今年の夏は異常に雨が多かった、早池峰の山小屋の管理人が言っていた「山で雨のまったく降らないのは8月にたった2日だけ・・」
雨の合間に大急ぎで殻を残して飛び立っただろうセミ、そういえばこの夏、セミの鳴き声が少なかったような・・・・その分、好天の続くこの秋、10月末の強い霜で木々の葉は色づきは早かった、郷の紅葉も落葉待つばかり、雪が近い。
「元気でやってるか?」いつもの特徴ある声で尊敬する先輩が訪ねてきてくれた。2才上の先輩は、年に1、2回我が家を訪ねてくれる。
特に遠慮とか気遣いのいらない先輩はいつも通り、にわかに片付けた食卓に座って「いつも悪いな、灰皿を・・」酒類は一切口にしない先輩だがタバコはヘビー級、見当たらない灰皿の代わりの皿で一服。
サラリーマン時代に着々準備された農場経営は軌道に乗り、経営はご子息に任せている、近代的な大型機械と広大な農地を利用しての農場は県下トップクラスの規模の大型農場を経営している。話題の中で「新聞では・・」「本には・・」とよく出てくる。実に世の中の見方に詳しい、国内外の政治から社会、等々。
ユーモア交じりの話に、妻も古くから知る先輩の話に頷きながらタバコの合間の茶を入れてくれる。
話の中で「息子は酒を飲まない」と、、先輩も酒は一滴もやらない、聞けば戦死したお父さんも酒はたしなまなかった・・「都合、三代 酒は飲まない」と笑って聞かせてくれた。
3時間ほど話して、大きなピカピカのクラウンで帰る。「小さい車は、怖いから・・」と。
先輩の話はいつも大きな余韻が残る。「三代、酒は飲まない」
比べて、晩酌は毎日タップリ、飲み始めてから約2時間位は人間としての役に立たない毎日、1日2時間✖365日 年に700時間もの無駄な時間を過ごしている。
700時間✖20才から、今日まで60年 気が遠くなるほどの長い時間を無駄にしてきた。
加えて我が家は息子まで三代続けての愛酒家系。答えは明らか、その時間、先輩は本を読み、新聞を読み砕き、経営する事業に生かし、こうして人を指導までしてくれる。
昨今は読んでも役に立たない、忘れるからとめっきり本を読まなくなって、新聞も斜め読み状態、ニュースはスマホの軽い話題に走りやすい、これでは遺憾、反省、今更尊敬する先輩の足元にも及ばないが、まずは今日から晩酌を控え目にして・・・・・
秋の夜長、反省、後悔、遅くらばせながら・・80の決心 (いつまで続く?)