ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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円高トラップに嵌まり込む日本  26.じゃ、どうしたらいいの? その⑨

2012年03月26日 | 資産運用 

  前回お約束した「投資にあたって、本当に肝心なことは何か」についてのお話です。
  
  『必勝法』ではない
ことを最初に申し上げておきます。そんなものは世の中にはありません。賢い投資家はそれがないことくらい心得ているはずです。そうしたことの書いてある本やブログは、だいたいがとるにたらないシロモノです。それでも世の中には必勝法の本があふれています。

・パチンコ必勝法
・株式必勝法
・FX必勝法
・宝くじ必勝法
・人生の必勝法(笑)

「何故こうした本が書かれ、売られているのか?」
答え;なかなか勝てないからです(笑)


そして、

「何故債券必勝法の本がないのか?」
答え;誰でも勝てるからです(爆笑)


  まじめな話に戻ります。私がみなさんにおしらせしたい投資で肝心な事とは、

「バブルの匂いを嗅ぎわけろ」

ということです。

「なーんだ、そんなことか」

という声が聞こえそうです。でもこの匂いを嗅ぎわけることができなければ、いつまでたっても相場に踊らされるだけで終わってしまいます。

  昨年の3月にブログを開始して以来ここまで私は債券の世界についてみなさんにいろいろな情報をさし上げてきました。みなさんは債券を投資対象の一つとして勉強されたことと思います。しかしこの時代の債券は、もっと大きな好ましくない活躍をしています。

それは何か?

  債券はこの数年来、そしてきっと今後の数年も、世界を震撼させる大災害の震源地だ、ということです。05年くらいから盛んになったサブプライム・ローンの証券化商品はバブルとなり崩壊し、世界を震撼させました。10年くらいからはギリシャ国債に端を発したユーロの問題が世界を震撼させています。それらの震源地はいずれもバブルとして膨らんだ「債券」です。そのバブルの匂いをかぎわけろ、というわけです。


  何故債券が世界を震撼させるまでに膨張し、破裂してしまうのか?

  債務がただの単純なローンであれば、サブプライムであろうが国の借金であろうが大したことにはならないのです。例えばサブプライム・ローンだと、銀行が腹いっぱいローンを出してしまえばハイそれまでで、それ以上には出せません。ところがそれを銀行がリーマンのような投資銀行に売却してお金を手に入れると、またローンが出せます。投資銀行はローンを証券化、つまり債券の形にするとことで広く世界の投資家に売ることができます。投資家も債券なら簡単に転売ができるので、容易に投資に踏み切れるのです。
  
  国家も債券の発行で資金調達ができると、銀行から借りるよりはるかに簡単、かつ大量に借入が可能になります。

  発行する側も投資する側も、簡便であるがゆえに債券はローン債務よりはるかに膨張しやすい性質を持っています。

つづく
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