遂に念願の書評が出ました。
資産運用の世界で私が間違いなくこの方が日本の第一人者だと思い尊敬している山崎元氏が、週刊ダイヤモンド誌上で氏のコラムのフルページを使って、「米国債を買え」の書評を書いてくれました。それも極めて好意的な書評で、私としては光栄の至りです。
ダイヤモンド誌はオンラインサイトでも山崎氏のコラムを解放していますので、本屋さんで立ち読みはしなくて済みます。
そしてもちろんこのブログの読者の方には、以下にコピペし、トラックバックも付けますので、是非お読みください。
http://diamond.jp/articles/-/14544
注意;筆者(山崎氏)と著者(林敬一)という言葉が輻輳しますので、ご注意ください。勝手ながら著者は太字にして判別しやすくしてあります。
それと褒め言葉もついでに太字にしました(笑)
<引用>
タイトル;「米国債券で投資の基礎を固める」
結論に全面的に賛成するわけではないが、読んでよかったと、他人にも薦めたい本がある。林敬一著『証券会社が売りたがらない米国債を買え!』(ダイヤモンド社)。特に、高齢のお金持ちにお薦めしたい。
この本は、かつてソロモン・ブラザーズで債券を扱っていた著者が、米国債を題材に投資と債券の基礎をわかりやすく語った良著だ。
債券の解説として はデュレーションまで踏み込まない絶妙のレベルで、数学に伴う苦痛をほとんど感じることなく、投資において大切な心得のざっと8割が印象的に頭に入るよう に構成されている。
まず、筆者がこの本の結論のどこに不賛成かをはっきりさせておこう。この本は、ストレスのない有利な資金運用法として通常の利付き債ないしはゼロ クーポンの米国債に投資することを勧める。米国はたぶん破綻しないし、金利差があれば長期では為替リスクが十分吸収できるだろうというのが著者の見立てだ が、筆者は、政府というものは米国であってもそんなに信用できるものだとは思っていない。為替レートの長期の変動が「意外なほど大きくなる」ことは十分あ りうると思う。ブラック・スワンが為替市場にも飛来する可能性は十分あるのではないか。
また、日本人の稼ぎを国債(公務員)や社債(民間サラリーマン)にたとえる比喩は秀逸だが、キャッシュフローにはライアビリティ(負債)もあるので、リスクも考えなければならない。
これらのことを考えると、単一通貨、米ドルのリスクに集中投資(より正確には集中投機)するのは気が進まない。いざというときの「流動性」の重要 性は、著者が説くとおりであり、現在、米国債こそが資産の王であることを認めるにやぶさかではないが、筆者は、「絶対を信じる集中」よりも「疑いに基づく 分散投資」を取りたいと思う。また、為替のヘッジはぜひ考えたい。
論理と算術で考える限り、分散投資の優位は動かないはずだ。ただ、分散投資は地味だし、この本が語るようなシンプルさの魅力に欠けるうらみがある。
投資家は米国債に何を学ぶべきか。第一に大きいのは、手数料の影響だろう。米国債は、為替の手数料こそ1ドル当たり25銭程度かかるものの、20 年、30年と保有し続けても、投資信託の信託報酬のようなムダなコストを払う必要がない。しかも、米国債は、おカネが必要になれば1000ドル単位でいつ でも換金することができる。
著者は投信を「ショバ代を取られ続けるバクチ」とし、毎月分配型投信は「これだけは買ってはいけないリスト」の筆頭に挙げたいと述べるが、まった くそのとおりだ。ETFを含むインデックスファンドの中に、少数の「許せるショバ代のバクチ」があるように筆者は思うが、対面営業の証券会社や銀行が売る 大半の投信は、著者が言うように「論外!」の商品だ。
著者の林氏は外資系証券に勤務されたご経験がある。おそらくは、「悪いやつ」を具体的によくご存知であるがゆえに、EB債(他社株転換債)や仕組 み預金のような詐欺的商品に厳しい。読者には、ぜひ、立ち読みでもいいので、166ページの「これだけは許せない! 買ってはいけないEB債」というコラ ムを読んでほしい。林氏の良心が伝わってくる。
加えて、金(新しい価値を生まない)や不動産(流動性に疑問)が資産運用にあって、なぜ不適切なのかという点についても、この本はわかりやすく教えてくれる。
広くお薦めしたい一冊である。
<引用終わり>
ということで、あの厳しい評論で名高い山崎氏のコラムで、これだけ褒め言葉が連続するのは驚くばかりです。
感謝、感激、感涙!
驚くことに、山崎氏には行間をすべて読んでいただいています。それは、
1.タイトル。「米国債券で投資の基礎を固める」これが今後の資産運用では一番重要なポイントだと私も思います。
2.冒頭にある「特に、高齢のお金持ちにお薦めしたい。」
内輪の話をしますと、実は本に私が付けたオリジナルタイトルは、「ストレスフリーの資産運用」、サブタイトルは「リタイアしたらトレジャリー・アイランド(米国債の島)で寝て暮らそう」。つまりもともとリタイアした方に向けた本でした。それをダイヤモンド社の編集者が、「折角なので、もっと広い層に向けて発信しましょう」ということとで、若い方向けの内容を書き加えたのです。
山崎氏はそれをお見通しですね。恐れ入りました(ペコ)
ブログの読者の方とともに、この喜びを分かち合いたいと思います。
資産運用の世界で私が間違いなくこの方が日本の第一人者だと思い尊敬している山崎元氏が、週刊ダイヤモンド誌上で氏のコラムのフルページを使って、「米国債を買え」の書評を書いてくれました。それも極めて好意的な書評で、私としては光栄の至りです。
ダイヤモンド誌はオンラインサイトでも山崎氏のコラムを解放していますので、本屋さんで立ち読みはしなくて済みます。
そしてもちろんこのブログの読者の方には、以下にコピペし、トラックバックも付けますので、是非お読みください。
http://diamond.jp/articles/-/14544
注意;筆者(山崎氏)と著者(林敬一)という言葉が輻輳しますので、ご注意ください。勝手ながら著者は太字にして判別しやすくしてあります。
それと褒め言葉もついでに太字にしました(笑)
<引用>
タイトル;「米国債券で投資の基礎を固める」
結論に全面的に賛成するわけではないが、読んでよかったと、他人にも薦めたい本がある。林敬一著『証券会社が売りたがらない米国債を買え!』(ダイヤモンド社)。特に、高齢のお金持ちにお薦めしたい。
この本は、かつてソロモン・ブラザーズで債券を扱っていた著者が、米国債を題材に投資と債券の基礎をわかりやすく語った良著だ。
債券の解説として はデュレーションまで踏み込まない絶妙のレベルで、数学に伴う苦痛をほとんど感じることなく、投資において大切な心得のざっと8割が印象的に頭に入るよう に構成されている。
まず、筆者がこの本の結論のどこに不賛成かをはっきりさせておこう。この本は、ストレスのない有利な資金運用法として通常の利付き債ないしはゼロ クーポンの米国債に投資することを勧める。米国はたぶん破綻しないし、金利差があれば長期では為替リスクが十分吸収できるだろうというのが著者の見立てだ が、筆者は、政府というものは米国であってもそんなに信用できるものだとは思っていない。為替レートの長期の変動が「意外なほど大きくなる」ことは十分あ りうると思う。ブラック・スワンが為替市場にも飛来する可能性は十分あるのではないか。
また、日本人の稼ぎを国債(公務員)や社債(民間サラリーマン)にたとえる比喩は秀逸だが、キャッシュフローにはライアビリティ(負債)もあるので、リスクも考えなければならない。
これらのことを考えると、単一通貨、米ドルのリスクに集中投資(より正確には集中投機)するのは気が進まない。いざというときの「流動性」の重要 性は、著者が説くとおりであり、現在、米国債こそが資産の王であることを認めるにやぶさかではないが、筆者は、「絶対を信じる集中」よりも「疑いに基づく 分散投資」を取りたいと思う。また、為替のヘッジはぜひ考えたい。
論理と算術で考える限り、分散投資の優位は動かないはずだ。ただ、分散投資は地味だし、この本が語るようなシンプルさの魅力に欠けるうらみがある。
投資家は米国債に何を学ぶべきか。第一に大きいのは、手数料の影響だろう。米国債は、為替の手数料こそ1ドル当たり25銭程度かかるものの、20 年、30年と保有し続けても、投資信託の信託報酬のようなムダなコストを払う必要がない。しかも、米国債は、おカネが必要になれば1000ドル単位でいつ でも換金することができる。
著者は投信を「ショバ代を取られ続けるバクチ」とし、毎月分配型投信は「これだけは買ってはいけないリスト」の筆頭に挙げたいと述べるが、まった くそのとおりだ。ETFを含むインデックスファンドの中に、少数の「許せるショバ代のバクチ」があるように筆者は思うが、対面営業の証券会社や銀行が売る 大半の投信は、著者が言うように「論外!」の商品だ。
著者の林氏は外資系証券に勤務されたご経験がある。おそらくは、「悪いやつ」を具体的によくご存知であるがゆえに、EB債(他社株転換債)や仕組 み預金のような詐欺的商品に厳しい。読者には、ぜひ、立ち読みでもいいので、166ページの「これだけは許せない! 買ってはいけないEB債」というコラ ムを読んでほしい。林氏の良心が伝わってくる。
加えて、金(新しい価値を生まない)や不動産(流動性に疑問)が資産運用にあって、なぜ不適切なのかという点についても、この本はわかりやすく教えてくれる。
広くお薦めしたい一冊である。
<引用終わり>
ということで、あの厳しい評論で名高い山崎氏のコラムで、これだけ褒め言葉が連続するのは驚くばかりです。
感謝、感激、感涙!
驚くことに、山崎氏には行間をすべて読んでいただいています。それは、
1.タイトル。「米国債券で投資の基礎を固める」これが今後の資産運用では一番重要なポイントだと私も思います。
2.冒頭にある「特に、高齢のお金持ちにお薦めしたい。」
内輪の話をしますと、実は本に私が付けたオリジナルタイトルは、「ストレスフリーの資産運用」、サブタイトルは「リタイアしたらトレジャリー・アイランド(米国債の島)で寝て暮らそう」。つまりもともとリタイアした方に向けた本でした。それをダイヤモンド社の編集者が、「折角なので、もっと広い層に向けて発信しましょう」ということとで、若い方向けの内容を書き加えたのです。
山崎氏はそれをお見通しですね。恐れ入りました(ペコ)
ブログの読者の方とともに、この喜びを分かち合いたいと思います。