このブログでは、CDSスプレッドについて折に触れてアップデートをするとお約束しています。今回は国別CDSの最新の動向をお伝えします。
ヨーロッパのCDSスプレッドは、AAAの格付けを持つフランスがかなり上昇し、200bpを超えて危険水域に入っています。(5年のフランス国債のデフォルトに対して保険を掛けると、毎年2%も必要だという意味です)
日本のCDSスプレッドは10月の初旬、ギリシャ危機の真っただ中に150台でピークをつけましたが、最近は110台で落ち着いた動きになっています。国別の数値を10月4日、11月18日、米国の債務削減合意ができなかった21日で比較します。
10月4日 11月18日 11月21日
日本 155 116 117
米国 53 48 50
英国 102 91 93
ドイツ 116 94 98
フランス 199 222 234
イタリー 488 529 539
米国は春先の水準からほとんど変わらず、デフォルト騒ぎのあった夏も、ギリシャ悲劇の秋も、びくともせずに低位安定です。将来の財政赤字削減を目指す議会の合意形成が不調に終わっても、さしたる変化はしていません。8月のデフォルト騒ぎのときにも書きましたが、株や為替の相場は参加者が多く、マスコミの雑音も反映される恐れがありますが、債券やCDSスプレッドの動きは投資のプロの見方をもっとも反映していると思われます。
ヨーロッパではユーロの盟主ドイツも、日本がピークを付けた10月初旬に110台に上昇したものの、このところは不肖の子分達の無心にもめげず堅調です。そして問題のイタリーとそれに続くフランスは、スプレッドの拡大が継続しています。フランスは200を超えてきていますが、格付がAAAであっても、このレベルは要注意ゾーンです。
今後も折にふれて、CDS市場を見ていきます。