１０月７日

　１０月７日は２つの記念日である。
　７０数回も繰り返した誕生日、これまで何とかこれたことに感謝しつつも感動は少ない。

　もう一つの記念日、お恥ずかしながら１０年余前に始めたブログ「岩手の頑固親父」今回を持ちまして延べ６００回となりました。
　当初、１００回もいけるんだろうかと思いつつ、知らず知らずのうちに６００回目を迎えました。
　　北に位置する土蔵は母屋を冬の北風から護り、白い壁の明るい反射は１２２年の間母屋を明るく照らしてくれましたが老朽化したためにこの秋にも解体を決意しました。
　　
　
　　駄文にお付き合いいただいている皆様方に
　　　　　　　　　　　　　　心から深く感謝申し上げます。

　年令と共に取り巻く社会は狭くなり、DIARYは真っ白、書くことと言えば昔話、ぼやき、”体の痛い話と孫の話は他人様に迷惑”と言われつつ、それしか話題が乏しくなりました。
　ブログを始めた当初は照れ隠しに”ボケ防止”ですと言ってましたが今では本当にボケ防止に書き続けております。
　まだまだ続ける所存ではありますが、時には脱線、勘違い、ボケ等が多々予想されます。
　どうぞご指摘、お叱り下さいまして、
　今後ともよろしくお付き合いくださいますようお願い申し上げます。　

９月２９日

　父は私が満一歳の誕生日を迎える１０日ほど前の９月２９日に亡くなった。
　可愛い盛りの、一人息子の行く末をあんじながら戦時中だったが病死だった。
　後に私が盲腸炎で手術して病室に移されたとき、母が　「この病室だけは絶対に駄目」だと言う、父の臨終の部屋だった。

　数年後、私が小学１年の秋、９月２９日可愛がってくれた祖父が亡くなった。
　息子を亡くし、その弟は戦死、戦後の混乱期農地解放で土地を失った。
　父を失った私のためにと、戦中に大枚たたいて定期貯金をしてくれたが２０年後、満期になった定期貯金は彼女とのデートの足しにしかならなかった。

　更に２０年ほどして、近くに住む伯父（亡くなった父の姉の夫）が９月２９日に亡くなった。
　飲んでは陽気な伯父だったが大陸で従軍したことについては自分から話したことがなかったが、兵隊で一緒だったという人から「機関銃の松」と呼ばれていたと聞いたことがある。
　戦争中のいやなことは思い出したくなかったのだろう。
　　寒さに向かう岩手、これから花は少なくなる。
　ﾑﾗｻｷｼｷﾌﾞがいっぱい実をつけた。

　３人もの身近な人たちが亡くなっている９月２９日は我が家の特異日である。
　３人もの命日、忘れる筈もないが昨今、稲刈りと一緒になると忙しさに　ついうっかり忘れることがある。
　

　自分も９月２９日に逝けば家族の記憶に残ると思うが今年の９月２９日も平穏に過ぎた・・・・

祖父母授業参観日

　今年の秋は例年になく雨模様の日が多く稲刈り作業も遅れがち。
　それでもいったん、晴れさえすればｺﾝﾊﾞｲﾝであっという間の収穫作業
　　運転台からは黄金色の稲穂、１０数年前のｺﾝﾊﾞｲﾝだがよく働いてくれる。
　今のｺﾝﾊﾞｲﾝはすごいらしい。ほこりになることなく音楽を聴きながらスイッチ一つで手放しで進む。
　もっとも値段もすごいらしい。

　小学校の祖父母授業参観は２年と６年の掛持ち参観に出かけた。
　２年坊主も６年お姉ちゃんも、良くやってる・・・・

　昭和２０年代の小学校、祖父母はおろか父母の授業参観の記憶がない。
　学校に出かけるのは決まって運動会、１００人足らずの小さな学校はﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑにいくら知恵を絞っても午前中には終わってしまう。
　お昼を済ませた後はPTAであろうが、なかろうが地域の人たちが多勢押しかけての集落対抗運動会に変身。
　夕方、集落に戻って子供お大人も年寄りもいっぱい集まって賑やかな反省会。
　運動会と父兄が良く学校に行ったのは学芸会。
　父兄が学校に行くのはこの二回しか思い当たらない。
　電話もない時代、お便り帳の記憶もない・・・いったい学校と父兄の連絡、どのようにしたんだろう。
　おそらくは一種の放任、「先生様にお任せしていれば大丈夫」　農作業に忙しい親たちはそう思っていたのだろう。

　新しい校舎ではないが明るい日差しの教室、整った設備、優しい先生に見守られて今の子供たちが羨ましい。