったー!
でもヒョウも3分ほどでストップし、うまい具合に雨に替わり、真っ白だったグリーンが雨に洗われて緑に戻りました。その雨もすぐにやみことなきを得ました。プレー再開までたった10分でしたが、映画の1シーンを見ているように荒天は通り過ぎました。まさかその間に関東では竜巻が襲っているとはツユ知らず・・・
では本題に戻ります。前回は、国の債務がバブルの状態になっているかの判断になりうる指標として、3つの項目を上げて説明しました。まとめてみますと、
1. 収入と利払い・・・企業で言えば黒字分の利益が、金利の支払いに対して何倍あるかという指標で、利益が金利支払い分の数倍はないと不安視されます。日本の財政は赤字なので、倍率は計れません。アメリカも赤字のため計測不能。
2. 収入と借金の大きさ・・・住宅ローンで言えば限度は収入の5-6倍。日本は税収の24倍なので、超バブルのレベルにある。アメリカは6倍程度。
3. 債務とGDPの比率・・・日本は220%とかつて戦後のデフォルト時237%だったレベルに近付いている。アメリカは110%。あと2年程度でかつてのデフォルトのレベルに達する。
国家の債務は株価のようにチャートで表すことができないため、見た目で簡単な判断をすることができません。でも上の3つの目安を使えば、およその判断ができます。私の債務バブルの判断は、以上のような数値を目安にしています。
さて、ここまで「投資にあたって、本当に肝心なことは何か」というテーマで、「バブルの臭いを嗅ぎ分けろ」というお話をさし上げてきました。
株はPERの倍数を指標として使い、チャートを見て、「東京タワーが立っていたらバブっている証拠だ」と申し上げました。株のお話では、アップルとバークシャー・ハサウェーを例にとり、「アップルはバブルの気配あり」と指摘しましたが、果たして今後どうなるでしょう。
そしてもう一つの指摘は、以下のとおりでした。
>例えば就職をする時でも、そこに何かバブルの匂いがしたらそれを避ける。ゲーム産業が破竹の勢いなら、決してそうした企業に就職してはいけません。消費者ローン会社と同じような運命をたどるのは目に見えているからです。
と書きました。その舌の根が乾かないうちに、なんとSNSゲーム産業の株は暴落しています。あんな子供を騙すたぐいのボロい儲けが続くわけがないのです。みなさんもゲーム産業のバブルぶりは気づかれていましたか?
バブルのお話しの最後は、「ハヤリものを見分けるクセをつけよう」というテーマです。これがある程度身につけば、相場で踊らされ続けて大損ばかり、ということも防げると思います。
世の中は「ハヤリもの」と、「ハヤラセもの」にあふれています。雑誌やネットの仕掛けによる「ハヤラセもの」にはみなさんも踊らされることはないでしょう。まだ流行ってもいないのに、「今年の流行はコレだ」というアレです(笑)。
しかしすでに周りでハヤリ始めている「ハヤリもの」には逆らえず、つい一緒に踊ってしまうことも多いかと思います。そしてハヤリものの中から出て「ホンマもん」は生き残り、いつのまにか定番として定着します。
相場観をつかむには、日常生活においてもこうした判断を自分なりにして、判断の目を鍛えることが必要です。これはハヤラセものか、ハヤリものか、はたまたホンマもんか。そうしたことを常に気を付けて見ることで目が鍛えられます。
日経新聞の先月の「私の履歴書」は、演出家の蜷川幸雄が書いていました。私はサラリーマン社長の履歴書は経団連の会長であろうが、全く読みません。波乱も万丈もないのでつまらないし、必ず「晴天の霹靂のように、突然社長を仰せつかった」(ウソだろうー)という決まり文句が書かれているからです(笑)。サラリーマン以外はけっこう読みます。蜷川幸雄のオヤジさんは、「電車は反対に乗れ」と子供時分の彼に言ったそうです。みんなと一緒にラッシュアワーの電車に乗るのではなく、反対に向かう空いた電車に乗れ、と。
わかっていてもそれを簡単にはできないのが人間です。しかしそれができなければ相場には決して勝てません。自分は反対行きの電車にとてもじゃないけど乗れない、と言う人は、「相場もん」には手を出さないことです。
つづく