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新型コロナウイルス治療薬の現状、Puffinさんによる解説

2020年05月13日 | コロナショック

  いまだ先の見えないコロナウイルスとの戦いが続いています。治療薬さえあれば、これほど深刻に受け留めなくても済みますし、緊急事態宣言により多くの方が多大な経済的悪影響を受け続けることもないと思います。

  しかし一方、治療薬の開発は日々実用化に向けて進んでいるようです。7日に緊急承認された重症者用と言われるレムデシベルや、日本発として注目されているアビガンについてなど、Puffinさんがサイバーサロンというクローズドなネット上のサロンに投稿されました。その情報を、私のブログで公開すること許可してくださいましたので、早速みなさまにお知らせしたいと思います。ブログでの公開を前提にしたものではなかったため、難しい用語を含む解説ですが、どうぞしっかりとお読みいただき、ご質問などあれば私でなくPuffinさんにお願いしたいと思います(笑)。

 

新型コロナウイルス治療薬の進展状況

レムデシビル(ベクルリー)が本邦でも承認されました。
最近色々脚光を浴びる形となっている両薬剤について、まとめてみました。

  ファビピラビル(アビガン)は、本邦の富山大学医学部の白木公康教授と富士フィルム傘下の富山化学工業が共同研究して開発し、2014年に承認認可を受けた、抗インフルエンザ治療薬です。
体内に投与されると化学変化して作用発現する「プロドラッグ」で、RNAウイルスが生体細胞内で自己のRNAを複製する際に働くRNAポリメラーゼ(RNA複製酵素)作用を阻害させます。
RNAを構成する4種類の核酸のうちのアデノシン及びグアノシンと類似した構造を持つことにより、RNA複製酵素に誤認させて取り込まれますが、紛い物のため、取り込まれた部位以降のRNA鎖の伸長を阻害する伸長阻止薬として作用します。


インフルエンザウイルスのみならず、同じRNAウイルスであるエボラ出血熱やノロウイルス、ウエストナイル熱ウイルス、黄熱ウイルスなどにも効果があると考えられ、今回の新型コロナウイルスに対しても現在治験が行われている。中間報告では、無症状もしくは軽症例への投与では、1例も死への転帰を辿った症例がなく全例完解したとの報告がありました。

インフルエンザ治療薬としては認められていますが、胎児への催奇形性の副作用があることや、他剤での治癒不能例への最終兵器として使いたい、という日本政府の意向により、薬価収録されていないため、市場に出回ることはなく、政府が認めた場合にのみ製造が許可される限定条件が付けられています。更には、中国企業が特許ライセンス契約を締結しておりましたが、2019年に物質特許が失効したのち、まだ残る製造特許には抵触しない形で中国においてジェネリック薬が製造されるようになっています。



レムデシビル(ベクルリー)は、米国にて希少疾患専門の治療薬を開発しているギリアド社がエボラ出血熱治療薬として開発途中の薬剤です。
この薬剤については、ギリアド社はその詳しい作用機序などは開発途中であることを理由に開示しておりません。現在は第3層治験中で、それまでに判明している結果などから、やはりRNA複製酵素の作用を阻害するもの、と推測されています。


4月29日に世界68施設での重症COVID-19患者に対する臨床試験の予備的解析結果が発表され、主要評価項目の回復までの期間はプラセボ群15日に対してレムデシビル群11日、副次的評価項目の患者死亡率はプラセボ群11.6%に対してレムデシビル群8.0%と発表され、一般紙などの報道では注目が集まりました。

しかし、統計学的有意差が認められたのは、回復までの期間のみで、死亡率には有意差は認められておらず、さらに同日「Lanset誌」において発表された中国での重症新型コロナウイルス患者への投与試験結果では、症状改善効果に有意差なし、という結果が出ております。

こうしたRNA複製酵素阻害薬は、ウイルスの「増殖」を抑えるもので、すでに増えてしまったウイルスを破壊する効果はありません。従って、病状が進行した重症例では劇的効果を期待するのは早計です。無生物であるウイルスは生きてはいないので「殺す」こともできず、自己免疫力で一つ一つ破壊していくしか治癒するすべがありません。両剤とも、感染初期や軽症例での効果には十分期待が持てるので、こうした治療の選択肢が増えることを祈念しております。

ここまでがPuffinさんの最初の投稿で、その後にいただいた追加の投稿も以下に転記させていただきます。


特にレムデシビルについてはマスコミでは期待先行ですが、冷静に適応症例を選んでの投与をしないと現場が混乱してしまうと思います。なお、レムデシビルは点滴投与、アビガンは内服投与の薬です。

また、既に30年くらい前から「急性膵炎」や「汎発性血管内血液凝固症(DIC)」の治
療に使われていたナファモスタット(商品名フサン)という蛋白質分解酵素阻害薬がありますが、こちらが、ウイルスが人間の細胞内に侵入する過程の「膜融合」を阻止する効果が報告されており、侵入後のRNA複製を阻害するアビガンと併用する治験も始まったようです。フサンも、日本の鳥居薬品が開発した薬で点滴投与する薬です。既に市場では、備蓄に走った病院が多く、品薄状態となっています。

Puffinさんからの情報は以上です。

 

  コロナウイルスによる影響が果たしてどこまで続くのかとても懸念されます。その中でこうした薬剤がしっかりと効果を発揮し、一般に普及し、コロナ感染がインフルエンザ感染並みになってくれることを期待したいと思います。

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コロナウイルスを巡る偽情報

2020年05月11日 | コロナショック

  ブログの更新を忙しさにかまけ、ちょっとさぼり気味でしたが、また復活いたします。

  この3~4か月ほどの間に、みなさんのもとにも様々な怪しげな情報が飛びこんできたと思います。5月4日付の日経新聞ニュースを引用します。タイトル「有害デマ 視聴1億回超 新型コロナ、止まらぬ情報汚染」

引用 デマの例

「水蒸気を5分吸うと、ウイルスが不活性化される」(スペイン)

「靴を屋外に置くべきだ」(クロアチアなど)

「酢と塩の入ったぬるま湯うがいが効く」(トルコなど)

ファクトチェック団体のファクトチェック・イニシアティブ(東京・千代田)によると、世界各地で新型コロナウイルスを巡る真偽不明のネット情報が観測されている。いずれもSNS(交流サイト)が主な発信源だ。

引用終わり

  その他、2月頃に拡散されたかわいいものでは、「今回の武漢ウイルスは耐熱性がなく、26-27度の温度で死にます。 そのため、お湯をたくさん飲む、お湯を飲ませれば予防になります」。というものがありました。だったら人間の体温で何故死なないのだ!

  こうしたかわいいウソなら無視できます。私のところに来たメールは、NYのマウントサイナイ病院発情報として、「コロナウイルスの解説と予防法」というのがありました。マウントサイナイ病院は、NYで最も権威のある病院で、いまでも毎日のニュースで発表される世界の感染者数・死者数などを集計し発表している病院です。内容的には大きな問題はないのですが、この文書について病院側は、「そのようなものを発表したことはない」とはっきりHP上で表明しています。

   かわいいものや内容にあまりウソのないものであれば、さほど影響力もないのでスルーすれば済みますが、私が参加しているクローズドなサイバーサロンでは、大学の名誉教授という名も権威もある方が、間違った理論をもとにセンセーショナルな数字を発表し問題になっています。

  その理論、統計学に明るくない一般の方にはとても説得力があり、信じてしまうのも無理はないという内容です。しかも名誉教授は間違いを指摘されても、絶対に正しいと信じているため、ガンとして訂正などしないのです。内容は、5月初めの時点で、「もし今アメリカで感染すると致死予測率は28.5%、3-4人に1人は死ぬ。日本で感染すると13.4%で、7-8人に1人は死ぬ」というものです。実にセンセーショナルで、本当なら世界がひっくり返るほどの大事です。内容をその方の投稿からかいつまんで引用します。

 

部分引用

医学の分野で伝統的に用いられている「致命率」は、「ある時点」の「死亡者数」の「感染確認者数」に対する割合です。

「5月2日」に世界の感染者は「3,386,519人」で死亡者は「240,654人」ですから、致命率は「7.1パーセント」です。(*240,654人/3,386,519人x100=7.106235)

この致命率は、疫病の流行の全体の中で、幾らの人が死亡しているかを「ある時点」で把握するものです。しかし、その分母の「感染確認者数」には、これから死亡する人数が含まれていますから、油断ならぬ数値です。たとえば、流行の初期に感染者だけがいて未だ死亡者がいない時点での致命率 CFRは「0パーセント」ですね。

最初 WHOは、武漢の数値から「致命率はおよそ2パーセント」などと公表していました。その後だんだん増え続けて現在「7.1パーセント」になっているわけです。私の「致命予測率」の定義はそれとは異なっています。

私の定義は「死亡者数」の「死亡者数と回復者数との合計数」に対する割合です。これは「私が感染確認者になると、どれくらいの割合で私が死ぬか」という致命予測率です。

4月30日に世界の死亡者は「240,654人」、回復者数は「1,063,521人」ですから、その合計数は 「1,304,175人」です。

よって、私の定義では、致命予測率「18.5パーセント」です。

残りの感染確認者は、この「18.5パーセント」でこれから生きるか死ぬかが振り分けられるに相違ないという割合です。

日本は、検査数152,029人、感染者14,305人、死亡者455人、回復者 2,975人ですから、致命率は 3.2パーセント、致命予測率は 13.4パーセントです。日本ではいったん感染すると 7~8人に1人は死ぬという予測です。

アメリカは、検査数 6,551,810人、感染者 1,117,979人、死亡者 65,416人、回復者 164,015人ですから、致命率は5.8パーセント、致命予測率は28.5パーセントです。アメリカではいったん感染すると 3~4人に 1人は死ぬという予測です。

引用終わり

 

  日米ともに一般的に言われている死亡率、あるいは致命率が、致命予測率ではなんと数倍に跳ね上がるというのです。これは聞き捨てなりません。

 

  もちろんこれは統計学を無視したまやかし、あるいは失礼ながら統計学の無知によるものなのですが、統計学にある程度通じていないと論破するのは結構難しいのです。では私の反論をかいつまんで引用します。比較してみてください。

引用

これが予測として正しいとすると、日本もアメリカも大パニックになるでしょう。しかしそんなことはありませんでした。なぜなら感染症の専門家でこの理論を適用する方はいないし、この理論は広まっていないからです。


  では私の考え方を以下に説明いたします。

  • そもそも致死率とは死亡者数を感染者数で割ったもので、これは収束した場合のみに正確な計算ができる。
  • したがって途中経過で回復者数という別の指標を用いて将来予測をするのは合理性に欠ける。
  • その合理性を欠いた数値に「致死予測率」などの名称を付すのは、まぎらわしく危険である。
  • アメリカと日本の致死予測率が5%と13.4%で大きく違うのは、同じ病気なのに疫学的におかしい。すでにほぼ終息に近い中国は5%台であったと結論が出ているが、その数値とも違いすぎる。

 

  ではほぼ結果が出ていることをI名誉教授も認めている中国の当初から現在までの数字を追って、この理論を検証しましょう。数字はWHOのサイトからです。

https://www.worldometers.info/coronavirus/country/china/)グラフにポインターを当てると、日付と実数が見られます。

 

      感染者数  死亡数  回復者数  回復+死亡数 I名誉教授致死予測率

2月2日   17,205   361   836     1,197     30.0%

2月17日   72,436   1,868  14,420      16,288     11.5%

3月1日     80,026   2,912  47,410    50,322     5.7%

 

3月初めから現在までの変化は微小なので省略します。

   致死率の結果の出ている中国でも途中経過の致命予測値と最終数値はそれぞれ大きく違います。最初の2月2日は30%、17日には11.5%、最終的には5%台です。それ自体予測率としては意味を成しません。

  日本はそろそろ新たな感染者数がピークに近いため、中国で言えば2月17日の11.5%に近いと思われます。I氏理論の日本の瞬間数値はそれに近い13.4%で符合します。しかし中国の最終結果は5%台ですから、13.4%に慌てる必要などありません。回復には時間がかかるという「時間軸のずれが数字の振れを起こしている」と推定できます。

  予測値が大きく振れる推計値は統計学的に申しますと、「有意ではない」となります。予測数値として採用は不可という意味です。有意でなくなる理由は、最初に指摘したように、感染者数と死亡者数の最終数字を比較をしなければならないものを、回復者数という別の指標を混入させたためと推定できます。

 

  従って私はI名誉教授理論を「予測数値として妥当ではない」と結論付けました。この記事のタイトルにある「偽情報」とは違います。

  みなさん、どうぞご安心ください。日本でいま感染しても、7-8人に1人死ぬ、なんてことはありませんので。

引用終わり

  ちなみに私の指摘した以下の3つに対しての反論はありませんでした。

  • 同じ感染症なのに、日米で致死予想率がこれほど違うのはおかしい
  • 同じ中国内でも時間経過により数字が大きく違うのは、予測値として有意でない
  • 致死予想率の計算過程で時間軸を無視している

  そのかわり反論として出てきたのは、「私の理論はSNS上で大きな反響を呼び、読者数は延べ数万人です」とのこと。

 さて、みなさんは両者の議論をどう思われますか。そしてこの理論を聞いたことのある方がいらしたら、どのようなところで入手されたのか、是非お知らせいただけますか。

  ちなみに私は大学では経済学部だったので、統計学と計量経済学の授業は受けていますが、そんなものはほとんど忘却の彼方にありました(笑)。しかし20歳代後半、日本経済研究センターで経済予測の研究員をしていた時に、統計学を再度一から教えられ、徹底的に鍛えられたおかげで、マクロの経済モデルも手繰れるようになりました。そのあたりから「林は数字ヲタクだ」と言われています(笑)。

 

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コロナウイルスは何故世界を席巻できたか

2020年04月30日 | コロナショック

  どうやら日本政府は経済優先ではなく、封鎖継続の道を選びそうですね。私としてはとても安心です。そして私の「モラトリアム(支払い猶予)宣言せよ」の声が少し届いたようで、家賃の支払い猶予や減免を国会で審議する可能性が出てきました。封鎖継続にはこうした措置が不可欠です。

  では本題の「コロナウイルスは何故世界を席巻できたか」についてです。

  現在世界でもっとも懸念されているのは、申し上げるまでもなく新型コロナウイルスの蔓延です。一方、世界の政治状況で私が最も懸念しているのは、平気でデマと毒をまき散らす独裁的オレ様政権の跋扈です。コロナショックが世界を覆いつくす今、一番必要なのは各国の連帯によるコロナ阻止です。一国でコロナウイルスの蔓延を防ぐことなど全く不可能で意味をなしません。国境を陸地で接していようが島国であろうが、完璧な鎖国などできない現代の世界では孤立と封鎖は意味をなさないと思います。ましてやワクチンや特効薬の開発なども各国の連携無くしては後れを取ります。

  日本は特に他国との密接な関係により成り立っている国です。エネルギー、食糧という生存に必要な基礎物資のかなりの部分を輸入に頼っています。そして今回明らかになったのは、日本を含め世界がいかに中国に依存していたかでした。マスク一つ国内ではまともに作ってなどいない。より高度な製品であってもサプライチェーンの多くの部分を中国に依存しているため、自動車やエレクトロニクス製品の製造も、中国からの部品供給の停滞により製造ラインをストップせざるを得ませんでした。このことは中国も実は同じで、輸出に頼って国が成立しているため、供給をストップさせることは自分の首を絞めることになるのです。

  グロオーバル化が災いを招いた、それはそのとおりですが、これまで世界人類はグローバル化によって莫大なメリットを受けて、発展してきました。今後も同じです。

 

  こうした相互依存関係が必要であることを多くの国のリーダーもわかっていながら、オレ様独裁者たちは自国優先を主張し他国との連携を拒もうとする。トランプがその最も象徴的リーダーで、彼の最大の主張は「アメリカファースト」です。コロナ感染を食い止めるために必要なリード役はもちろん放棄し、さらにWHOへの拠出金をこの大事な瞬間にストップするという暴挙に出て、人類を破滅の底に投げ入れようとしています。

 

   一方で同じく共産党中国は新型コロナウイルスを初期に隠蔽し、さらにWHOをカネの力で取り込み、感染原因の追求と防止策を遅らせてしまい、人類を破滅に導きかねない状況に追い込みました。こうした愚かな大国のリーダー達により人類全体がどんどん悪い方向に向かって行こうとしています。

 

  こうしたオレ様独裁者の蔓延は大国ばかりではなく、中小国にも及んでいます。核戦力以外では中等国に成り下がったロシアでも、プーチンが皇帝の地位を確立しました。ご存じない方のためにこの3月の出来事を解説します。それはロシア大統領プーチンの驚くべき憲法改正です。3月にロシアは大統領の任期を2回までとする新たな憲法草案を議会で通過させました。

「いままでだって2回なのに、なんでまた?」と多くの方々が疑問に思うことでしょう。

  それにはとんでもない罠が仕掛けられていました。罠とは、次回2024年の大統領選挙から適用される、候補者の資格についてです。これまでの大統領経験者の任期はすべて不問に付す。つまりこれまでのプーチンの任期はノーカウントとされ、新たに2期12年大統領を続けられるとしたのです。

  すでに彼はこれまでの憲法で禁止されていた2期までの制限を、間にメドベージェフをいれることで交して院政を敷いたうえで再選され4期も務め、その後またこんなインチキな憲法改正を通しました。それがいまや皇帝に上り詰めたプーチンなのです。これで2000年から2036年、84歳になるまでロシアの歴史でもっとも長い通算36年に及ぶ独裁政権が成立します。

 

  ウラジミールは友人だと勝手に思っているどこぞの首相など、全く意に介していない独裁者です。反対者がいれば即座に抹殺し、報道の自由を奪い、権力保持のためなら憲法も捻じ曲げる、まさに帝政ロシアの皇帝に成り上りました。すでに正式に終身主席となった習近平と同等です。

 

  さらに中東には親類縁者を含め邪魔者を抹殺するサウジの若きムハンマド王子、フィリピンには法律を超えて殺人を許可するドゥテルテ大統領、コロナウイルスを「インフルエンザと同じだ」とバカにした発言を続けるブラジルのボルソナロ大統領。

 

  何故こうもオレ様独裁者達は判で押したようにコロナウイルスを過小評価しバカにしたりするのでしょう。マスクをしないと宣言したトランプ同様、「自分がコロナより強いところを見せないと気が済まない」のでしょう。そしてきっとコロナ感染が制圧されたあかつきには、「どうだ、マスクなんかしなくてもオレ様が制圧した」と宣伝材料に使うにちがいありません。

 

  私が見るところ、人類共通の敵であるはずのコロナウイルスは、こうした愚かな独裁者たちが争うのを見透かし、その間隙を突いて出現してきたように見えるのです。

 

  以上が今回のお題、「コロナウイルスは何故世界を席巻できたか」への私の回答です。

 

  ではコロナ後に我々がしなければならないことは何か。

 

「我々人類は次なる新たなパンデミックに備え、オレ様独裁者たちを駆除しなくてはならない」

 

 これが私の結論です。

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封鎖継続か経済優先か

2020年04月24日 | コロナショック

  現在のアメリカはコロナ封鎖からの出口を急ぐ選挙優先トランプ対、人命尊重の州知事の争いで大混乱しています。しかも州知事の政策も出口を急ぐ共和党知事対人命尊重の民主党で分裂し、コロナ対策と言うより人の命をもてあそぶようなありさまを示していて、とても懸念されます。この混乱の先は果たしてどうなるのでしょうか。今後の日本も同じ問題に直面することになるので、他人ごとではありません。

  私の尊敬するエコノミストである加藤出(いずる)氏が、4月25日付ダイヤモンド紙上でコロナ対策に関して一世紀前のスペイン風邪の教訓をもとに「出口を急ぐな」という趣旨の投稿をされています。選挙しか頭にないトランプに対する警告でもあります。とても有意義な歴史的教訓で、記事のサマリーを引用しますので、みなさまにもお読みいただきたいと思います。

サマリー引用

 「感染抑制を最優先すべきか? 経済を回すことにもっと注力すべきか?」。これは新型コロナウイルス対策を議論する際に為政者が常に直面する問題である。

 このジレンマを考える上で、米連邦準備制度理事会(FRB)と米ニューヨーク連邦準備銀行、米マサチューセッツ工科大学のエコノミストが最近発表した論文は示唆に富んでいるといえる。題名は「パンデミックは経済を落ち込ませた、公衆衛生介入はそうではない。1918年風邪から得られた証拠」

 内容で興味深いのは、スペイン風邪流行のピーク時だった18年秋の米国の新聞記事が多数引用されている点である。まるで今朝の新聞を見ているかのような類似性を発見することができる。

 以下は当時公衆衛生介入をしっかりと行ったシアトルの新聞と、行わなかったNYなどの新聞の1918年の記事です。

<封鎖継続派>

・「シアトル・スター10月5日、「市長は土曜日の正午に、全ての教会、学校、劇場等の閉鎖を命じた。同午後2時に警官らは街中の劇場、映画館に向かい、営業をやめるよう通告した」。

・シアトル・スター」10月23日、「市の衛生委員会幹部は、感染のピークは過ぎたが、しばらくの間大きな警戒が必要であり、規制の解除はまだ行わない、と水曜日に述べた」

<解除優先派>

・ニューヨーク・タイムズ10月12日の悲観的記事、「五つの劇場が今晩から閉鎖される。来週から合計1ダース以上の劇場がそうなるだろう」。

・ウォール・ストリート・ジャーナル10月25日の悲観的記事、「インフルエンザの感染拡大は今月の小売り販売を深刻に減少させた。小売業団体の幹部は、病気で買い物客が減少しているだけでなく、多くの街で衛生当局が店舗を閉鎖させていると述べた」。

  そしてその後各地域の結果には大きな違いが見られた。スペイン風邪の流行時、強く介入し封鎖を続けたシアトル市と封鎖に消極的だったピッツバーグ市を比べると、死亡率はピッツバーグがシアトルの3倍。その後の雇用の回復は逆にシアトルがピッツバーグの3倍もあった。また、消費支出や銀行の健全性にも同様な大きな差がついた。

  封鎖は短期的には経済に深刻な影響をもたらす。しかしそれを嫌がって早期に解除したりすると感染が拡大し、結果として人々は動けなくなり、生産や消費は長期間停滞した。逆に封鎖を積極的に実施して多くの働き手の健康を守った都市は、パンデミック後の経済の立ち上がりが早かった。

  FRB、ニューヨーク連銀、そしてMITの共同研究者らの結論は、「介入積極派は死者数を減らすだけでなく、パンデミックによる経済への悪影響も和らげることを示している」

引用終わり

  (注)FRBは日銀にあたる連邦準備銀行、ニューヨーク連銀はアメリカ東部における連銀の支店、MITは世界的に有名なマサチューセッツ工科大学でいずれも非常大きな影響力を持つ。

 

  ところが、4月16日のトランプによる性急な段階的封鎖解除政策発表に呼応するように、アメリカの各地でソーシャルディタンスもマスク着用も無視した密着デモが行われています。彼らの掲げるプラカードにはFREE、OPENと並んでTRUMPの文字が目立ち、まるで選挙運動のありさまです。株価もトランプの発表に呼応してだいぶ戻しています。

  歴史の教訓があるのに選挙に勝つためなら死者増加もいとわない愚かな大統領とそれに踊らされるトランプ支持派の選挙民。封鎖継続派と経済優先派のどちらが正しいか、いずれ明らかになるでしょう。

  イギリスではコロナウイルスに感染して懲りたジョンソン首相が、外出禁止をさらに厳しくする罰金制度を導入しましたが、それでも感染者はいっこうに減りません。首相同様、多くの人々が甘く見た結果でしょう。

  では日本はどうか。スローで融通の利かない政府と、目の前に非常事態を抱える地方自治体が争っています。封鎖を巡っても圧倒的に自治体が積極封鎖を唱えているのに対し、政府は手をこまねいているとしかみえません。大人しい日本の国民はデモなど及びもつかず、せいぜいネット上での小競り合い程度でしょう。

  封鎖継続は決して楽なものではなく、多くの経済的犠牲を伴います。そのため前回私が緊急提言したように「モラトリアム」という大胆な手当てが必須です。今後政府の方針が、トランプを踏襲するような短絡的政策でないことを祈ります。

  もっとも私自身はと言えば、もちろん歴史の教訓を大事にし、たとえ政府や自治体が徐々に解除に動いても最後まで自分を律し、安全が確保されるまでは自己封鎖を解除しない方針を貫くつもりです。みなさんはいかがでしょう。

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緊急提言、「モラトリアム宣言」せよ

2020年04月22日 | コロナショック

  毎日の報道や商売をしている友人などの話から必要なのは、いつくるかわからない政府の支援金などではなく、「モラトリアム」(支払い猶予)だと確信した。

 

  モラトリアムとは支払い猶予のことで、例えば家賃をなしにしろというものではなく、支払い期限を延長しろというもの。家賃なしにすることがより有効だとしても、それでは家主は承服できない。であればテナントは支払いを棚上げしてもらい、家主は管理のための電気水道代、ローンの支払いなどを棚上げしてもらう。それだけでなく小売やメーカーであれば商売上の仕入れ代金の支払いや銀行借り入れの返済もすべて猶予する。

  政府は感染防止のため人々のあらゆる活動を停止させるなら、それに対するあらゆる手当をしなくてはならない。政府も保証・補助などは予算の手当てが必要で面倒だが、モラトリアムは宣言すれば済む。スピードも範囲も網羅するのが実に容易だ。これまでの政策は小出し、遅すぎに失していて、効果をちっとも実感できない。

 

  かつて日本でも関東大震災の直後や昭和の金融恐慌では、同じようなモラトリアムによる対処をしている。今はそれらに匹敵する緊急事態のため、躊躇する時間はないのだ。

 

  毎日多くの中小企業が倒産している。企業は大小を問わず、倒産させてはならない。一度倒産してしまうと、そこから立ち上がれる企業はほとんどない。たとえ実質的に倒産に近くとも、企業は停止からの再起動は可能だが、倒産すれば社員、設備、在庫、取引先などがすべてが散逸し、元に戻ることはないのだ。

 

  今回はとりあえずここまで。

ツイッターをされている方々へ、「拡散希望」です!!

 

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